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ナオミ

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スネーク

ナオミ

ナオミ



スネーク

ナオミ







「久しぶりだなスネーク」

「誰かと思えば、大佐……あんたか?」

「相変わらず無愛想な男だな、 スネーク」

「用件はなんだ?」

「君を迎えに行かせたのは他でもない」

「迎えだと? あの武装した兵士達がか?」


「少々、手荒だったことは謝る。しかし、大変な事が起こったのだ。また  君の力が必要になった」

「俺はもう FOXHOUND フォックスハウンド を除隊している。あんたももはや指令官では  ない。命令を受けるいわれはない」

「君は引き受けてくれるよ。そう信じている」

「……」


「失礼……」

「この美人は?」

「Dr.ナオミ・ハンター。 FOXHOUND フォックスハウンド 部隊のメディカルスタッ  フ。 遺伝子治療 ジーン・セラピー 【注1】 の専門家だ」

「軍人か?」

「民間人よ。ATGC社から派遣されているの。よろしくスネーク」

「ごめんなさい。注射をするわね」


「何の注射だ?」

「あら注射が嫌い?」

スネーク

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スネーク

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スネーク

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スネーク

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「……?」

「スネーク聞いてくれ」




「今から5時間前のことだ。アラスカ、フォックス諸島沖の孤島、  シャドー・モセス島が現役の特殊部隊によって占拠された」

「何処の部隊だ?」

FOXHOUND フォックスハウンド 部隊と彼等の率いる次世代特殊部隊」


「……」

「彼等はある要求を 政府 ワシントン に突きつけてきた。それが受け入れられない場  合、核を発射すると通告してきている」

「核を?」

「うむ…、シャドー・モセス島には核兵器廃棄所があるのだよ」

FOXHOUND フォックスハウンド が核ジャック……」


「そうだ、事の重大さがわかってくれただろう」

「君に依頼する任務は二つ。核兵器廃棄所に単身潜入、人質としてとらわ  れた国防省付属機関先進研究局、  通称 DARPA ダーパ 【注2】 の――ドナルド・アンダーソン局長、  アームズテック社のケネス・ベイカー社長、この両名を救出すること」

「人質にしては豪華なメンバーだな」

「そして――テロリストの核発射能力の有無を調査し、事実ならばそれを  阻止することだ」


「質問はあるか? スネーク?」

「質問? 俺はまだ受けるとは言ってないぞ」

「まぁ、状況を聞いてからでも遅くはあるまい?」






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「核兵器廃棄所の状況は?」

「うむ、核兵器廃棄所は地下基地だ。最新鋭の諜報機器を駆使しても内部  の状況は不明だ」

「人間が潜入して内部情報を探るしかないのか…スパイ映画のように…」

「で、潜入方法は?」

「空からの潜入は無理だ」

「この嵐だとな」

「潜水艦で廃棄所の近くまで接近する」

「近くまで?」

「そうだ、数マイル付近までだ。廃棄所には水中聴音装置がある。エンジ  ンやプロペラのノイズを拾う」

「その為に発見される恐れがある」

「そこからは?」

小型潜水 SDV 艇を射出する」


「射出?」

「魚雷と同じだ。推進機は付いていない」

「島に最接近後、潜水艇を破棄。後は泳ぎだ…」

「このアラスカの海を泳げというのか?」

「うむ、その最新スーツが役に立つと思う」



「島全体が核廃棄施設になっている。上陸後は無線機で指示を出す」

「俺の他には?」

「いつもの様に単独での 潜入任務だ スニーキング・ミッション


「装備も武器も現地調達?」

「非公式の極秘任務だ。公式な支援は、あてにせんで欲しい」



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「タイムリミットは?」

「24時間だ」

「彼等は24時間後に核を発射すると言っている」


「核ミサイルの目標は?」

「今の所、目標については触れていない」

「いつからだ。カウントは?」

「既に5時間が経過している」





「大佐、あんたは誰を代表している?」

「勿論、合衆国政府を代表している」

「作戦の責任者は誰だ?」

「合衆国大統領だ」

「という事は――、今頃ホワイトハウスの地下でお祭り騒ぎか?」

「いや、ビデオリンクで話をしているところだ」


「核弾頭が本物だとすると、 政府存続設置 COG 【注3】 発令?」


「いや、まだだ。国防省長官が全権を担って指示を出している」

「君が潜入して事実関係を調査、核が事実なら 政府存続設置 COG が発令され  る」

「彼等がまだワシントン山の核シェルターに避難していないのなら、こん  なに心強い事はない」

国家安全保 NSA 障局 【注4】 も絡んでいるのか?」


国防省情報 DIA 【注5】 も動いている」


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国防省情報 DIA 局? 嫌な予感がするな」


「応援が来ると思う」

「制服連中よりも、核の専門家が必要だ」

「勿論だ。核の専門家を一人つける準備をしている」


「誰かに専門的なサポートをして欲しい。核兵器に関してはこっちは素人  だ」


「わかってる。ナスターシャ・ロマネンコという軍事アナリストに協力を  依頼している。無線機でサポートしてくれるはずだ」

「女のアナリストか」

「核エネルギー調査チームの顧問として成果をあげている人物だ。何か聞  きたいことがあれば彼女と連絡を取ってくれ。彼女はハイテク兵器にも  詳しい」

「その女は、今何処に?」

「ロスの自宅だ」

「カリフォルニアか? こことは大違いだな」


「大佐、退役したあんたがどうしてこの作戦を?」

FOXHOUND フォックスハウンド を知る数少ない男だからだ」


「本当にそれだけか?」

「私は軍人生活が長い。他の人生は知らん。老いてもなお、現場にいた  い」

「大佐、俺はあんたを知っている。本当の事を言ってくれ」

「……すまない、スネーク。わかった。正直に話そう。私の大切な人が人  質になっている」

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「大切な人?」

「姪のメリルだ」


「大佐に姪がいたとは?」

「彼等の 蜂起 ホウキ 当日、数名の FOXHOUND フォックスハウンド 隊員が行方不明になった。急  遽、姪が部隊に補充されたんだ」


「あんたに似てるな?」

「弟の娘だ。弟は湾岸戦争で死んだ。それ以来、面倒を見ている」

「個人的な動機か…軍人らしくないな」

「私は退役している。ただの老人であり、君の友人だ」

「いつ友人になったつもりだ」

「ザンジバーランド陥落の時から君を親友だと思っている」

「俺のような 躁鬱 そううつ 気質はこりごりのはずだ」


「君のそういう所を信用している……頼む、スネーク。あの子を――、メ  リルを助けてくれないか?」

「わかった。そのかわり、条件がある」

「なんだ?」

「俺と大佐の間では隠し事は一切なしだ。それと俺はあんたからしか指示  を受けない。連絡に 第三者 カットオフ を使わない。この二点だ」

「いいだろう。その為に私が呼ばれたんだ。それから……」

「なんだ?」

「私はもはや大佐ではない」

「わかった。大佐」



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ナオミ

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ナオミ


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ナオミ


「そこの女博士も作戦に参加するのか?」

「彼女は FOXHOUND フォックスハウンド 部隊の 遺伝子治療 ジーン・セラピー を担当していた。彼等の事は  一番良く知っている」

「男の裸体も見慣れているってわけだ」

「誤解しないで、これでも科学者よ」

「さっきの注射はなんだ?」

「低温下でも血液や体液が凍らないようにする不凍物質の  『不凍糖ペプチド』とナノマシンの混合液よ」

「ナノマシン?」

「ええ。それも一種類ではないわ。それぞれがアドレナリンと栄養剤、糖  分の補給を行うの」

「食事の心配はいらないわけだ」

「……それにヌゥートロピクス」

「何だって?」

「ヌゥートロピクス、知的認識能力を高める薬」

「頭の回転がよくなる薬か? 他には?」

「ベンゼドリン、服用すると興奮と緊張状態が12時間持続する覚醒剤の  一種…」

「大層なこったな。それだけか?」

「最も重要な通信機のバッテリー、これもナノマシンが補充するのよ」

「この分だとダイエットも頼めそうだな」

「どういたしまして」






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DARPA ダーパ 局長に兵器会社の社長……」



「核兵器廃棄所なんかに何の用があって?」

「……実はテロが起こった時、ここである演習が行われていたのだよ」

DARPA ダーパ の局長とアームズテック社長自らが参加するくらいだ。何か  の新型兵器を使った演習か?」

「それは知らされていない」

「そいつらの正確な居場所は?」


DARPA ダーパ 局長にも発信機を打ち込んでいるの。だから近づけば  レーダー上に彼の位置が表示されるはずよ」


「本当に奴等は核ミサイルを撃てるのか?」

「弾頭のシリアルナンバーまで伝えてきた」

「符合したのか?」


「少なくとも、彼等は核ミサイルを保有している」

「今回のようなテロを防ぐ為の起爆コードみたいなものは?」

「うむ、起爆コード、 PAL パル は存在する。たとえ核弾頭だけでもな」


PAL パル ?」


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「パーミッシブ・アクション・リンク。すべての核ミサイルに装備されて  いる安全制御システムだ」

「だがそれも安心はできん」

「なぜ?」

DARPA ダーパ 局長が発射暗号を知っているからな」


「しかし、核弾頭があったとしても、核ミサイルは解体されているんだろ  う? 廃棄所では核弾頭を外しているものだ。弾道ミサイルなんて簡単  に入手できるものじゃない」

「まぁ、確かにそうだが…冷戦終結後、金さえだせば何でも手に入るご時  世なんだ」


「テロリストは……演習中だったという事だが、どの程度武装をしてい  る?」

「かなりの重装備だ」

「彼等の戦闘経験は?」

「首謀格である6人の FOXHOUND フォックスハウンド はいずれも強者ばかりだ。なんと  言っても、 FOXHOUND フォックスハウンド だからな」

「お褒めいただいて恐縮だ」

「その他の連中は次世代特殊部隊だ。彼等も相当に手強い」


「一体、奴等の要求は何なんだ?」

「ある人物の遺体だ」

「遺体?」



「そう…遺体だ。正確には、ゲノム遺伝情報を含む、ある人物の細胞標本  だ」

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ナオミ



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「細胞標本? なぜそんなものが?」

「テロリスト達にはそれが必要なんだ。実は、次世代特殊部隊隊員達は   遺伝子治療 ジーン・セラピー によって強化されている」

「遺伝子、強化?」

「知っての通り、人のゲノムマッピング、ヒトゲノム計画はほとんどが完  了している」


「さらなるステップとして、今、戦闘に最も適した遺伝子の究明が行われ  ているのだ」

「戦闘に適した遺伝子なんて存在するのか?」

「ああ、実在する。それらを 遺伝子治療 ジーン・セラピー で兵士に還元する」


遺伝子治療 ジーン・セラピー ?」


「そこは、私から説明するわ」


「遺伝子治療によって、病気や疾患を誘発する遺伝子を取り除いたり、逆  に付加したりする事が、容易にできるの」

「つまり、あらゆる遺伝病を克服できると同時に、遺伝的素質を任意に追  加する事もできる」

「戦闘に適した遺伝子がわかれば、それらを組み込むことができる?」

「ええ、そうよ」

「ただし――、戦闘に適した遺伝子の究明がされればの話だ」

「戦闘に最適な遺伝子がなんなのか、それを知る為には戦闘に優れた兵士  の遺伝子を調べる事が重要になってくるの」


「戦闘に優れた兵士?」

「20世紀最強と言われた伝説の戦士…」

「まさか…ビッグボスの事か?」





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「そうよ。彼の細胞から戦闘に適した遺伝子、ソルジャー遺伝子の解析  が、急ピッチで行われているわ。現在までに60のソルジャー遺伝子が  発見されている」

「遺体を回収していたのか?」

「そうだ…。細胞は大切に冷凍保存されている。彼のゲノム情報は人類の  宝だ」

「軍の、だろ?」

「遺体の焼失ははげしかったけど、髪の毛1本あればDNA情報を再現で  きるの」

「その判明した遺伝子を兵士達に?」

「遺伝子ターゲッティングという技術を使ってね。最強の戦士は訓練や経  験等の後天的な要素では生まれない。遺伝子の中に含まれた先天的なも  のが重要なの」

「スネーク…、彼の遺体を渡すわけにはいかんのだ。いかなる大量破壊兵  器よりも戦略的な意味を持つ」

「テロリスト達は自分達の事を…『ビッグボスの息子達』と名乗っている  の」

「『ビッグボスの息子達』…」


「その次世代特殊部隊というのは?」

「もともとは、  バイオ・ケミ・ユニットや、テクニカル・エスコート・ユニット、核エ  ネルギー調査チームから編成された実力対テロ特殊部隊だった。NBC  兵器 【注6】 を含む次世代大量破壊兵器の攻撃に対応する為のな」

「そう、彼等が加わるまでは」

「彼等?」

「彼等はもともと正規軍ではない」



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「様々な人種で構成されているようだが、傭兵出身者なのか?」

「もっと 性質 タチ が悪い。彼等のほとんどが傭兵派遣会社出身だ」


「偉大な英雄、ビッグボスに組織された私兵軍隊だ。そこを軍が買い上げ  た」

ОUTER HEAVEN アウター・ヘブン ……」



「その後、VR部隊『FОRCE21』と合流して訓練された。次世代特  殊部隊はシミュレーション部隊とも呼ばれている。実戦経験はないと  思っていい」

「TVゲーム世代の兵士か」

「でも彼等は 遺伝子治療 ジーン・セラピー を受けてるわ。戦闘に優れた遺伝子を組み込まれ  ているの。だから、実戦経験が浅いといっても気を抜かないで…」


「国際法で 遺伝子治療 ジーン・セラピー の軍事利用は禁じられているはずだ」


「確かに、でも…どれも宣言であって条約ではないわ」

「彼等のほぼ全員が今回の 蜂起 ホウキ に賛同しているんだ」



「部隊全員がなぜ 蜂起 ホウキ を?」


「彼等は 蹶起 ケッキ と呼んでいるわ」


遺伝子治療 ジーン・セラピー による同類意識としか言えん…彼等は部隊を家族と見なして  いる」

「『ビッグボスの息子達』か……正規の軍人なら、定期的にカウンセリン  グを受けていたはずだ」

「思想、信条、忠誠心、愛国心、全ての精神面でAクラスの判定を受けて  いる」

「全員が 蜂起 ホウキ に参加したのか?」


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「いや――、当日数名が集合しなかった。そのため、隊員が補充された」

「事前に何か兆候があったのか?」

「1カ月前、彼等の行動がおかしいとの報告があった」

「ソルジャー遺伝子の情報を無断で引き出し、 遺伝子治療 ジーン・セラピー を行っていたら  しいの」

「あんた抜きでそんな事ができるのか?」

「ええ、遺伝子治療は既に自動化されているわ。それに彼等はみんな  IQ180以上の天才ばかりよ」

「彼等ゲノム兵は存在自体が国家機密だ。下手に刺激はできん。内偵を進  めて、証拠を掴めば逮捕に踏み切るはずだった」



「ハイテク特殊部隊、 FOXHOUND フォックスハウンド 。かって君が所属し、私が指揮を  とったこともある特殊部隊だ。あらゆる技能と知識を持ち合わせている  精鋭中の精鋭。それは私が退役した後も変わっていない」

「まだ存在していたとはな」

「今回のテロには6人の FOXHOUND フォックスハウンド 隊員が参画している」



「サイキック能力を持つ、サイコ・マンティス。天才女狙撃手、  スナイパー・ウルフ。変装の達人、デコイ・オクトパス。  巨漢のシャーマン、バルカン・レイブン。拳銃の名手だけでなく拷問の  スペシャリストとしても知られるリボルバー・オセロット」

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「これじゃ、まるでコミックじゃないか…」

「そして彼等を率いるのが FOXHOUND フォックスハウンド の実戦部隊リーダー、  リキッド・スネークだ」

「リキッド・スネーク?」

「そうだ…。奴に対抗できるのは君しかいない」


「リキッド・スネーク?」

「リキッド・スネーク、君と同じ暗号名を持つ男……固体のソリッドに対  して、液体のリキッド…」

「何者だ?」

「彼は10代で湾岸戦争に参加した。 英空軍特殊 SAS 部隊 【注7】 での最年少  記録だ。スカッドミサイルの移動発射台を破壊する特殊任務だった…」


「君もグリーンベレーと共にイラク西部に潜入したはずだ」

「俺もまだ10代のガキだった」

「詳しい事は極秘だが、もともと彼は イギリス情報 SIS 局のスリーパーとして  中東に潜伏していたらしい」

「イギリス情報局、SIS 【注8】 の男か」


「しかし、彼はセンチュリー・ハウスに姿を現した事は一度もない」

「彼はイラクの捕虜となり、その後消息を絶った」

「君の除隊後救助され、 FOXHOUND フォックスハウンド に入隊した……」


「俺の除隊後なら暗号制は廃止されているはずだ」

「本名はわからん。何もかも極秘扱いだ。私でさえも見る事はできん。こ  れが彼の写真だ」



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「……!!(絶句)」

「驚いたろう。肌の色こそ違うが、何もかも君にうりふたつだ」

「俺に双子が…?」

「詳細はわからんが、そういう事だ。この作戦には君が必要なんだ」

「彼に勝てるのはあなたしかいないのよ。あなたに今、逢って確信した  わ。あなたにはリキッドにない何かを感じる」

「気休めにもならんな」


「ハサミを貸してくれ」

「どうするつもり?」

「心配するな。ちょっとさっぱりしたいだけだ」

「え?」

「テロリストのリーダーに間違われたくないからな」














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「アラスカ、フォックス諸島沖の孤島、シャドー・モセス島にある核兵器  廃棄所を…、 FOXHOUND フォックスハウンド 部隊と彼等の率いる次世代特殊部隊が突  如として 蜂起 ホウキ 、島を占拠した」



「彼等が政府につきつけた要求はビッグボスの遺体だ。それが24時間以  内に受け入れられない場合、彼等は核を発射すると通告してきている」


「君に依頼する任務は2つ。廃棄所に潜入して、人質としてとらわれた   DARPA ダーパ 局長ドナルド・アンダーソン……」



「……アームズ・テック社社長ケネス・ベイカーの両名を救出すること、  そしてテロリストの核発射能力の有無を調査し、事実ならばそれを阻止  することだ」

「で、潜入方法は?」



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「潜水艇で廃棄所の近くまで接近する」

「そこからは?」

「小型潜水艇を射出する」

「島に最接近後、潜水艇を破棄。後は泳ぎだ…」

「ハイテク特殊部隊、 FOXHOUND フォックスハウンド 。かって君が所属し、私が指揮を  とったこともある特殊部隊だ」

「まだ存在していたとはな」

「今回のテロには6人の FOXHOUND フォックスハウンド 隊員が参画している」


「サイキック能力を持つ、サイコ・マンティス。天才女狙撃手、  スナイパー・ウルフ。変装の達人、デコイ・オクトパス。  巨漢のシャーマン、バルカン・レイブン。拳銃の名手だけでなく拷問の  スペシャリストとしても知られるリボルバー・オセロット」

「これじゃ、まるでコミックじゃないか……」

「そして彼等を率いるのが FOXHOUND フォックスハウンド の実戦部隊リーダー、  リキッド・スネークだ」

「リキッド・スネーク?」

「君と同じ暗号名を持つ男…」

「島全体が核廃棄施設になっている。上陸後は無線機で指示を出す」

「俺の他には?」

「いつものように単独での 潜入任務だ スニーキング・ミッション


「装備も武器も現地調達?」

「非公式の極秘任務だ。公式な支援は、あてにせんで欲しい」


























リキッド

リキッド




























「(OFF)いいか、奴は必ず来る。気を抜くな」

「(OFF)俺は今からうるさい蝿を落としてくる」























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「こちらスネーク…。大佐、聴こえるか?」

「良好だ、スネーク。状況はどうだ?」

「やはり、地上へのルートは中央の昇降機だけらしい」

「そうか…。予定通り、昇降機を使って地上へ出るしかないか」

「くれぐれも見つからんようにな」

「なにかあれば無線連絡をくれ。周波数は140.85だ」

「無線機を使いたいときは無線ボタンを押すんだ」

「こちらから連絡がある場合はコールする」

「コール音が鳴ったら、無線ボタンを押してくれ」

「耳小骨を直接振動させるものだ。敵には聞こえない」

「わかった。 作戦 ミッション に入る」










































スネーク



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ナオミ

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ナオミ

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ナオミ

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スネーク

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「こちらスネーク。地上の廃棄所前に到着した」


「予定通りだな。ブランクがあるとは思えん」


「かなり時間がかかったようだな。やはり、ブランクがあると辛いか?」

「心配するな。既にカンは取り戻した」

「スニーキング・スーツはどう?」

「ドライ効果は高いな。だが身動きが取りにくい」

「我慢して。低体温症を防ぐためよ。そこはアラスカなのよ」

「わかってる。感謝してるさ。君が注射してくれた不凍液のお陰で水中で  凍り付くことはなかった」

「不凍糖ペプチドよ、スネーク。今回の演習でゲノム兵も使用してるわ」

「なるほど、安心した。実験済みってわけだ…。ところで 陽動作戦 フェイント・オペレーション の方は  どうなった?」

「既にF16が二機、ガレーナ基地からそちらに向かっている。今頃はテ  ロリストのレーダーにも捕捉されているはずだ」







「ハインドD?」

「(多少の不信を込めて)大佐…、ロシアの 重攻撃ヘリ ガンシップ がなぜここにあ  る?」


「わからん…。だが奴等が 陽動作戦 フェイント・オペレーション に引っかかったのは確かなようだ。今  のうちに潜入してくれ」





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メイ・リン

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メイ・リン



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メイ・リン

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メイ・リン

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メイ・リン


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メイ・リン




メイ・リン


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「彼等の指定したタイムリミットまで、18時間を切っている。もう時間  が無いんだ」

「それにしても、この嵐の中でハインドを飛ばすなんて、無茶ね」

「誰だ?」

「ああ、まだ紹介していなかったな。ソリトンレーダーと無線機システム  の開発者、メイ・リンだ。画像・データ処理の専門家として同行しても  らった。レーダーや無線機については、彼女に聞いてくれ」

「はじめまして、スネーク。伝説の 英雄 ヒーロー とお話できるなんて嬉しいわ」



「……」

「どうしたの?」

「いや…、画期的な軍事技術の開発者が、こんなにかわいい女の子とは思  わなかったものでね」

「スネークったら、お世辞は下手ね(と言いつつ嬉しい)」

「お世辞じゃない。これからの18時間、退屈せずにすみそうだ」

「何それ? 伝説の 英雄 ヒーロー に口説かれちゃった…。でも意外ね…。こんなに  フランクな人だとは思わなかったわ」

「俺達は互いの職業に偏見を持っていたみたいだな」

「そうみたい。これから理解を深めていくことにしましょう。それじゃ、  ソリトンレーダーの説明をするわ」


「中心の光点がスネーク、あなたよ。赤い光点が敵の位置、蒼い円錐が敵  の視界」

「スネーク、気をつけてね。ゲノム兵は 遺伝子治療 ジーンセラピー を受けているから視覚  と聴覚が鋭いわ。視界に入らないように注意して」

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ナオミ


メイ・リン

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メイ・リン


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メイ・リン


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ナオミ

メイ・リン


メイ・リン

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ナオミ

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メイ・リン

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「まずは廃棄所に潜入して、 DARPA ダーパ 局長を捜すんだ」


「局長にもあなたと同じGPS発信器用のナノマシンが注入されている  わ」

「レーダー上に緑の光点となって表示されるはずよ」

「彼からテロリスト達の情報を聞き出せ。もし生きていたらの話だが  な…」

「スネーク、ソリトンレーダーは気象には影響されないけど、敵に発見さ  れると使えなくなるわ」

「うむ、簡単に妨害されてしまうんだ」

「ソリトンレーダーはもはや既存技術なの。それと音響共鳴の強い空間で  も使えないから気をつけて」

「君の行動はレーダーを介して、我々がモニターしている。何かあれば無  線機を使ってくれ」

「わかった。寂しくなったら連絡する」

「無理をしないで、スネーク。何かあれば私達に相談して」

「潜入データの記録も私が担当してるの。 記録 セーブ したいときは私に連絡して  ね」

「周波数は140.96。 記録 セーブ 用の専用回線よ。覚えていてね」


「今回も双眼鏡以外の武器装備は全て現地調達だ」

「ドクターに丸裸にされて、何もかも取り上げられたからな。あの時の気  持ちもわかってもらいたいな」

「わかったわ。生きて帰れたら、私を調べて良いわ」

「それは夢のある話だ。悪いが、煙草だけは携帯させて貰ったよ」

「どうやって?」

「胃の中にね…。君が胃液を抑える薬を入れてくれたおかげだ」

「煙草なんか、何の役にも立たないわよ」

「そうとは限らんよ」






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スネーク



スネーク



スネーク

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「潜入するとすれば…まず正面の扉」


「一番の近道だが、敵に見つかる可能性が高そうだな」

「ノックしても簡単に開けてくれるとは思えん」


「……左と右に歩哨が1名ずつ……」


「装備は5.56ミリのトランペットに、パイナップル……」

「正面扉の脇にあるダクトはどうだ?」

「2階にもダクトがあるはずだ」



「ここからでは見えないな」


「潜入ルートは君次第だ。スネーク、頼むぞ」








兵士A



兵士A



兵士A



兵士A



兵士A







「積み荷はこれだけか?……」


「ヘリポート行きだな……」


「渓谷行きだな……」


「核弾頭保存棟行きだな……」


「通信棟北の大雪原行きだな……」

















兵士A

兵士B

兵士A

兵士B

兵士A

兵士B

兵士A



兵士B

兵士A

兵士B

兵士A









「ソーコムピストルの運び込みは?」

「ああ、終わった。だが問題がある」

「なんだ?」

「扉のセキュリティが壊れていた」

「じゃあ…、扉は開きっぱなしか?2階の何処だ?」

「東側の部屋」

「ボスに見つかる前に直しておかないと…」


「ああ、それよりも聞いたか? 外で侵入者があったらしい」

「何だって! 遂に実戦か……」

「ああ、だから扉が開いたままではまずい」

「扉を直すように連絡しておこう」










兵士A

兵士B

兵士A




スネーク

兵士A

兵士A

スネーク



兵士B

兵士A

兵士B

兵士A

兵士B

兵士A



スネーク

兵士A






DARPA ダーパ の局長は……地下1階の独房に移しておいたぞ」


「通風口の掃除は?」

「さっき、通風口のフタを開けた。これからネズミの駆除を始めるところ  だ」


「地下1階の通風口…」

「終わったら通風口のフタを閉めておけ」

「それと、独房の女(メリル)を見張ってろ。気を抜くんじゃないぞ」

「独房の女?」


「何かあったのか?」

「侵入者がいるんだ」

「本当か?」

「もう3人もやられている」

「(怯え)3人も……殺されたのか?」

「(深刻)ああ…。しかもそいつは――ステルスらしい」


「ステルス? 俺の他に誰か侵入者が?」(ニンジャのネタ振り)

「とにかく、局長の警備を強化しておけ」









ジョニー

ジョニー











スネーク






「どうやら風邪をひいたようだ。アラスカがこんなに厳しいなんてな」

「しかし、あの女……結構いい線いってるよな」







「女か……違うな」












局長

スネーク

局長





スネーク


局長





局長


スネーク

局長

スネーク

局長

スネーク




局長

スネーク







「だ…誰だ!?」

「助けに来た。 DARPA ダーパ の局長、ドナルド・アンダーソンだな?」


「助けに来た? どこの所属だ?」



「俺はあんたらの様なロクデナシを助ける為に雇われた哀れな捨てゴマ  だ」

「本当か? ……」



「確かにテロリストの一味ではないようだな。ならば、ここから早く出し  てくれ」

「大丈夫だ、心配するな。先に情報を知りたい。テロリストの事だ」

「テロリスト?」

「奴等は本当に核を撃てるのか?」

「どういうことだ?」

「テロリストは 政府 ホワイトハウス を脅迫している。要求を飲まなければ核攻撃を仕掛け  ると言ってな」


「何ということだ……」

「どうなんだ?」



局長



メリル

スネーク




局長



局長


スネーク

局長






スネーク

局長


スネーク


局長

スネーク

局長




局長



スネーク


「……可能だ。奴等は――核を撃てる」


「?」

「(OFF)どうやって撃つつもりだ? ここは解体した核弾頭を保存し  ておく為の施設だろう? 核ミサイルなんて無いはずだ」


「それは表向きの話だ。いいか」


「ここで、ある新型兵器の演習が行われていたのだ。  兵器史上に残る、な」

「なに?」

「地球上のあらゆる地点からの核攻撃を実現する……  核搭載歩行戦車……」



「メタルギア!? まさか……」

「知っているのか? ……メタルギアは――、極めて機密性の高い   隠密計画 ブラック・プロジェクト のひとつ。どこでその名を知った?」

「昔から多少縁があってな。あんたがこの廃棄所にいたのはそれが理由  か」

「そうでなければ、私がわざわざこんな辺鄙な所まで来たりはせん」

「メタルギア計画は全て破棄されたと聞いているが?」

「いや、アームズ・テック社と我々の手で大きなプロジェクトに育て上げ  た。今回の演習を材料にして、量産に移行する計画だった」


「(苦々しい口調の演技)奴等の 蹶起 ケッキ さえなければな」



蹶起 ケッキ ……?」




局長

スネーク



局長





局長



局長



ジョニー











スネーク




局長


スネーク

局長

スネーク

局長



「レックスはテロリストの手に渡ってしまった……」

「レックス?」


「メタルギア・レックス。新型メタルギアのコードネームだ」



「(OFF)もう奴等はレックスへの核弾頭装備を完了しているはずだ」


「奴等はその道のプロだ。兵器の整備・取扱いにも慣れている」


「おい! うるさいぞ! 静かにしてろ」






「しかし、核弾頭には安全装置が組み込まれているはずだ。起爆コード入  力式の……」


「ああ PAL パル の事か。確かに PAL パル はある。2つのパスワードを入力しな  ければ発射できない仕組みだ」

「パスワードが2つ?」

「そうだ。私とベイカーが一つずつ知っていた」

「ベイカー? 誰だ?」

「ケネス・ベイカー。アームズ・テック社の社長だ。我々2人の起爆コー  ドを両方とも入力しなければ発射はできないのだが……」

局長



スネーク



局長



スネーク

局長

スネーク



局長

スネーク

局長





局長

スネーク



局長

スネーク

局長


スネーク

局長



メリル

「私のパスワードは知られてしまった」


「喋ったのか?」


「サイコ・マンティスは人の心を読む。抵抗は出来ん」


「サイコ・マンティス?」

FOXHOUND フォックスハウンド の一員だ。 読心 リーディング 能力を持っている」


「厄介だな…」


「(OFF)おそらくマンティスはベイカーのパスワードも……」

「もし、奴等が――ベイカーの起爆コードを手にしていたら……」

「そうだ。いつでも核を撃てる」



「だが、核発射を止める方法はある」

「何?」


鍵だ PALキー


「鍵?」

「システムの開発元であるアームズ・テック社が緊急時のために用意して  いるものだ。暗号を使わずにセイフティを入力、解除できる」

「それを使えば……」

「ああ。核発射をくい止める事ができる」


「あの鍵が?」



スネーク

局長



局長


スネーク


局長

スネーク

局長


スネーク

局長




局長


局長

スネーク

局長


スネーク



スネーク

局長

スネーク

局長



「その 鍵は PALキー どこに?」


「ベイカーが持っていたはずだ」


「(OFF)いいか、 鍵は PALキー 3つ必要だ。ロックは3カ所ある。それを解除  すればいい」

鍵は PALキー 3つあるんだな? それで、そのベイカーの居所について、  あんた、何か知っているか?」

「地下2階のどこか」

「地下2階?」

「妨害電波が出ている地域に移されたらしい。見張りがそんな事を言って  いた」

「手がかりは?」

「奴等、入口を塗り固めたらしい。だが充分な時間はなかったはずだ。壁  の色が違う所を探してみてはどうだ?」


「これを渡しておこう。私のIDカードだ。セキュリティ・レベルが1の  扉なら開く」

「このカードは PAN パン という人体通電技術を使っている」


「パーソナル・エリア・ネットワークか?」

「人体の持つ塩分を伝導体としてデータ伝送を行うものだ。扉のセキュリ  ティ装置に近づくだけで カード 内のデータを確認する」

「近づくだけで扉を開けられる、と言う事だな」


「わかった。脱出するぞ?」

「ちょっと待ってくれ」

「何だ?」

「…他に PAL パル を解除する方法を聞いているんじゃないのか? お前の雇  い主から」

スネーク



局長

スネーク

局長

スネーク

局長

スネーク





局長



スネーク

局長



局長

メリル



メリル





スネーク



スネーク



「いや」


「本当に何も聞いていないんだな?」

「くどいな?」

「では、 政府 ホワイトハウス は要求を飲む気があるのか?」


「それは奴等の問題だ。俺の任務とは関係ない」

「しかし、 国防総省 ペンタゴン は…」


国防総省 ペンタゴン ?」




「……? グフッ!」


「どうした?」

「な……なぜっ!?」


「(OFF)……うおおっ!!」

「どうしたの!?」


「何かあったの! ねぇ!!」



「!?」


「死んだ……」





スネーク

ナオミ


キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク


キャンベル

スネーク

キャンベル




「ナオミ、局長が! 何があった?」

「(ちょっと動揺。局長相手にFOXDIEを仕込んだ覚えはない)わか  らないわ。心臓発作のようだけど……」

「心臓発作? もしや…?」

「……(不信)大佐、俺に何か隠しているのか?」

「……ない。わかってくれ。今回のテロはコード・レッドのセキュリティ  レベルが敷かれている。真相を知るには最高度の 機密接近資格 セキュリティ・クリアランス が必要  だ」

「作戦を任されている大佐が、最高機密のアクセス権限を持っていないと  いうのか?」

「本作戦の司令官は国防省長官だ。私は君のサポート役にすぎない……」

「……」

「(気まずさ、後ろめたさを誤魔化すように)スネーク、議論をしている  時間はない。そこから脱出しろ! ベイカー社長を探すんだ」












兵士(メリル)

スネーク



兵士(メリル)





兵士(メリル)





兵士(メリル)







スネーク

スネーク

兵士(メリル)





スネーク

兵士(メリル)









「動かないで!」(女の声)

「……(絶句)」


「局長を殺したわね。 ひど いことを……」




「リキッド!? いや違う?」



「動かないで!!」




「人に銃を向けるのは初めてか?」

「手が震えているぞ」

「!」



「撃てるかっ!? 新米!」

「馬鹿にしないで、新米じゃない!」


スネーク


兵士(メリル)

スネーク



兵士(メリル)



スネーク





兵士(メリル)

スネーク

兵士(メリル)



スネーク

兵士(メリル)











スネーク







「嘘をつけ! 視線が定まらず、自信が感じられないその目つき。  ……新兵特有の目だ。生身の人間を撃ったことはないだろ?」

「無駄口の多い男ね……」

「安全装置が外れてないぞ」


「言ったでしょ! 新米扱いしないで!!」


「奴等の仲間じゃないな?」



「そこの扉を開けなさい!  カード を持ってるでしょう」


「どうして?」

「ここからおさらばする為よ」


「その必要はなくなったようだな」

「チッ!」






「何をしてる! 撃てっ!! 怯むな!!」











兵士(メリル)







スネーク





スネーク














リキッド

オセロット

マンティス

リキッド

マンティス







「もう、あんたには用無しね」




「待てっ!」



「お前は一体っ!」








「(怒り)馬鹿が。殺してしまうとは……」

「すいません。つい……」

「(呼吸音)……こいつの 精神防壁 プロテクト は強力だ。 侵入 ダイブ できなかった」


「(焦燥)まずいな。このままでは起爆コードが……」

「ボス、俺に良い考えがある」













スネーク









マンティス










スネーク


ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク









「クソッ!」





「いい子だ…。その調子だ…」






「ナオミ! 今おかしな幻覚が見えた。ナノマシンの故障じゃないの  か?」

「いいえ、スネーク。ナノマシンは正常に動作しているわ」

「じゃあ、何だっていうんだ?」

「それはきっと FОXHОUND フォックスハウンド のサイキック、サイコ・マンティスの精  神干渉ノイズよ。彼の記憶の一部が逆流してきたんだわ」

「あれがマンティス……?」









スネーク



AT社長





AT社長

スネーク



スネーク



スネーク





AT社長







スネーク













「遅かったか?」


「うぐっ!!」



「!! ……ふっううっ……」

「生きていたか?」


「アームズ・テックの社長、ケネス・ベイカーだな?」


「心配するな。助けに来た」



「触るな!」




「C4爆弾!」




「そうだ。そのワイヤーに触れると、そいつ共々C4が爆発する!」





オセロット



スネーク

オセロット





オセロット





オセロット




オセロット



オセロット




オセロット



オセロット







オセロット



「お前がボスのお気に入りか?」


「お前は!?」

「私は FОXHОUND フォックスハウンド 部隊……」




「リボルバー・オセロット!」



「待っていたぞ。 ソリッド・スネーク!」


「お前が噂どおりの男かどうか、試してやろう!」


「こいつは世界で最も高貴な銃、 シングル・アクション・アーミーだ」


「6発だ。6発以上、生き延びた奴はいない」


「私がなぜリボルバーと呼ばれているか、じっくりと味わわせてやる」




「来いっ!!!」










オセロット


オセロット




オセロット

オセロット








オセロット





オセロット











オセロット








「いいセンスだ。やはりボス(リキッド)と同じコード  (遺伝暗号とコードネームのダブルミーニング)を持つ男」

「久しぶりだよ。これほど充実した闘いは……。そろそろ本気を出して行  こうか」


「ふむ、拍子抜けしたな。やはりボス(リキッド)とは違う」

「遊びは終わりだ。お前は闘うに値しない。せめて苦しまずに殺してやろ  う」




「なに!!」



「右手がっ!!」






「うぐっ!!」






オセロット



オセロット



オセロット







スネーク

忍者





AT社長





AT社長



忍者









スネーク



「ステルス迷彩かっ!」


「死に損ないがっ……!」


「邪魔が入った。また逢おう!」




「誰だ……!?」

「名前などない……お前と同じだ」



「う、ううう!」



「その強化骨格は……」


「ぐぅわぁぁぁぁぁ!!!」





「奴は、一体?」








スネーク



AT社長

スネーク



スネーク


AT社長

スネーク

AT社長



スネーク

AT社長

スネーク

スネーク





AT社長


スネーク



AT社長

スネーク

AT社長





「話せるか?」


「ああ……、君は?」

「奴等の仲間ではない」


DARPA ダーパ 局長は起爆コードを知られたと言っていた。あんたの起爆  コードは?」

「ふん、なるほど……。ジム…… 国防総省 ペンタゴン 【注9】 の遣いか」


「…質問に答えろ」

「……」


「起爆コードは? 時間が無いんだ」

「……私は……喋ってしまった」

「何!」

「これで起爆コードは2つとも奴等の手に渡ってしまった……」



「私だって抵抗しなかったわけじゃない。サイコ・マンティスの 侵入 ダイブ はか  わしたんだ」

「サイコ・ソルジャーの 読心能力 リーディング を? どうやって?」



精神手術 プロテクト だ」


精神手術 プロテクト ?」


「我々のような極秘コードを知る者は、皆手術を受けている」

スネーク

AT社長

スネーク

AT社長

スネーク

AT社長



スネーク

AT社長



スネーク

AT社長

スネーク

AT社長



AT社長

スネーク



AT社長



AT社長



AT社長



スネーク



スネーク

AT社長

DARPA ダーパ 局長もそうなのか?」


「そうだ」

「確か局長はマンティスに起爆コードを読まれたと……」

「聞き違いじゃないのか?」

「いや……まあいい。なぜ、あんたの起爆コードは奴等に知られた?」

「(苦々しく)……拷問に耐える訓練なぞ受けておらんからな」


「その様子じゃ、相当可愛がられたようだな」

「あいつは普通じゃない。明らかに拷問を楽しんでおった……」


「その腕は?」

「奴に折られた……」

「おあいこだ。あいつも腕を無くした」

「フッ……面白い男だな?」


「……それで、 DARPA ダーパ 局長はどうした? 無事か?」


「死んだ」


「な、なんだと?」


「まさか!」


「約束が違うじゃないか? ジムめ! やはり私の口封じを!」


「落ちつけ!」


「何を勘違いしている? 俺はあんたを助け出すように言われただけだ」

「……」

スネーク


AT社長



スネーク

AT社長


スネーク

AT社長

AT社長



スネーク

スネーク

AT社長

スネーク

AT社長



スネーク

AT社長

スネーク

AT社長

スネーク

AT社長


スネーク

AT社長

AT社長

DARPA ダーパ 局長も俺が殺したわけじゃない。心臓発作のようだっ  た……」

「(極めて訝しげ)心臓発作だと? 馬鹿な!」


「とにかく、起爆コードは2つとも奴等の手に渡ってしまった」

「連中、完全にイカれとる。奴等なら核の発射をためらうことなどな  い……」

「だろうな。一体奴等の目的は何だ?」

「さぁな…。だが、我々武器屋が必要とするように……」

「彼等も戦争の火種を必要としているのかもしれん」


「いずれにせよ好きにさせるわけにはいかない」

「今も 鍵を PALキー 持っているか?」


鍵? PALキー


「起爆コードを緊急解除する 鍵だ PALキー 。あんたが持っていると聞いた」


「もう、ここにはない」


「何だって? まさかテロリストに?」

「いや。女に渡した」

「女? 誰だ?」

「一緒に独房に入れられていた兵士だ」

「独房? あの女兵士か?」

「当日演習に合流したばかりの新兵らしい。 蜂起 ホウキ への参加を断わって、捕  まったと言っていた」

「当日に合流? では……あの女が大佐の姪?」

鍵は PALキー 彼女に渡した」


「脱獄には成功したらしいが、無事だろうか?」



スネーク


AT社長

スネーク

AT社長




スネーク

AT社長

AT社長

スネーク



AT社長

スネーク




AT社長


スネーク

AT社長


スネーク



AT社長

スネーク

AT社長



「無事だろう。新米だがしたたかだよ、彼女は。しかし、どうして脱獄の  ことを?」

「彼女とは無線機で連絡を取り合っていたんだ。ここに縛られるまでな」

「無線?」

「そうだ。看守から奪ったものらしい。今でも、彼女が無線機を持ってい  たら、話せるはずだ」


「大丈夫、持っているはずだ。周波数帯はどこを使っていた?」

「よし、無線機の周波数を教えよう」

「ん? ……すまん、ド忘れした」

「クソッ」


「そうだ、パッケージの裏に載っているはずだ。連絡を取ってみろ」

「ああ、まず彼女に話を聞いてみよう。 鍵が PALキー 手に入らなかった場合、核発  射を防ぐ手だてはあるのか?」


「そうだな…… うちの社員 アームズ・テック の  ハル・エメリッヒという男を探してみろ」

「誰だ、そいつは?」

「メタルギア・プロジェクトの開発チーフ。優秀な技術者だ。少々変わり  者だが……。あいつなら発射を食い止める手だてを考えつくかもしれな  い」

「方法を思いつかなければ?」


「破壊するしかない。エメリッヒなら破壊方法も知っているはずだ」

「その男はどこに?」

「おそらく、核弾頭保存棟のどこかに軟禁されているだろう。ここから北  にある。奴の仕事場はそこだった」



スネーク


AT社長








AT社長


スネーク

AT社長


スネーク

AT社長


スネーク

AT社長


スネーク

AT社長


AT社長




AT社長


スネーク


「わかった……しかし、なぜメタルギアなんだ? 核の時代は20世紀末  に終わったはずだ」

「それは違う。核の脅威は消えてはいない。以前よりもよりリアリティを  増している」




「使用済み核燃料、解体核プルトニウムは今も増え続けている……。あん  た、どこでもいいが、核物質貯蔵庫を見たことがあるか?」

「いいや」

「広くもない地下貯蔵庫に、核廃棄物を入れた容器が山積みになってい  る。核物質には有効な処理法も利用法もないからな」

「ただ放り込むしかないということか」

「うむ…。しかもその管理はずさんを極める。多くの貯蔵容器が腐食し、  廃液が漏れ出していた」

「ひどいな」

「それだけじゃない。年に何キロかの MUF マフ (核物質不明量)も発生して  いる」

MUF マフ ?」


「核物質不明量を示す言葉だ。核物質の闇取り引きが横行している証拠  だ」

「さらに冷戦の終結以来、特にロシアの核技術者は職にあぶれ、行き場を  失っている」


「つまり、核兵器製造に必要な技術者と核物質。そのどちらも、簡単に手  に入るんだよ。どんな小国でも核武装可能な時代になったんだ」

「他の核大国はどうなんだ?」

AT社長

AT社長

AT社長



スネーク

AT社長


スネーク

AT社長


AT社長

スネーク

AT社長


AT社長

スネーク

AT社長

AT社長



スネーク

AT社長

AT社長



「ロシアも中国も依然として核抑止を継続している」

「核廃絶の実現など不可能なのだ」

「だからこそ、抑止理論を保つには圧倒的な兵器が必要なのだよ」


「それが、メタルギアか?」

「うむ。『平和』という幻想に基づく軍縮……折りからの経済不振で、  我々の業界は大きな打撃を被った」

「大手兵器企業の買収、合併……よく聞く話だな」

「次期主力戦闘機計画の入札にも失敗した我が社にとって、  メタルギア・システムは生き残りをかけた切り札だった」

「そのために 隠密計画 ブラック・プロジェクト として開発を進めていたのだが……」


隠密計画 ブラック・プロジェクト ?」


国防総省 ペンタゴン 影の予算 ブラック・バジェット による 隠密計画 ブラック・プロジェクト だ。余計な手続きを避け、兵器開発  でリードタイムを稼ぐことができる。誰も手出しはできん」

「たとえ、国防省監視委員会の連中でさえもな」

「癒着…か」

「軍産複合体と言ってくれ」

「今回の演習結果で正式採用が決められるはずだった……」


「あんたの会社の経営が、どうなろうと知ったことじゃない」

「フンッ。あんたら兵隊に、我々の苦悩などわかるまい……」

「ほら、これが目的なんだろう?」


スネーク

AT社長

AT社長


スネーク

AT社長

AT社長


AT社長


スネーク

AT社長





スネーク

AT社長



AT社長

スネーク




AT社長

スネーク

AT社長

スネーク



AT社長


スネーク

「それは?」

「光ディスクだ。ここに全てが入っている」

「ハードディスクは銃弾でクラッシュした。データはもうこの中にしかな  い」

「何のデータだって?」

「例の演習データを収めている」

「別にとぼけることはない。あんた、これを回収するように言われて来た  んだろう? 私はあの拷問マニアからこれを守りきった」

「奴等はこのディスクの存在にまだ気が付いていない。  この事をジムに……あんたのボスにちゃんと報告しておいてくれよ」

「……」

カード も渡しておこう。セキュリティレベルが2の扉ならこれで開く」




「歩けそうか?」

「いや、ここで休ませてくれ」


「奴等ももう、私には用はないはずだ」

「もうひとつ聞きたい。さっきの 忍者 サイボーグ は何だ? 何か知ってるんじゃない  のか?」


「ああ、あれか……あれは FOXHOUND フォックスハウンド の暗部だ」


「暗部?」

「実験体――、ゲノム兵士のな。ゲホッ!」

「知ってるのか?」


「私より、 FOXHOUND フォックスハウンド の……Dr.ナオミ・ハンターに聞いてみた  らどうだ?」

「ナオミ?」



AT社長


スネーク

AT社長



スネーク





AT社長



AT社長


スネーク



AT社長





スネーク






「とにかく奴等を止めねばならん。アレが公になれば我が社も私も……  終わり……」

「メタルギアは既存技術じゃないのか?」

「それ自体はな。だが……」


「おいっ!!」



「貴様、何かしたなっ?」


「まさか、例の!?…… 国防総省 ペンタゴン の役人どもめ……  そうか……そういうことか……!」

「何を言ってる?」


「奴等は……お前を……利用し……」



「なぜだ!?」






スネーク

キャンベル

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

メイ・リン


キャンベル

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

キャンベル



「大佐! 聞いてるか! こいつも死んだぞ!!」

「……わからん」

「いいか、隠し事はするな!」

「心臓発作のように見えるけど……」

「毒物じゃないのか?」

「……確かに、大量投与すれば心臓発作を起こす薬物は、いくつかある  わ。塩化カリウムとか、ジゴキシンとか……。でもそれは検死をしなけ  ればわからない」

「くっ!」

「スネーク、頼む。メリルと協力してくれ!」

「あいつは信用できるのか?」

「私よりは信用できるだろう」

「……」

「メリルに連絡を取ってみてくれ」

「スネーク、そこは妨害電波が出ているわ。私達のようにバースト通信な  ら大丈夫だけど、通常通信はできないはず。そのエリアから出てみて」

「スネーク、冷静になってくれ……」

「ナオミ、聞きたいことがある。さっきの 忍者 サイボーグ はなんだ?」


「……」

FOXHOUND フォックスハウンド の隊員か?」


「ちがうわ……」

「心当たりはないんだな?」

「ええ、うちにあんな隊員はいない…」

「……そうか」

「スネーク、頼んだぞ」






メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

メリル

スネーク

メリル



メリル

スネーク

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル



メリル

スネーク

メリル




「あっ、あなたは?」

「逃げおおせた所を見ると素質はあるらしい」

「独房の……?」

「君が大佐の姪、メリルか?」

「(リキッドと思って)……やっぱり、ちがう?」

「誰なの、あなた?」

「君の伯父にはめられて、こんな僻地まで来た哀れな男だ」

「一人で? 何それ、 英雄 ヒーロー にでもなろうと思ったの?」



「武器も持たずに?」

「あの時の事には礼を言うが、」

「そのへんで説教はやめてくれないか? 大佐譲りだな」

「伯父とはどういう知り合い?」

「腐れ縁だ」

「名前は?」

「これまで名前が必要になった事はない」

「あっ!」


「もしかして、スネーク? ソリッド・スネークなの?」

「そう呼ばれた事もある」

「伝説の男? ……あなたが?」





メリル

スネーク

メリル





スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

スネーク


メリル

スネーク




「さっきはどうも……味方だとは知らなかった」

「こっちはわかったさ」

「どうして?」



「君の眼だ」

「目?」

「戦士の眼じゃない」

「新兵の目でしょ?」

「いや、人を いつく しむ眼だった」


「さすがは伝説の男ね。いきなり口説くつもり?」

「逢えば伝説じゃなくなる。現実に直面すれば、幻滅するものだ」

「そうでもないわ」

「俺の顔を見て驚いていたようだが?」

「ええ、そっくりだったから」

「……テロリストのリーダー、リキッド・スネーク、か?」

「ええ。知ってたの? まさか兄弟、とか?」

「俺に家族はいない」

「じゃ、どういうこと?」

「さあな。奴に直接聞くさ」

「それよりも、情報を教えて欲しい。君は最初から今回の演習に参加して  いたはずだ。ここで何があった?」

「(ちょっと当惑ぎみ)私も演習には当日合流したばかりだから……」

「かまわない。まず、この基地は何だ? ただの核兵器廃棄所とは  思えん」



メリル


スネーク

メリル

スネーク

メリル


スネーク

メリル


スネーク


メリル


スネーク

メリル


スネーク


メリル

スネーク

メリル


スネーク

メリル

スネーク


「なるほど……連中のやりそうなこと。本当に何も知らされていないの  ね。いい、スネーク、ここは表向きは核兵器廃棄所だけど、本当はちが  う。アームズ・テック社のダミー会社が所有する基地なのよ」

「ここが民間の基地?」

「そう。メタルギア開発のためのね」

「くっ、大佐め……」

「そしてその模擬核弾頭発射演習のために、次世代特殊部隊と   FOXHOUND フォックスハウンド が召集された」

「なぜ FOXHOUND フォックスハウンド が?」


「メタルギアの開発を極秘裏に進めたかったからよ。 FOXHOUND フォックスハウンド は  いまだに影の部隊。だから隠密行動にはもってこいなのよ」

「しかし模擬弾頭発射実験なら、これまでも行われていたはずだ。なぜ今  回に限って?」

「メタルギアの正式採用を決定するための最終的実戦演習、そう聞いてい  るけど?」

「怪しいものだ……。それで、テロリストの目的は?」

「(すまなそうに)ごめんなさい。 蜂起 ホウキ の後、すぐにベイカー社長と一緒  に捕まってしまったから……」

「そうか…。その時、牢獄でベイカーから起爆コード解除の 鍵を PALキー 預かって  いるだろう?」

「ええ、大事にしてるわ」

「奴等によく奪われなかったもんだ」

「女は男と違って引き出しを幾つも持ってるの。……ベイカー社長と逢っ  たのね。保護したの?」

「いや……彼は死んだ」

「えっ?」

「心臓発作だった。 DARPA ダーパ 局長と同じく……」




メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク



スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル


スネーク

メリル

スネーク


メリル


スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル


「局長も心臓発作で……?」

「ああ。彼等には何か持病が?」

「いえ、聞いたことないわ」

「二人つづけてとなれば偶然とは思えん。きっと何かある」

「そうね…。でも心当たりはないわ」

「そうか……」


「メタルギアの開発者を知っているか?」

「エメリッヒ博士のこと?」

「そうだ。彼は無事なのか?」

「たぶん、北にある核弾頭保存棟の地下二階よ。そこの研究室フロア」

「地下二階だな?」

「ええ。彼の研究室があるらしいの。そこで核発射のプログラムを強いら  れてると思うわ」

「それが終わるまでは生かしておくつもりだな」

「準備作業が終わるまでになんとかしないと?」

「ああ。起爆コードの解除が間に合わなかった時のために、メタルギアの  破壊方法を聞いておかなければならない」

「(スネークの無謀さに驚く)破壊……って、スネーク。あなた、アレと  やりあうつもり?」

「(事もなげに)別に今回が初めてじゃない」

「……」

「博士の監禁されている核弾頭保存棟に行くには?」

「この建物の一階、エレベータの横に北への運搬口がある」

「そこの扉のセキュリティ・レベルは?」

「5よ。大丈夫、私、カード5を持ってるから」

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク




メリル

メリル

メリル

スネーク

メリル

メリル

スネーク



メリル

スネーク

スネーク


メリル

スネーク


メリル

スネーク

「わかった。俺はこれから博士の保護に向かう。君は……」

「私も一緒にいくわ」

「ダメだ。新米はどこかで隠れてろ」

「新米じゃないわ」

「口だけではだめだ」

「……」

「敵に向かって一瞬でもためらったら終わりだぞ。二度も幸運は続かな  い」


「私、引き金がすぐに引けなかった」

「訓練ではちゃんとやれたのに……」

「指を引くだけで、相手の命が終わってしまうと思うと、怖かった……」

「訓練で的を撃つのとは訳がちがう」

「私、軍人になる事をずっと、夢見てきた…」

「実戦にむけて、毎日毎日、訓練をしてきた…。でも……」

「どうだ。もうやめたいか?」


「やめられない。やめるわけにはいかない」

「人を殺してショックを受けないのは、異常者だけだ」

「罪悪感のない殺人は新たな殺戮を産む。戦場では、普段は封印されてい  る残虐性や闘争本能が顔を出す…。戦場では、戦争という名のもとに罪  の意識は緩和される」

「でも、これは戦争じゃない。テロよ」

「精神が安定していないのは、 戦闘時の高揚 コンバット・ハイ の反動だ。大量に分泌された  アドレナリンが薄れ始めているんだ。結論を急ぐな」

戦闘時の高揚 コンバット・ハイ なら講習を受けたわ」


「今は議論はやめよう。生き残る事だけを考えろ」



メリル

スネーク



メリル

スネーク

メリル



メリル

スネーク

メリル


スネーク

メリル


「ここから生きて帰れたらゆっくり考えてみる」

「わかった。言い方を変える。俺の邪魔はするな」


「くえない男。伯父から聞いた通り……」

「ほらっ、言った通りだ。現実に直面すれば幻滅するものだ」

「そうみたい」


「わかった、スネーク。おとなしくしてるわ」

「博士を保護したら合流しよう。それまで 鍵を PALキー 持っていてくれ」


「ええ、大事にしてる。……それと、ここの基地に関しては、私の方が詳  しいわ。何かわからない事があったら連絡して……」

「気をつけるんだぞ」

「運搬口の扉を開けたらコールするわ」




メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル





スネーク

メリル

スネーク

メリル

メリル


スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル


スネーク

メリル



「スネーク、運搬口の扉のロックを解除しておいたわよ」

「ありがとう。君はどこに?」

「あなたの見えると・こ・ろ・よ」

「あまり派手に動くなよ」

「大丈夫こっちは敵兵士の服装でカムフラージュしてるから」



「君の歩き方を見ればすぐにバレるぞ?」

「どういう意味?」

「いや、いいんだ」

「聞いて、スネーク。運搬口はエアロックになっているの」

「赤外線センサーが配置してあるわ。気をつけて…。見つかるとガスが噴  出する仕掛けになってる」

「ガスか……」

「それじゃ、核弾頭保存棟で逢いましょう!」

「おいっ、メリル、待てっ! おとなしくしている約束だぞ!」

「気が変わったの」

自棄 ヤケ になるな。そういう時が一番危険だ」


「私、自分が本当にこの道を進むべきなのか…。闘いの中で答えを探して  みる」

「奴等は殺しのプロだ。死ぬぞっ!」

「……じゃあ!!」






D・スロート

D・スロート

D・スロート

スネーク

D・スロート

スネーク

スネーク

D・スロート

スネーク

スネーク

D・スロート

スネーク

D・スロート





























「スネーク、気をつけろ!!」

「そこにはクレイモア地雷がセットされている」

「地雷探知機を使え!」

「あんた、誰だ?」

「ディープ・スロートとでも名乗っておこう」

「ディープ・スロート?」

「ウォーターゲートの内部告発者か?」

「そんな事はどうでもいい」

「バースト通信ではないな」

「近くにいるのか?」

「いいか、お前の前方にM1戦車が待ち伏せしている」

「お前は誰だ?」

「ファンの一人だよ」














レイブン





レイブン




レイブン













レイブン

レイブン





レイブン



「ここは 大烏 レイブン の縄張りだ……」




「アラスカに スネーク は似合わん……。迷い込んだとしても、見逃す訳にはいか  ん……」


「まずは、挨拶からだ」







「ハッハハハハ……いいぞ、その調子だ。 ひざまず くがいい」


「蛇よ、大地を這いまわるがいい」



「さぁ本番だ!」





















レイブン



リキッド

レイブン

リキッド

レイブン

レイブン












「ボス、これでいいのか? みすみす カード をくれてやったようなもんだ?」



「ああ……、まだ奴は泳がせておけ」

「奴を甘く見ないほうがいい」

「どうだ? あの男は?」

「確かに、ボスの眼に狂いはない」

「戦場に息吹を吹き込んでくれる。あんたと同じだ。  さすがにあんたの……」



オセロット

レイブン

オセロット

レイブン


オセロット

リキッド

レイブン

オセロット

レイブン






「私の気持ちがわかったか。奴は私がしとめる」

「腕を斬られて逃げ帰ったらしいじゃないか?  旧ソ連 イワン の大将?」


「なんとでも言え、 魔術師 シャーマン が……」


「アメリカ・インディアンのスー族の『スー』は――、インディアン語で   スネーク を意味する……、 スネーク は恐れられている生き物だ」

「私はあいつを愛してしまったようだ。あいつを可愛がってやりたい」

「まだだ…、まだ泳がせておけ」

「俺は奴ともう一度、闘うことになる」

「いつもの予言か?」

「そうだ、額の 大烏 レイブン が奴を欲しがってる」






病気の原因となっている遺伝子を、正常な遺伝子に戻すことで行う治療。

国防省付属機関先進研究局 (Defence Advance Research Project Agency)の略称。軍事利用を前提とする技術の研究開発を行う機関。

Continue of Govermentの略。アメリカ合衆国が核による攻撃を受けても、政府機能が停止しないように、100人前後の政府当局者らを地下の防空施設に避難し臨時政府を再構築すること。

National Security Agencyの略で、国防総省の情報収集機関。1952年に創設、通信傍受施設や偵察衛星を用いてアメリカの国家安全保障に関与する、通信諜報活動の専門機関。

アメリカの国防情報局(Defence Intelligence Agency)の略称。国防長官直属の情報機関で、陸・海・空軍の情報機関を統轄している。

核(ニュークリア)、生物(バイオ)、化学(ケミカル)の頭文字からとった禁止兵器のこと。

イギリス軍の特殊空挺部隊(Special Air Service)の略称。対テロ活動において世界屈指の技術力を誇る部隊である。

イギリスの諜報機関。Secret Intelligence Serviceの略で、MI6(軍事情報部6課)ともいわれる。アメリカのCIAにあたる組織で、国外の情報収集を任務としている。

アメリカ合衆国の国防総省総司令部の通称。庁舎の形が五角形をしていることから、ペンタゴンの名で呼ばれる。アメリカ合衆国の国防の中枢である。















【搬入ドック基本】

キャンベル




ナオミ



キャンベル


【コンテナ、パイプの前】CALL

キャンベル




ナオミ


キャンベル

【水中】

キャンベル


キャンベル




「これが潜入任務だということを忘れるな、スネーク。敵は多数、君は  一人。もし見つかってしまったら、あっという間に取り囲まれるぞ」


「そうなったら勝ち目はないわ」


「まずはそこの奥にある昇降機に乗って地上に出ろ。それからDARPA  局長を探すんだ」


「スネーク、そこはホフクで下を潜り抜けるんだ。まずホフクボタンを押  してしゃがんでから、進みたい方向に方向キーを押せばいい」


「ホフク中はゆっくりとしか動けないし、攻撃もできなくなるから気をつ  けてね」

「もう一度、ホフクボタンを押せば立ち上がる事ができる」


「水中やガスをまかれた状況では O2 オー・ツー ゲージが表示される。 O2 オー・ツー ゲージが  一回の息継ぎに相当する」

O2 オー・ツー ゲージが ゼロ になると続いて、 LIFE ライフ が減るぞ。注意するんだ」


【水溜まりの近く】

キャンベル


【エレベータ近く】



キャンベル



キャンベル



キャンベル



キャンベル



「スネーク、水溜まりの上は走るなよ。水音を立てると、敵に気付かれ  る。注意しろ」



「スネーク、そこに地上に昇るための昇降機がある」


「昇降機に乗れ。核兵器廃棄所の正面に出るはずだ」


「昇降機が降りてくるまで待つしかないぞ。どこかに身を隠すんだ」


「敵に追いかけられているのか、スネーク?危険モード、回避モードの時  は昇降機は動かない。なんとか敵を振り切るんだ」



【ヘリポート基本】

キャンベル



キャンベル

キャンベル



キャンベル


【サーチライト近く】

キャンベル


【ヘリポート、昇降機近く】

キャンベル


【ヘリポート、トラック近く】

キャンベル

キャンベル



キャンベル


【ヘリポート、正面扉前】

キャンベル

【扉、ダクト付近】CALL

キャンベル




キャンベル


キャンベル


キャンベル




「スネーク、君の任務は潜入だ。戦闘ではない。敵に見つかるなよ」


「しかし君は早くも敵に見つかってしまったようだな」

「残念ながら作戦は不利になってしまった。気をつけるんだ」


「まずは DARPA ダーパ 局長を救出するんだ。正面の建物に潜入しろ。侵入口  を探せ」


「スネーク、相手はサーチライトを使って警戒をしているようだ。敵に見  つかるぞ。光の輪に入るな」


「スネーク、もう後戻りはできんぞ。任務を果たしてくれ。希望は君だけ  なんだ。頼むぞ」


「輸送用のトラックがあるようだな」

「きっと、施設内の荷物を運搬をするために使われているんだろう」


「スネーク、いつものように荷物のふりをしてみればどうだ? うまく荷  物に紛れ込めば、トラックの移動を利用できるかもしれないぞ」


「スネーク、その扉から侵入するのは無理だ。他の侵入口を探せ」


「基地の運営には換気が欠かせない。汚れた空気をすて、新鮮な空気を取  り入れるための排気口があるはずだ」


「それと膨大な電力を消費するため、ディーゼル発電器等を備えている可  能性もある。発電には空気を消費する。吸排気口が必要だ」

「さらに信じられん事だが、 陽動作戦 フェイント・オペレーション に使ったF16が撃墜された。ハイ  ンドDにな。リキッドから我々に連絡が入った。  『今度またふざけた真似をすると容赦なく、核を発射する!』とな…」

「スネーク、潜入を急げ! もうじきハインドがヘリポートに帰還する  ぞ」



【戦車格納庫2階、監視カメラ】





キャンベル




キャンベル

【戦車格納庫2階、音が鳴るデッキ】

キャンベル


【戦車格納庫、居眠り兵】

キャンベル




ナオミ




キャンベル






「監視カメラに注意しろ。チャフを使えば、一定時間、電波妨害が可能  だ」


「監視カメラの真下は死角のはず。壁に張り付いて進めば大丈夫だ」


「物音を立てると、敵に気付かれる。足音がしそうな床では慎重に歩け  よ」


「遺伝子強化されたゲノム兵といえども睡眠時間は必要だ。仮眠を取って  いる間に行動しろ」


「彼らはいついかなる時も攻撃姿勢のまま仮眠を取れるように訓練されて  いるわ。音を立てないようにね」


「あくびをしている時、敵は目を閉じている。君の姿も見えないはずだ。  そのタイミングをうまく利用しろ」

【武器入手】

キャンベル


キャンベル


キャンベル




キャンベル




キャンベル


【エレベータ前】

キャンベル

キャンベル


【DARPA局長居場所デモの前】

キャンベル

【DARPA局長居場所デモ(2Fダクト)の後】

キャンベル



「よし、武器を手にいれたな。武器を使うにはまず武器切替ボタンを押  しっぱなしにして、『武器モード』に入れ。そしてそのまま方向キーで  使いたい武器を選択するんだ」

「選択したら、武器切替ボタンを離し『武器モード』を解除しろ。君の手  に選んだ武器が握られているはずだ。それぞれの武器の使い方は、  ウインドウに表示される説明に従ってくれ」

「武器クイック切替ボタンを使えば、武器の装備が素早くできるぞ。素手  の状態で武器クイック切替ボタンを押せば、前に選んだ武器を装備し、  武器を装備した状態で武器クイック切替ボタンを押せば素手に戻る」


「銃は無闇に発砲するなよ。音で敵に気づかれるからな。サプレッサーを  装備できる銃ならば、銃声を消せるんだが…」


「武器や兵器に関する事は軍事アナリストのナスターシャに聞くといい。  ナスターシャの周波数は141.52だ」


「スネーク、エレベータに乗ればフロアからフロアへ移動ができる」

「エレベータを呼ぶには、近くにあるパネルを、アクションボタンで押せ  ばいい。しばらく待てばエレベータが来るはずだ」


「スネーク、まず DARPA ダーパ 局長を保護しろ。彼の手がかりを探すんだ」



DARPA ダーパ 局長は地下一階の独房に移された、という話を聞かなかった  か?」

【エレベータ内】

キャンベル


キャンベル


キャンベル

【独房、DARPA局長デモ前】CALL

ナオミ

メイ・リン


キャンベル


【DARPA局長の反応を捉えた後】



キャンベル


【DARPA局長デモ前扉の前】

キャンベル


キャンベル


【独房ダクト、局長の近く】CALL

キャンベル



「フロア移動はエレベータを使え。行きたいフロアを指定するには、エレ  ベータを入って左にあるパネルを操作すればいい」

「方向キーの上下で行きたいフロアの選択、アクションボタンで決定、  ホフクボタンでキャンセルだ」

「危険モード、回避モードの時はエレベータは動かない。注意するんだ」


「スネーク! レーダーを見て。 DARPA ダーパ 局長の反応を捉えたわ」


「緑の光点が密集して点滅してるのが、見えるでしょ? それが   DARPA ダーパ 局長の体の中にある発信機の反応なの。局長はそこにいる  わ」

「どうも局長は独房に閉じ込められているようだな…。どこからか中に入  り込めないか? なんとかして DARPA ダーパ 局長を助け出すんだ」



「スネーク、地下一階で DARPA ダーパ 局長の反応を見つけたんじゃないの  か?」


「スネーク、その扉はセキュリティシステムで保護されている。  セキュリティ・カードが無ければ開ける事はできないぞ」

「扉以外にも潜入可能な入り口はあるはずだ。まわりをよく見てみろ。ま  わりを見るには、主観モードにするとわかりやすい。主観ボタンを押せ  ば主観モードになるぞ」


「スネーク、 DARPA ダーパ 局長のレーダー反応はそのあたりにある。どこか  降りられる所はないか? 主観でよく探してみろ」



【戦車格納庫、DARPA局長接触デモ後】



キャンベル




キャンベル


【メリル独房戦】CALL



キャンベル




キャンベル



キャンベル

【独房、メリル逃亡デモ後】



ナオミ


キャンベル


スネーク


キャンベル

スネーク

キャンベル




キャンベル





「残念だが、 DARPA ダーパ 局長の救出は失敗だ。これ以上その独房にいる意  味はない」


「スネーク、とにかくそこを脱出して地下二階に向かえ。アームズ・テッ  ク社のケネス・ベイカー社長を助けるんだ。彼の起爆コードがテロリス  トに知られる前に」



「スネーク! 何をしてる? とにかく敵を倒してそこから脱出するん  だ!」


「手に入れた武器を有効に使え!」


「そこに落ちている武器を使え!」



「スネーク、サイコ・マンティスは人の心を読むことが出来るサイキック  よ。 DARPA ダーパ 局長の起爆コードも彼に読まれた。早くしないと、ベイ  カー社長も……」

「ああ。彼の起爆コードさえ手に入れれば、テロリストはいつでも核を撃  てるようになる」

「(遮って)メタルギアを使ってな。…大佐、あんたは知っていたのか?   この核兵器廃棄所でメタルギアの演習が行われていた事を」

「……知らなかった」

「本当か?」

「スネーク、わかってくれ。言った通り、私は君との連絡役に過ぎないん  だ」


「とにかく地下二階にいるアームズ・テック社のケネス・ベイカー社長を  助けるんだ。彼の起爆コードがテロリストに漏れる前にな」

【武器庫、壁破壊前】

キャンベル




ナオミ



キャンベル




キャンベル

【壁破壊後】

キャンベル


【壁破壊後、武器庫南以外】

キャンベル


【壁破壊後、武器庫南】

キャンベル

キャンベル



「壁が塗り固められたと言うことは壁の色に若干、ちがいあるはずだ。主  観でじっくり見てみろ。壁の模様が違う所を探すんだ」


「壁を叩いてみたら? 音もちがうんじゃないかしら?」


「壁の破壊には何か爆薬が必要だ。C4爆弾か何かがあるだろう。そこ  は、武器庫じゃないのか? よく探してみろ」


「君の持っているC4爆弾なら塗り固めた壁を壊せるはずだ」


「壁の破壊に成功したようだな。 DARPA ダーパ 局長の残した情報が正しけれ  ば、ベイカー社長はその先にいるはずだ。すぐに彼の救出に向かってく  れ」


「ベイカー社長は、地下二階で君が壊した壁の南のエリアに捕えられてい  るはずだ。テロリストが起爆コードを聞き出す前に、彼を救出するん  だ」


「ベイカー社長はそのあたりにいるはずだ。早く彼を助け出すんだ」

「それと、そのあたりではレーダーが使えない。メイ・リンによると妨害  電波のせいだそうだ。詳しい事はメイ・リンに聞いてくれ」



【武器庫南、オセロット戦】



キャンベル

ナオミ


ナオミ


ナオミ


ナオミ


キャンベル





キャンベル




キャンベル


キャンベル





FОXHОUND フォックスハウンド 部隊の事なら、ドクター・ナオミの方が詳しい」


「リボルバー・オセロットは、元スペツナズで、ソ連崩壊後は、   民警特殊任務部隊 オモン を経て、ロシア税務警察の突撃隊に身をおいていたそ  うよ」

「その後、KGB第1管理本部を前身とする ロシア対外情報本部 SVR  (スルージバ・ヴェネシュニイ・ラズヴトキ)の特殊作戦部門に入った  らしいわ」

「でも旧KGB体制に適応することができず、スカウトされて   FОXHОUND フォックスハウンド 部隊に入隊したの」

「西部劇やマカロニウエスタンをこよなく愛すガンマニアであると同時  に、スペツナズ時代、強制収容所で拷問特別顧問として参加して、その  名を知られた拷問マニアでもあるわ」

「KGB本部内にはルビヤンカ刑務所が付設されていたからな」



「ベイカー社長を傷つけるな。彼を死なせてしまったら全ては水の泡だ。  黄色いラインより近づかないようにしろ。仕掛けられた爆弾が爆発する  かもしれん」


「戦闘中では弾倉交換時が最も危険だが、奴はそれを楽しんでいる。だか  らそれを逆に利用するんだ」

「リロード時に勝負をかけろ。奴の残弾数が画面に表示されているだろ  う?リロードの瞬間を狙え」



キャンベル



キャンベル



キャンベル


【武器庫南、ガンカメラ地帯】

キャンベル


キャンベル


【武器庫、ファマス】

キャンベル


【武器庫、落とし穴近く】

キャンベル




キャンベル


「スタン・グレネードを使って気絶させるのも有効だ」


「オセロットに接近しすぎると逃げられるぞ。注意しろよ」


「スネーク、ベイカー社長がいる事を忘れるな。彼はC4爆弾といっしょ  に縛り付けられているんだ。爆発系の武器は使うな」


「スネーク、ガンカメラが仕掛けられている。見つかったら攻撃される  ぞ」

「カメラの視界に入らないようにしろ。チャフで妨害するのもいいかもし  れん」


「どうやら赤外線センサーが仕掛けられているようだ。何とか赤外線をく  ぐり抜けるようにしろ」


「スネーク!  そこには落とし穴が仕掛けられているぞ。落ちれば命は  ない。落とし穴のふちを壁に張りつきながら進んでみろ」


「サーマル・ゴーグルを使えば、落とし穴がどこにあるか見えるはずだ」

【メリル通信前、武器庫南以外】



キャンベル


スネーク

キャンベル


スネーク




キャンベル


【メリル通信後、最初SEND】



スネーク

キャンベル

ナオミ

スネーク

キャンベル

スネーク



キャンベル


【メリルが運搬口を開けた後】

キャンベル




DARPA ダーパ 局長、ベイカー社長。二つの起爆コードは両方ともテロリス  トに知られてしまったということか……」

「ああ……。(極めて怪訝)そして二人とも死んだ」

「スネーク、二つの起爆コードが奴等に知られてしまった以上、核発射を  食い止めることができるのは、メリルの持っているという起爆コードを  緊急入力/解除するための PALキー と、」

「ベイカー社長の言っていたメタルギアの開発チーフだけか?  ハル・エメリッヒとかいう?」


「とにかくメリルと無線で連絡をとってくれ。周波数はパッケージの裏に  書いてあると言ってなかったか?」



「大佐、安心しろ。メリルは無事だ」

「(安堵)そうか……」

「メリルさん、強いのね。尊敬しちゃうわ」

「素質は充分だ」

「スネーク、ありがとう」

「まだ、任務は終わっていない。これからだ」


「メタルギア開発者の保護が最優先だ。メリルが運搬口の扉を開けたら、  そこから北に向かってくれ」


「メリルから連絡があっただろう? 格納庫棟一階の北にある運搬口か  ら、核弾頭保存棟へ向かってくれ」



【渓谷、戦車戦前】

キャンベル

ナオミ

キャンベル

【渓谷、地雷原】



キャンベル

キャンベル



キャンベル


キャンベル


【ディープ・スロート受信後】



スネーク

キャンベル


メイ・リン


スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン




キャンベル



「そのまま北に進めば、核弾頭保存棟に着くはずだ」

「エメリッヒ博士もそこに捕まっているはずよ」

「彼を保護して、メタルギアの破壊方法を聞き出してくれ」



「地雷原か。地雷探知機が必要になるな」

「メリルなら基地の中に詳しいはずだ。聞いてみてはどうだ?」


「地雷原だな。地雷探知器を使ってみろ。レーダーに地雷の位置が表示さ  れるはずだ」

「地雷の仕掛けられている場所がわかったら、そこをホフクで進んで、地  雷を回収するんだ」



「大佐、部外者から無線が入ってきた!」

「ああ。こちらでもモニターしていた。通信システムに関しては  メイ・リンが詳しい。彼女に説明してもらおう」

「確かに部外者でもあなたの無線の周波数を知っていれば、連絡は可能な  の。…でもどこでそれを知ったのかな?   回線周波数は極秘なのに……」

「情報が外部に漏れている、と?」

「そうとしか……」

「メイ・リン、奴がどこから通信してきたか、わかったか?」

「ごめんなさい。電波が弱すぎて特定することができなかったの。でも近  くにいることは確かよ」


「スネーク、とにかく地雷原を抜けなければ、先には進めないぞ」



【M1戦車戦】



キャンベル

キャンベル




キャンベル




キャンベル






【イントルード状態】

メイ・リン

メイ・リン


【DARPA局長、居場所デモ後】

メイ・リン


【独房】CALL

メイ・リン





「スネーク、敵の戦車砲は強力だ。そのままでは狙い撃ちだぞ」

「何か方法があるはずだ。ナスターシャに聞いてみろ。彼女は兵器関係に  詳しい」


「戦車は決して単独では行動しない、実はそれ程、脆弱な兵器なんだ。悲  観するな。君に勝ち目がないわけではない。ナスターシャに意見を聞い  てみろ」


「戦車を破壊しなければ、核兵器保存棟へは行けないぞ。スネーク、戦車  を倒すしかない」




「ごめんなさい。ソリトン・レーダーは狭い空間では使えないの」

「音響共鳴が激しい場所では、電波が 輻輳 ふくそう して地形データが解析できなく  なるからなんだけど…。広い所に出るまで我慢して、ね?」


DARPA ダーパ 局長の居場所が分かったのね!  DARPA ダーパ 局長は体の中に  ナノマシン発信機を注射してるわ。近くまで行けばレーダーに緑色の光  点として映るはずよ。探してみて」


「レーダーを見て!  DARPA ダーパ 局長を捉えたわ。緑の光点で映ってるの  がそうよ。早く助けてあげて!」



【DARPA局長死後直後】CALL

メイ・リン


メイ・リン

【武器庫】

メイ・リン






【渓谷、ディープ・スロート受信後】



スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン




DARPA ダーパ 局長、かわいそう……せっかく助かったのに、心臓発作だな  んて……」

「スネーク、私、何か嫌な予感がするわ。 記録 セーブ しておいて、ね?」



「スネーク、そのエリアじゃレーダーは使えないわ。妨害電波が出てるみ  たいなの。一体何のためかしら…? とにかく気をつけてね」





「メイ・リン、この無線は部外者からの割り込みを受け付けるのか?」

「ディープ・スロートとか名乗ってた奴ね。こっちでもモニターしていた  わ」

「どうなんだ?」

「確かに部外者でもあなたの無線の周波数を知っていれば、連絡は可能な  の。……でもどこでそれ知ったのかな?   回線周波数は極秘なのに……」

「奴がどこにいるか、わかるか?」

「ごめんなさい。電波が弱すぎて特定することが出来なかったの。でも、  あなたの近く……その基地の中にいることは確かよ」



ナスターシャ

スネーク

ナスターシャ

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ

スネーク

ナスターシャ


ナスターシャ

スネーク


ナスターシャ





【戦車格納庫2F、監視カメラ】

ナスターシャ






【武器庫南、ガンカメラ地帯】

ナスターシャ


ナスターシャ




ナスターシャ


「ナスターシャ・ロマネンコだ。よろしくな、ソリッド・スネーク」

「あんたが大佐の言っていた核の専門家か?」

「そうだ。核に関する質問があったら何でも聞いてほしい」

「それに、これでも軍事アナリストだ。兵器の知識でも君をサポートでき  ると思う」

「この作戦には核緊急捜索チームの顧問として参加を要請された。喜んで  引き受けさせてもらったよ」

「テロリストによる核攻撃など許すわけにはいかない。協力させてくれ」

「随分と、勇ましいんだな」

「(真剣)実際に核が撃たれようとしているんだろう? 核の問題という  のは全人類にとって常に他人事ではありえないんだ。傍観は出来ない」

「…と言っても、今の私にできるのは君に助言をする事くらいだが…」

「(ナスターシャの熱意を認め優しく)それで充分だ。誰もあんたにここ  に来て戦うことなどは望んでいない。…それは俺の役目だからな。ナス  ターシャ、よろしく頼む」

「こちらこそ」




「監視カメラがあるな。その機種は監視センターに無線で映像を送信する  タイプだ。チャフを使えばカメラを無効にできる」




「スネーク、そのあたりにはガンカメラが設置されている。発見したもの  を自動で銃撃する無人警備システムだ。注意しろ」

「チャフを使えばセンサーを撹乱できるはずだ。ガンカメラの機能が麻痺  している間に、駆け抜けろ!」


「スティンガーで破壊するというのも手だな」



【武器庫ファマス部屋、赤外線センサー】

ナスターシャ




スネーク

ナスターシャ


ナスターシャ


【武器庫南、オセロット戦】



ナスターシャ


ナスターシャ




ナスターシャ




「スネーク、そこには赤外線センサーが仕掛けられている。 紫煙 タバコ の煙なら  赤外線が見えるはずだ」


「あいにく、こいつは煙の出ないモスレムなんだ」

「副流煙の出ない先折り 紫煙 タバコ か。意外と軟弱なものをすってるんだ  な……。だが口から煙を吹きかけるようにすれば、赤外線は見えるはず  だ」

紫煙 タバコ がこんな所で役に立つとはな。だが吸いすぎには注意しろ。体力が  減ることは間違いない。呼吸器系にも影響が出る」



「(軽い驚き)彼はシングル・アクション・アーミーを使っているのか?  シングル・アクション・アーミーの第一号が作られたのは130年以上  前。1873年のことだ」

「今でも少量ずつ生産されてはいる。だがそれはコレクションや美術品と  してだ。実戦で使う者などいない」


「とにかくリボルバー式拳銃の最大の弱点は、リロードに時間がかかる事  だ。その隙をつけ」



【渓谷地雷原、無線聞いた後】

ナスターシャ



ナスターシャ



ナスターシャ




ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ




「そこは地雷原になっているのか?」


「地雷探知機があればな……」


「レーダーで地雷の位置を特定できたら、あとはホフクで進めば回収でき  る」


「……世界各国で対人地雷は年間二万人以上の犠牲者を出している。カン  ボジアやニカラグアでは、紛争が終わった今も、地雷による一般の死傷  者が続発している」

「地雷を埋設するのは簡単だが、大量に設置された地雷を除去するのに  は、莫大な時間と労力がかかるんだ」

「地雷埋設地域への地雷探知機の輸出、除去技術のサポート等の支援策  が、国際的に求められている」



【渓谷、M1戦車戦】



ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ



ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ





【ヘリポート雪の上】

マスター





「M1戦車の電子装置、ベトロニクスは極めて性能が高い。照準を一度  ロックオンされたら自動追尾されるぞ。主砲は3000メートルまで有  効だ」

「接近するには、この電子装置を撹乱するしかない。チャフを使え。電子  装置を撹乱して主砲の旋回範囲内にまで接近すれば、主砲は意味をなさ  なくなる」

「遠距離ではチャフを使って、電子装置をあざむくんだ」


「接近できたとしてもM1戦車の最高時速は70キロ。人間が対抗できる  速さじゃない。C4でもグレネードでもいい。まずキャタピラを攻撃し  て戦車の速度を落とすんだ」

「速度が落ちたら、操縦席にグレネードを放り込んでやれ。M1戦車の装  甲は極めて強固だ。現在の装備であれを倒すには、ハッチから内部の兵  士を狙うしかないぞ」

「接近戦では、グレネードで上部ハッチを狙うんだ」




「足跡はたくさん残す事で敵の判断を狂わせる事が出来る。足跡で進んだ  方向を悟らせるな。逆に足跡を偽装することで敵を騙すんだ」



【マスター・ミラー自己紹介】



マスター

スネーク

マスター


スネーク

マスター

スネーク

マスター


マスター


【ダクト内】

マスター



マスター


スネーク

マスター


スネーク

マスター



マスター





「スネーク、マクドネル・ミラーだ。なつかしいな」

「マスター? どうして?」

「私は、ブーツキャンプの教官を辞めて、アラスカに住んでいる。君と同  じく、隠居生活だ。たまにはアラスカ・スカウトの教官をやったりはし  ているがな」

「お互い世代交代の時代か」

「キャンベル大佐から今回の事を聞いた。サポートさせてもらおう」

「マスターのサポートがあれば心強い」

「サバイバル教官としての経験、知識を役立ててくれ。それと私はアラス  カに暮らして、君より長い。

「アラスカの環境、動植物の事などに詳しいつもりだ。周波数は  141.80だ」


「そのネズミはアラスカハタネズミだな。心配するな。害はない」


「野生のハタネズミは厚い脂肪層も持たず、冬眠もしないのに酷寒を生き  のびることができる。雪の下にトンネルを掘り、そこで寒さを耐えるん  だ」

「サバイバルの専門家だな。見習うべきか」

「激しい一面もあるぞ。ハタネズミの中には、メスと交尾したオスが、そ  のメスと他のオスの子どもを殺す行動に出る種もある」

「自分の遺伝子を残すためか?」

「よくできたプログラムだ」


「ネズミがいるという事は出口があるはずだ。ネズミの向かった方向に  行ってみろ」

【戦車格納庫2F、音鳴りデッキ】

マスター



マスター


マスター


マスター

スネーク

マスター



マスター





【独房、DARPA局長死後】



マスター

スネーク

マスター

マスター


マスター

スネーク

マスター


「スネーク、そこの床には足音が響く仕掛けがしてあるようだ」


「いいか、足音を立てずに歩くには『ストーキング』と呼ばれる足の運び  を使うといい。方法はこうだ」

「まず、踏み出す方と反対の足に体重をかけ、カカトから地面に着くよう  に足を踏み出す。そしてゆっくりと踏み出した方の足に体重を移しなが  ら、爪先まで地面に下ろすんだ」

「微妙なバランスはうまくヒザを使ってとれ。さぁやってみろ」

「…で、できない…」

「靴の上から靴下を履くのも手だが…」


「ホフクで進めば、音はしないはずだ」





「(驚き) DARPA ダーパ 局長が死んだだと?」


「ああ……。ナオミによると心臓発作だそうだ」

「馬鹿な……」

「(苦々しく)とにかく今はアームズ・テック社の社長、  ケネス・ベイカーを探すしかないようだな」

「地下二階だったか?」

「ああ、塗り固めた壁の向こう側らしい」

「そうか。頼むぞ、スネーク……」



【武器庫南、オセロット戦】



マスター


マスター


マスター




マスター


【ベイカー社長死後】



マスター

スネーク

マスター





【ディープスロート受信後】



スネーク

マスター

スネーク


マスター

スネーク


マスター

スネーク

マスター

スネーク





「リボルバー式拳銃から射出される弾丸の初速は、オートマチックの拳銃  よりもおそい。それが厄介なんだ」

「銃弾の初速は低い方が、肉体に与えるダメージは大きくなる。弾丸が貫  通せずに、体内に残るからだ」

「傷の治癒はおそく障害が残る確率も高くなる。そのあたりも熟知した上  でリボルバーを使っているんだろう。そのオセロットという男は」


「リボルバー式拳銃の最大の欠点は、リロードに時間がかかる事だ。その  隙を狙うんだ!」



DARPA ダーパ 局長に続いてベイカー社長も心臓発作だと?」


「ああ。あまりにも出来すぎている……。マスター、何かわかるか?」

「いや…(考え込む)が、何かあることは確かだな。用心した方がいい」





「マスター、ディープ・スロートという名に心当たりは?」

「ディープ・スロート? 何者だ、そいつは?」

「わからない。作戦メンバーにも入っていない。それにも関わらず、無線  で俺に助言してきた」

「なに?」

「しかもバースト通信ではなかった。どうやらこの基地の中から送信して  いるらしい」

「(驚きを隠しつつ)基地の中だと?」

「ああ」

「……いや、見当はつかない」


「そうか……」



【運搬口開ける前】



メリル




メリル

【運搬口開けた後、戦車格納庫地上階】

メリル


メリル

【運搬口開けた後、戦車格納庫地下階】

メリル

【運搬口開けた後、ヘリポート】

メリル


【搬出口のエアロック】CALL

メリル




メリル


メリル

【ダンボール入手】



メリル





「スネーク? ……せっかちなのね、あなたって。焦らないで。運搬口を  開けるには、あとちょっとかかるわ」


「扉を開けたらコールするから、もう少し待ってて?」


「運搬口の扉はもう開けてあるわよ。そこから出て北に進めば、  エメリッヒ博士が閉じ込められてる核弾頭保存棟があるわ」

「私は先に行って待ってるから、早く追いついてきてね」


「スネーク、道にでも迷ったの? 運搬口は一階よ」


「スネーク、どこに行こうとしてるの? 核弾頭保存棟は北よ。(呆れ)  まったく、伝説の男が方向音痴だったなんて…。現実に直面すると幻滅  するってホントね」


「気をつけて、スネーク。そのエアロックには赤外線センサーが仕掛けら  れているわ」


「肉眼では見えないでしょうけど、壁から何本も赤外線が出ているのよ。  それに触れると扉が閉まって毒ガスが吹き出してくる仕掛けになってる  わ。そうなったら命はない」

「何とかセンサーをよけて進んで」



「ダンボール箱……伯父から話には聞いていたけど本当に…。いえ、コメ  ントは差し控えさせてもらうわ……」

【渓谷、基本】

メリル




メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル


スネーク

メリル

【地雷原】



メリル




メリル





【M1戦車戦】





メリル



メリル


メリル


「そのまま北に進めば、核弾頭保存棟に辿り着くわ。エメリッヒ博士は地  下二階の研究室エリアにいるはずよ」


「私は一足先に行って待ってるわ」

「メリル」

「何? まだ新米は引っ込んでいろとでもいうの?」

「いや。君が選んだ道だ。俺はもう止めない。だが……」

「だが?」

「(気づかい)無茶はしないでくれ」

「(冗談ぽく、すねてみせる)無理するな、じゃなくて無茶するな、か。  よっぽど信用されてないのね、私」

「(諭そうとする)メリル……」

「わかってるわよ。ありがとう。じゃあ」



「地雷が仕掛けられているの? そうね、地雷探知機を使えば、レーダー  に地雷の位置が表示されるわ」


「地雷探知器なら、戦車格納庫棟の二階にあったはずよ」






「チャフを使えば戦車の電子装置をだませると思う」


「生身で戦車を相手にするのは、いくらあなたでも無茶よ。戦車を操縦し  ている人間を倒すしかないわ」

「グレネードを投げつければ、戦車の上の敵も攻撃できるはずよ」




キャンベル

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

キャンベル

スネーク


キャンベル


キャンベル

ナオミ


キャンベル






D・スロート

D・スロート

D・スロート

D・スロート

D・スロート

スネーク

D・スロート



「スネーク、そのフロアで武器は使うな」

「ナノマシンを使って、あなたが武器を使えないようにしておいたわ」

「何? 俺を死なせたいのか!?」

「忘れたの? そこは廃棄核弾頭の保存庫なのよ」

「ああ。たくさん箱が積まれているが……これが全部?」

「そう。廃棄核弾頭だ」

「置きっぱなしか。(呆れ)ベイカー社長の言った通りだな。ずさんな管  理だ」

「費用や人員は常に限られているからな。メディアに対しては聞こえの良  い言葉で体裁を繕っていても、実状はこれだ。そのあたりの事はナス  ターシャが詳しいはずだがな」

「ナスターシャの周波数は141.52だ」

「そこに積まれてる核弾頭、起爆装置は外してあるはずだから爆発はしな  いはずだけど、弾頭が壊れてプルトニウムが漏れ出したら大変なことに  なるわ」

「注意しろ。そのエリアでは武器は絶対に使えない。いいな」




「スネーク、気をつけろ!!」

「ガスが充満している」

「おまけに床には高圧電流が流されている」

「まず高圧電流のスイッチを破壊するんだ」

「北西の壁にある配電盤のようなものだ」

「そこまで行けない。どうしたら?」

「リモコンミサイルを使うんだ」












スネーク





兵士A




























「刃物で斬られたようだ」



「ゴ…、ゴースト! ……グフッ…」

































オタコン







オタコン

忍者

オタコン



オタコン



忍者



スネーク

忍者












「! ……」




「ステルス迷彩? 君は?」

「俺の友はどこだ?」

「何の事だよ?」


「今度はなんだ?」


「スネーク!!」


「さっきの忍者……」

「待っていたぞ! スネーク!」



スネーク

忍者




忍者

スネーク

忍者





オタコン

忍者

スネーク

忍者

忍者

忍者



オタコン









忍者

スネーク



忍者


「貴様は一体?」

「敵でも味方でもない。そういうくだらない関係を超越した世界から帰っ  てきた」


「二人きりで勝負をつけたい。邪魔な奴等は排除した」

「目的はなんだ?」

「ずっと待ち望んでいた。ただお前との一時を楽しみたい」



「何なんだよ、こいつら……これじゃ、まるでアニメじゃないか」

「決着をつける為にあの世から戻ってきた」

「恨みか?」

「そんな陳腐な感情ではない」

「お前との生死をかけた闘い、そこにのみ快楽がある」

「お前を殺す事、お前に殺される事。どちらも同じだ」


「うおっぉおおおお……」





「ふん、いいだろう、特等席で見ているがいい」

「その男は必要だ。手出しはさせん」


「さあ、俺を感じさせてくれ! 俺に生きる実感をくれ!」










忍者



忍者



スネーク





忍者

スネーク



忍者









スネーク





忍者





スネーク






「効いたぞ、スネーク……」


「思い出したか? この俺を?」


「まさか? ザンジバーランドで死んだはず」



「うわぁああああ!」

「なんだ!? またあの症状?(と勘違いして)」


「クスリがぁ」





「どうなってる…?」



「俺が消える!!」



「……」



オタコン

忍者














スネーク


キャンベル

ナオミ

キャンベル

ナオミ


キャンベル

ナオミ


キャンベル

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

キャンベル


「収まった…?」

「ぐぅわぅわわわわわー!!!」








「グレイ・フォックス…。奴はグレイ・フォックスだ、大佐。間違いな  い」

「そんな馬鹿な? 奴はザンジバーランドで君に…」

「(ヤケ気味)そう、殺されたはず。でも、生きていたのよ」

「何だと?」

「私が FOXHOUND フォックスハウンド のメディカルスタッフになる前の事よ。ゲノム兵  の 遺伝子治療 ジーン・セラピー の実験体にされた兵士がいたらしいわ」

「初耳だぞ」

「キャンベルさんが除隊した後の話だから…。私の前任者、クラーク博士  が担当していたの」

「クラーク博士?」

遺伝子治療 ジーン・セラピー を導入した張本人よ」


「そのクラーク博士は?」

「二年前研究所の爆発事故で亡くなったそうよ」

「人体実験、と言ったな」

「ええ。その実験体にはザンジバーランド陥落の時に回収された元隊員が  選ばれたそうよ」

「それがグレイ・フォックスか」

「だがあの時、奴は死んだはずでは?」

ナオミ


ナオミ

キャンベル

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

キャンベル

ナオミ

キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク


ナオミ

スネーク


ナオミ

「(怒りを抑えつつ)無理やり蘇生させられたのよ。強化骨格と麻薬づけ  にされて。それから4年間、彼は死ぬことすら許されないまま、 玩具 オモチャ の  ように もてあそ ばれつづけた」

「今のゲノム兵は、その実験結果から生まれたのよ」

むご い話だな……」


「おそらく様々な 遺伝子治療 ジーン・セラピー の初期実験がされたはず」


「……ナオミ、なぜ今まで黙っていた」

「……。機密事項…だったから」

「それだけか?」

「……」

「ナオミ、その後グレイ・フォックスはどうなったんだ?」

「事故死、と記録にはあったわ」

「そうか……。だが、その 忍者 サイボーグ がグレイ・フォックスだったとしても、  なぜ?」

「あの様子では、正常な意識は無くしているようだった」

「戦闘意識のみで生きているというのか……?」

「あるいは、俺との決着をつけるつもりか……。いずれにせよ、奴はまた  現われるはずだ」

「そうしたら、また闘うの? 彼を殺すまで?」

「……そうだな……(悲しげに)奴はそれを望んでいるのかもしれ  ん……」

「……」






スネーク





オタコン

スネーク

オタコン

スネーク





オタコン

スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



スネーク

オタコン



スネーク



スネーク

オタコン

スネーク





「いつまで隠れてる?」



「えっ? ……君も仲間?」

「仲間? 俺に仲間はいない。俺はいつも一人だ」

「一人? ……君もオタクかい?」

「さあ、早く出て来るんだ。いつまでもここに居られない」



「奴等の制服とは違うね」

「メタルギア・レックスの開発チーフ、ハル・エメリッヒ博士だな?」


「僕を知ってるようだね」

「メリルに聞いた」

「ああ、助けに来てくれたの?」

「残念だが、そうじゃない。先にしなければならない事がある」

「まあいいか、敵じゃなさそうだし」


「ん? 怪我をしたのか?」

「逃げ込んだ時にちょっと足をひねっただけさ」


「その様子なら心配ないようだな」


「聞きたいことがある。メタルギアについて知りたい」

「えっ、メタルギアかい?」

「そうだ。メタルギアが開発された真の目的はなんだ?」

オタコン




スネーク


オタコン

スネーク


オタコン


スネーク


オタコン

スネーク



オタコン

スネーク



オタコン


スネーク

オタコン






スネーク

オタコン




スネーク

オタコン


「移動可能な 戦域ミサイル防衛 TMD 【注1】 だよ。核ミサイルを撃墜する、あ  くまでもディフェンス用の兵器」


「嘘だ! 今回のメタルギアが単なる核搭載歩行戦車ではない事は分かっ  てる!」

「核…? 一体何のこと?」

「テロリスト達はメタルギアで核攻撃を仕掛けようとしているんだぞ。知  らないはずがあるか!」

「彼等はTMDのミサイル・モジュールを利用して、廃棄核弾頭を撃ち出  そうとしてるんじゃ?」

「違う。この基地で行なわれていた演習は、初めからメタルギアによる模  擬核弾頭発射が目的だった。奴等はそれをそのまま占拠し利用している  んだ」

「そんな馬鹿な」

「お前のボス、ベイカー社長から直接聞いた」


「嘘だ……レックスに核が……」

「(あまりに意外)まさか本当に知らなかったのか?」


「武装は全て別の部署で作られていたんだ。本体への組込は社長が直接指  揮をとっていた」

「あの社長が?」

「ああ。武装の内容についても詳しくは知らされていなかった。バルカン  砲、レーザー、レールガン・ユニットがあるということしか……」



「レールガンだって?」

「磁場を使って超高速の弾丸を撃ち出す兵器さ。SDI構想 【注2】 で  一度、ポシャった企画だけど。リバモア国立研究所 【注3】 と  アームズ・テック社が共同開発して小型化に成功したんだ。レックスの  右肩に装備されている」


「メタルギアは核発射専用の兵器だ。何か、思い当たるフシはないか?」

「確かに、レックスの背中には――、  8発のミサイルを装填できるミサイルモジュールがある。でも……それ  が始めから核ミサイルを発射するためのものだったってこと?」















スネーク




オタコン





オタコン


スネーク

オタコン








オタコン




スネーク

オタコン









「ああ…。だがそれだけとは思えない。メタルギアで通常核を発射する実  験なら、これまでに、収集データがあるはずだ」


「まさか…いや…、ひょっとして?」



「レックスの共同開発元、リバモア研究所では…新しい核兵器を創るプロ  ジェクトも行なわれていたんだ。ノバやニフと言ったレーザー核融合実  験装置とスパコンを使ってね」

「その仮想実験室でもしも新型核兵器が開発されていたら……」

「仮想データだけでは実戦配備はできない。実際の発射データが  必要……」




「これがそのスパコンの一部だよ。これらを繋ぐと仮想空間での実験がで  きる……あくまでも理論上の事だけどね」


「その理論をより具体化するための演習だったのか?」

「うちの社長、なんて事を。……それを奴等が発射しようとしている」



オタコン



オタコン



オタコン



オタコン


オタコン


スネーク

オタコン




オタコン

オタコン




スネーク

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


「クソッ」


「クソッ!!」


「僕が馬鹿だったよ……。自分のまいたタネだ」


「実は――、僕の祖父さんは、マンハッタン計画 【注4】 に参加していた  んだ」

「祖父さんは死ぬまでその事を悔やんでいた。それに僕の父が生まれたの  は、1945年、8月6日」

「ヒロシマに原爆が投下された日か……皮肉な事だな」

「親子三代……僕の家系のDNAには核兵器に苦しめられる運命が書き込  まれているのか?」


「『科学は人の生活を助ける』と信じて研究してきた。それが……」

「結局、僕等は利用されただけだ。科学の平和利用なんてアニメでし  か……」


「泣き言はいい。現実を見るんだ」

「メタルギアはどこだ。この基地のどこにある?」

「レックスは今、地下整備基地にある」

「それはどこだ?」

「通信塔の遥か北さ。だけど道のりは遠いよ」

「同じ所に起爆コードを解除するシステムが?」

「おそらくは……。地下整備基地の司令室だ」

オタコン


スネーク

オタコン



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



スネーク


オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン





オタコン


スネーク



「急いだ方がいいよ。最初から発射実験が仕組まれていたとすると、弾道  プログラムも済んでいるはずだ。この数時間、僕が呼ばれてない所をみ  ると、もう僕は用無し、つまりは準備完了って事だ」

「メリルが起爆コード解除の PALキー を持っている。彼女と合流しよう」


「解除がダメなら、破壊するしかないね」


「僕が案内するよ」

「その足でか? 邪魔なだけだ」

「レックスを破壊するには僕が必要だよ」

「必要なのは、おまえじゃない。お前の知識だけだ」

「レックスは僕が創った。僕には破壊する義務がある。権利がある」


「頃合を見計らって、ここから脱出してくれ。安全を確保してから、無線  で連絡をする」

「この孤島からどうやって逃げろっていうんだい?」

「わかった」

「それじゃあ?」

「どこかに隠れて、情報だけでいい。この施設には詳しいだろ?」

「そうこなくっちゃ。心配しなくてもいいよ。この新兵器がある」



「さっきの 忍者 サイボーグ と同じステルス技術だ。 FOXHOUND フォックスハウンド に支給される予  定だったんだけどね。これさえあれば足を、怪我してたって大丈夫さ」

「わかった。メリルに護衛させよう」





スネーク

メリル

スネーク

メリル

敵兵の声

メリル







スネーク












スネーク

オタコン

スネーク



オタコン





スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク




「メリル、開発者を保護したぞ」

「よかった」

「君に奴の面倒を頼みたい。今、何処だ?」

「すぐ近くよ」

「いたぞっ! こっちだ!!」

「しまった! 見つかったわ!!」




「メリル! どうした!!」







「何かあったらしい」

「何か聞こえなかった? 音楽のようだったけど」

「彼女の容姿は?」


「彼女、テロリスト達と同じ緑の戦闘服を着てたよ」



「変装か?」

「なかなか魅力的な歩き方をしてたな。お尻なんか振っちゃってさ……」

「よく見てるな」

「彼女のお尻、魅力的だったから……」

「歩き方か……」

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン



オタコン

オタコン



スネーク



オタコン

スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン









「それと敵兵に化けてるんなら、一人の時に 接触 コンタクト しないとダメだな」


「女が一人になる所っていえば……ひとつしかないけどね」

「どこだ?」

「野暮なこと聞くなよ……」


「これ、僕のセキュリティ・カード、使ってくれ」

「セキュリティ・レベルは4だ」


「苦しくはないか?」(フォックスダイの件)


「えっ?」

「気分はどうだ? どこか具合が悪いとか?」


「気持ち悪いな…。急にやさしくなっちゃって」

「いや、何もなければいい」

「君、変だよ」

「俺の思い過ごしだ。俺が助けた奴はみんな死んだ」

「縁起悪いな」

「博士、忘れてくれ……」

「オタコンって呼んでくれ」

「オタコン?」

「オタク・コンベンションの略。僕、 和製アニメ ジャパニメーション が好きなんだ」






オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン




オタコン



スネーク

オタコン


オタコン




オタコン



「世界で最初に二足歩行を完成させたのは日本人なんだ。あそこでは  ロボットの開発が進んでいる」

「それも 和製アニメ ジャパニメーション の影響が大きいと?」


「そうだよ。僕の人生はなにも核兵器を創る為にあるんじゃない」

「科学者はみんなそう言う」

「僕が科学者になったのも、アニメのようなロボットを創りたかったから  なんだ。純粋にね」

「言い訳にしか聞こえないぞ」

「確かに、僕達にも責任はある。戦争があるから科学が発展する。科学者  の欲があるから殺戮兵器が生まれる」


「でも、今日で終わりだ。もう殺戮行為に手は貸さない」


「すまないが、俺には知識だけを貸してもらう」

「僕はこの研究所、いや基地に詳しい。ここの事やレックスの事なら遠慮  なく聞いてくれ…」

「それとステルス迷彩だから、食料貯蔵庫と弾薬庫に出入りできる。  レーションや弾薬が欲しい時は届けてあげるよ」


「周波数は141.12だ。それじゃ……」



























メリル

メリル











スネーク



スネーク

メリル

スネーク














「動かないで!!」

「2度も後ろを取られるなんて、伝説の男が聞いてあきれるわ」






「君がメリル……?」


「男になりきるには無理があるな?」

「どういう意味、ここは男子禁制よ」

「君がこんなに女らしいとは思わなかった」



メリル

メリル


スネーク

メリル

スネーク

メリル



メリル

スネーク



メリル




メリル

スネーク




メリル

スネーク


メリル

スネーク



「こんな所で言う口説き文句ではないわね」

「まあ、私を口説いても無駄よ。入隊時に異性に興味を抱かないサイコセ  ラピーを受けてるから」

「その口のきき方、メリルに間違いないようだ。怪我は無いか?」

「今の所はね。ゲノム兵の振りをしてたから……」

「着替えたのか? その格好よりは奴等の兵装の方がましだぞ」

「もう自分を偽るのやめたの…」


「本当は、服に血の臭いがして……」

「そのマークは?」


「これ? ペイント・タトゥーよ。本物じゃない。私、この頃の   FOXHOUND フォックスハウンド が好きなの。伯父やあなたがいた頃の……」


「今のように 遺伝子治療 ジーン・セラピー もなかった。伝説の 英雄 ヒーロー 達がいた」


「戦場に 英雄 ヒーロー はいない。俺の知っている英雄はみんな死んだか刑務所に  入っているかのどちらかだ」


「スネーク、あなたは 英雄 ヒーロー よ。違うの?」


「戦場でしか自分の意味を見出せない男だ。傭兵には勝敗など意味がな  い。戦争で勝利を収めるのはいつも民衆だ」

「そうなの、あなたは人の為に闘ってるわ」

「誰かの為に闘った事は一度もない。俺には生きる目標はない。生き甲斐  もない……」

メリル

スネーク

メリル




スネーク

メリル

スネーク

メリル



メリル

スネーク

メリル

スネーク



メリル

メリル

スネーク





メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

「そんな?」

「戦場で死をかいくぐっている時だけだ。生きてる事を実感するのは」

「人の死を見て、生を感じるなんて? 戦争を愛して止まない。歴戦の兵  士って、そういうものなの?」


「なぜ連絡しなかった」

「無線機が壊れたの」

「それだけか?」

「こうして逢えたから、よかったじゃない?」


「でも、よく私がわかったわね?」

「一度、逢った女は忘れない」

「やっぱり。私に気があるのね?」

「君のお尻に魅かれたんだ」


「お尻?」

「へぇ、最初は眼で今度はお尻? 次はどこかしら」

「戦場で次を考えない方がいい」



「で、スネーク、交渉はどうなってるの?」

「進展はない」

「つまり、あなたにかかってるわけね?」

「とにかく、奴等が核を撃つのを食い止めるしかない」

「方法は二つ。メタルギアを破壊するか……」

「起爆コードを解除するか。ベイカー社長から PALキー を預かってるな」


「これね?」





スネーク

メリル



スネーク

メリル


スネーク

メリル

スネーク





メリル

スネーク



メリル



スネーク



メリル

メリル

メリル


メリル



メリル


スネーク

メリル



PALキー は三つあるはずだが?」


「これしか預かってないわ」


「残る二つは……何処に?」

「わからないけど、きっとどこかにあるはずよ。でも、鍵がないとなると  本体を破壊するしかないわね」

「メタルギアはこの北の地下整備基地にあるそうだ…」

「私も連れてって。ここなら私の方が詳しい」

「足手まといだ。君は実戦経験が少ない」



「足手まといにはならない。誓うわ」

「もしそうなったら?」


「かまわず私を撃って」


「……弾の無駄使いはしない」


「わかった。ケリは自分でつけるわ」

「私、普通の女の子みたいに化粧なんてしない……」

「だから、鏡に向かうなんて習慣もない。そういう女になるの、嫌いだっ  た」

「ずっと軍人になるのが、夢だったの」


「でも違った…。それは自分の夢じゃなかった。私の父、小さい時に戦争  で死んだの」

「親の遺志を継いで?」

「いいえ、軍人になれば死んだ父の事が理解できると思ったの」

スネーク

メリル


メリル

メリル




スネーク

メリル

スネーク


メリル



スネーク



メリル



スネーク

メリル

メリル

メリル

スネーク



スネーク

メリル

スネーク

メリル


「それで、軍人に?」

「今日までそう思っていた。でも今わかった。――本当は自分を見るのが  恐かっただけ、自分で生き方を決めるのが恐かったのよ……」

「もう自分を偽りたくない。自分を見つめる勇気を持ちたい」

「私が何者であるか、何ができるか、私が生きてきた人生は何だったの  か、確かめたい…」


「よく見とけよ。しばらく鏡は見られなくなるぞ。顔も洗えなくなる」

「ええ……」

「これは訓練ではない。生死をかけた闘いだ。 英雄 ヒーロー もヒロインもいない。  負ければただの犬死にだ」

「ええ……」


「そのファマスは使えるのか?」


「生憎、弾切れよ」


「そのデザート・イーグルは?」

「偶然、武器庫で見つけちゃった」

「口径は50アクション・エキスプレス 【注5】


「ソーコムピストルが置いてあったけど、こっちにしたの」

「ああ、俺のは残り物か……」


「その銃、女にはデカすぎる」

「そういう時だけ女扱いする?」

「俺の45口径を使え」

「大丈夫、この銃なら8歳の時から使ってる。ブラジャーよりも付き合い  が長いわ」



メリル

メリル

メリル





メリル

スネーク



メリル

メリル









メリル



スネーク

メリル


「北に行くにはこのフロアの所長室を抜けなければいけない」

「地上のルートは氷河で塞がれているの」

「所長室のセキュリティ・レベルは5。この カード で開くわ」




「偶然、兵士の服に入ってたの」

「見かけによらず、結構重要な所を警備していたらしい」


「さあ、行きましょう。ここでは私が先輩よ」

「私が 前衛 ポイントマン になるわ。ついてきて」






「変ね。見張りがいないわ」


「歌が聴こえない?」

「私が警戒してるから、今のうちに装備を整えてね」


















メリル

スネーク



メリル












スネーク



スネーク

メリル



メリル





メリル











「頭が! ……痛い!!」

「どうした?」


「来ないでスネーク!!」







「大丈夫か?」


「どうした?」

「大丈夫」


「さぁ…、いくわよ」



「どうぞ、FОXHОUNDの旦那。所長がお待ちよ」






























メリル









メリル


















「あぁっ…」





「スネーク…、私の事、好き?」


スネーク



メリル



スネーク



スネーク














マンティス

スネーク



マンティス



マンティス

マンティス

マンティス



マンティス





マンティス



「これは?」


「ねえ、好き?」


「どうした?」


「お前は!?」








「役にたたん女だ」

「ふん、ステルス迷彩か。手品のタネはいつも幼稚なものだ」


「貴様…、俺の力を信じてないな」


「世界最高の 読心能力 リーディング 念力 サイコキネシス 、今からお前に見せてやる」


「いや、声に出す必要はない、スネーク」

「俺はサイコ・マンティス」


「そうだ。これにはタネはない。正真正銘の力だ」



「無駄だ。言っただろう、貴様の心は全て読める」






マンティス





マンティス



マンティス



マンティス

マンティス



マンティス



マンティス

マンティス





マンティス



マンティス



マンティス

マンティス



「貴様の性格を当ててやろう。いや…、貴様の過去というべきかな」



「大ざっぱな性格だな」


「おまけに戦闘が苦手のようだな」


「トラップに関しても同じだ」

「しかし、トラップに関しては用心しているようだ」


「しかし、戦闘が得意のようだ。まさに肉体派……」


「だが、トラップに関する用心が足りない」

「トラップに関しても用心深い」



「随分と慎重な性格だな、石橋を叩いて渡るタイプだな」


「その割には、戦闘が苦手のようだな」


「同じく、トラップに関しても用心が必要だ」

「そのせいか、トラップに関しては用心してるようだ」



マンティス



マンティス

マンティス






マンティス



マンティス



マンティス





マンティス



マンティス



マンティス



マンティス



マンティス


「戦闘も得意のようだ。 潜入任務 スニーキング・ミッション に向いているな」



「しかし、トラップに関してだけは用心がないな」

「トラップに対する警戒も怠っていない。よほどの慎重派か…、根性無し  に違いない……」



「まだ信じないようだな。貴様の趣味を言ってやろう」


「うーん、何もないようだな。貴様の記憶はカラッポ……」


「うーん、見えるぞ。貴様の記憶が……」



「ときメモが好きなようだな」


「ポリスノーツが好きなようだな」


「幻想水滸伝が好きなようだな」


「アザーライフ アザードリームスが好きなようだな」


「悪魔城ドラキュラが好きなようだな」



マンティス







マンティス



マンティス



マンティス



マンティス



マンティス





マンティス

小島監督





マンティス



マンティス



マンティス

マンティス


「ヴァンダルハーツが好きなようだな」




「アドベンチャーが好きなようだな」


「RPGが好きなようだな」


「アクションゲームが好きなようだな」


「スポーツ物が好きなようだな」


「アーケードゲームが好きなようだな」



「コナミのゲームが好きなようだな」

「いつも応援してくれてありがとう……」



「うーむ、まめにセーブしているようだ。慎重なようだな」


「うーむ、セーブを怠ってるようだ。大胆なようだな」


「しかも、セーブを怠ってるようだ。後悔するぞ」

「どうだ。貴様の事は手にとるようにわかる」



マンティス

マンティス

マンティス

マンティス

マンティス



マンティス



マンティス







マンティス

マンティス

マンティス

マンティス

メリル





スネーク



マンティス


「まだ信じないようだな。俺の 念力 サイコキネシス を見せてやろう」


「床の上にコントローラーを置いてみろ」

「いいか、できるだけ平らな床だぞ。いいな」

「いくぞ、今からそのコントローラーを俺が 念力 サイコキネシス で動かしてみせる!」


「ふぇあぁっ!」


「どうだっ!! 俺の力がわかっただろう!」


「よし…、デモンストレーションはこのくらいにしておこう」




「確かに貴様は大した奴だ」

「しかし貴様の弱点はわかってる」

「さぁメリル。この男の前で」

「自分の頭をぶち抜くんだ!!」

「ああっ…」



「やめろ! メリル!!」


「そ…そんな馬鹿な! クソッ!」















スネーク

キャンベル

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

キャンベル


スネーク

ナオミ









「大佐、あんたの姪は何とか無事だ」

「すまない、世話をかけた」

「マンティスが倒れたなら、メリルの洗脳も解けるはずだな、ナオミ?」

「ええ……。でも、なぜそこまでして彼女を助けようとしたの? キャン  ベルさんのため? ……それとも…。彼女が好きなの?  (自覚のない嫉妬まじり)」

「…目の前で女が死ぬのは見たくない」

「(手厳しく)あなたは人の死なんて気にもとめないんじゃ?」

「(諭すように)ナオミ、確かに彼は多くの人間を殺してきた。だが殺人  鬼ではないよ」

「人殺しには違いないさ」

「……」








マンティス

マンティス

スネーク









マンティス

マンティス


マンティス








スネーク

マンティス






メリル





「そうか…、もうひとつの…」

「俺には……予知能力は無かった」

「予知能力なんかいらない。未来を変えていく勇気があれば充分だ」





「…そうか。その未来とやらを教えてやろう」

「メタルギアの地下整備基地へ行くには、そこの隠し扉を抜けるしかな  い。本棚の裏に隠し扉がある」

「地上ルートは氷河で埋まってしまっている。通信棟を超えて行け。その  通信棟の渡り廊下を使うんだ」




「どうして俺に?」

「俺は人の心が読める。今まで何千人の心と過去、未来へ繋がる 現在 いま を覗  いてきた」



「ひどいっ……」







マンティス


マンティス

マンティス


マンティス


マンティス

マンティス


マンティス

マンティス


スネーク

マンティス


マンティス

マンティス


メリル

スネーク

マンティス





「どいつの腹の中にも、欲という名の夢、種の保存という名の利己的な理  想が詰まってた。 反吐 へど が出るほど……。地球上のあらゆる生命は子孫を  引き継ぐために生きる。そう設計されている。その方程式が故に争う」

「しかし、貴様は違う……」

「むしろ俺達と同じだ。過去も未来もない。この瞬間だけを生きる、それ  だけの存在だ」

「人間は人を幸福にするようには創られていない。この世に生まれ落ちた  時から、人を不幸にするように運命づけられている」

「俺が初めて人の心に 侵入 ダイブ した相手は、実の親父だった」


「親父の心の中には、俺に対する殺意しかなかった。母親が死んだのは俺  の出産が原因だと……」

「俺は親父に殺されると思った……」

「あの時――、俺の未来が消えた。過去も亡くした。気がついた時、村は  炎に包まれていた……」

「過去を清算するために村を焼き払ったというのか」

「お前の中にも同じトラウマがあるな。くっくっく(暗い愉悦に満ちた不  気味な笑い)お前は俺と同じだ……」

「俺はそんな貴様に賭けてみたくなった」

「俺はボスの 蹶起 ケッキ に賛同したのではない。奴の目的にも、理想とやらにも  興味はない。ただ、殺戮に至る正当な理由が欲しかった」

「なんて奴」

「言わせておけ、こいつはもうすぐ死ぬ」

「俺は本当の悪魔を見た。スネーク…、貴様を見ると、落ちつく。貴様は  ボスと同じ……いや、それ以上だよ。俺はまだまともだ……」





マンティス

スネーク



マンティス

スネーク

マンティス

マンティス



マンティス

スネーク

マンティス

スネーク

マンティス






マンティス









マンティス

マンティス





「……その女の心を読んだ」

「メリルの?」


「女の心にお前がいた。お前が心の中で大きな存在として……」

「大きな存在?」

「大きくなりつつある……」

「これが、お前達の未来かどうかはわからん」


「頼みがある」

「なんだ?」

「マスクを被せてくれ」

「わかった……」

「このままでは……人の思念が入ってくる。最期くらいは自分でいたい。  俺だけの世界にこもりたい」



「そこの扉を開けてやろう。未来が知りたければ扉をくぐればいい」





「力を誰かの為につかったのは……これが初めてだ」

「妙だ。懐かしい…感覚がする…」











スネーク



メリル



スネーク

メリル

スネーク

メリル



スネーク

メリル



メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル






「行こうか、メリル?」


「ごめん……」


「メリル?」

「私、捕まった時にマンティスに暗示をかけられていたみたい」

「後悔するのなら、ここに置いていくぞ」

「そうね」


「後悔するよりも反省する事だ。後悔は人をネガティブにする」

「わかった。ごめんなさい。もう迷惑はかけないわ」


「スネーク――、ちょっといい?」

「まだ泣き言か?」

「さっきの話だけど……マンティスの言った事……」

「さっきの……なんだ?」

「いえ……」



メリル



スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル



スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク


「教えて? スネーク、あなたの名前はなんて言うの? 本当の名前?」


「戦場では名前なんて意味がない」

「歳は?」

「君よりは死人を多く見てきている」

「家族は?」

「育ての親ならいくらでもいる」

「好きな人は?」


「他人の人生に興味を持った事は無い」

「そう…、マンティスが言ってたように、あなたには何も無いのね」

「他人の人生に介入すれば、自分を守れなくなる」

「悲しい人」

「さぁ、行くぞ……」




















メリル

スネーク

メリル

スネーク



メリル









メリル











「狼がいるのかしら?」

「狼犬、ウルフドッグだ」

「詳しいのね?」

「これでも犬ぞり使い、マッシャーだ」


「私が 前衛 ポイントマン を務めるわ。スネーク、私についてきて」






「スネーク…、 狼犬 ウルフドッグ の扱いに慣れているんじゃなかったかしら?」























メリル

スネーク

メリル





メリル

スネーク

メリル


スネーク

メリル












「ここは地雷原よ。私が 前衛 ポイントマン になるから、離れてついてきて」


「だが、レーダーが効かない。地雷探知機もつかえんとなると……」

「私にまかせて」



「どう、私もたいしたもんでしょ?」

「なぜ地雷の位置が?」

「マンティスに 侵入 ダイブ はされたけど、その時、ここの地雷のイメージが見え  たの。見直した?」

「ああ、少しは……」

「ちぇっ、少しなの?」












スネーク

メリル









スネーク



メリル

スネーク



メリル

スネーク



メリル







メリル

スネーク

メリル







「メリル…?」

「どうしたの?」





「メリル、伏せろっ!!」


「あぁっ!!」

「メリル!!」


「あああっ!」

「メリル!!」


「あううっ!」




「スネーク…、私を置いて逃げて……」

「メリル……」

「私、本当…新米ね。二度も……」



スネーク

メリル

メリル

スネーク

メリル



スネーク

メリル



スネーク

メリル



メリル

スネーク



メリル

メリル



メリル

メリル



メリル




「大丈夫だメリル。狙いは俺だ」

「いくら私でもわかるわ。こんな古典的な罠……」

「スナイパーよ。私は囮、あなたが出てくるのを待ってるんだわ」

「クソッ!」

「私を撃って!!」


「だめだ」

「銃が……自分ではカタを着けられないわ」


「早まるな」

「足手まといにならないって誓ったもの!」


「私、こんなだけど……あなたを助けたい! 役に立ちたい!」

「黙ってろ、体力を消耗するぞ」


「私が甘かった。軍人なんかに憧れて……」

「戦場には何も無い。戦争では何も生まれない」


「私の代わりに生き抜いて、スネーク。そして……人を好きになって」

「私の言葉を忘れないで」


「……さあ、行って!!」





キャンベル

ナオミ

キャンベル


ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

キャンベル


キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

ナオミ

スネーク

ナオミ




「……メリル…………」

「キャンベルさん?」

「(メリルが心配でたまらないが、司令官として、その感情を押し殺して  いる)くそっ!! スネーク、それは罠だ。スナイパーが敵を誘い出す  為に使う手だ。致命傷を避けて、君がメリルを助けに出てくるのを待っ  てるんだ……!」

「おそらく、相手はスナイパー・ウルフよ。 FOXHOUND フォックスハウンド 最高の狙撃  手」

「通常、狙撃兵は二人組だが…。それじゃ、相手は一人か」

「持久戦よ。彼女は何時間でも、何日でも何週間でもじっと待ち続ける  わ。あなたを観察し、動くのを待ってる」

「メリルの体力がもつかどうか……」

「スネーク、そこからウルフが見える?」

「通信棟まで身を隠す所はなさそうだ…。おそらく通信棟の二階だろう」

「(無理して饒舌に)通信棟からだとすると、ウルフからは君達が丸見え  だ。狙撃には絶好の撃ち下ろし攻撃ポジション」

「その距離では通常の武器で攻撃するには遠すぎる。スナイパーライフル  が必要だ」

「…大佐、無理をするな」

「?」

「メリルは必ず助ける」

「(嬉しい)ああ……すまない……」

「……」

「どうした、ナオミ」

「知ってる? あなたの遺伝子には殺人傾向を助長する因子が含まれてい  るのよ」

スネーク

ナオミ

スネーク


ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク


キャンベル

ナオミ








スネーク












兵士







「(皮肉)俺が他人の命を救うなどありえない、とでも?」

「そこまでは言わないけど……」

「あいにく、俺は自分の遺伝配列に何が書かれているかなど知らない。俺  は本能に従っているだけだ」

「野蛮な人?」

「俺はメリルを助ける。理由なんかいらない」

「そ、そう……」

「他人のためにも闘わない。自分のためにメリルを助ける。大佐、心配す  るな」

「スネーク。ありがとう」

「わかったわ…。ごめんなさい……」





「やったかっ!」







「動くなっ!!」

















ウルフ

ウルフ











ウルフ

スネーク

ウルフ



ウルフ

スネーク

ウルフ





ウルフ

ウルフ








「こんなに近いと外す方がむずかしいわね」

「武器を前に投げて! ゆっくりね」






「のこのこと戻ってくるなんて、バカな男……」

「女のスナイパーか?」

「世界の一流暗殺者の65%が女だって事、知らないの?」


「ここで死ぬか、あの女の死を確認してから死ぬか、どちらを選ぶ?」

「死ぬのは、お前を殺してからだ」

「そう。少しは芯があるのね」



「私はスナイパー・ウルフ。狙った標的は必ず、自分の手で倒す」

「お前だけは! 私が狩る……わかった?」







ウルフ

ウルフ







兵士














リキッド

オセロット

リキッド

ウルフ






「標的に印を付けたわ。忘れない」

「お前をしとめるまで、お前しか見えない」




「スネークを運べ……」








「まだ殺すな……生かしておけ」

「私にまかせて下さい」

「いいか、 DARPA ダーパ 局長の二の舞を演じるな」


「この男は私がターゲッティングした」




詳しくは、ナスターシャの無線会話(P389)を参照。

1980年代のアメリカの戦略防衛構想。宇宙空間に配備したレーザー兵器などで、敵国の弾道ミサイルを迎撃するというもの。スターウォーズ計画とも呼ばれた。

カルフォルニア州リバモア市にある、核兵器開発のための研究所。

第二次世界大戦中の1942年に、アメリカのルーズベルト大統領が命じた、原子爆弾開発計画。1945年7月16日に核実験に成功。すぐさま、8月6日に広島、8月9日には長崎に核爆弾が投下された。

デザートイーグルが使用する弾丸3種のバリエーションのひとつ。357マグナムの約3倍の威力をもつ。











【M1戦車戦後、基本】

キャンベル


ナオミ

【核保存棟1F、ガス噴出状態】

キャンベル

キャンベル


キャンベル



ナオミ


ナオミ


ナオミ


ナオミ


【核保存棟B2、オタコン救出前】



キャンベル

ナオミ




キャンベル


キャンベル




「スネーク、メタルギア開発者の エメリッヒ博士を救出するんだ」

「彼は核弾頭保存棟の地下二階に軟禁されているはずよ」


「スネーク、ガスだ! 息を止めろ!」

「LIFEゲージの下に O2 オー・ツー ゲージが出ている。空気を吸わなければゲー  ジは減っていき、 O2 オー・ツー ゲージが無くなると LIFE ライフ ゲージが激減する  ぞ」

「ガスマスクを探すんだ」


「今散布されているガスは、多分有機リン系の神経剤よ。アセチルコリン  などの伝達物質の分解を阻害して、神経伝達系を破壊する毒物」

「吸い込むだけでなくて、皮膚に付着しただけで体内に浸透・作用する  の。吐き気、発汗、けいれん、頭痛、呼吸困難等起こした後、通常  15分以内で死に至るわ」

「あなたのスニーキング・スーツは対NBC兵器用簡易防護機能を装備し  てるし、 塩化プロトパン PAM を使った神経剤中和機能をもつナノマシンも注  射してあるわ」

「でもそれらは一時的な防護にしかならないの。長い時間は持たないわ。  ガスマスクを探して!」



「エメリッヒ博士を救出してメタルギアの情報を聞き出すんだ」

「博士がとらえられている研究室は、今あなたがいるフロアの北東にある  んじゃなかったかしら?」


「今はディープ・スロートという男の言う事を信じてみよう。リモコンミ  サイルで核弾頭保存棟地下二階、北西の配電盤を壊すんだ」

「ガンカメラにミサイルを撃墜されないよう気をつけろ」

【核保存棟B1、配電盤破壊後】

キャンベル

キャンベル

【核保存棟B2廊下、死体デモ後】



スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ



キャンベル

【核保存棟B2廊下、兵士串刺しデモ後】



スネーク

ナオミ

キャンベル

スネーク

キャンベル



キャンベル


「配電盤の破壊に成功したな。床の高圧電流も消えたはずだ」

「エメリッヒ博士を救出してメタルギアの情報を聞き出すんだ」



「この死体の山は一体…。皆、刃物で斬り殺されたようだ」

「まさか…?」

「なんだ?」

「……いえ……」


「博士が心配だ。スネーク、先を急いでくれ」



「さっきの 忍者 サイボーグ だ……」


「えっ!」

「なんだって?」

「あのステルス迷彩、奴だ。間違いない!」

「スネーク! エメリッヒ博士が危ない。すぐに後を追うんだ!」


「スネーク! エメリッヒ博士が危ない。急げ!」



【研究室、忍者戦】



キャンベル

ナオミ

ナオミ

ナオミ


ナオミ

ナオミ


スネーク

ナオミ

キャンベル

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ





キャンベル



キャンベル



キャンベル





FОXHОUND フォックスハウンド 部隊の事なら、ドクター・ナオミの方が詳しい」


「残念だけど、 FОXHОUND フォックスハウンド にそんな隊員はいないわ」


「現在の FОXHОUND フォックスハウンド は6人しかいない」


「サイコ・マンティス、スナイパー・ウルフ、  バルカン・レイブン、デコイ・オクトパス、  リボルバー・オセロット…」

「そして、リキッド・スネーク」

「彼等が率いるゲノム兵は皆、次世代特殊部隊の隊員よ。   FОXHОUND フォックスハウンド は常に少数精鋭」

「それは今の FОXHОUND フォックスハウンド という事だな?」


「ええ……」

「スネーク、その男は一体何者なんだ? 敵なのか?」

「知りたいのはこっちだ。ナオミは本当に知らないんだな?」

「……(内に怒りを秘めつつ)あなたの方こそ、覚えはないのかし  ら……?」

「どういう事だ?」

「いいえ……なんでもない」



「そいつに武器は通用しないようだ。何か他の方法を考えてみるんだ」


「そいつは素早い。見失ったら主観でどこに逃げたか探すんだ」


「スネーク、奴は明らかに君を挑発している。武器を捨てて奴の誘いに  乗ってみろ」

【研究室、オタコン救出デモ終了後】



キャンベル

スネーク

スネーク


ナオミ

スネーク


ナオミ

スネーク


ナオミ

キャンベル

スネーク



キャンベル




キャンベル




キャンベル

キャンベル



キャンベル



「とりあえず、博士の救出には成功したな」

「ああ。あのステルス迷彩があれば、安全に隠れていられるだろう」

「グレイ・フォックスのこともあるが……。問題はあんたの姪だ。  (ちょっと心配)無線の切れ方が気になる。何かあったにちがいな  い……」

「(ちょっと意外)心配なの? メリルさんのことが?」

「まぁな。(天の邪鬼。本当はメリルの身が心配)彼女の持っている、起  爆コードの緊急解除/再入力用の PALキー 。あれ以外に奴らの核発射を止める  手段は残っていない」

「(辛辣)冷たい人。仲間の無事よりも任務の方が大切なの?」

「(ちょっと傷ついてやり返す)ここは戦場だ。任務以外のものに思いを  とらわれていたら、生き残る事はできない」

「(納得せず)だからって……」

「スネーク、とにかくメリルとの合流を急いでくれ」

「わかった」


「メリルは、『君のすぐ近くにいる』と言ってなかったか? とりあえず  その建物から探してみてくれ、頼む」


「メリルは、『君のすぐ近くにいる』と言ってたぞ。核弾頭保存棟の中に  いるんじゃないか? そっちの方から探してみてくれ」


「メリルは敵兵に変装しているのか。だがよく見ればわかるはずだ」

「主観やビハインドを使って、よく観察しろ」


「ダンボールをかぶって張り込みをするのもいいかもしれんな」

【核保存棟B1、女子トイレ】



スネーク

キャンベル

スネーク

スネーク




キャンベル

スネーク



キャンベル





【核保存棟B1、メリル合流後】



スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル



「大佐、メリルを見かけたんだが……」

「(嬉しい)本当か? どこだ?」

「女子トイレ」

「だが、妙なんだ。確かにここに入って行くのは見たんだが、中に姿が見  えない」


「トイレの中を探してみるしかないな」

「そうだな…。順番に調べていくか」


「メリルを見つけたんじゃなかったのか?もう一度よくさがしてみろ」





「大佐、あんたの姪は無事だ」

「よかった……」

「まだ安心はできん。今のところはだ」

「わかってる、スネーク……」

「あんたの姪はたいした女だよ」

「私の口からメリルを頼むとはいえんが……」

「任務優先?」

「私は間違っていたかもしれん。身内を戦場に送るとはな」

「彼女も気づいている」

「そうか……」

「それよりも大佐。あんたは本当に今回の演習の目的を?」

「知らない。私はただの使い走りに過ぎん」

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク



キャンベル


【核保存棟所長室、メリル変異後】



スネーク

キャンベル

ナオミ

スネーク



キャンベル


「この無線は軍にも流れているか?」

「当然だ」

「わかった。俺もあんたも、いつまで経っても主役は張れないようだ」

「脇役でもストーリーを変える事はできる」

「なんとか、バッドエンディングは避けてみる」


「スネーク、メリルとともにメタルギアのある地下整備基地に向かってく  れ」



「大佐、メリルの様子が変なんだが?」

「緊張の連続で少し滅入っているんだろう?」

「スネーク、何か歌みたいなものが聞こえない?」

「そうなんだ。さっきから聞こえている。これはなんだろう?」


「先を急いでくれ、スネーク。メタルギアの地下整備基地は北にあるんだ  ろう?」



【マンティス戦、メリル操られ1】CALL

キャンベル

ナオミ


キャンベル

【マンティス戦、メリル操られ2】



スネーク

ナオミ

スネーク

キャンベル

キャンベル



スネーク

ナオミ




キャンベル

【マンティス戦】



ナオミ


ナオミ


ナオミ


キャンベル

ナオミ




「スネーク、メリルは正気じゃないんだ。武器を使うな!!」

「サイコ・マンティスよ。彼がメリルさんを操っているんだわ。その歌、  彼の洗脳ミュージックなのよ」

「武器はつかうな。気絶させるんだ」



「(苛立ち)マンティスの姿が見えない」

「彼はエスパーよ。でも魔法使いじゃないわ」

「(気づく)そうか、ステルス迷彩?」

「メリルは奴に操られているんだ」

「武器はつかうな。気絶させるんだ」


「俺の主観がおかしいんだ」

「彼のビジョンがあなたにも流れ込んでいるのよ。そうだ、そのビジョン  で彼の居る位置がわかるはず!」


「武器はつかうな。気絶させるんだ」



「彼はサイコ・マンティス……元KGB所属の超能力諜報部員よ。強力な  念動力と 読心 リーディング が彼の能力なの」

「ソ連崩壊後、職を追われアメリカに渡り、しばらくFBIに籍を置いて  サイコメトラーとして幾つかの事件を担当していたわ」

「でも5年前……連続殺人者の精神に没入・同化してしまった結果、猟奇  殺人を犯してしまったの」

「相手の狂気に侵されたのか……」

「とにかく、彼は以降、フリーの諜報専門エージェントとして各地を渡り  歩いた後、 FОXHОUND フォックスハウンド にスカウトされたの」

ナオミ


スネーク

キャンベル

ナオミ




ナオミ


キャンベル




キャンベル




キャンベル




キャンベル

キャンベル






キャンベル

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

ナオミ

ナオミ


「彼は 読心 リーディング 能力をもっている。だからスネークの行動は全て先読みされる  わ」

「どうしたらいい。これでは勝ち目はない」

「方法はあるはずだ」

「彼は人の心を操るのが得意よ。スネーク!  誘導に引っかからないで!」


「見える物が真実とは限らないわ。敵の肉体を破壊するより、精神を破壊  する方が有効なの」

「奴に悟られるな。無心の境地だ。頭を空にするんだ。わかるな。頭を空  にするんだ」


「奴は 読心 リーディング 能力でお前の心を読んでいるにちがいない。何とか奴の裏をか  け!」


「奴はお前のコントローラ操作を読んで攻撃をかわしているようだ。奴に  コントローラの操作を読まれないようにするんだ。考えろ、何か方法が  あるはずだ」


「わかったぞ。コントローラ端子だ!」

「コントローラをコントローラ端子2に差すんだ。そうすれば、奴はお前  の操作が読めなくなる!」



「スネーク、コントローラ端子2が使えない理由でもあるのか?」

「まあいい。部屋の両側に彫刻のようなものがあるだろう?」

「ああ。顔が革バンドでぐるぐる巻きにしてある、アレか」

「そうだ。それを攻撃して、顔の封印を剥ぎ取るんだ」

「どうして?」

「その彫刻は、マンティスの素顔をモデルにした物らしいの」

「マンティスは自分の顔を見る事を極度に嫌っていたわ。だから彫刻の顔  があらわになれば、彼の集中力を削ぐ事ができるかもしれない」



キャンベル


【マンティス死亡後】



キャンベル

ナオミ



キャンベル


【洞窟、精神安定剤入手】



ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

【洞窟、暗闇注意】

キャンベル




キャンベル


「スネーク、彫刻の顔を壊してマンティスのリーディング能力を乱すん  だ」



「とにかく、メリルが無事で良かった。ありがとう」

「……」


「スネーク、もう時間は残っていない。急いでメタルギアのある地下整備  基地に向かってくれ。所長室の北から行けるはずだ」



「スナイパー・ウルフが使ってる精神安定剤ね。ジアゼパムよ」

「ジアゼパム?」

「ベンゾジアゼピン系の抗不安薬。強い中枢神経作用があって、向精神薬  としてよく用いられるの」

「それでどうして手ブレが止まるんだ?」

「抗不安薬には、一般的に筋弛緩作用、抗けいれん作用もあるのよ。だか  ら自律神経失調症などの精神身体症や、麻酔前投薬、中枢性筋けいれん  の治療にも使われるわ」

「なるほど」

「でも注意してね。ジアゼパムは大量長期間服用するとアルコールみたい  に精神的肉体的依存を引き起こすわ。成人なら、1日1~4回、  1回2~5ミリグラム程度が適量ね」

「(感心)まるで医者みたいだな」

「科学者よ」


「暗闇では 狼犬 ウルフドッグ の方が遥かに有利だ。夜行性の眼を持つうえに嗅覚が発達  している。暗視ゴーグルを使うんだ」


「暗視ゴーグルがどこにあるかは、エメリッヒ博士に聞いてみろ」



【ウルフ戦、倒れているメリルを攻撃した場合】

キャンベル

ナオミ

キャンベル

ナオミ

ナオミ



キャンベル

ナオミ

【戦車格納庫運搬口、赤外線センサー】

キャンベル


【地下通路、ウルフ戦最初】



ナオミ

ナオミ


ナオミ




キャンベル




キャンベル

スネーク


ナオミ




「(激怒)スネーク! メリルを殺す気か!!」

「(非難)いったい何を考えてるの!?」

「(激怒)馬鹿者!! 何てことをするんだ!!」

「スネーク! もうやめて!!」

「ひどすぎるわ、スネーク!!」


「(激怒)こんな男に任務を頼むんじゃなかった……!」

「(徹底的な軽蔑)あなた…最低ね……」


「ん? そこに仕掛けてあった赤外線センサーはスイッチを切られたよう  だな」



「スナイパー・ウルフは FОXHОUND フォックスハウンド 最高の狙撃手よ」


「女性特有の忍耐力を最大限にいかして、1週間もの間、飲まず食わず、  身動きもせずに狙撃姿勢を保ち続けることができるわ」

「その上、彼女はジアゼパムという精神安定剤を使って、銃の手ブレを克  服しているの」


「スネーク、メリルが撃たれる!ウルフに対抗できるスナイパー・ライフ  ルを探しに行くんだ。それしかメリルを救う方法はない!」


「ウルフの射程の外から、スナイパー・ライフルでウルフを撃つんだ」

「だが、そのスナイパー・ライフルはどこにあるんだ? メリルに聞くわ  けにはいかない」

「エメリッヒ博士はどう? この基地に長い彼なら何か知ってるか  も……」





キャンベル

キャンベル



キャンベル


【PSG1入手直後】CALL

キャンベル


【PSG1入手以降】

キャンベル

【地下通路、捕まるデモ前】



キャンベル

スネーク

ナオミ

スネーク


ナオミ


キャンベル



キャンベル



「ウルフの射程の外から、スナイパー・ライフルでウルフを撃つんだ」

「スナイパー・ライフルのありかはエメリッヒ博士に聞いてみろ」


「(メリルの危機に切羽詰まっている)スナイパー・ライフルは戦車格納  庫棟の地下二階にあると聞いただろう? それを手に入れてメリルを助  けてくれ!」


「PSG1を手に入れたんだな? それがあればスナイパー・ウルフに対  抗できるはずだ。メリルを助けてくれ!」


「ウルフの射程の外から、スナイパー・ライフルでウルフを撃つんだ」



「ウルフに勝ったんだな、スネーク。メリルは? 無事か?」

「わからない。姿が見えないんだ」

「まさか、敵につかまってしまったの?」

「(焦り、心配)そうかもしれん。ウルフから聞き出してみる。まだ息は  あればの話だが……」

「(仲間を助けようと必死なスネークの姿に心を動かされかけている)ス  ネーク……」

「メリルのこと……よろしく頼む」


「スネーク、地下通路を北に向かってくれ」



【核保存棟B2廊下、妨害電波の説明】

メイ・リン

メイ・リン





【忍者戦、妨害電波の説明】

メイ・リン


【オタコン救出後】

メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン


【核保存棟B1、女子トイレの中】



メイ・リン

スネーク

メイ・リン


スネーク


メイ・リン



メイ・リン



「スネーク、レーダーは使えないわ。妨害電波が出てるの」

「(心配げ)しかも……発信源はあなたのすぐ近くみたい。気をつけて」




「スネーク、妨害電波で撹乱されてレーダーは使えないわ。発信源はその   忍者 サイボーグ よ!」


「中国には『学者は これ を行うを たっと び、 これ を知るを たっと ばず』っていうコトワ  ザがあるの」

「学問をする人というのは、勉強した事を実行するのが大事であって、た  だ知識を得るだけじゃダメって意味」

「……私がCMUやプリンストンじゃなくって、MITに入ったのは実践  工学が盛んだから。理論研究ばっかりじゃなくて、実際に動くものを作  りたかったの」

「ソリトン・レーダーとかリアルタイム・バースト通信を創ったのも、み  んなの役に立つものが創りたかったから。……エメリッヒ博士もそうだ  と思う」

「(落ち込み)でも、そんな気持ちが利用されて、人殺しの道具を造らさ  れてしまう…私たちエンジニアは……もう何も造らない方が、世の中の  ためなのかな……?」



「(非難)スネーク! そこは女の子用のトイレよ!」

「メリルがここに入っていくのを見たんだ」

「(怒)それなら、なおさら入っちゃダメじゃない! ヘンタイ!    記録 セーブ させないわよ!」

「そうは言うがな……。この基地の中で敵の目に触れずにメリルと話がで  きる場所というのは、ここしかないんだ」

「だからって……もう、知らない!」


「……」




【メリル合流後】



メイ・リン

メイ・リン


スネーク





【洞窟、メリル狙撃前】



メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

【メリル狙撃後】



メイ・リン


スネーク


スネーク


メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク





「メリルさんと逢えたのね、よかった……」

「作戦を指揮するっていう立場もあるし、多分口に出しては言わないだろ  うけど……キャンベルさん……ホント、嬉しそうな顔してたわよ」

「(嬉しい)……そうか」





「スネーク、ソリトンレーダーは……」

「この洞窟みたいな狭い場所では使えない、だろ?」

「そうなの。ごめんなさい」

「謝ることは無い。どんな優れたものにも限界はあるさ」



「(責めるように)このままじゃメリルさん、死んじゃうわ。なんで早く  助けにいかないの?」

「(悔しさに歯噛みしつつ)敵はメリルを餌にして俺を釣りだそうとして  いるんだ……。のこのこ出ていけば、すぐさまあのスナイパーの餌食に  なるだろう。その後にメリルも……」

「逆に言えば俺が出ていかない限り、奴もメリルを殺すわけにはいかない  ということだ」

「だからって、傷ついたメリルさんを放っておくっていうの?」

「そうだ。俺がそうすることはメリルもわかっているはずだ」

「ひどい……」

「その通りだ。だがまず生き残らなければ、そんな言葉を吐くことすらも  許されない。それが戦場だ」

【ウルフ戦後の嫌な予感?】



メイ・リン



メイ・リン



スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

メイ・リン





【核保存棟1F、ガス状態】

ナスターシャ


ナスターシャ




ナスターシャ


ナスターシャ




「スネーク? この辺で一度 記録 セーブ しておくっていうのはどう?」



「しばらく 記録 セーブ してなかった事だし…ね?」



「どうしたんだ、突然?」

「……なんだか、嫌な予感がするの」

「嫌な予感?」

「ええ、なんとなくなんだけど……」

「生きてかえってきてね、スネーク…」




「ガスを散布されているな。おそらくソマンか何かの有機リン系神経剤だ  ろう」

「スニーキング・スーツの防護機能と対BC兵器用ナノマシンの中和作用  があるから、短い時間なら大丈夫のはずだが…過信はするな。ガスマス  クを装備した方がいい」


「有機リン系神経剤は、動物の神経を侵す毒ガスだ。兵器として実用化さ  れたのは第二次大戦中。殺傷能力は極めて高い」

「純度が高い場合、本来気体は無色無臭だ。そのガスが黄色いのは、わざ  と着色しているんだろう…。散布状況をわかりやすくして、味方の被害  を抑えるためにな」



【核保存棟B2研究室、忍者戦】

ナスターシャ



スネーク

ナスターシャ


スネーク

ナスターシャ


【メリル接触前、女子トイレの中】



ナスターシャ




スネーク

ナスターシャ

スネーク



「そのけた外れの運動能力……。多分、そいつの体は強化骨格だ」


「強化骨格? 義手とか義足みたいなものか?」

「いいや。根本的に違う。義手や義足は失われた部分を補うのが目的だ。  だが強化骨格は人間以上の戦闘能力を実現するために、人の体を人工物  に置き換える」

「戦闘機械、ということか……」

「開発が行われているという噂は聞いたことがあったが、あくまで噂だと  思っていた……。まさか本当に存在するとはな……」



「(非難)スネーク、そこは女子トイレだろう。……君がそんなに常識の  無い人間だったとは……」


「メリルがこの中に入っていくのを見たんだ」

「だからといって!」

「二人きりになるチャンスは今しかない。確かにこの中にいるはず……」



【メリル救出後】



ナスターシャ


【メリルの様子がおかしい】



スネーク

ナスターシャ


ナスターシャ


スネーク

ナスターシャ




ナスターシャ




「(安心)メリルと無事合流できたんだな。キャンベルも安心した事だろ  う」



「メリルの様子がおかしいんだが……」

「ストレス、かもしれないな……戦場とは過酷な場所だ。私の知り合いに  『チェチェン症候群』になった人がいる。彼はチェチェンから帰還した  半年後に妄想と不眠に悩まされた」

「何の為に闘うのか、わからないまま戦争にかりだされ、同じ言葉を話  す、同じ国民と闘った……」

心的外傷後ストレス障害 PTSD か?ベトナム帰還兵に多かった?……」


「アフガン症候群にも似ているな。メリルの場合は一時的なうつ状態だと  思うが…」


「彼女は新兵なんだ。気遣ってやれよ」



【マンティス戦、メリル操られ時】

ナスターシャ

【マンティス戦】



ナスターシャ


ナスターシャ




ナスターシャ

【地下通路、メリル狙撃後】

ナスターシャ




「メリルは明らかに正気じゃない。きっと何者かに操られているんだ」



「サイコソルジャーか……。公にはされないが、事実多くの国の特殊部隊  や情報機関が超能力者を抱えている」

「単にカンが鋭い程度から、自然災害級の破壊を引き起こす事のできる者  まで、レベルは様々だがな」


「サイコ・マンティスは相当に強力な超能力者だ。気をつけろ」


「(切迫)スネーク、スナイパー・ライフルなしでは勝ち目はない。彼女  を助ける事もできないぞ。スナイパー・ライフルを手に入れるんだ。そ  れしかメリルを救う方法はない」



【核保存棟1F、ガス噴出状態】

マスター






【核保存棟B2研究室、忍者戦】

マスター

【メリルを追ってトイレに入った】

マスター






【メリル合流後】



マスター






【マンティス戦、メリル操られ時】





マスター




マスター


【マンティス戦】

マスター




「スネーク、そのガスはおそらく神経ガスだ。極めて危険な毒ガスだぞ。  ガスマスクを使うんだ」




「それは挑発の一種だ。武器を捨ててみろ?」


「スネーク、その部屋の中にメリルが潜んでいることは確実だ。よく探し  てみろ」





「メリルとの合流に成功したんだな? それはよかった。起爆コードを解  除できるという例の PALキー も手に入ったんだろうな? 急いでくれよ、タイ  ムリミットは近い」






「おそらくメリルは操られているだけだ。素手での 近接戦闘 CQB は得意だろう   銃は使わず、彼女の動きを止めるんだ」


「おそらくメリルは洗脳されているだけだろう。助ける方法はあるはず  だ」


「相手は確かに超能力者だ。だがお前にも戦場でつちかったカンがある。  奴に対抗できないはずはない!」

【マンティス死後】



マスター


【洞窟、ウルフドッグについて】

マスター




スネーク


スネーク


マスター

スネーク


スネーク

マスター






【ウルフ倒した後(1回目)】

マスター




「サイコ・マンティスか……優れた資質を持って生まれながら、それを生  かす事ができなかった哀れな男だな……」


「そこにいるのは 狼犬 ウルフドッグ 。犬ぞりレースで使用するために、その名の通りハ  スキー犬とアラスカのオオカミをかけ合わせて作られた動物だ」


「従順なイヌにオオカミの忍耐強さと強靱さを取り入れようという試み  だったんだ。だが期待されただけの持久力も運動能力も得られなかっ  た」

「その上、性格はむしろオオカミに近く、ほとんど人になつかない。だか  ら普及はしなかった」

「(感心)そうか、お前は 犬ぞり使い マッシャー だったな」


「ああ。2002年に犬ぞりレースのレギュレーションが変更され亜犬種  の使用が禁止されてからは、あえて飼育しようという者もいなくなっ  た」

「そのほとんどは安楽死させられたと聞いていたが……?」

「捨てられた 狼犬 ウルフドッグ が野犬化しているという報告もある。野生での 狼犬 ウルフドッグ は、  オオカミのように群れを作って行動するらしい。気をつけろよ」




「さすがだな、スネーク。潜入だけではなく狙撃の腕もなまってはいない  ようだ。だが安心するのは早いぞ。戦果をその目で確認するまでは気を  抜くな」



【M1戦車倒した後】



メリル

スネーク


メリル


スネーク

メリル


メリル



メリル


【核保存棟1F、基本】

メリル

メリル




スネーク

メリル

スネーク

【核保存棟、ガス噴出状態】

メリル



スネーク

メリル


【核保存棟、音鳴り床】

メリル





「(尊敬)すごいわ、スネーク! 戦車を倒したのね!」

「なに、大した事はない。だが君が訓練でやってたVRシミュレーション  には、単独で戦車に立ち向かうなんて設定は、無かっただろうな」

「ええ、勿論。でも、単独潜入してきた特殊部隊員と協力してテロリスト  と戦う、なんてシミュレーションもなかったわよ」

「現実では、予想していない事ばかりが起こるものだ。特に戦場ではな」

「私はもう核弾頭保存棟にもぐりこんでる。エメリッヒ博士はまだ無事で  いるみたいだけど、この先どうなるかはわからないわ…」

「(ちょっと心細い)…早く来てね」


「エメリッヒ博士が閉じ込められているのは、戦車格納庫棟の北にある核  弾頭保存棟の地下二階よ」


「エメリッヒ博士は地下二階の研究室エリアにいるはずよ」

「そのエリアでは重火器の使用は一切禁止になってたわ。爆発で核弾頭か  ら、核物質が漏れ出したら大変なことになるから。気をつけてね」


「奴等、ガスマスクを装備しているようだが?」

「それは重火器の攻撃ができないからね」

「つまり、化学兵器を使うつもりか」


「ガスマスクを装備すれば、ガスにも長い時間耐えられるはずよ」


「そのガスマスクはどこにある?」

「その建物の地下二階よ。だから、そこはガスマスクなしで切り抜けるし  かないわね」


「スネーク、そこの床は普通に歩くと大きな音が鳴るわ。敵に気付かれて  しまう。ホフクで進んでみて」

【核保存棟B2、エア・クリーナー前】

スネーク

メリル


【核保存棟B2、エレベータを出たところ】

メリル


メリル


【核保存棟B2、忍者のヒントを聞いた後】



メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク



スネーク



メリル


「メリル、ここにガスの噴出装置のようなものがあるんだが……」

「ああ、それはエアーで体に着いたほこりを吹き飛ばす、クリーナー・シ  ステムよ。研究室って、細かいほこりにも気を使うものなんでしょ  う?」


「エメリッヒ博士は、その階の東北にある研究室に捕らえられているはず  よ。博士を閉じ込めておくためにガスがまかれているわ」

「でもガスマスクもその階にあったはずよ。それを使ってなんとか切り抜  けて」



「ディープスロート? 聞いた事ないわね」

「そうか……」

「なぜあなたを助けようとするのかしら?」

「わからん」

「……(怪訝そうに)罠?」

「かもしれんな。だが今は奴の言う事を信じてみるしかないようだ……」


「リモコンミサイルはどこにある?」


「リモコンミサイルは、核保存棟の地下一階にあったと思うわ」

【核保存棟B2廊下、死体デモ前】

メリル


【核保存棟B2廊下、死体デモ後】

スネーク

メリル



スネーク

メリル

スネーク

メリル

【核保存棟B2、研究室扉前デモ後】

メリル





【忍者戦、忍者戦中外に出ようとした場合】

メリル



「スネーク、エメリッヒ博士はそこから北に行ってすぐの所に捕まってい  るはずよ」


「……メリル、ここの死体の山は、君の仕業か?」

「まさか!」


「だろうな……」

「一体誰が?」

「さあな。だが、そいつはきっとこの先にいる」

「行って確かめるしかないってわけね」


「急いで! エメリッヒ博士が危ないわ!」




忍者 サイボーグ ?  FОXHОUND フォックスハウンド にそんな隊員がいるなんて聞いたことない  わ。でもエメリッヒ博士を助けるためには、そいつをなんとかするしか  ないみたいね」



【核保存棟、メリル接触前】



オタコン



オタコン




オタコン






オタコン






オタコン




オタコン





「メリルとはまだ逢えないのかい?」


「スネーク、君がいる核保存棟は地上一階、地下二階で構成されてるん  だ。他のフロアも探してみたらどうだい?」


「『近くにいる』っていってたから、メリルは核保存棟のどこかにいるん  じゃないかな?」



「彼女はテロリストに変装している。だけど、それは見た目だけだよ。中  身までは変えられない。彼女の歩き方に注目するんだ……」



「スネーク、彼女はテロリストに変装しているんだ。他の兵士が見てる時  は嘘をつき通すんじゃないかな。二人だけの時じゃなければ、正体を明  かしてはくれないと思うよ」


「ああ見えても女だ。わかるだろ? 女しかいかない所があるじゃない  か」

【核保存棟B1、女子トイレ】



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



オタコン



オタコン





【メリル合流後】



オタコン


スネーク

オタコン

スネーク




オタコン




「メリルを見つけたのかい?」

「ああ。確かにこの女子トイレの中に入っていくのを見たんだが……」

「そこ、出口は一つしかないよね?」

「ああ」

「それならまだ中にいるよ、きっと」


「中に隠れられるところがあるんじゃないか? 探してみたら」


「スネーク、メリルを見つけたんじゃなかったのかい?」





「(安堵)よかった。メリル、無事だったんだ。彼女、タフなんだね。見  た目からは想像できないけど」

「歩き方からもか?」

「はは。とにかく安心したよ」

「メリルから PALキー も受け取った。これがあれば核の発射を止められるんだ  な」


「北にあるメタルギアの地下整備基地に行くんだ。起爆コード入力システ  ムはそこにある」



【マンティス戦、メリル操られ時】



オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン


オタコン




オタコン

【マンティス戦後】



オタコン


スネーク

オタコン


スネーク



オタコン

【洞窟、暗闇注意】

オタコン

オタコン



オタコン




「きっとメリルは、誰かに操られているんだ。何とかして助けてあげて  よ」

「(焦り)どうすればいい? そいつは一体どこにいるんだ?」

「多分、すぐ近くにいるよ。姿を消しているんだ」

「どうやって?」

「ステルス迷彩だよ。僕が開発した……」

「ステルス迷彩は光学的に光を屈曲させて相手の目をくらますんだ。  サーマル・ゴーグルがあれば見えるはずだけど……」

「とにかく肉眼では見えないだけだ。きっとそいつを見つけ出す方法はあ  るはずだよ」


「スネーク、メリルは操られてるだけだ。助けられるはずだよ」



「(同情)サイコソルジャーか…。彼、戦い以外の生き方、選べなかった  のかな……?」

「……お前、奴に同情しているのか?」

「マンティスの超能力……あれは大きな力だよ。ひょっとしたら人を幸せ  にすることもできたかもしれない……。力は全て争いのために利用され  てしまうんだとしたら、悲しすぎるよ……」

「……」


「スネーク、メタルギアは北の地下整備基地だ。急いで!」


「スネーク、メタルギアは北の地下整備基地だ。急いで!」

「暗い場所は暗視ゴーグルを使った方がいいよ」


「暗視ゴーグルなら、核保存棟の研究室にある」

【洞窟、基本】



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク


オタコン



オタコン

スネーク

【地下通路、メリル狙撃後】



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



スネーク

オタコン




「スネーク、犬を……、殺さないでほしいんだ」

「何を言ってる?  らなければ俺が殺られるんだぞ」


「でも、犬達に罪は無いだろ」

「罪があるなら殺してもいいのか?」

「…君だって、犬、飼ってるんだろ?」

「それがどうした! ここは戦場だ。個人の私生活など何の意味も持たな  い」

「……」


「スネーク、犬を……」

「くどい!」



「オタコン、この基地でスナイパー・ライフルを見たことがあるか?」

「スナイパー・ライフル?」

「メリルがやられた。相手は凄腕のスナイパーだ」

「スナイパー……」

「奴に対抗するには高性能のスナイパーライフルが必要なんだ」

「……(渋々)PSG1を戦車格納庫棟地下二階の武器庫で見かけた…」

「戦車格納庫棟の地下二階? あそこまで戻るしかないのか?」

「そうだけど……」

「どうかしたのか? オタコン?」

「あの……いや、何でもない」


「オタコン、スナイパーライフルはどこにある?」

「……(渋々)PSG1を格納庫棟地下二階の武器庫で見かけたけ  ど……」



【スナイパー・ウルフ戦】

オタコン

スネーク

オタコン

【ウルフ戦勝利後、捕まる前】

オタコン



「……」

「どうした?」

「……彼女……ウルフは……いや、なんでもない」


「……」













リキッド



ウルフ

リキッド



リキッド

リキッド










オセロット

オセロット








「気がついたか、ソリッド・スネーク?」


「思ったよりタフな男ね……」

「俺が誰だかわかるか?」


「いつか貴様に逢う事になると思っていた」

「俺から光の部分を奪い去った男……(激しい嫉妬)貴様のおかげで俺  は……」





「無駄だ。お前が所持していた武器や装備は回収した」

「心配するな。すぐそこに保管してある。もう使う事もないだろうがな」



オセロット



オセロット



リキッド

リキッド




ウルフ

リキッド


ウルフ

リキッド



ウルフ

リキッド

ウルフ

リキッド

ウルフ

リキッド


オセロット




「鋼鉄の鎖で固定されている」


「ダメだ。お前の身体はしっかりと縛り付けられている」


「俺か? 俺は貴様にポジティブな部分を奪われた男だ」

「多くの兄弟達の犠牲の上に生まれ落ちて以来……まさに30年ぶりの感  動の対面だ。『光』と『闇』のな」


「この男のゲノム情報も必要なの?」

「ああ、殺す前に生きた組織を貰う。ゲノム兵達の奇病を治療するため  に」

「それで治るの?」

「いや、ビッグボスのゲノム情報を手に入れなければ駄目だ」


「奴等は交渉に応じたの?」

「まだだ」

「あいつらが交渉に応じるはずはない。あの連中は偽善者ばかりよ」

「クルド人としての意見か」

「奴等、いつも政治を優先する」

「心配いらん。奴らが何よりも避けたいのは、新型核兵器が明るみに出る  事だ」

「ボス、スネークがお目覚めのようです」






































リキッド

スネーク



リキッド




















「確かに似ているところもあるようだな。我が弟よ」

「……」


「いや、兄貴というべきか?……まあ、そんな事はどうでもいい」



リキッド





リキッド



リキッド



リキッド



リキッド

ウルフ





オセロット

リキッド




オセロット


リキッド



オセロット

ウルフ


「お互い『ビッグボスの息子達』の数少ない生き残りだ」



「俺だ。……そうか」


「で? ……ふざけた奴等め!」


「……わかった。レイブン、すぐに行く」


「奴等は交渉に応じない。予定通り、10時間後に一発目を発射する」

「ちいっ!! アメリカ人め!」



「読みが外れましたね」

「これ程強気に出てくるとは……臆病者の政府らしくない。  (少し考える)それとも、何か切り札を持っているのか?」


「さぁ? とにかくこれで記念すべき新型核弾頭の発射に立ち会えるわけ  ですね……」

「俺は発射準備に入る。後を頼むぞ、オセロット」


「お前はどうする? 私のショーを見ていくか?」

「私は興味がない」





ウルフ

オセロット



リキッド

オセロット

オセロット

リキッド



オセロット

リキッド

オセロット

リキッド



リキッド


オセロット

リキッド



ウルフ



「家族に食事をあげる時間だ」

「そうか、私のショーより狼の方がいいか?」


「オセロット、局長のようにしくじるな」

「わかってます。あれは事故だったんです」

「ただの民間人があれほど我慢強いとは……」

「おそらく催眠療法による精神防壁が張られていたんだ」


「ボス、あの 忍者 サイボーグ は?」


「12人もやられた。あの男は既に正気を失っている」

「私も腕を……どうして奴がここに?」

「俺達の中にスパイがいるかもしれん」


「マンティスは死んだ。ベイカー社長とオクトパスの死因も調べねばなら  ん。人手が足りない。無駄な時間は取れんぞ。拷問もほどほどにしろ」

「拷問? これは事情聴取ですよ」

「どちらでもいい。(スネークに向かって)じゃぁな、兄弟」


「女はまだこの世界にいる……」

スネーク

ウルフ



オセロット

オセロット





オセロット

オセロット

スネーク


オセロット

オセロット

スネーク



オセロット

オセロット


スネーク



スネーク

オセロット

スネーク

「メリル?」

「また……楽しみましょう」


「あの女は標的を決めると、他には盲目になる」

「時には恋愛感情さえ持つようになる」



「さあ、これで二人っきりになれた」

「どうだ、気分は?」

「悪くはない。回転ベッドで熟睡させてもらった。一人で寝るにはもった  いない」

「そいつはよかった。このベッドは優れもんだ」

「じっくりと教えてやる。これからな……」

「俺の装備品は?」


「そこにまとめて置いてある」

「しかしワシントンも大胆な賭けに出たもんだ。よっぽどお前の働きに期  待しているんだな、 運び屋 ベクター ?(からかい)」

「?」


「やはり――、メタルギアに装備されているのは新型の核弾頭なのか?」

「ああ。詳しくはキャンベルにでも聞いてみたらどうだ?」

「大佐に?」



オセロット

スネーク

オセロット

スネーク

オセロット





スネーク





オセロット


オセロット


スネーク

オセロット

スネーク

オセロット

オセロット


オセロット


オセロット

オセロット


「ところで、あの光ディスクはベイカー社長から預かったものだな?」

「……それがどうした?」

「光ディスクはあれだけか? 他にデータは?」

「何のことだ?」

「コピーはないんだな? ……なければいい」



「メリルは無事なのか?」



「女は死んでいない。ウルフが気紛れをおこしたおかげでな。だがこれか  らも生き続けられるかどうかは、お前次第だ」

「お前、 PALキー を持ってたろ。残り2つの PALキー はどこにある? あの PALキー の仕掛け  とは何だ?」

「仕掛け?」

「あのタヌキ社長が仕組んだとかいうトリックの事だ」

「知らん」

「(あっさり)そうか。まぁいい」

「(宣言)これはゲームだ、ソリッド・スネーク。お前がどれほどの男か  試してやる。我慢できなくなったら服従しろ。そうすれば止めてやろ  う。だがその時は――、あの女の命をもらう」

「アクションボタンを連打すれば LIFE ライフ が回復する。  服従したければ、無線ボタンを押せ」

LIFE ライフ がなくなるとゲームオーバーだ。コンティニューはないぞ」


「言っておくが――、連射パッドを使おうなどとは思うなよ」



オセロット

スネーク

オセロット


オセロット


スネーク

オセロット


オセロット


オセロット

オセロット

オセロット


「スネーク、お前がセーブをしたのは随分前のことのようだな」

「それがどうした」

「お前の体が拷問に耐え切れなければ、当然ゲームオーバーだ。お前はあ  の長い道のりをもう一度繰り返す気があるか? 悪いことは言わん。服  従したほうがいいぞ」

「高圧電流が貴様の身体を流れる。短時間であれば命に別状は無い程度の  ものだ」

「そういう趣味はない」

「まだ余裕があるようだな。  いいか、スネーク。お前は 戦争捕虜 POW (プリズナー・オブ・ウォー)では  ない」

「お前は人質だ。ジュネーブ条約 【注1】 も関係ない。ここでは誰も助け  てはくれん」

「思いっきり感じてくれ! 気にすることはない」

「よし、そろそろ始めようか?」

「ではいくぞ」









オセロット







オセロット

オセロット




オセロット








オセロット

オセロット


スネーク

オセロット


オセロット


スネーク

オセロット










「なかなか強情な奴だな。今回の所はこれくらいにしておこう」




「さすがはボスの兄弟。クールだ」

「あの男、若いが大した奴だよ。ハインドでF16を撃墜するとはな。あ  のプロジェクト…… 恐るべき子供達 アンファン・テリブル も失敗ばかりではなかったというこ  とか」


「あんな奴は見たことがない。奴こそ、私の夢を実現してくれるかもしれ  ん」




「なげかわしい時代だよな」

「帝政、全体主義、ペレストロイカ 【注2】 ……確かに20世紀のロシア  は問題を抱えていたが、イデオロギーがあった。今のロシアにはなにも  無い」

「自由と秩序の 葛藤 かっとう 。混沌の中で再びナショナリズムに目覚めたか」


GRU グルー 【注3】 本部長とスペツナズ 【注4】 の最高司令官を歴任した実  力者とも話がついている」

「彼は今回の新型核システムを購入してくれる。ハインドDはその前金  だ」

「目的は金か?」

「金など必要ない…。ロシア再建、新しい世界秩序」





オセロット

オセロット

オセロット

オセロット



オセロット


オセロット

スネーク



オセロット















オセロット

オセロット

オセロット

スネーク

オセロット




「お前にも理解できるはずだ」

「私達は今のような世界では生きては行けない」

「私達には緊張が必要だ」

「今の世界は腑抜けている。感情を押し潰した偽りの時代だ」


「だから世界を目覚めさせ、本来の姿に戻す。欲望と猜疑、 怯懦 きょうだ と蛮勇が  入り混じる緊張に満ちた世界の実現」

「それはお前が望むものでもあるんじゃないか?」

「……」


「リキッド・スネーク、たいした男だ。奴は本気でそれをやろうとしてい  る……」








「そうか、そうだな。お前も人の子だ」

「約束通り、これまでにしておこう」

「そのかわり、女はいただいた。じっくり、楽しんだ後に殺してやる」

「……メリル」

「いいぞ、そうやって悔いて、生きて行け」






















ジョニー




















「スネーク、ショータイムだ。 オセロットが呼んでる」














オセロット



オセロット

オセロット

オセロット

オセロット

スネーク

オセロット

オセロット

オセロット







「いいか、もう一度言うぞ」


「私はアフガニスタン、モザンビーク、エリトリア、チャドでも闘った」

「アフガンゲリラの間でシャラシャーシカの渾名で恐れられていた」

「私のは GRU グルー 仕込みだ」


「KGBの連中とは違う……これは拷問ではない。スポーツだ」

「サディストには違いない」

「制服連中と一緒にされては困る」

「よし、そろそろはじめようか?」

「ではいくぞ」















スネーク









スネーク









「先客がいるらしい?」





「局長? ……ひどい臭いだ」









キャンベル

スネーク

ナオミ

スネーク

キャンベル

ナオミ

キャンベル


スネーク


キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

スネーク


キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク






「スネーク、大丈夫か……」

「ああ……なんとか」

「メリルさんは?」

「……奴等に捕まってしまった」

「(沈痛)そうか……」

「キャンベルさん……」

「(平静になろうと努力)ああ……わかってる。スネーク、政府は彼らの  要求に応じない事を決定した。今、時間稼ぎを試みている」

「……そうやってシラを切っているつもりか。大佐? 確かにメリルの事  はすまないと思っている。だがこれ以上の隠し事はやめてもらおう」

「なんのことだ」

「メタルギアは新型核弾頭発射のために開発されたそうだな」

「!」

「(苦々しく)やはり、初めから知っていたか」

「……」

「なぜ隠していた」

「……すまない……」

「一兵士には話せない、というわけか。変わったな、あんた」

「メタルギアと新型核弾頭開発……。 政府 ホワイトハウス はどこまで絡んでいる? どの  レベルまで?」

「……少なくとも大統領は昨日までレックス計画の事を知らなかった」

「『必要な者だけに知らせる、ニーズ・トゥ・ノウ』の原則か」

「核爆発のない未臨界実験でも大騒ぎされる繊細な時期だ」

「厄介事ってわけだ」

キャンベル


スネーク

ナオミ

キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク


キャンベル

スネーク




ナオミ


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

ナオミ

スネーク

「その上、大統領は明日、ロシアの代表と   第三次戦略核兵器削減条約 START3 【注5】 の調印を行う」

「なるほど、タイムリミットはその為か?」

「そうよ、スネーク。だから、今回のテロが公になると大変なの」

第三次戦略核兵器削減条約 START3 どころではない、 第二次戦略核兵器削減条約 START2  の批准承認や 戦略ミサイル防衛 TMD の問題も蒸し返しだ。大統領の信用どこ  ろか、わが国の権威失墜につながる」

「それで、隠密行動か。都合のいい話だ」

「スネーク、奴等をくい止めてくれ」

「勝手なことを……」

「君が頼りなんだ」

「それじゃ、教えてもらおう。新型核弾頭の正体を?」

「何度も言うが、内容は知らん」

「信じられんな」

「……」

「それほど 逼迫 ひっぱく した状況なら、なぜ奴らの要求を飲まない? ビッグボス  の死体など、くれてやればいい」

「それは……」

「それとも、どうしても要求を飲めない理由があるのか? まだ俺には話  していない理由が?」


「大統領は生命倫理にも厳しい政策を発表してきたの。軍でゲノム兵が実  用されていた事を知られたくないのよ」

「本当にそれだけか?」

「……」

「くそっ、まぁいい」

「すまない……」

「今、俺のとなりに DARPA ダーパ 局長の死体が転がっている」


「かわいそうに」

「だが、妙なんだ。死後数日は経ってるように見える」

スネーク

キャンベル

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク


キャンベル

スネーク


キャンベル


キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル



「血液も抜き取られている」

「血が抜かれている……?」

「腐敗を防ぐ為かしら?」

「わからん」

「局長が亡くなったのはほんの数時間前でしょ?」

「そうだ。にもかかわらず局長の遺体はかなり傷んでる」

「どういうことかしら?」

「血液になにか重要な物が?」

「いいえ、ナノマシンや発信機なら考えられるけど」

「局長は起爆コードを喋ったんだな?」

「ああ、奴等は PAL パル を既に入手、発射準備を始めているらしい」


「まずいな。発射を防ぐ手だては?」

「起爆コードを無効にする緊急解除装置があるらしい。アームズ・テック  社が密かに開発していたものだ。特殊な PALキー を三つ差し込んで解除するよ  うだ」

「その PALキー は?」


「今の所、一つしか手に入れていない。あとの二つの PALキー のありかは不明  だ。といってもとらわれの身だがな」

「仕方がない。 PALキー は後回しだ。メタルギア自体の破壊を優先しろ。独房の  君に全てを託すのも酷だが、君しかいない。そこから出て、通信棟へ  向ってくれ」

「…それと……」

「何だ?」

「……」

「メリルか?」

「ああ……」

「助けるさ」

「すまない」










キャンベル

スネーク

ナオミ



スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ



ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ



スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ







「スネーク、どうだ大丈夫か……」

「ああ……状況は変わらない」

「スネーク、私にできることある?」


「ああ、腕が痛い……」

「……そう、かわいそうに。鎮痛剤の量を増やしてみるわ」

「眠くはない。デキセドリンは投与しなくていい。性欲を持て余す」

「それだけ元気があれば大丈夫ね……」


「スネーク、コントローラを腕にあててみて」

「何だ?」

「いいから。あなたの痛みを癒してあげる」

「?」

「じゃ、いくわよ」


「(驚きの声)」

「どう、スネーク? 少しは楽になったかしら?」

「(驚き、感心)いったいどうやったんだ?」

「ナノマシンの 繊毛 せんもう 運動機能を使って、筋繊維を刺激してみたの。今の私  にできるのはこの位だから……」



スネーク

ナオミ

スネーク

スネーク

キャンベル

ナオミ



スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

キャンベル

ナオミ

キャンベル


ナオミ


「俺は人類を救えるような男ではない」

「どうしたの?」

「苦痛に屈したんだ……」

「大佐、すまない。俺はメリルを売った……」

「(怒りと悲しみ、後悔とうしろめたさ)……スネーク……」

「自分を責めないで。あなたはまだがんばらなきゃいけない」


「ナオミ、何か話をしてくれ。苦痛をまぎらわしたい」

「どんな?」

「何でもいい」

「私、自分から話すのは苦手……」

「そう、君のことが聞きたい。君のことを話してくれ」

「私のこと? ……難しいわね」

「家族は?」

「……私には愉快な話題じゃないわ」

「俺には家族はいない…。いや、一人父親を名乗った男がいた……」

「その人は?」

「殺した。俺がこの手で」

「……ビッグボス、か」

「えっ? ビッグボスが?」

「君が知らないのも無理はない。6年前……ザンジバーランド…。真相を  知る者は、今では私とスネークだけだからな」

「そんな…。ビッグボスは…。本当にあなたの?」

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク


ナオミ

スネーク

ナオミ



ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク


ナオミ

スネーク

キャンベル

ナオミ

「……奴はそう言った。それだけが事実だ」

「あなたは、それを知っていて、彼を?」

「……ああ」

「どうして!」

「……それを望んだからだ。俺も……そして奴も」

「そんな……親殺しなんて……」

「ああ。……(今までに無く弱々しい)俺の人生のトラウマだ……。  マンティスの言うとおりな」

FOXHOUND フォックスハウンド を離れたのは、そのせいなの?」


「……アラスカの厳しさが心地よかったのは確かだ……」

「スネーク……」


「……私も……本当の家族はいない。大学まで進学させてくれた兄が  一人。血はつながってない、兄と言っても歳は随分、離れていたけど」

「その人は?」

「(怒りと悲しみ)……もういない……」

「そうか……」

「スネーク、恋人とか……いるの?」

「一度、戦場での緊張状態を経験すると、日常生活では誰も信用できなく  なる」

「友達は?」

「……キャンベル大佐」

「(自嘲の笑い)まだ私を友人と呼んでくれるのか……?」

「それだけ?」

スネーク

ナオミ

キャンベル


ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク


ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

スネーク


スネーク

ナオミ

スネーク

スネーク

スネーク

スネーク


「いや、もうひとり…。フランク・イエーガー」

「えっ!?」

「ビッグボスから最も信頼され、部隊内で唯一 FОX フォックス の称号を与えられた  男…。グレイフォックスだ」

「……」

「(懐かしげに)俺は奴から、いろんな事を学んだ」

「(ためらい)でも……殺し合ったんじゃ?」

「確かにザンジバーランドで俺は奴と闘った。だが敵意があったわけじゃ  ない。それぞれ敵と味方に振り分けられていただけだ」

「そんな友情なんて?」

「ありえないか。戦いは友情を終わらせるものではない」

「そんなのおかしい」

「奴と最初に逢ったのは戦場だ」

「奴はアウターヘブンで捕虜となっていた。しかし、俺には奴が捕虜には  見えなかった」

「あくまでも冷静に的確に、新米だった俺をサポートしてくれた」

「それから、親密に?」

「いや、プライベートでのつき合いはない。俺達は皆、そうだ」

「次に戦場で逢った時は敵対する関係になっていた」

「俺達は地雷原の中、素手で殴りあった……」

「奇妙な程、健全な時間だった。正義も悪もない。スポーツのような一体  感があった」

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ


ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク


ナオミ

「おかしいわ。それもただの暴力よ。殺し合いよ」

「ああ、そうだと思う」

「そんな関係なら、あの 忍者 サイボーグ はどう説明がつくの?」


「わからない」

「あなたの遺伝子には殺戮を誘発するものが書き込まれているのよ!」

「妙にこだわるな、その話……。君はどうして、遺伝子の研究を?」

「……私、両親の名前も顔も知らないから……。自分は一体誰なのか?   それが知りたかった」

「それでDNAを?」

「そう、私は遺伝子を突き詰める事で、私のアイデンティティを取り戻そ  うとしたのね」

「ゲノム情報を解析すれば、人の遺伝子に秘められた私の空白の記憶を取  り戻せると思った」

「そこに記憶はあったのか?」

「わからない。でも人の運命までもがたった4つの塩基配列で刻まれてい  るなんて」

「(気楽に)俺のDNAの未来は? 俺の塩基配列は知ってるんだろ?」

「(苦しげに)あなたに未来…。未来は…。ごめんなさい。  わからないわ」

「(ナオミの苦悩には気付いていない)だろうな。君は科学者だ。予言者  じゃない」

「……」











ジョニー

ジョニー





ジョニー


ジョニー



ジョニー





ジョニー


ジョニー







「ハクション!!! ……くそっ、本格的にひいちまった」

「あの アマ 、俺の服を!!!」




「(グーっ!)おおおおぉおお!!! ……くそっ、腹が痛い……たまら  ん!」

「(グーっ!)……またかっ!! ひいぃ……」


「ああ、すっきりした…」



「うっ!! しまった寝てしまった。……あの風邪薬、効きは悪い癖に眠  たくなる」

「眠くてたまらん。ちょっと歩くか……」











オタコン

スネーク



オタコン



スネーク

オタコン










スネーク

オタコン



スネーク

オタコン



オタコン

スネーク







「おい! こっちだ!」

「何処だ?」


「僕だよ」


「オタコン!」

「君でも捕まったりするんだ?」






「早くここから出してくれ! メリルも捕まっている」

「いたいよ! 離してくれ!」


「急いでいるんだ」

「それが人にものを頼む態度かよ? 離してくれ!」


「まいったな。これじゃ、野獣の檻だよ。ひでぇ臭いだし」

「その男を見てみろ?」



オタコン

スネーク

オタコン



オタコン


スネーク

オタコン

オタコン





オタコン





オタコン



スネーク

オタコン



スネーク

オタコン

スネーク


「あぁ!  DARPA ダーバ 局長!」


「早くしないと俺もこいつの隣に並ぶ事になる」

「ひどい連中だ」


「ここの鍵はセキュリティ・カードでは開かないんだ。兵士が持っている  鍵でしか開かない」

「じゃあ、何しに来た?」

「これを……お腹が空いただろうと思って」

「食料なら、また持ってきてあげるよ」



「それと、カード6……そこの拷問部屋から出られる」



「あと、これも……」


「なんだこれ?」

「ハンカチだよ。スナイパー・ウルフからもらった」


「どうして?」

「なぜだか、彼女だけは僕に優しいんだ」

「ストックホルム症候群か?」



オタコン

オタコン

オタコン

オタコン


スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク



オタコン



スネーク



オタコン

スネーク

オタコン




「僕はここの 狼犬 ウルフドッグ の面倒を見てたんだ」


「テロが起こった時、奴等は犬を見殺しにしようとした」

「犬達にエサをやりたいと言ったら、彼女は許可してくれた」

「彼女も犬が好きなんだ。彼女は良い人さ。だから、彼女を傷つけない  で」

「いいか、目を覚ませ!その女にメリルは撃たれたんだ!」


「僕ができるのはここまでだ」

「奴等は核を使うつもりだ。食い止めなければならない」

「あそこに行くには通信棟を越えないといけない」

「その前にここから出してくれ!」


「わかってくれよ。これでも、がんばってるんだ」


「見張りがここの鍵を持ってる。あいつを倒してくれ!」


「冗談じゃない。僕は兵士じゃない。そんな事できない!」

「やるんだっ!」

「殺されるに決まってる」








スネーク

オタコン



スネーク













ジョニー







「ん?」

「それじゃ、見張りが戻ってくるから。じゃあ」


「待てっ!!」








「んっ!! 奴がいない!」










ジョニー





ジョニー



ジョニー









スネーク



スネーク








「どうした!?」



「ケチャップで遊んでどうする?」


「遊んでどうする?」






「オタコンか? そうか助けに来てくれたんだな?」


忍者 サイボーグ ?」













キャンベル


スネーク



スネーク

キャンベル

キャンベル







「なんとか、間にあったようだな、 スネーク」

「オセロットめ、ふざけた真似を……」


「あのディープ・スロートという男も妙だ。内部の者に違いない」

「内通者か? それとも裏切り者か?」

「どうやら、別の目的で動いている連中がいるようだ」









スネーク







メリル

スネーク



メリル

メリル



メリル

メリル












「……」




「私、こんなだけど……あなたを助けたい! 役に立ちたい!」

「黙ってろ、体力を消耗するぞ」


「私が甘かった。軍人なんかに憧れて……」

「戦場には何もない。戦争では何も生まれない」


「私の代わりに生き抜いて、スネーク。そして……人を好きになって」

「私の言葉を忘れないで」







キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク



キャンベル


スネーク

キャンベル




キャンベル


キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク


キャンベル

スネーク


マスター

キャンベル

マスター

スネーク

マスター


メイ・リン



「スネーク、メリルのことだが……」

「大佐、俺は……」

「……聞いてくれ」

「俺はメリルを守ることができなかった」


「(無理して悲しみを自ら振り払うように)スネーク、もういい。もうい  いんだ。言わんでくれ」

「大佐……」

「(自分に言い聞かせる)あの子も軍人だ。わかっていたさ。戦場で兵士  が死ぬのは、 いた むべきだが理不尽なことではないと……」


「スネーク、あの子も軍人だ。捕虜になる事態もありうるとわかっている  さ」

「自分の意志で任務についたんだ。覚悟は、できていたはずだ」

「いや、そうじゃない……」

「?」

「メリルは自分が軍人にならなければいけない、そう思い込んでいただけ  だ。亡くなった父親に近づくために」

「あの子がそんな事を?(自分が父親なので驚き)」

「彼女はまだ戦場に立つべきではなかった。戦場で傷つく覚悟もできてい  なかったはずだ。俺がもう少し……」

「らしくないな、スネーク」

「マスターがどうして?」

「盗み聞きしていたようで悪いんだが、我慢できなくなってな」

「マスター……」

「スネーク、反省はいい。後悔するのも勝手だ。だが過去の過ちをただ否  定的に捉えて自分を責めるのはやめた方がいい。それは何も生み出しは  しない」

「そうよ。落ち込むなんて『伝説の男』には似合わないわ」



メイ・リン



メイ・リン



スネーク

キャンベル

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ



キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

ナオミ



「それにメリルさん、本当は無事かも知れないじゃない?」


「メリルさん、きっと無事でいるわよ」


「メイ・リン……」

「スネーク、リキッド達を止めてくれ。……メリルもそれを望むはずだ」

「そうだな。……メリルならそう言うだろうな」

「……スネーク?」

「なんだ」

「メリルさんって、あなたにとって、やっぱり特別な人なのね(嫉妬)」

「特別といえば特別だ。あれ程の跳ねっ返り、そうはいない」

「……そういうことじゃなくて(嫉妬イライラ)」

「大佐の姪で……今は戦友だ」

「それだけ? 嘘(嫉妬)」

「……警察の尋問みたいだな」

「そんなこと……」


「家系かもしれんな……」

「家系って? 突然なんだ、大佐?」

「いやな、ナオミのお祖父さんの話を思い出したんだよ。聞けば、ナオミ  のお祖父さんはエドガー・フーバー時代にFBI 【注6】 長官補佐まで  勤め上げたらしいじゃないか」

「そうなのか?」

「(突然振られて少しびっくり。反射的にいままでついてきた嘘を繰りか  えす)え、ええ。日本人で、マフィアの囮特別捜査官もやってたらしい  わ」

マスター

ナオミ

マスター

ナオミ

スネーク

ナオミ


キャンベル

ナオミ

キャンベル





















スネーク





「いつの時代だ?」

「……1950年代だったかしら?」

「どこで?」

「……ニューヨークだったと思う?」

「ナオミ、家族はいないんじゃなかったのか?」

「……(少し動揺)大人になってから調べたのよ。お祖父さんのこと、  知った時にはもう亡くなっていたわ。実際には会ったこともない  の……」

「そうか……」

「……スネーク、負けないでね」

「頼んだぞ」












「クソッ!!」





リキッド



リキッド

スネーク

リキッド





スネーク



スネーク



スネーク



リキッド





リキッド



スネーク










「スネーク!!」


「残念だが、ここから先は通すわけにはいかない!」

「リキッド!?」

「これ以上進ませるわけにはいかん。死ねー!!」



「下までかなりあるが……ロープがあればいける」


「さっきのロープなら使えるはず」


「ロープを探すんだ。どこかにあるはずだ」


「どうするつもりだ。生身でハインドに楯突くつもりか?」



「さあ、いくぞ!!」


「ここにいても殺られる」












キャンベル

キャンベル


キャンベル


キャンベル














スネーク



スネーク





「スネーク、ラペリング中の操作はこうだ」

「ホフクボタンを押すと壁をける。壁から離れている間に方向キーの下を  押せば下に降りる。方向キーの左右を押しながら壁をければ、その方向  に大きく跳ぶことができるぞ」

「アクションボタンを押している間は壁をつたって歩く。アクションボタ  ンを押しながら方向キーを押せば、その方向に少しずつ移動する事がで  きる」

「ハインドの掃射を微妙にかわす事もできるはずだ。攻撃をよけながら下  まで降りろ。君なら出来る!」








「(数メートルを飛び降る時の気合)」


「(着地の衝撃によるうめき)」

















オタコン









オタコン





オタコン



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン




スネーク

オタコン










「撃たないで!!」





「僕だよ! 撃たないで!!」



「僕だよ! スネーク」


「オタコンか……どこから来た?」

「君みたいにスリリングな事はしちゃいない。高いとこは苦手なんだ」

「見てたのか?」

「ああ、見てたよ。僕は奴等のトラックに便乗したんだ。ステルス迷彩の  おかげさ」


「どうやって上がってきた?」

「勿論、エレベータだよ」



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン









オタコン

スネーク


オタコン



オタコン



オタコン

オタコン



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



スネーク



「螺旋階段は1階の近くで爆破されていた」

「だから、エレベータで……」

「エレベータが動いていたんだな?」

「ああ、そうだよ」





「君は大した男だ。さっきはまるで映画みたいだったよ」

「映画みたいにはいかない。 英雄 ヒーロー のように、女を助ける事はできな  い……」

「メリルの事かい?」


「……いや、なんでもない」


「スネーク、君にどうしても聞きたいことがあるんだ」

「ここまで来たのも、その為なんだけど……」


「君は人を好きになった事あるかい?」

「そんな事を聞くために?」

「いや…、傭兵でも人を好きになるのかなって」

「何がいいたい?」

「君に確認したいんだ。戦場でも愛は芽生えるかどうか?」


「たとえどんな状況でも、どんな時代でも……人は人を愛する事ができる  はずだ。ただし、愛を享受したければ、その人を守り抜く事」



オタコン



スネーク

オタコン



スネーク

オタコン

スネーク



オタコン



スネーク


スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク



オタコン





スネーク

オタコン


「そうだよね」


「頼みがある」

「えっ?」


「難しいことじゃない」

「ああ……でも、前にも言ったけど、僕は人を傷つけたりはできない」

「そんな事ははなから期待していない」


「それじゃ?」


「この下にエレベータが止まっている。あのエレベータを動かして欲し  い」

「見えるだろう?」


「変だな?」

「動いていたはずのエレベータが動かない」

「……パネルの故障かな?」

「頼めるか」


「さっきまで動いていたんだ。メカなら、まかしてくれ」



「俺はこれからうるさい蝿を落としてくる」

「わかった。こっちは帰り道を確保するよ。じゃあ…」



スネーク



オタコン



オタコン

スネーク













リキッド

スネーク

リキッド

スネーク

リキッド












「ひどい顔だぞ? まいっているようだが?」


「大丈夫さ。こうすれば関係なくなる」


「僕はここには存在しないんだ。そう思えば恐怖もなくなる」

「変な理屈だな。頼んだぞ」








「やっと上がってきたか? 準備運動は万全だな? 兄弟?」

「なぜ俺を兄弟と呼ぶ? お前は何者だ!?」

「俺は貴様だ。貴様の影だ!」

「なに?」

「詳しいことは貴様が殺した親父に聞け。あの世でな!!」











リキッド













リキッド

















リキッド



スネーク



スネーク







「落ちるなっ!」







「くそっ!!」









「スネークっ!!」


「地獄に堕ちたか……リキッド」


「火葬も済んだようだ」






オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク


オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



「スネーク、エレベータが動き出したよ」

「直ったのか?」

「いや、それが変なんだ。突然、動き出したんだ。今、ホールに向かって  る」

「そうか、わかった」

「さっきの爆発、なんだったの?」

「ヘリを一機落としただけだ」

「ヘリ? 凄いじゃないか、スネーク!」

「オタコン、もう一度、確認するぞ。メタルギアの整備されている基地は  この先なんだな?」

「ああ、この先の雪原の奧に地下整備基地への入り口があるんだ」

「わかった。お前はどこかに隠れてろ。今から下に降りる」

「言われなくたって、わかってる」

「妙な事をして俺の邪魔はするなよ」

「何かあったら、無線連絡をくれよ」









オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

オタコン






「スネーク、さっき言い忘れてたんだけど」

「どうした?」

「僕の研究室には、ステルス迷彩の試作品が5セットあったんだ」

「それで?」

「僕が着ている物を除いてあと、4着ある」

「そんな引き算なら小学生でもわかる」

「スネークにも渡そうと思って取りに行ったんだ。そしたら、」

「そしたら?」

「残りの4セットがなくなってるんだ」

「…?」

「それで、さっき調べたエレベータだけど……」

「どうもおかしいんだ。どうやら、誰かが停めてたみたいなんだ」

「おまえが乗った時も、重量オーバーの警告が鳴ったか?」

「それなんだよ。気になるのは」

「警告が鳴ったんだ。エレベータには僕一人だったのに」

「おまえ、体重は?」

「62キロ。そのエレベータは積載量300キロ程度のタイプだか  ら……」

「つまり、ここに最低5人は乗ってる!?」

「ま、まずいよ! スネークっ!」

「ステルス迷彩を着た奴が乗ってるんだ!!!」







敵兵











オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク


オタコン

スネーク

オタコン

スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク





「気づくのが遅すぎる!死ねっ、スネーク!!」







「大丈夫かい!? スネーク?」

「教えてくれ! ステルス迷彩に予備はあるのか?」

「試作品は5着だけだよ」

「じゃあ、これはステルス迷彩ではないな……」

「何の事?」

「今、狙撃を受けてる。こんなブリザードの中でだ……」

「……彼女だ!」

「ウルフ? ……スナイパー・ウルフか!」

「きっとそうだよ。彼女だよ」

「オタコン、おまえ、喜んでるのか?」

「……違うよ」

「どうした?」


「スネーク…。彼女を殺さないでくれ」

「(激しく)目を醒ませっ!!」

「(必死に)彼女、良い人なんだ。きっと話せばわかってくれる……」

「あの女はそんな甘い世界に生きてはいない」



ウルフ


オタコン

ウルフ

スネーク

ウルフ

オタコン

ウルフ

スネーク

ウルフ


オタコン

ウルフ

スネーク

ウルフ


「ここからはお前がよく見えるわ。(再会の嬉しさに笑いがこぼれる)  ふふ。言ったでしょ? お前だけは私が狩る。今度は逃がさない」

「ウルフ! ダメだよっ!!」

「子供は出しゃばるんじゃない!!」

「この嵐で狙撃するとは大した腕だ」

「わかる? 女の方が戦士には向いてるんだ」

「ウルフ、止めてくれ!!」

「スネーク、私は近くにいるわ。お前の近くにね」

「自ら存在をアピールするとは、スナイパー失格だ」

「そう思う? 私の宣言は死の宣言…。近くにいるって事は死が近いって  こと」

「お願い! スネークっ!!ウルフ!」

「うるさいっ!! 誰にも邪魔はさせない」

「メリルの借りは返す……」

「男は詰めがあまい。最後の最後で音をあげる……」















ウルフ



ウルフ



ウルフ





ウルフ




ウルフ

スネーク





ウルフ


ウルフ










「私は……ずっと待っていた」


「私はスナイパーだ。待つのが任務……」


「微動だにせず、ただひたすら……」



「肺をやられた。もう助からない。お前ならわかるな? 楽にしてくれな  いか…?」


「私はクルド 【注7】 だ。ずっと落ちつける所を探してきた」


クルド ? ……それでウルフか」




「私は戦場で生まれた。育ったのも戦場だ。銃声や怒号――、悲鳴が私の  子守歌だった。来る日も来る日も狩りたてられ、 かれたように戦う。  それが私の日課だった……。朝、目覚めると仲間や家族の死体が 累々 るいるい と  横たわっていた。私たちは朝日を見ながら…、今日の命を祈った」

「政治や歴史は、単に私達をなぶるだけの存在でしかなかった。そんな  時、あの人が現れた。あの人――、英雄サラディンが助けてくれた」

スネーク

ウルフ


ウルフ

ウルフ

ウルフ




スネーク




スネーク


ウルフ



スネーク

ウルフ

スネーク



ウルフ

ウルフ

ウルフ

ウルフ





オタコン



オタコン

「サラディン? ビッグボスの事か……」

「私はスナイパーになった。身を隠し、スコープから世界を傍観する立場  になった。戦場を内からではなく、外から客観的に観る立場に」

「私はそうやって、戦場の外から殺戮を…、人の愚かな歴史を見てきた」

「私は世の中に復讐する為にこの部隊、この 蹶起 ケッキ に参加した」


「しかし、私は… クルド としての誇りを失ってしまった。復讐の念が、身も心  も私を変えてしまった。今の私は ドッグ 同然」


クルド は高潔な生き物だ。 ドッグ とは違う。ユーピック語では クルド の事をケグルネ  クと言い、高貴な生き物として崇めている」


「俺達のような傭兵は『 戦争の犬 ドッグオブウォー 』と呼ばれている。確かに俺達は消耗品  だ。しかし、お前は違う。 クルド だ、 ドッグ ではない」

「お前は誰なの? もしかしてサラディン?」


「お前は……メリルを助けてくれた」

「たとえ傍観者でも女や子供が血を流すのは観たくない」

「安心しろ。ウルフらしく、気高く死ねる」


「今、わかった。誰かを殺す為に潜伏していたんじゃない」

「殺されるのを待っていたんだ」

「お前のような男に……」

「お前は英雄だ。私を解放してくれる……」



「どうしてなんだ……」


「愛してた……」





スネーク

ウルフ



ウルフ







ウルフ

ウルフ





オタコン





オタコン

スネーク

オタコン



オタコン

スネーク



オタコン

スネーク



「どうした?」

「銃を……私の銃を近くに……」


「銃は身体の一部なの」




「みんな…、いるわね……」

「さあ、 英雄 ヒーロー 。私を解放して…!」




「さよなら……」



「スネーク…、戦場でも愛は 享受 きょうじゅ できるって言ったよね?」


「……」

「僕は何もできなかった……」


「それは?」

「持ち主に返す。俺にハンカチは必要無い」


「どうして?」

「涙は既に涸れている」



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク







オタコン



オタコン



オタコン



オタコン



スネーク



オタコン








「地下整備基地に潜入する。時間が無い」

「わかってる」

「自分の身は自分で守れ。誰も信用するな」

「ああ……」

「メタルギアの破壊に失敗すれば、恐らくここは空爆を受けるはずだ」

「……そうだね」

「もう逢う事も無いかもしれん」

「無線機は手放さないよ。ずっと追跡してる」

「いつでも逃げていい。残りの人生、好きなように生きろ」




「スネーク!」


「彼女は何の為に闘ってたのかな!?」


「僕は何の為に!?」


「スネークは何の為に!?」


「生きて逢えたら、答えを教えてやる」


「わかった。その時までに…僕も答えを探しておくよ」






1929年に制定された戦争時における捕虜の処遇を定めた条約。捕虜は、名前・階級・認識番号・生年月日の申告以外の義務を負わないと定められている。

1985年に書記長となったゴルバチョフが、ソ連経済を立て直すために行った政策のこと。

旧ソ連の参謀本部情報総局(Glavnoye Razvedyvatelnoye Upravlenie)の略称で、下部組織に特殊部隊スペツナズを要する。ソ連崩壊後もロシア軍として活動を続けている。

旧ソ連軍時代から軍の情報・偵察行動を担当した特殊部隊。ソ連崩壊後もロシア軍の特殊部隊として存続している。

詳しくは、ナスターシャの無線会話(P389)を参照。

Federal Bureau of Investigationの略。合衆国司法省に属する連邦犯罪捜査の本部。スパイ行為、破壊活動など、国家保管に関わる犯罪や組織犯罪、テロなどの操作にあたる。

トルコ、イラン、イラク、シリアにまたがる国境地域地域。または、その地域に居住する民族。1988年にはイラクが化学兵器を使用して、5000人ものクルド人を虐殺するという悲劇があった。













【医療室、無線デモ後】





キャンベル



キャンベル



キャンベル


スネーク

ナオミ

【医療室、ケチャップ入手後】

キャンベル


ナオミ

【ジョニーを倒して脱出可能状態】

キャンベル

スネーク




ナオミ

スネーク






「スネーク、脱出のチャンスは必ずあるはずだ。辛抱強く待て」


「見張りも人間だ。眠りもすればトイレにも行く。その隙をつけ」


「スネーク、そこは独房だ。中から扉を開けるのは無理だろう。なんとか  して見張りに鍵を外させるしかない」

「だが、どうやって?」

「姿を消してみるっていうのはどう?」


「ケチャップは何色だ? 使い方によっては見張りをだませるかもしれ  ん」

「スネーク、それを使って死んだ真似をするっていうのはどう?」


「うまく看守を倒したな。今のうちに脱出しろ」

「そのつもりだ。これ以上、オセロットに付き合うのはご免だから  な……」


「体の方は大丈夫なの? スネーク」

「ああ。サディストの遊びでくたばる程ヤワじゃない」

【忍者によって脱出可能状態】



キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ



キャンベル





【医療室、装備未回収】CALL

キャンベル

ナオミ

【荷物爆弾未確認、爆発0~30秒前】CALL

キャンベル

キャンベル

キャンベル



「よくわからんが、とにかく扉が開いたんだな」

「ああ。だが、ステルス迷彩の影が……」

「ステルス迷彩? エメリッヒ博士が?」

「いや、オタコンとは思えない」

「では? ……まさか、グレイ・フォックス?」

「ああ。おそらくは……」

「…彼は……友達を助けに来たというの?」

「さぁな。こんな牢獄では死ぬな、というだけのことかもしれん」

「……わからないわ。彼の考えていること……」


「スネーク、考えるのは後だ。今のうちに脱出しろ」




「スネーク、ちょっと待て。装備を回収するのを忘れるな」

「きっと拷問機の近くにまとめておいてあるはずよ」


「スネーク、装備から爆弾を捨てるんだ!」

「装備ウィンドウで爆弾を選んで、アクションボタンで解除できる」

「いそげっ! 早く捨てるんだ!」

【風邪状態】CALL



キャンベル

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

ナオミ


スネーク



キャンベル

キャンベル

【医療室~通信A棟着まで】

キャンベル




ナオミ


【通信A棟、9F扉確認前】



キャンベル


キャンベル



キャンベル


ナオミ




「スネーク、ナオミから話がある」

「身体の具合はどう、スネーク?」

「そういえば身体がだるい。クシャミが出る……」

「こっちでもモニターしてるけど……熱があるようね。リンパ腺も腫れて  る。でも、心配はいらないわ。軽い流感のようね」

「あの兵士にうつされたか?」

「栄養剤と糖分を多くしておくわ」

「治せないのか?」

「ナノマシンには抗生物質は入れてないもの」

「どこかにニンニクがあればいいけど。ニンニクには抗生物質が含まれて  いるの。ビタミンとミネラルもね」

「ニンニクは勘弁してくれ」


「その基地にも風邪薬くらいあるはずだ。そいつを飲めば風邪は治る」

「そうでなければ、自然に治るのを待つしかないな……」


「メタルギアの地下整備基地に行くには、洞窟の北にある通信棟を登るし  かない。スネーク、通信棟に向かえ」


「待って、スネーク。そこは武器庫なんでしょ? 弾薬を補充しておいて  はどう?」



「新型核弾頭発射の刻限が迫っている。メタルギアの地下整備基地に急い  でくれ」

「地上は氷河に塞がれて通れない。通信棟を登って氷河を迂回するんだ」


「通信棟はA棟とB棟からなっている。君のいるA棟からB棟へ行くに  は、屋外の渡り廊下を使うしかないようだ」

「暗い場所は、危ないわ。敵がどこから出てくるか分からないもの。暗視  ゴーグルかサーマル・ゴーグルを使って」

【通信A棟9F、扉開かない事を確認した後】



キャンベル

スネーク

キャンベル

ナオミ


キャンベル

ナオミ





キャンベル



スネーク



キャンベル



キャンベル


【通信棟屋上、ハインドD登場前】



スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

キャンベル



キャンベル



「渡り廊下の扉が開かないのか?」

「ああ。何か手はないか?」

「エメリッヒ博士に聞いてみてはどうだ?」

「スネーク、メイ・リンが解析してくれた衛星写真を見ると屋上にも渡り  廊下があるみたいよ」

「それを渡れば向こう側にいけるな」

「気をつけて」



「スネーク、屋上の渡り廊下を使うんだ。屋上まで駆け上れ!」


「簡単に言ってくれる……」


「追ってくる敵兵は投げで下に叩き落としてやれ」


「グレネードで吹き飛ばすのも有効だ。近くで爆発させるように、信管を  抜いてから4秒程待って、投げつけるようにしてみろ」



「ふぅ、屋上に着いたぞ」

「お疲れさま」

「(つよがり)別に疲れてはいない」

「でも、心拍数が上がってるわよ。呼吸も荒い。ちゃんとモニターしてる  んだから」

「……」

「アラスカ暮らしで体がなまっていたのか、スネーク?」


「B棟を下りて北へ向かってくれ」

【通信棟屋上、渡り廊下発見デモ後】

キャンベル


【渡り廊下発見デモ後、屋上以外】

キャンベル


【通信棟屋上、ハインドD登場後】



キャンベル




キャンベル




キャンベル




ナオミ


キャンベル


ナオミ

スネーク

【ラペリング中】

キャンベル

キャンベル


【通信棟渡廊下、A棟扉】

キャンベル



「目の前に渡り廊下が見えるだろう? それを渡ればB棟だ。B棟を下り  て北へ向かってくれ」


「どこへ行く、スネーク? 屋上の渡り廊下を通って通信B棟へ急ぐん  だ」



「通信A棟屋上の渡り廊下を破壊されたか……。だがこれで道が閉ざされ  たわけじゃない」


「どこかに、ロープはないか? ロープがあれば通信A棟の屋上から壁面  をつたって下の渡り廊下に降りられるはずだ。ラペリングは得意だ  ろ?」


「通信A棟の屋上、北の出張りからラペリングで下の渡り廊下へ降下する  んだ」


「危険よ! ハインドがスネークを狙ってるわ。それにロープを使えば、  両手がふさがる」

「その通りだが、やるしかない。幸いハインドは小回りがきかない。そこ  に賭けるんだ」

「無茶よ。そんな……」

「他に方法はない」


「スネーク、ラペリング中の操作はこうだ」

「ホフクボタンを押すと壁をける。壁から離れている間に方向キーの下を  押せば下に降りる。方向キーの左右を押しながら壁をければ、その方向  に大きく跳ぶことができるぞ」


「スネーク、渡り廊下からA棟への扉はどうなってるんだ? その様子を  見に行ってみろ?」

【通信棟渡廊下、狙撃時】



ナオミ

スネーク



キャンベル


【スティンガー入手前】





キャンベル

スネーク



キャンベル




キャンベル


【障害箱発見後、破壊階段発見前】

キャンベル


【破壊階段発見後、オタコン遭遇前】

キャンベル




「スネーク、あなたは、視界の外から攻撃を受けているわ」

「どうすれば?」


「おそらく射程外からの攻撃だ。まず敵の位置をつかめ。双眼鏡を使うん  だ。攻撃はPSG1かリモコンミサイルを使え」




「スネーク、ハインドはまだ通信棟の上空を旋回している」

「(悔しさに歯噛み)くっ、だがこちらには奴と戦える武器がない」


「エメリッヒ博士なら、ハインドに対抗できる武器のありかを知っている  かもしれん。聞いてみてはどうだ?」


「スネーク、早くスティンガーを手にいれろ。エメリッヒ博士によれば、  B棟の渡り廊下入り口にあるんだろう?」


「上へ行く道がふさがれているのか……。それは後で考えるとして…とり  あえず下の様子を見に行ってみてはどうだ?」


「階段が破壊されているとはな。下へ行くには中央のエレベータを使うし  かないという事か。状況は分った。上へ向かえ、スネーク」

【通信B棟螺旋階段、スティンガー入手後】



キャンベル


ナオミ


スネーク

キャンベル

ナオミ

スネーク



キャンベル


キャンベル





【通信B棟屋上、ハインドD戦】



キャンベル


ナオミ

スネーク



キャンベル





キャンベル




「どうやらリキッドはどうしても君と決着をつけたいようだ。今、  メイ・リンが解析処理した衛星映像を見ている」

「スネーク、彼はあなたを待っているようだわ。獲物を狙うハゲタカのよ  う……」

「みんな揃って、ライブ中継をお楽しみって事か?」

「すまない。ここからは援助できん」

「スネーク、私……恐い。屋上へは行かないで」

「いや、逃げるわけにはいかない」


「リキッドは依然、通信B棟の屋上を旋回している。君を待っているん  だ……」

「スネーク、奴と決着を着けてこい!」





「リキッドは、どうしてもスネークと決着をつけるつもりだ。これは明ら  かに仕組まれている」

「ひょっとしたら、エレベータの一件も罠かもしれない」

「俺を屋上に誘うために、エレベータに細工を?」


「ハインドを倒すしかないぞ、スネーク」



「ハインドの機影はレーダーに表示されている。見失ってもレーダーを見  れば奴の位置は確認できるはずだ」



キャンベル




キャンベル

メイ・リン

ナオミ

キャンベル

ナオミ

キャンベル

キャンベル


メイ・リン

【通信B棟、ハインドD撃墜後】



キャンベル


ナオミ

キャンベル

スネーク


キャンベル



キャンベル



「耳をすませるんだ、スネーク。ローター音でハインドのいる方向がわか  るはずだ」


「(意外)ぬっ、ひょっとしてスネーク、君はモノラルなのか?」

「(驚き)そんな?」

「(唖然。今どきモノラルなんて信じられない)モノラル……」

「(困る)う~む……」

「(ひそひそとフォロー)し、仕方ないわよ、キャンベルさん…」

「そうだな……」

「……(白々しく慰める)スネーク、大丈夫だ。なぁに、モノラルかステ  レオかで人間の価値が決まるわけじゃない。そのままがんばってく  れ……」

「……モノラル……」



「遂にハインドを落としたな、 スネーク!」

「本当に、心配したんだから……」

「おそらくリキッドも生きてはいまい」

「……どうだかな。だが、リーダーが倒れたからといって奴等が要求を取  り下げることはないだろう。おそらく連中は核の発射を強行する」

「確かにな。もう時間が無い」


「急いでくれ。地下整備基地は通信棟の先だ。エレベータはもう動いてい  るんだろう?」

【通信B棟エレベータ内、ステルス兵戦】



キャンベル


ナオミ

ナオミ

キャンベル





キャンベル




キャンベル


【通信B棟、基本】

キャンベル


【雪原、入口】



キャンベル

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

キャンベル

メイ・リン


メイ・リン




キャンベル



「相手はステルス迷彩だ。肉眼では見えない。音に注意してみろ。耳をす  ませるんだ」

「そのステルス迷彩って、どのタイプかしら?」

「光学的なものか化学的なものか……わかる? スネーク?」

「ステルス迷彩の開発者に聞いてみるんだ。何かわかるかもしれん」



「スネーク、相手が見えなくては話にならん。サーマル・ゴーグルを使う  んだ」


「スネーク、五感を張り詰めろ。サーマル・ゴーグルが無くても君なら勝  てるはずだ」


「メタルギア地下整備基地への入り口は、通信B棟の北にある、雪原の奥  だ。急いでくれ」



「また天候が悪化しているようだ。双眼鏡を使ってみろ」

「人工衛星からのデータはどうなってる?」

「ゴメン。それがダメなの。衛星からでは入り口はわからないわ」

「何か熱源は? 排気口とか?」

「確認できないわ。ただ、南東の位置に大きな熱源が複数ある」

「おそらく、墜落したハインドの残骸だ」

「スネーク、そこはちょうど広場のような所よ。見えないでしょうけ  ど…。切り立った岸壁に囲まれている。そのどこかに地下への入り口が  あるはず」

「だから、壁に突き当たったら、壁に沿って歩いてみて。そうすれば迷う  ことはないと思う」


「スネーク、君が最後の希望なんだ。核の発射を阻止してくれ」

【雪原、パラシュート発見】CALL



スネーク




キャンベル

スネーク


ナオミ

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

ナオミ

キャンベル

スネーク

【雪原、レーション凍結状態】



キャンベル


ナオミ


キャンベル




「(深刻)大佐、聞いてくれ。ハインドの残骸の中に、パラシュートを見  つけた」


「パラシュート? まさかリキッドが……?」

「いや。ハインドからパラシュートで脱出するなんて狂気の沙汰だ。操縦  席から飛び出した途端にローターで切断されてしまう」

「……じゃあ、そのパラシュートは?」

「わからん」

「罠か?」

「あるいは俺へのアピールか……」

「……自分は死んでいない、と?」

「さぁな。俺を吊るしてやる、ということかもしれん」

「……」

「わかった…。とにかく警戒は怠るな」

「ああ」



「スネーク、レーションを見てみろ。凍っているぞ。凍ったレーションは  使用できない」

「レーションがとけるまで体力の補給はできなくなるわ。慎重に行動し  て」

「だが暖かい所ならば、凍ったものもとけるはずだ。肌で直接あたためて  もいいだろう」



【雪原、ウルフ戦(2回目)】

キャンベル

ナオミ


キャンベル

【ウルフ倒した後、ウルフ死亡デモ前】

キャンベル

【ウルフ死亡デモ後】



キャンベル

スネーク


スネーク


ナオミ


スネーク



キャンベル




「相手はスナイパー・ウルフか。PSG1で狙撃するしかないだろうな」

「(心配そう)スネーク、ウルフはその雪原のどこかに隠れながらあなた  を狙っているのよ。まず彼女がどこに隠れているか、それを見つけ出し  て」

「ウルフが君を撃つために身を乗り出した所を狙うんだ」


「ウルフは倒れたようだ。メタルギアの地下整備基地に向かってくれ」



「クルドの狙撃手か。悲しい運命だな」

「どんな境遇に生まれようと、そこから先の人生は、本人が自分の意志で  選び取っていったものの積み重ねだ」

「それを運命や宿命などという言葉で片づけてしまうのは、どうだろう…  …」

「……そうかしら?(同情。自分も戦場で生まれた)もしも戦場なんかに  生まれなければもっと別の、もっと幸せな生き方ができたかもしれな  い……。人殺しなんてしないで済む人生を……」

「……」


「スネーク、メタルギアの地下整備基地に急いでくれ。入り口は雪原の奥  にあるはずだ」



【医療室、未服従】



メイ・リン

スネーク


メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン



メイ・リン


【医療室、服従後】



スネーク

メイ・リン

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン


スネーク

メイ・リン





「大丈夫、スネーク? 大変なことになっちゃったわね……」

「(強がり)なに、捕虜になったというだけだ。全く予想外の状況という  わけじゃない」

「(安心)さすがは伝説の英雄ね」

「でも無線機が 耳小骨 じしょうこつ 埋め込み式でよかったわ。敵に取り上げられずにす  んだし。おかげで、いつでも連絡がとれるもの」

「……あなたの無事も確かめられる」


「とりあえず、キャンベル大佐に連絡してみたらどう? あの人なら何か  逃げ出せる方法を考え付くかもしれないし」



「……(傷心)メイ・リン……俺を、軽蔑するか?」

「……スネーク、あまり自分を責めないで」

「あなたは……」

「悪くないとでもいうのか?俺はメリルを……」

「(遮るように)聞いて。……中国の格言にはね…」

「…(言葉を探す少しの間)……」

「いいえ、自分の言葉で言うわ」

「スネーク、元気出して」

「あいつの言った事なんて信用することないわ。あんなのハッタリよ、  きっと……」

「(絶望)奴等はそれほど甘くない……」

「(必死に元気づけようとする)でも、そこで落ち込んでてもしょうがな  いでしょ」

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

メイ・リン

スネーク

スネーク





【医療室、監禁状態】

ナスターシャ




ナスターシャ

【医療室、脱出可能状態】

ナスターシャ

【医療室、装備未回収】

ナスターシャ


「まずはそこから脱出する事を考えないと……?」

「(沈黙でしか答えられないスネーク)……」

「……くじけないでよ、スネーク…」

「……そんなあなた……私、見たくない……」

「(いたわるように)わかった。もういいよ、メイ・リン」

「……ありがとう……」




「例え捕虜になったとしても、脱出のチャンスがないわけではない。あき  らめずに隙をうかがうんだ」


「とりあえずキャンベルに指示を仰いでみてはどうだ?」


「スネーク、そこはそんなに居心地がいいのか? 早く脱出しろ」


「装備はどうした? ここまで集めた装備を放り出していく手はないだろ  う? 早く取り戻せ」



【医療室、装備回収後】

ナスターシャ

【爆弾処理後】



ナスターシャ


【風邪ひき状態】



ナスターシャ

【通信A棟内部、暗部にて】

ナスターシャ

【通信A棟、ロープ入手時】

ナスターシャ


スネーク

ナスターシャ


【通信B棟屋上、ハインドD戦】





ナスターシャ




ナスターシャ


【ラペリング成功後】

ナスターシャ




「スネーク、早く通信棟へ向かえ」



「危なかったな。まさか装備に爆弾を仕掛けてくるとは……卑怯な連中  だ」



「ん? 風邪を引いているみたいだな。早くなおした方がいいぞ」


「暗い場所なら暗視ゴーグルかサーマル・ゴーグルを使うべきだ」


「ロープ? 最低、直径12ミリ以上、軽量で切れにくいものであれば、  ラペリングにも使えるはずだ。ああ、麻製ではないだろうな?」

「いや。ナイロン繊維が織り込んであるようだ」

「それならいい。麻は濡れると柔軟性がなくなるからラペリングには不向  きなんだ。大丈夫。そのロープなら十分使用に耐えられはずだ」




「ハインドDを倒すには 地対空ミサイル SAM が必要だ。自動小銃などでは撃ち  落とせない。スティンガー・ミサイルがあればいいのだが」


「このブリザードの中でハインドを飛ばすなんて、その男、常軌を逸して  いる。おそらく、計器には頼っていないはず。マニュアル操縦だろう。  そうなると、チャフは効果がないぞ」


「ハインドは逃げたわけじゃない。アレに対抗するには 地対空ミサイル SAM が  必要だ。例えば、スティンガーのような……」

【渡廊下、狙撃】



ナスターシャ


【通信B棟、スティンガー入手後】

ナスターシャ




スネーク

ナスターシャ


スネーク

ナスターシャ






【通信B棟屋上、ハインD戦】



ナスターシャ




ナスターシャ




ナスターシャ




ナスターシャ




「遠距離からの狙撃をうけているようだな。君もスナイパー・ライフルで  対抗するんだ」


「スティンガーを入手したな。これでハインドに勝てる確率があがっ  た……」


「確率があがったって?」

「そうだ。互角とはとても言えないからな。相手は怪物ヘリだ。勝てる確  率はわずかしかない。勿論、ゼロではないが……」

「アナリストというのは薄情だな」

「ハインドを落とすには、視界のいいところでないと無理だ。渡り廊下あ  たりで戦おうとしても、建物の陰に入り込まれるとどうしようもない。  屋上で対決するのが賢明だ」





「ハインドの旋回中、ノーズがこちらを向くまでの間がチャンスだ。その  隙を逃すな。ヤツの尻に、スティンガー・ミサイルを叩きこんでやるん  だ」


「ハインドの機銃をまともにくらったら、ひとたまりもない。機銃が君の  方を向いている時は、屋上の建物の陰に身を隠すのが賢明だ」


「スティンガーを使用中は移動ができない。ハインドが尻を向けた瞬間を  狙って、照準を合わせるんだ。機首がこちら向いた時は、すばやく隠れ  る。武器クイック切替ボタンを有効に使え」


「ハインドには 前方監視赤外線装置 フリアー や暗視装置等が装備されている、だか  ら、暗闇の中でも飛ばすことができる。だが…」



ナスターシャ


【ハインドD撃墜後】



ナスターシャ



スネーク


ナスターシャ

ナスターシャ


【通信B棟エレベータ、ステルス兵戦】



ナスターシャ






ナスターシャ



ナスターシャ






【雪原、ウルフ戦(二回目)】



ナスターシャ


ナスターシャ


「このブリザードの中でハインドを飛ばすなんて、その男、常軌を逸して  いる。おそらく、計器には頼ってないはず。マニュアル操縦だろう。そ  うなると、チャフは効果がないぞ」



「まさか、本当にハインドを落とすとは…」


「スティンガーなら奴を落とせると言ったのは、あんただが。……本当に  勝てるとは思ってなかったのか?」

「そういうわけではないが……」

「あのハインドはF16を二機撃墜してるんだ。それが生身の人間一人殺  すことが出来ず、逆に落とされるなんて……」



「ステルス迷彩か? やっかいだな…。光を捻じ曲げて身を隠す最新式の  迷彩服…。開発者に聞いてみる方がいいと思う」



「エメリッヒ博士の言うとおり、サーマル・ゴーグルを使うんだ」


「サーマル・ゴーグルが無いのなら仕方がない。大気のわずかなゆらぎを  見逃すな。そこにステルス迷彩兵はいる」





「スナイパー・ウルフ……狙撃手が自分の存在を明かしてから攻撃してく  るとは、常軌を逸している。それだけ君への執念が凄まじいということ  だろう」

「おそらく前回のようにはいかないぞ」



【医療室、拷問後】





マスター


マスター



マスター




マスター




マスター



スネーク

マスター




マスター

【看守を倒して脱出可能状態】

マスター





「通常、軍人は捕虜になった場合、ビッグ4、つまり氏名、認識番号、階  級、生年月日以外は口にしてはならない。だが今のお前は軍人ですらな  い」

「何一つ喋ることは許されんぞ」


「尋問者を刺激し、怒らせるような発言は控えろよ。相手の敵意を買え  ば、それだけ拷問は激しくなる。体力を消耗するだけだ」


「食べる機会があったら絶対逃すなよ。捕虜に食事が与えられ続けるとは  限らんからな。体力を温存して、脱出の機会をうかがうんだ」


「スネーク、脱出のチャンスは必ずある。絶対にあきらめるな」


「マスター、俺は……」

「言うな、スネーク。任務はまだ終わってはいない。今はそれを完遂する  事だけを考えろ」


「とにかく、キャンベルと連絡をとってみたらどうだ?」


「スネーク、今だ。この機会を逃がすな。脱出するんだ」



【医療室、装備未回収】

マスター


【時限爆弾爆発前】

マスター


【爆弾処理後】



マスター

スネーク

マスター


【風邪状態】

マスター


【洞窟、ウルフドッグおとなしい】

マスター




「スネーク、装備はどうした? まさか丸腰で任務を続行するつもりでは  ないだろうな? 装備を取り返すんだ」


「せっかく取り戻した装備だ。よく点検しておけよ。装備の動作不良は戦  場では死と直結するからな」



「危なかったな、スネーク」

「ああ。随分としゃれたプレゼントだった」

「(抑制した怒りと不信。爆弾の件はオセロットの独走)しかし装備に爆  弾を紛れこましておくとは、あの男……まあいい。脱出は果たしたん  だ。地下整備基地へ急げ。時間が無いぞ」


「風邪を引いているのか、スネーク? 体調を保ち続ける事も戦闘技術の  うちの一つだぞ。風邪薬か何かないのか?」


狼犬 ウルフドッグ がおとなしくなった? 何か攻撃衝動を抑えるようなものを持って  いるんじゃないか?」



【雪原、レーション凍結】



マスター


【ウルフ倒した後】

マスター


【ウルフ死亡デモ後】



スネーク

マスター


スネーク

マスター


マスター


マスター

マスター




「レーションが凍った? 凍ったレーションは絶対に食べるな。体温との  温度差が生じて、体内に吸収するために体力をつかうからだ。食べるの  は、とかしてからにしろ」


「ウルフを倒したか。一度敗北した時と同じ戦術で挑むとは愚かな女だ。  だが先程の例もある。戦果を確認するまで油断はするな」



「マスター、俺達は……やはり犬に過ぎないのだろうか?」

「らしくないな、スネーク?……スナイパー・ウルフの言葉に影響された  か?」

「……」

「……戦う意義を自問しない兵士などいない。いればそいつはただの殺人  狂、異常者だ」

「だが戦いの目的を自らの死の中に見出してしまった者は、決して勝利す  る事はない。ウルフのようにな」

「死を懇願した時、勝負は決まる」

「お前はそうなるなよ、スネーク……」



【医療室、拷問後】



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



オタコン

【医療室、オタコンが独房前に立っている状態】

オタコン


【医療室、ケチャップ入手後】

オタコン


オタコン



オタコン




「オタコン、まだ無事か?」

「ああ、ステルス迷彩のおかげでね」

「頼みがある。助けて欲しい」

「そうくると思った。何をしたらいい?」

「奴等に捕まった。独房で休憩中だ」

「どこの独房?」

「近くに大きな拷問機がある」

「ああ、わかった。今近くにいる。すぐ行くよ」

「頼む」


「オタコン」

「今そっちに向かってるよ。意外とせっかちなんだね」

「居心地がいいんでな。時間が経つのが長く感じる」

「了解。できるだけ急ぐよ」


「今そっちに向かってるよ。意外とせっかちなんだね」


「(馬鹿にしたように)なんで無線なんか使うんだい? ここにいるよ、  僕は」


「ケチャップは使ってくれたかい? 探すのに苦労したんだよ、アレ。  ちょうどいい色合いと粘り気のやつがなかなか無くってさ」

「うまく使ってくれよ。じゃ」


「僕ができるのはここまでだ…」

【医療室、看守倒して脱出可能状態】

オタコン

【医療室、忍者によって脱出可能状態】



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク



オタコン

スネーク





【医療室脱出後、装備未回収】

オタコン



スネーク

オタコン

スネーク

【風邪状態】

スネーク

オタコン

オタコン


オタコン

スネーク


「何してるんだ? 今のうちに逃げるんだよ、スネーク!」



「オタコン、いるか?」

「どうしたんだい?」

「今、扉を開けたのはお前か?」

「なんのこと?」

「やはり、お前じゃなかったか。……ということは…?」


「扉が開いたんだろ? それなら早く脱出しなきゃ」

「そうだな…」




「装備なら君が捕まってた独房の近くにあったよ。取りに行ったら?」


「知っていたなら、なぜ持ってきてくれなかった?」

「見張りがいて怖かったんだよ」

「……」


「この基地に風邪薬は?」

「なんだい、スネーク。君が風邪かい?」

「所長室のフロアにあると思う。核弾頭保存棟の地下一階南西に薬剤保管  室があるんだ。他にも薬があったと思う」

「一度、風邪をひいた兵士を案内してあげたことがあるよ」

「……その男にうつされたらしい」

【医療室、時限爆弾捨てた後】



オタコン

スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

【医療室~通信A棟まで】

オタコン


【通信A棟、入り口から4Fまで】

オタコン




オタコン



オタコン



オタコン




オタコン



「やはり、僕の作戦をわかってくれたんだね?」

「こんな手が通用するとはな」


「無事に脱出できたようで、よかったよ」

「薄情な奴だ」

「残念だな。僕の作戦を理解してくれると思ったのに」

「なんのことだ? まぁ奴等の警戒がずさんで助かった」


「洞窟の北の地下通路をまっすぐ進めば通信棟に着く。通信棟の渡り廊下  を使えば、道をふさいだ氷河も迂回できるはずだ。通信棟に向かってく  れ」


「スネーク、通信棟の中は暗い。暗視ゴーグルかサーマル・ゴーグルを  使った方がいいよ」


「サーマル・ゴーグルなら、僕の研究室のあったフロアにあるよ」


「暗視ゴーグルは研究室の近くにあった」


「あと、通信棟にはいつもたくさんの兵士が詰めているから見つからない  ようにね」


「通信棟の真ん中あたりに渡り廊下がある。そこまで一気に上ってくれ」

【通信A棟9F、渡り廊下扉前】CALL



オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン


スネーク

オタコン


スネーク

オタコン


オタコン



オタコン


オタコン


オタコン


【通信A棟、扉開かないとわかった後】

オタコン


【通信棟屋上、ハインドD登場前】



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



オタコン



「スネーク、そこが渡り廊下への扉だよ」

「カードを使っても開かないぞ」

「(急に気付いた)えっ? あっそうか。忘れてたよ。そうだった、そう  だった」

「何か知ってるのか?」

「外側が凍りついて開かなくなることがよくあるんだ。渡り廊下の扉  は…」

「先に言ってくれ、そういうことは……で、どうすれば開けられる?」

「中から開けるのは無理だね。いつもは外側からC4か何かで爆破するん  だけど…」

「外側から? 中から開ける事はできないのか?」

「ごめん、無理なんだ。でも安心してくれ。通信棟のA棟とB棟をつなぐ  渡り廊下は二つあるんだ。もう一つが、屋上にある」

「屋上の渡り廊下を使えばいいと思うよ」


「(緊迫)駄目だ、スネーク。そこの扉は凍り付いてるみたいだ。開ける  には外側から爆破するしかない」

「でも屋上の渡り廊下が壊されたから、B棟へ行くには、その扉の向こう  の渡り廊下を通るしかないんだ」

「ロープでもあれば、A棟の屋上から、向こう側へ降りられるかもしれな  いけど…」


「スネーク、屋上にも、渡り廊下があるんだ。そっちを使ってもいいと思  うよ」



「オタコン、屋上に着いたぞ」

「歩いて上がったにしては早かったね?」

「俺としてもゆっくり行きたかったんだが、急かす奴等がいたせいでな」

「ふーん。通信B棟にはエレベータがついてるから安心していいよ」


「渡り廊下を進めば、通信B棟だ」


【通信棟屋上、渡り廊下発見デモ後屋上以外で】

オタコン

【通信B棟屋上、ハインドDデモ後】



オタコン

スネーク



オタコン




オタコン

【ラペリング中】



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク


オタコン



オタコン


【ラペリング成功】

オタコン



スネーク



スネーク



オタコン



「スネーク、渡り廊下は通信A棟の屋上だよ」



「スネーク、生身でハインドと闘うつもりなのかい?」

「俺もそこまで無謀じゃない。何か、奴に対抗できる武器はないか?」


「スティンガー・ミサイルが通信B棟にあるよ。確か渡り廊下の入り口に  ある資材置き場に置いてあったはずだ。ロープか何かがあれば、屋上か  ら降りられるんじゃないか?」


「ロープなら、A棟の一番下の階で見かけたよ」



「(憧れ)凄いよ、スネーク。アクション映画みたいだね!」

「まるで違う」

「え?」

「これは現実だ。成功するように計算されたスタントじゃない。失敗して  もリテイクはないんだ」

「そうか……そうだね」


「スネーク、その通信棟の壁面には、棟内暖房用の蒸気が漏れて吹き出し  てる所があるから注意してくれ。あたるとすごく熱いよ」


「お見事。無事に降りられたね」


「楽ではなかったがな」


「軽いものだ」


「今のうちにA棟の凍りついた扉をC4で爆破して通れるようにしておい  たらどうだい?」



オタコン


【通信棟渡廊下、狙撃中】

オタコン


【通信B棟、スティンガー入手前】

オタコン

【通信B棟、オタコン遭遇前】



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク



オタコン


【通信B棟螺旋階段、ハインドD戦前】



オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン



オタコン



「スネーク、渡り廊下からA棟への扉が凍りついて開かないみたいだ。  C4で爆破すれば通れるようになるよ」


「攻撃されているのかい?でもスティンガーの置いてある資材置き場に行  くにはその廊下を通り抜けるしかないよ」


「スティンガーはB棟渡り廊下入り口の資材置き場にあるよ」



「スネーク、実は今、そっちに向かってるんだ」

「何だって?」

「どうしても聞いてみたい事があって……」

「聞きたいこと? なんだ?」

「うん……それは……(しばし逡巡)逢ってから聞くよ。じゃあ後  で……」

「ちょっと待て」


「スネーク、今そっちに向かってるんだ。ちょっと待っててくれない  か?」



「ついにハインドと闘うんだね?」

「ああ」

「(心配げ)ローターの音がずっと鳴り止まない。……この通信棟の上を  回り続けてるんだ。あいつ、君を待ってるみたいだね」

「その羽音も、もうすぐ聞こえなくなるさ」

「……わかった。それまでにはエレベータを使えるようにしておくよ」


「君がハインドと戦っている間に、僕はエレベータを直す。負けないでく  れよ、スネーク」



【通信B棟屋上、ハインドD戦】

オタコン

スネーク

オタコン


【通信B棟屋上、ハインドD撃墜後】

オタコン


オタコン

【通信B棟エレベータ、ステルス兵戦】



スネーク

オタコン


オタコン



オタコン




オタコン


【雪原、入り口】

スネーク

オタコン




オタコン

オタコン




「スネーク! 無事なのかい?」

「今の所はな。そっちの方はどうだ?」

「ごめん、エレベータはまだ動かない。どうも変なんだ。動力系に異常は  ないし、電源も生きてるのに。もう少し待ってくれ…」


「よくわからないけど、とにかくエレベータは動きだしたよ。通信B棟の  一番下までおりて、外にでれば雪原だ」

「地下整備基地の入り口は雪原の北側にあるよ」



「オタコン、奴等の姿が見えない! どうすればいい?」

「そうだね……ステルス迷彩は光学的に自然光を屈折させて非可視状態を  作り出すものなんだ。だから目には見えない」

「だけど僕のステルス迷彩には熱を遮蔽する機能はついていないんだ」


「サーマル・ゴーグルを使うんだ、スネーク。サーマル・ゴーグルなら彼  らの体温を補足できる。姿が見えるはずだよ」


「えっサーマル・ゴーグルを持ってないのかい? そうか…でも、目を凝  らしてよく見れば、君ならなんとかできるはずだ」


「オタコン、メタルギアの地下整備基地はどっちの方角だ?」

「通信B棟から、雪原を北に抜けた所だよ。扉のセキュリティ・レベルは  6だ」


「とにかく天候が悪い。迷わないように気をつけてくれ」

「それから言うまでも無いと思うけど、屋外は酷寒だ。ここはアラスカだ  からね。大雪原での長居は危険だよ」



【雪原、ウルフ戦(2回目)】

スネーク

オタコン



オタコン



オタコン

オタコン



「PSG1の弾丸はどこにある?」

「僕は……答えられないよ」


「……」


「地下整備基地の入り口は雪原の北にある」

「……僕はずっと見てるよ、スネーク……」











マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター


スネーク

マスター

スネーク







「いいか、スネーク。ナオミ・ハンターという女の事だが?」

「ナオミが、どうかしたか?」

「この会話は盗聴されているのか?」

「大丈夫だ。今、モニターを切っている」

「そ、そうか…」

「どうした?」

「私はFBIに身を置いていたこともある」

「それは知らなかった。それで?」

「ドクター・ハンターの身の上話だが…。彼女の祖父がFBI長官の補佐  官であったという…」

「ああ」

「それにニューヨークでマフィアの囮捜査をしていたという話……」

「それがどうかしたのか?」

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター

マスター

スネーク

マスター

マスター


スネーク

マスター


スネーク

マスター

スネーク

マスター

「すべてデタラメだ」

「何だって?」

「ずっと引っかかっていたんだ。どうしてそんな嘘をつくのか?」

「嘘?」

「彼女はスパイかもしれん」

「馬鹿な」

「いいか、こんな嘘は高校生でも見抜ける」

「ナオミの祖父は日本人だと言っていたな?」

「ああ」

「その頃、東洋人の捜査官は一人もいなかったはずだ」

「さらに、50年代にはまだマフィアの囮捜査は行われていなかった。初  めての潜入捜査は60年、しかもシカゴからだ」

「しかし……」

「調べてみた方がいい。局長や社長の死、例の忍者…。腑に落ちないこと  が多すぎないか?」

「……ナオミがそれを仕組んだとでも?」

「わからん。あるいはテロリストと繋がっているかも知れん」

「……そんな事が?」

「何かわかったら連絡しよう。とにかく、気をつけろ!」



















スネーク



ひざまづ いている。





レイブン



レイブン



レイブン











「!!」





「ようこそ、 白人 カサック !? ここから先は通さん! なあ、みんな!?」



「あいつらも興奮している……」


「よくも俺の同志を殺してくれたな……」



レイブン

レイブン


スネーク



レイブン



レイブン



レイブン





スネーク



スネーク

レイブン



レイブン


大烏 レイブン は決して残飯処理ではない」


「不要なものを自然界に返すだけだ。そして、時に怪我をした狐を襲うこ  ともある」

「M1戦車に乗っていた男か? その巨体でよく我慢できたな?」


「ハッハッハハハハ……あれは、闘いとは呼ばない」


「お前がいかなるものか、カラス達と傍観していたのだ」


「結論は出た。カラス達はお前を戦士として選んだ」



「幻覚?」


「う、動けない……」

「今、お前は死の宣告を受けた」


「お前、東洋人の血が流れているな……」



レイブン

レイブン


スネーク

レイブン






レイブン


スネーク

レイブン

レイブン

レイブン


スネーク

レイブン

スネーク

レイブン




「なるほど、お前も俺達と同じモンゴル系か」

「アラスカ・インディアンは日本人に近い。祖先が同じだとも言われてい  る」

「カラスに親戚はいない」

「いいだろう。 スネーク は好かんが、同族なら相手に不足はない。手加減はしな  い」



「お前もアラスカに住む人間だ。世界エスキモー・インディアン・オリン  ピックを知っているな?」

「その怪力……『棒引き』や『四人運び』で鍛えたのか」

「そうだが、俺の強さは力だけではない」

「オリンピックに『耳引き』という競技がある」

「紐で互いの耳を引っぱり合い、酷寒の厳しさに耐える力を養う競技だ。  強さは精神面から来る……」

「それを今から?」

「形は変わるが主旨は同じだ。喜べ、お前は俺に認められている」

「これは競技ではない、ただの殺し合いだ。暴力はスポーツではない!」

「さあ、お前が何者かじっくりと見せてもらおう!!」












レイブン

レイブン



レイブン



レイブン

レイブン



レイブン



レイブン



スネーク

レイブン

レイブン

レイブン

レイブン

レイブン







「ボスの言う通りだった……」

「どうやら、不要な存在は…俺の方だったらしい」


「だが――、俺の残骸は残らない」


「俺の魂も肉もこいつらに同化する」

「俺の むくろ は自然に還る」



「スネーク、俺はお前を見てるぞ。いいか……」


「セキュリティ・カードだ。これでそこの扉が開く」


「どうして?」

「お前は自然が創りだした蛇ではない」

「お前もボスも、違う世界から来た……俺達の知る世界ではない」

「決着をつけて来い。俺は最後を見ている……」

「お前にひとつヒントをやろう」

「お前の目前で死んだ男……」



ダーパ 局長の独房



レイブン













レイブン



レイブン



レイブン




レイブン

スネーク







「あれは…… DARPA ダーパ 局長ではない」








「あいつはデコイ・オクトパス。俺達と同じ FOXHOUND フォックスハウンド だ」



「奴は変装の名人だった……」


「オクトパスは血液まで偽装する。その為に DARPA ダーパ 局長の血を全て抜  き取って、入れ替えた」


「しかし、死神(=フォックスダイの事)までは騙せなかったわけだ」

「死神?」








スネーク



レイブン







レイブン

レイブン



スネーク

レイブン

レイブン



レイブン

レイブン











「そんな手間を掛けてまで……なぜ局長のふりを?」


「ヒントはここまでだ。この先は自力で解明するんだな」




スネーク よ自然界には限度を超えた殺戮は存在しない」


「必ず終わりがある。だが、お前は違う」


「俺には終わりがないというのか……」

「お前の進む先に、 終着駅 ターミナル はない」


「どこまで行っても、いくつ屍を乗り越えようと……」


「終わりのない殺戮だ。救いのない未来……」

「いいか――、 スネーク よ! 俺は見ている!!」








マスター

スネーク

マスター

キャンベル

マスター

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

マスター

スネーク

マスター

キャンベル

マスター

スネーク

マスター

マスター


キャンベル

マスター

キャンベル

マスター

キャンベル

スネーク

キャンベル

マスター



「スネーク、私だ……」

「マスター?」

「ナオミ・ハンターの件だが…。モニターはオフに……」

「ナオミがどうした?」

「!」

「大佐、そこにナオミはいるのか?」

「いや、席を外している。少し仮眠を取っているところだ」

「そうか……」

「で、ナオミがどうかしたか?」

「わかった。キャンベルにも聞いて貰った方が良いかもしれん」

「ああ、マスター……つづけてくれ」

「ナオミ・ハンターだが、大佐の そば にいるのは偽物だ」


「何だと!?」

「彼女の生い立ちを聞いてから、不審に思って調べてみた」

「それで……」

「確かに、ナオミ・ハンターという人物は実在する。いや、実在した」

「しかし、彼女とは全くの別人だ。中東で行方不明になっている。彼女は  その『ナオミ・ハンター』の戸籍を何処かで入手したにちがいない」

「では、彼女は何者だというんだ!?」

「おそらくは……スパイ」

「スパイだと!!」

「ああ……今回の作戦を妨害する為に……」

「テロリストの仲間だとでもいうのか?」

「……俺も信じたくはない。だが彼女も FOXHOUND フォックスハウンド の人間だ……」


「共に 蜂起 ホウキ してもおかしくはない?」


「あるいは別の組織かもしれんぞ?」



キャンベル



マスター

キャンベル

マスター


キャンベル



スネーク

キャンベル

マスター

キャンベル

マスター




キャンベル

マスター

キャンベル

スネーク

キャンベル

マスター

キャンベル

キャンベル

スネーク


「別の……? ありえんことだ……」


「あの女を拘束しろ、キャンベル」

「何!」

「ナオミ・ハンターが我々を裏切っているのは確実だ。彼女を尋問して何  が目的か吐かせるんだ」

「(深刻に)彼女が奴等のスパイだとすると大変な事になる……」


「何の事だ!?」

「い、いや……」

「キャンベル、彼女に何か重要な機密をまかせているのか?」

「……」

「もしかして、 DARPA ダーパ 局長や、  アームズ・テック社長が変死した事と関係が?」


「私は……知らん」

「とにかくこれ以上、その女を作戦に参加させるのは危険だ」

「まっ、待ってくれ。彼女抜きでは本作戦は完遂できん」

「やはり、隠しているな?」

「私にも時間をくれ。彼女を洗ってみる……」

「急げよ。一刻も早く彼女の目的をつかむんだ」

「わかった」

「スネーク、時間をくれ」

「こっちには時間が残されていないがな」















オタコン

スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン









「スネーク、僕だよ……」

「どうした? うまく身を隠しているか?」

「ああ、ステルス迷彩のおかげだ」

「奴等、メタルギアの準備を完了したらしいよ」

「どこで情報を?」

「奴等の会話を傍受したんだ。今、どこ?」

「そのメタルギアの前だ…。しかし、どうも変だ」

「何が?」

「誰もいない。見張りも整備士も…。静かすぎる」

「準備完了ってことじゃないか。 PAL パル コードは入力済みのようだし」


「どうすればいい?」

「ベイカー社長の言ってた解除システムを使うしかない」

スネーク


オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク











オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

「しかし、 PALキー は三つのうちの一つしかない。それにオセロットが言ってい  た。この PALキー には何か仕掛けがあると……」

「まかせといてくれ……」

「何か方法があるのか?」

「実は今、コンピュータ・ルームにいるんだ。端末からベイカー社長の極  秘ファイルにアクセスしようとしてる所さ」

「ベイカー社長のファイル? パスワードは?」

「勿論、知らないよ。でも……」

「(ちょっとびっくり)お前、ハッカーだったのか?」

「そう、もっとも僕らしい呼び方だ」

「できそうか?」

「まだわからない。でも、やってみるよ」

「頼む……」







「スネーク、僕だよ……」

「どうだ?」

「なんとかね……三つ目のセキュリティに取りかかってる。こいつが結  構、厄介で!」

「なんとかなりそうか?」

「僕はハッカーとしては一流なんだ」

「わかった……」











オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン


オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン








「スネーク、……やったよ!」

「セキュリティを破ったのか?」

「ビンゴ!!!」

「大した奴だ。それで?」

「メタルギアの極秘ファイルにアクセスした」

「ベイカー社長の言っていた PAL パル コードの解除方法は?」


「それはまだだけど……」

「そいつが必要なんだ」

「でもスネーク、わかったんだよ!」

「何が?」

「新型核弾頭の正体さ!」

「僕のにらんだ通り、レールガンで核弾頭を大砲のように射出するもの  だった…」

「燃料を必要としないから核ミサイルじゃない。だからいろいろな条約に  も抵触しないはずだ」

「詭弁だな」

「有効な主張だよ。でも、この弾頭の本当の恐ろしさは別にある」

「どういうことだ?」

「(吐き捨てるように)ステルスなんだよ」

「レーダーに映らないという意味か?」

「うん。実はステルス・ミサイルの研究は1970年代後半から始まって  いたんだ」

「それがなぜ今まで実現されなかったんだ?」

「ロケット噴射を隠すことが出来なかったからさ。敵の軍事衛星からね」

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク


スネーク

キャンベル

スネーク


オタコン


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

オタコン


スネーク

オタコン


スネーク

オタコン


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

「そういうものなのか」

「だけどレールガンで射出するこの核弾頭は推進剤を燃やすことはない。  だから既存の弾道ミサイル検知システムに捉えられる事はないんだ」

「見えない核弾頭……」

「当然、迎撃も不可能(怒)」

「しかも地下基地用に対処された地表貫通核弾頭だ」

「湾岸戦争の教訓だな」

「まさに世界を終わらせる悪夢だよ」

「絶対的な軍事力。それでいて政治的にも核削減条約や核査察の網の目を  抜ける事ができる」

「大佐、そう言うことだ? 聞いているか?」

「聞こえている……」

第三次核兵器削減条約 START3 調印を控えて、こんな核兵器が暴露されると大変  だな」

「モチ、交渉は決裂。国連で非難され合衆国の権威は失墜……大統領は落  選」

「知ってたのか、大佐?」

「すまない…」

「あんたは変わったな…」

「言い訳はせんよ」

「スネーク、聞いてくれ。新型核弾頭だけど、完成していたのはあくまで  も、シミュレーション上の事なんだ」

「仮想実験での、という意味だな」

「だから彼らは、今回の演習を行ったんだ。シミュレーションを裏付けす  るデータを収集するためのね」

「演習の結果は?」

「想像以上にうまくいったようだ。ただし、その全記録データが見あたら  ない。ここのネットワーク内のどこにも見あたらないんだ。一番重要な  データのはずなんだけど……」

「そのデータならベイカー社長から預かった。光ディスクでな」

「なんだと! 今も持っているのか?」

「いや、オセロットに奪われた」

「なんてことだ……」


オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク













オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

「リキッド達は、模擬弾頭を本物の弾頭にすり替えたんだ。だから起爆  コードを入力するだけで発射が可能なんだ」

「撃てるんだな?」

「実験で使われた模擬弾と何もかも同じものだからね」

「解除方法は?」

「それはまだわからない。別のファイルみたいだ。だから今、ベイカー社  長の個人ファイルを調べてる」

「頼むぞ……」








「スネーク?」

「わかったか?」

「いや解除方法はまだだけど、ベイカー社長の思惑がわかった」

「ただの金儲けだろ?」

「アームズ・テック社の経営は僕が知ってた以上にあぶなかったみたい」

「次期主力戦闘機の入札に失敗、SDIの中止と軍縮……」

「吸収合併の話も上がってたようだ」

「今回のプロジェクトにかけていたんだろうな」

DARPA ダーパ 局長に多額のワイロを渡して抱き込んでいたようだ」


「金か?」

「彼はかなりの核抑止論者だったようだよ」

「そうか……。それで解除方法は?」

「もう少し待ってくれ……」







オセロット





オセロット

リキッド


オセロット

リキッド

オセロット

リキッド






スネーク



オセロット

リキッド

オセロット

リキッド

リキッド






「核発射暗号 PAL パル を入力、 安全装置 セイフティ を解除しました」




「いつでも発射可能です」

「まだワシントンからの返答はない。俺達が腰抜けでない事を教えてやら  ねばならんようだ」

「目標をロシアのチェルノートンにセットしますか?」

「いや、変更だ。目標は……中国、ロプノール」

「どこですって? ボス?」

「お前もゴルルコビッチも自国に核が落とされるのを見たくはなかろ  う?」



「リキッド……」


「どうして……あそこには何もありません」

「いや! 核実験場がある」

「核実験場?」

「いきなり都市に核を撃ち込んでは、全てが終わってしまう」

「だが核実験場での核爆発ならば事実の隠蔽も不可能ではないだろう?   報復攻撃を回避するためにワシントンは躍起になって、もみ消しにかか  る……」

オセロット

リキッド


オセロット




リキッド




リキッド

オセロット

スネーク

リキッド

リキッド

オセロット


オセロット

リキッド

オセロット


リキッド




オセロット


「両政府のトップ同士による極秘交渉ですね……」

「勿論、中国も黙ってはいまい。その過程で新型核弾頭の存在も明らかに  なる。アメリカ政府の立場はどうなる? そして大統領の立場は?」

包括的核実験禁止条約 CTBT 【注1】 の手前、インドや中国は……  そうか…!」


「それに新型核弾頭の存在を知った各国は、我々に 接触 コンタクト を試みてくるはず  だ。ワシントンも新型核弾頭の機密が他国に渡るとなれば、今回のよう  に冷静を装ってはいられまい?」


「(自信たっぷりに)大統領は必ず折れる。彼等は交渉に応じる」

「ビッグボスのDNA情報と5000万ドル……」

「5000万ドル? 金か……」

「これでゲノム兵達の奇病にも対処できる」

FОXDIE フォックスダイ の血清も上乗せした」


「……局長に化けたオクトパス、アームズ・テック社長……。老人は早く  発症するという情報は事実でしたね」

「マンティスはマスクをしていた為に感染しなかったのかもしれません」

「ウルフも発病しなかった。いつも飲んでいた精神安定剤のせいか……」

「血中のアンフェタミンやアドレナリン濃度との関係ですか? 開発段階  からいきなりの実戦投入、やはり確実性に欠けますね。奴らも切羽詰  まっていたということですか……」

「まぁ、いい。スペツナズ時代のお前の上官、元 GRU グルー の――  セルゲイ・ゴルルコビッチ大佐からの連絡は?」


「彼はまだメタルギアの性能に疑問を持っています。我々との合流は、メ  タルギアの試射を確認した後にしたい、ということです」

リキッド

オセロット


オセロット


リキッド


オセロット


リキッド


リキッド


リキッド

オセロット

リキッド

オセロット

リキッド


オセロット

リキッド

リキッド


リキッド

オセロット

リキッド

オセロット

リキッド

「(皮肉っぽく)随分と用心深い男だ」

「なに、心配はいりませんよ。メタルギアと新型核弾頭。大佐は喉から手  が出るほど欲しいはずです」

「ロシアがかっての軍事的地位を取り戻すには、核先制使用権を振りかざ  していくしかありません。撃墜不能の核弾頭。メタルギアは現代に、先  制核攻撃の脅威を蘇らせることができる」

「弱体化した通常戦力を核兵器で補うつもりか……(吐き捨てるように)  ゴルルコビッチという男、戦士ではなく政治屋だな」

「ですが、大佐からはハインドを始め、多くのロシア製重火器を預かって  います」

「奴の部隊は千人を超える。我々と合流すればかなりの間、抵抗できる  な」

「マンティスが死んで、ゲノム兵達の洗脳が解除されつつある。士気の低  下が心配だ」

「彼等と合流して士気を高める」

「という事は?」

「俺達はどこにも行かない。ここに腰を下ろす。長い戦いになる」

「脱出をするのでは?」

「俺達には新型核がある。そして、ゴルルコビッチ大佐の部隊も合流す  る」

「世界を敵に回すつもりですか?」

「いけないか!? 世界を敵に回して?」

「俺達はここから新型核弾頭を自由に撃てるのだ。撃墜はおろか、追尾す  らできないステルス弾頭を! しかも、ここには核兵器が無尽蔵にあ  る」

「金とDNA情報が入れば、後は俺達のものだ」

「ボス? それでは――、ゴルルコビッチ大佐との約束は?」

「ロシアの再建など、興味はない」

「……まさか、ビッグボスの遺志を?」

「今日から、ここを ОUTER HEAVEN アウターヘブン と呼ぶ」




スネーク





オセロット




リキッド

オセロット

リキッド



オセロット

リキッド









オセロット

リキッド




スネーク






「ビッグボスの遺志……」



「ボス、 PAL パル を解除される恐れは? もう一度、起爆コードを入力すれ  ば無効になるはず」


「心配はいらん。 DARPA ダーパ 局長もアームズ・テックの社長も死んだ」


「スネークが解除方法を?」

「拷問の際に調べたはずだ」


「奴は持っていませんでした」

「もう誰もメタルギアを止められはしない」





「ところで、あの女はどうします? やりますか?」

「生かしておけ。キャンベルの姪だ。最後の手段に使える。スネークの奴  にもな」


「メリル……生きているのか」






オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

スネーク

オタコン

オタコン

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク



「スネーク? ベイカー社長の極秘ファイルに侵入した」

「でかしたぞ」

「そっちの状況は?」

「奴等、 PAL パル コードを入力済みだ」


「オタコン、解除方法は?」

「いいかい、スネーク。ベイカー社長の言っていた解除方法だけど……」

「これは同時に起爆コードの入力にもなるようなんだ」

「一度、入力すれば、起爆コードが解除される。そして解除された状態で  入力すると再びロックされる仕組みだ。しかも、一回しか使えないん  だ」

「たったの一回か」

「入力には PALキー が必要だ。しかも三つの PALキー だ」


「そのうちの一つは持っている。残りは?」

「急ぐなよ。そこがミソなんだ。君は三つの PALキー を既に持っている」


「もったいぶるなっ!」

「いいかい、 PALキー は形状記憶合金で出来ている」


「形状記憶合金?」

「そうだよ。温度変化で形状が変わる金属だ。 PALキー はその材質で作られてい  る」

「この PALキー が?」


「温度変化で違う形の PALキー になる仕組みさ」


「つまり、この PALキー が三つの PALキー の役割をするのか?」












オタコン





スネーク

オタコン



オタコン



オタコン

オタコン



オタコン



オタコン



オタコン







「そこから入力装置が見えるかい? 司令室の中央」



「見えるぞ」

「その3つのラップトップ型の端末が入力装置だ」


「端末にマークが書かれているだろ?」


「そのマークが各 PALキー に対応している」


「左から順番に入力する。左・中央・右の順番だ」


「左が常温時の PALキー …。図形を確認して」



「隣が低温時の PALキー …。図形を確認して」



「右が高温時の PALキー




スネーク


オタコン

オタコン


オタコン




キャンベル



オセロット



スネーク



スネーク



リキッド



リキッド



キャンベル


「わかった。温度によって PALキー の形を変え、順番に入力すればいいんだ  な?」

「そうだよ。 PALキー は差し込むだけでいい」


「各モジュールに PALキー が挿入されるとハードディスクが読み込まれる。3つ  のハードディスクが全て読み込まれればコード入力は完了する」

「ただし、 PALキー を3回使用すると、もう PALキー は使えなくなる。一度しか使えな  い緊急用のシステムなんだ」


「その PALキー に世界がかかってる」



「誰だっ!」


「しまった!!!」


PALキー が排水溝に……!」



「スネーク!!」


「ここは防弾ガラスだ。俺が見ていてやる。そこで死ぬがいい」


「いいか、 PALキー を拾うんだ!」
















アナウンス



アナウンス

スネーク



スネーク









「第1の PAL パル コードが入力されました」



「第2の PAL パル コード入力待機」


「まずは第1の PAL パル コード入力終了」



「次は第2のコード入力。 PALキー を冷却させる」
















アナウンス



アナウンス

スネーク



スネーク









「第2の PAL パル コードが入力されました」



「第3の PAL パル コード入力待機」


「第2の PAL パル コード入力終了」



「次は第3の PAL パル コード入力。 PALキー を暖める」










マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター


スネーク

マスター

スネーク



スネーク

マスター




スネーク

マスター

スネーク

マスター


スネーク







「スネーク。ナオミ・ハンターの事だが?」

「その話なら、大佐が調査中だ」

「モニターをオフにしてくれ」

「オフにした。作戦室には聞かれていない。話してもいいぞ?」

「すまない。キャンベルにも聞かれたくない」

「で、どういう事だ」

国防総省 ペンタゴン に私の知り合いがいる」


「ああ……」

「その友人から聞き出したんだ。…… 国防省情報局 DIA 主導で最近、ある暗殺  兵器が開発されていたらしい」

「暗殺兵器?」

「スネーク、 FОXDIE フォックスダイ という言葉を聞いた事があるか?」


「いや……」


FОXDIE フォックスダイ ? …… 確かリキッド達が……」


「そうか。それは特定の人物だけを死に至らしめるウイルスらしい。私も  詳しいことは聞いていないのだが……」


「何がいいたい?」

「似ているんだよ」

「何が?」

「死因だ。アームズ・テック社長と DARPA ダーパ 局長、いや…  デコイ・オクトパスか? 二人とも心臓発作のようだったな?」

「ああ」

マスター

スネーク



スネーク

マスター




スネーク

マスター


スネーク

マスター

スネーク

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター

スネーク

FОXDIE フォックスダイ による死も一見、心臓発作で倒れたように見えるらしい」


「……」


「まさか、ナオミがそれを仕組んだと言いたいのか?」

「スネーク、よく思い出してくれ。ナオミに注射か何か、打たれなかった  か?」


「……あのナノマシン」

「彼女が一番可能なポジションにいるのは確かだ。動機も目的もわからん  が……」

「……大佐はその事を?」

「わからん。まだあの女を尋問していないようだしな」

「わかった。大佐に聞いてみる」

「大佐、ナオミの件はどうなった?」

「ナオミなら……たった今、拘束した」

「拘束?」

「アラスカ基地方面に向けて暗号を送っていた。信じたくはないが…。彼  女はテロリストの一味だ」

「確かなのか?」

「そうだ、間違いない。今、尋問中だ」

「どんな尋問だ?」

「手荒いマネは避けたいが、ここには 自白剤 チオペンタール もない」


「何かわかったら、教えてくれ」

「やはり、そうだったか?」

「ナオミが……信じられん」

「おそらく FОXDIE フォックスダイ の血清があるはずだ」


「やけにこだわるな?」

「君も感染しているかもしれんからな」

「今は……大佐にまかせるしかない」









ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク


ナオミ

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


ナオミ







「スネーク、聴こえる? 私よ……」

「ナオミ!? ……君は一体」

「(小声、早口、焦っている様子)今、キャンベルさん達の目を盗んで別  の無線機で話をしているの」

「ナオミ、大佐の話は本当なのか?」

「……ええ。でも、全てが嘘ではないわ。本当の部分もある」

「君は誰なんだ?」

「私にもわからない。親の顔も名前も…。今の名前や戸籍はお金で買った  もの。……私が遺伝子に固執した理由は本当よ」

「自分を知りたいから。そう言ったな?」

「ええ、私は自分が誰だがわからない。年齢も、人種さえも……」

「ナオミ……」

「私はローデシアで拾われた…。孤児だったの。80年代のこと」

「ローデシア? ローデシア独立戦争の頃か?」

「ジンバブエはイギリス領だった。当時はインド人が多く働いていた。だ  から、私の肌の色はその為かもしれない。でも、それもわからな  い……」

「ナオミ、どうして過去にこだわる? 今の自分を理解できればいいじゃ  ないか?」

「今の私を理解? 誰も私を理解などしてくれなかったわ」

「私はずっと自分を探してた…。兄とあの人に逢うまではね」

「兄?」

「そうよ。フランク・イエーガー」

「なんだって?」

「兄も少年兵士だったわ。ザンベジ川で餓死寸前の幼い私を拾って、自分  の食べ物を いてくれた」

「そう、あなたが廃人にしたフランク・イエーガーは私の兄。唯一の家  族」

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

ナオミ


ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク


ナオミ




スネーク

ナオミ


スネーク



スネーク

「馬鹿な…。グレイフォックスが?」

「私達はあの地獄で生きのびた。兄が守ってくれた。兄は私の全てだっ  た。私の存在を、私という個人を証明する唯一の寄り所だった」

「奴が君をアメリカに?」

「いいえ。モザンビークであの人に助けられた」

「あの人? ……ビッグボスか?」

「ええ…彼は私達をこの自由の国へ導いてくれた」

「でも、兄はあの人とまた戦場へ戻っていったわ。そして戻ってきた時に  は……」

「私は復讐を誓った。兄を廃人とし、あの人を殺したあなたに。   FOXHOUND フォックスハウンド に入ったのはそのためよ。ここにいれば、必ずあなた  に逢える、そう思ったから……」

「……思いは果たせたな?」

「そうね、2年も待ったわ……」

「俺を殺す。ただそれだけの為に?」

「ええ……。そう、2年……。この2年間、ずっとあなたを待っていた。  あなただけを……。恋焦がれるように……」

「今も、憎いか?」

「……少し違う。あなたのこと、誤解していた所もある」

「リキッド達とは?」

「(激しく)彼等も兄の仇よ」

「まさか、君の前任者を殺したのも? グレイ・フォックスをゲノム兵の  実験体にしたという……」

「クラーク博士のこと? いいえ、彼を殺したのは兄よ。私は事件を 隠蔽 いんぺい  し、兄をかくまった……」


「…… 忍者 サイボーグ …。グレイ・フォックスは俺を殺すためにここに?」


「……違う、と思う。兄はただあなたと闘う為だけに……。初めは分から  なかったけど、今はわかる気がするわ。あなたとの闘い。それだけのた  めに兄は生きているのよ、きっと……」

「(友情と憐れみ)……フォックス……」


「ナオミ、教えてほしい……」


ナオミ



ナオミ

ナオミ

ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク

ナオミ


スネーク



スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク


ナオミ

スネーク

ナオミ


「…… FОXDIE フォックスダイ の、こと?」



FОXDIE フォックスダイ は特定人物だけを死に至らしめるレトロウイルスよ」


「まずは体内のマクロファージ 【注2】 に感染する」


FОXDIE フォックスダイ には タンパク質工学 プロテイン・エンジニアリング で生み出された認識酵素、特定の遺伝  子配列に反応するようプログラムされた酵素が導入されているの」

「その酵素で暗殺ターゲットのDNAを認識している?」

「認識酵素が反応して活性を示すと、 FОXDIE フォックスダイ はマクロファージの組  織を使って、 TNFυ イプシロン を作りはじめる」

「何?」

「サイトカイン 【注3】 の一種で細胞死を誘発するペプチドよ。 TNFυ イプシロン  は血流に乗って心臓に達し、心筋細胞のTNFレセプターに結合する」

「それで、心臓発作を?」

「刺激を受けた心筋細胞は急激なアポトーシス 【注4】 を起こすわ。そし  て、その人物は…。死ぬ」

「アポトーシス、細胞が自殺するための遺伝子プログラムか……」


「……ナオミ……」

「……なに?」

「……当然俺も殺すようにプログラムしたんだろ?」

「……」

「まだ、時間はあるのか?」

「……」

「ナオミ、俺は君に殺されても仕方がない男だ。だが死ぬわけにはいかな  い。まだやる事が残っているんだ」

「……聞いて、 FОXDIE フォックスダイ の使用を決定したのは私ではないわ」


「君じゃ、ない?」

「あなたに FОXDIE フォックスダイ を注入したのは、作戦の一部。それをあなたに伝  えたくて……」





ナオミ

スネーク

ナオミ

ナオミ

男の声

ナオミ



ナオミ



スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク


キャンベル

スネーク

キャンベル


キャンベル



「……私、自分に素直じゃない」

「ナオミ?」

「私があなたに本当に伝えたかったのは……」

「スネーク……私……」

「おい、何をしている!」

「きゃっ!」


「……ううっ…。スネーク……」


「ナオミ!?」

「……スネーク、ナオミとの交信はこれ以上許されん」

「何!」

「ナオミは作戦から外された」

「ナオミをどうした?  FОXDIE フォックスダイ が作戦の一部とはどう言う事だ!?  大佐、彼女と話をさせろ!」

「できん、彼女は監禁した」

「(怒)大佐! ……裏切ったな!?」

「(うしろめたい)今は余計な事を考えるな。メタルギアをくい止める事  が先決だ」

「……スネーク、いいな」











アナウンス





アナウンス



アナウンス



スネーク





アナウンス

スネーク









「第3の PAL パル コードが入力されました」




「全ての PAL パル コードを入力終了」



「起爆コードが入力されました」


「なぜだ!」



「発射準備完了しました」

「俺は解除したぞ!」





マスター

マスター

スネーク

マスター


マスター

スネーク

マスター


マスター


スネーク

マスター


スネーク

マスター


スネーク


マスター


スネーク

マスター




「ありがとう、スネーク。これで起爆コードの入力は完了した」

「もうメタルギアを止める事はできない」

「マスター、これは?」

「わざわざ PALキー を見つけてくれた上、起爆コードの入力までしてくれて、本  当に恩に着る」

「形状記憶合金とはお粗末な話だったが…」

「何のことだ?」

DARPA ダーパ 局長の起爆コードは入手できなかったんだよ。マンティスの  能力をもってしても読む事はできなかった。オセロットは起爆コードを  聞き出す前に殺してしまった」

「つまり、俺達は核を撃つことはできなかった。威嚇発射さえもな。まさ  に八方塞がりだった。核が撃てなければ、我々の要求は叶えられない」

「マスター、何を言ってる?」

「(構わず)起爆コードを入手できなくなった以上、別の方法を探すしか  ない。そこでスネーク、貴様に賭けてみる事にした」

「何?」

「デコイ・オクトパスを DARPA ダーパ 局長に変装させたのも、その一つだ。  貴様から情報を得ようとしたのだが…。 FОXDIE フォックスダイ とはな」

「(怒り)全て最初から仕組まれていたというのか? 俺に起爆コードを  解除させるために…」

「ん? もしや、ここまで来れたのは自分一人の才能だと思っているの  か?」

「(怒り)マスター、あんたは? あんたはスパイか?」

「(無視)とにかくこれで核発射準備は整った。新型核を撃ち込んで見せ  れば、 政府 ホワイトハウス の連中も FОXDIE フォックスダイ の血清を渡さざるを得まい。奴らの切  り札も無効になる…」

スネーク

マスター


スネーク

マスター

スネーク

マスター



キャンベル

マスター

キャンベル

キャンベル


スネーク

キャンベル

マスター



スネーク



マスター

「切り札? 一体?」

「お前を使ったペンタゴンの目論見は既に達せられているんだよ。あの拷  問部屋で。(嘲笑)知らないのはお前だけだ。惨めだな、スネーク?」

「貴様、誰だ!?」

「全て教えてやる。もしも俺の元まで辿り着けたら、な」

「何処にいる?」

「すぐ近くさ 」


「スネーク、そいつはマスター・ミラーではない!」

「キャンベル、今頃気づいても遅いな」

「マスター・ミラーの遺体が彼の自宅で発見された。死後3日経ってる」

「マスターとの無線がオフにされていたので、わからなかった。  メイ・リンによると発信源はその基地内だ」

「じゃ、お前は?」

「お前が話していたのは…」

「俺だ兄弟」


「まさかリキッドか!!」


「貴様の役割は済んだ。あの世へ行けっ!!」






オタコン

スネーク

オタコン










スネーク

オタコン



スネーク

オタコン



スネーク

オタコン






オタコン

オタコン



スネーク




「スネーク、そこは防弾ガラスだ。通常兵器では爆破できない!」

「ここのセキュリティを解除できないか?」

「やってみる。待っててくれ!」






「まだか? 急いでくれ!」

「待ってくれ!」


「もうもたん…」

「もう少しだ、待ってくれ!」


「オタコン」

「もう少しだ、待ってくれ!」




「セキュリティに潜入した」

「スネーク! 扉を開けるね!」


「はぁ…」







スネーク



リキッド









スネーク

リキッド

スネーク



リキッド

スネーク

リキッド

スネーク

リキッド






「リキッド!!」


「スネーク!! 俺のサングラスもイカスだろ?」





「クソッ」

「兄弟に銃を向けるのか?」

「なぜマスターに化けた?」


「無論、貴様をうまく操る為だ。実際、お前はよく働いてくれた」

「(悔しさに歯噛みする)クッ」

「(嘲笑) 国防総省 ペンタゴン の連中もそう思ってることだろうよ」


「さっきから何を言っている?」

「与えられた命令を疑いもしないとは…。戦士の誇りを失い、駒に成り果  てたか、スネーク?」

スネーク

リキッド

スネーク

リキッド


スネーク

リキッド


スネーク


リキッド


スネーク

リキッド


スネーク

リキッド


リキッド


スネーク



リキッド

「何?」

「核発射の阻止、人質の救出、全て偽りの任務だ」

「偽りだと?」

国防総省 ペンタゴン としては、貴様と俺達が 接触 コンタクト するだけでよかったんだ。  アームズ・テックの社長とデコイはそれで始末された」

「まさか…」

「(尊大に)そうとも。俺達だけを暗殺し、莫大な予算を投じたゲノム兵  の遺体とメタルギアを無傷で回収するため。貴様は初めから   FОXDIE フォックスダイ 運び屋 ベクター として   国防総省 ペンタゴン に送り込まれたんだ!」

FОXDIE フォックスダイ …馬鹿な…ではナオミは…   国防総省 ペンタゴン と組んでいたのか?」

「連中はそのつもりでいたようだが…。あの女、ただ利用されるような甘  い女ではなかった」

「何?」

国防総省 ペンタゴン に潜り込ませたスパイが突き止めた。作戦直前、ナオミは   FОXDIE フォックスダイ のプログラムを 改竄 かいざん していたらしい。だがその理由も目的  も不明だ」

「まさか――ナオミを逮捕させたのは、彼女の目的を掴むため?」

「その通りだ。くだらない恨みとは思わなかったが…しかし結局ナオミが   FОXDIE フォックスダイ にどのような改変を加えたかは今もわからない…」

「まぁ、それももういい。俺は既に 政府 ホワイトハウス への要求に血清を上乗せしてあ  る」

「血清があるのか?」


「あるはずだ。あの女にしかわからんがな…」



リキッド

スネーク





リキッド


リキッド

リキッド


スネーク

リキッド


スネーク

リキッド


リキッド

リキッド


スネーク

リキッド


スネーク


「だが…もうそれも必要無いかもしれんな」

「なぜだ?」



「貴様は潜入に成功、奴等が処分したかった俺達は目論見通り暗殺ウイル  スに感染した」

「オクトパスやアームズ・テック社長の死因は確かにウイルスだ」

「しかし、オセロットも俺も――、そして 運び屋 ベクター である貴様にもまだその  兆候が現れていない」

FОXDIE フォックスダイ の標的プログラムにバグが?」


「さぁな。だが貴様に効果が無い以上、俺も安全だ。俺と貴様の遺伝コー  ドは同じなのだから」

「やはり俺とお前は…」

「そうとも。だがただの双子ではない。遺伝子に呪いを込められた双子。   恐るべき子供達 アンファン・テリブル

「貴様はいい。親父の優性遺伝子を全てもらった」

「俺は劣性遺伝子ばかりを受け継いだ。全ては貴様という優性種を作り出  す為の仕掛けだ。俺という存在はお前の創造の為にだけにあった」

「俺が優性だと?」

「そうだ。俺はその絞りカスだ。貴様にわかるか!? 生まれ落ちた時か  らクズと見なされ続けた惨めさが!」

「……」





リキッド

スネーク

リキッド




リキッド


リキッド


スネーク

リキッド







リキッド



リキッド







「だが――、親父は俺を選んだ」

「それがビッグボスにこだわる理由か? 歪んだ愛情だな」

「ハッ、愛情だと? 憎しみだよ。劣っていると知って俺を選んだことへ  の復讐だ!!」


「(嘲笑)これも貴様にはわかるまい。実の親父をその手で殺すことが出  来た貴様には!」

「俺は復讐の機会すら貴様に奪われた。だから俺は、親父の遺志を実現し  てみせる。親父を越え、親父を殺す」

「おまえもナオミと同じだ(遺伝子に固執している)」

「俺は貴様とは違う。自分の遺伝子に刻まれた運命を誇りに思っている」




「わざとはずしたのなら、一生後悔するぞ!」


「わざとなら、一生後悔するぞ!」





リキッド

リキッド





リキッド





















スネーク

スネーク




「スネーク、この歴史的な兵器を拝みながら死んでゆけ」

「兄弟へのせめてもの気遣いだ」



「今から、見せてやる。21世紀を導く悪魔の兵器をな」











「動き出してしまった…」

「こいつを止める方法は!?」








スネーク



スネーク





リキッド





忍者





忍者

スネーク

忍者

スネーク

忍者

リキッド





「やったか!?」


「クソッ!!」



「甘いぞっ! スネーク!!死ねっ!」



「早く逃げろっ!」



「早く逃げろ!」

「グレイ・フォックス!」

「懐かしい名前だ。ディープ・スロートよりは聞こえはいい」

「やはり、お前だったのか?」

「見ていられないぞ、スネーク。歳を取ったな」

「死に損ないめ!」





スネーク

忍者

スネーク


忍者

スネーク



忍者

スネーク

忍者

スネーク

忍者


スネーク

忍者


スネーク

忍者



リキッド



忍者




「フォックス、なぜだっ! なぜ、俺にこだわるっ!」

「俺は死の囚人だ。お前だけが俺を解放してくれる」

「フォックス、もうこんな事に関わるな……。ナオミはどうする? ナオ  ミはお前の為に復讐を……」

「ナオミ……」

「ナオミを止められるのはお前だけだ」


「俺にはできない」

「どうして?」

「ナオミの両親を殺したのは俺なんだ」

「……!!」

「まだ若かった俺は、あいつまでは殺せなかった……。あいつを拾ったの  は、後ろめたさに耐え切れなかったから。あいつの世話をしたのは、痩  せこけた良心を満足させるため。それでも……ナオミは俺を兄と慕って  くれた」

「フォックス……」

「はたから見れば俺達は仲の良い兄妹に見えたかもしれん。だが……あい  つに瞳を覗かれる度、俺はいつも怯えていた」

「……」

「お前から伝えてくれ。本当の仇はこの俺だと」


「そこか?」


「そろそろ決着をつける時だな。ディープ・スロートからの最後のプレゼ  ントだ」



忍者

スネーク





リキッド




スネーク

リキッド




忍者





スネーク

リキッド



忍者

スネーク

リキッド


「俺が奴の動きを止める!」

「フォックス!!」



「中東では狐狩りの代わりにジャッカルを狩る。 狐狩り フォックスハウンド ならぬ、  ロイヤル・ハリヒア」


「フォックス!」

「(挑発)強化骨格が何処まで保つかな? スネーク! こいつを見殺し  にするつもりか?」


「追い込まれた狐はジャッカルより凶暴だ!」



「レドームが壊れた?」

「さすが、FОXの称号を持つ男! だが、それまでだ」


「うぐっ!! 今だっ! スティンガーを撃ち込め!」

「フォックス!」

「撃てるか? こいつも死ぬぞ!」



忍者

忍者






リキッド



忍者

忍者

忍者



忍者





スネーク

リキッド



リキッド



リキッド

リキッド




「おまえの前で……これで本当に死ねる」

「ザンジバーランドの後、俺は戦いを取り上げられた……生きる実感の無  い、ただ死んでいないだけの無意味な生。長かった。それが今、ようや  く終わる」



「死ね!」


「スネーク! 俺達は政府や誰かの道具じゃない!」

「戦うことでしか……自分を表現できなかったが……」

「いつも自分の意志で戦ってきた……」


「スネーク……、さらばだ」



「フォックスっ!!」

「愚かな男だ」


「(吐き捨てるように)死を懇願した時、勝敗は決まる」


「わかったろう! 貴様は誰も守れやしないっ!」

「自分の身さえな! 死ね!」










リキッド

リキッド















リキッド



スネーク
















「うわっ!!」

「やるなっ!」









「スネーク、踏み潰してやる!」


「うぐっ!!」




















リキッド

スネーク

リキッド

スネーク

リキッド


スネーク

リキッド

スネーク

リキッド

リキッド

リキッド


リキッド


スネーク









「相変わらず、目覚めは悪いようだな?」

「リキッド……生きていたか?」

「俺は死なん。貴様が生きている限りは…」

「残念だったな、 蹶起 ケッキ とやらは失敗だ」


「(闘志)メタルギアを失った程度で、俺は闘いを終わらせる気はな  い……」

「闘い? 貴様の本当の狙いはなんだ!?」

「俺達のような戦士が活かされる時を再び築き上げる事」

「それはビッグボスの妄想だ」

「遺志だ! 親父の……冷戦の時、混沌の時……世の中が俺達を欲した」

「俺達を評価した。俺達は必要とされた」

「だが今は違う。偽善と欺瞞が横行し、争いがこの世から消えてい  く……」

「自分を生かす場が失われる空しさ。時代から必要とされなくなる恐  怖……。お前にはよくわかるだろう?」

「……」

リキッド


リキッド


スネーク

リキッド

スネーク

リキッド

スネーク

リキッド


スネーク

リキッド

リキッド

スネーク

リキッド


スネーク

リキッド

スネーク

リキッド


スネーク

「俺は新型核を利用して当面の運動資金を得る。そして世界的なテロを行  い、このふやけた世の中を再び混沌の世界へと誘う」

「紛争が紛争を呼び、新たな憎しみを生む。そして、俺達の生態圏は拡大  していく」

「人の支配が続く限り、世界中の何処かで紛争は起こっている」

「バランスが問題なんだ。親父の目指したバランスが」

「それだけの理由で?」

「充分な理由だろう? 俺や貴様にとっては」

「俺はそんなものは望まない!」

「ハッ。嘘をつけ。ではなぜ貴様はここにいる? 仲間に裏切られながら  も任務を投げ出さずになぜここまで来た?」

「……」

「俺が代わりに言ってやろう」

「殺戮を楽しんでいるんだよ、貴様は」

「何を!」

「(スネークを遮って)違うとでもいうのか? 貴様は俺の仲間を大勢殺  したじゃないか?」

「それは……」

「(含み笑い)とどめを刺す時のお前の顔……実に生気に満ちていたぞ」

「(ムキになって否定)違うっ!」

「自分の内の殺人衝動、それを否定する必要はない。俺達はそのように創  られたんだからな」

「つくられた……だと?」







リキッド


スネーク

リキッド


スネーク

リキッド


スネーク

リキッド




リキッド


リキッド


リキッド



リキッド

スネーク

リキッド




リキッド

リキッド






「アンファン・テリブル、恐るべき子供達。その計画はそう呼ばれた。  1970年代のことだ。最強の兵士を人為的に生産しようという計画  だった。雛型として選ばれたのは、当時生きながら、伝説の傭兵として  名を馳せていた男……」

「……ビッグボスか」

「だが親父は戦場で負傷、既に不能者だった。だから俺達は親父の体細胞  を使って造られた。前世紀のアナログクローン技術とスーパーベイビー  法によって」

「スーパーベイビー法?」

「細胞核を使って造られた受精卵を分割、8人のクローンベイビーを子宮  に移す。その後、ある時期で6つの胎児を意図的に間引き、犠牲にする  ことで成長能力を増大させる手法だ。俺達はもともと8つ子だったんだ  よ」

「8つ子……」

「そう、俺達を造るために6人の兄弟が殺された。俺達は生まれ落ちる前  から人の死に関与していたんだ」


「そして、俺と貴様。同じDNAを持つ2つの受精卵が生き残った。  だが――、それで終わりじゃない」

「俺は生贄にされた。優性遺伝子だけを発現させた表現型……貴様を造る  ために。劣性遺伝子ばかりを発現させられた」

「貴様は、兄弟の命を奪って生まれたんだ!」


「だが――、残った兄弟は俺と貴様だけではないぞ」

「何?」

「ゲノム兵達だよ。彼等も親父の遺伝子を受け継いでいる。俺達と違っ  て、デジタルな方法で」


「前世紀にヒトゲノム計画が完了し、遺伝子の働きが調査された」

「親父の遺伝情報のおかげで、すでにソルジャー遺伝子は  キラー・インスティンクトと言われるものも含めて、60以上、発見さ  れている」

リキッド




リキッド




スネーク

リキッド


スネーク

リキッド





リキッド


スネーク


リキッド


スネーク


リキッド

スネーク

リキッド

スネーク

リキッド

スネーク

リキッド

スネーク

「判明したソルジャー遺伝子はその都度、 遺伝子治療 ジーンセラピー を経て次世代特殊部  隊隊員に組み込まれる。それがゲノム兵だ」


「そうとも、お前がこの基地で殺してきたゲノム兵は、俺達と同じDNA  を持つ兄弟なんだよ」


「ゲノム兵が……」

「ああ。親父の遺伝配列から作為的に造り出された、いびつな生き物。彼  等は同胞だ。多くの犠牲の末に生まれたという意味でも」

「犠牲?」

「人体実験だ」



「91年、湾岸戦争。軍は極秘裏にソルジャー遺伝子を、兵士に注入して  いたんだ。帰還兵の間で問題になっている『 湾岸戦争症候群 ガルフ・ウォー・シンドローム 【注5】  はこの副作用だ」

「馬鹿な。 湾岸戦争症候群 ガルフ・ウォー・シンドローム の原因は劣化ウラン弾の放射能や、殺虫剤が原  因のはずだ」

「(嘲笑)みな 国防総省 ペンタゴン が流したカバーストーリーだ。他にも神経症説、  化学兵器説、細菌兵器説……いろいろある。毒ガス探知車の導入や対サ  リン薬の投与も遺伝子実験を隠蔽するための策略だった」

「それでは…、帰還兵の家族で起こっている  『ガルフ・ウォー・ベイビー』も……」

「そう。彼等こそ俺達の最初の兄弟だ」

「それで完成したのが次世代特殊部隊?」

「(嘲笑)完成? 馬鹿を言うな。出来損ないだ」

「?」

「俺達は滅びかけているからな」

「何?」

「左右非対称の理論という言葉を聞いた事があるか?」

「…?」



リキッド


スネーク

リキッド

リキッド


スネーク


リキッド


リキッド


スネーク

リキッド


リキッド

スネーク

リキッド




「自然界では左右非対称が標準だ。逆に絶滅種には左右対称の兆候が見ら  れる。ゲノム兵にも現われているんだよ、その左右対称の兆しが。それ  は俺にも……そして貴様にもあるはずだ」

「!」

「そうだ、俺達は皆、遺伝子レベルで死にかけている」

「いつ発病するかわからん。それを調べる為にも親父のゲノム情報が必要  なのだ」

「ビッグボスの遺体を要求したのは、同族を救うためだとでもいうの  か?」

「(嘲笑)兄弟同士は子を為さない。それにも関わらず助け合うのは、な  ぜだか知っているか?」

「同種の遺伝子を後世に伝える確率が高くなるからだ。自然選択の末、血  縁は互いに利他行動をとるようになった。遺伝子には血縁を助けるよう  記されている」

「ゲノム兵を助けるのは、遺伝子の命令だと?」

「誰も遺伝子に逆らう事はできない。それは運命だ。まして俺達は――親  父の遺伝子を再現する為にだけ生み出された存在だ。だから…俺は自分  の遺伝子に従う」

「そしてそれを乗り越える。呪われた運命を打ち破るために」

「……」

「(静かな殺気)そのために……まず貴様を殺す」







リキッド



スネーク



スネーク

リキッド

リキッド



スネーク

リキッド

スネーク

リキッド

リキッド


スネーク

リキッド

スネーク

リキッド


リキッド




「後ろを見てみろ!」


「メリル!?」


「生きているのか?」

「どうかな? 数時間前までは息をしていた」

「何度も、貴様の名前を呼んでいた……」


「メリル……」

「馬鹿な女だ。名前もない男に惚れるとはな」

「俺にも名前はある」

「無い! 俺達には過去も未来もない」

「あると、すれば……親父から受け継いだ遺伝子に刻まれている運命が全  てだ」

「メリルを放せ!」

「お前との決着をつけたらな。俺達にはもう時間がない」

「…… FОXDIE フォックスダイ のことか?」


「いや――、メタルギアの破壊を知った 国防総省 ペンタゴン はある決定を下したそう  だ。もはや 目標破壊評価 ボンダー・レポート の必要も無い」

「詳しくは聞き耳を立てているご立派なキャンベルに聞いてみるがいい」




スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

キャンベル


スネーク


キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

キャンベル


スネーク



「聞こえるか? 大佐!」

「ああ……聞いている」

国防総省 ペンタゴン は何をしようとしているんだ。大佐、答えろ!」


「……国防省長官自らが作戦の指揮に乗り出した。 早期警戒管制機 AWACS でそち  らへ向かっている」

「何のために?」

「空爆だ」

「なんだって?」

「それだけじゃない。先程B2爆撃機がカレーナ基地を離陸した。地表貫  通式戦術核爆弾B61―13を搭載してな」

「まさか。メタルギアは破壊した。ちゃんと、国防長官に伝えろ!」

「長官はナオミの裏切りを知って、 FОXDIE フォックスダイ の効果に疑問を持った。  スネークのメタルギア破壊で核攻撃を受ける恐れもなくなった今、彼は  もっとも直接的な方法で事実の隠蔽を図るつもりなんだ」

「……全ての証拠とそれを知る者をこの基地ごと核で吹き飛ばすつもり  か」

「スネーク、だが心配するな。核攻撃は私が中止させる」

「何?」

「例え形式だけであっても、本作戦の指揮権は私にもある。私が爆撃中止  命令を出せば命令系統が混乱し、少なくとも時間は稼げるはずだ。その  間に脱出してくれ」

「大佐、そんなことをすれば……」

「いいんだ、スネーク。……実は極秘裏に FОXHОUND フォックスハウンド の内偵捜査は  行われていたんだ。そしてメリルは 蜂起 ホウキ 当日にこの作戦に編入された。  私を脅迫する材料として……」

「くだらん」

キャンベル


キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル



メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン



長官

長官

スネーク

長官

スネーク

長官


スネーク

長官

スネーク

長官

スネーク

長官


「……すまなかった。メリルの命と引き替えに協力を強いられていたの  だ」

「さぁ早く逃げろ、スネーク」

「いいのか?  ……全てを失うぞ」

「構わんさ。本当に失ってはいけないものを、守ることができる」

「大佐……」

「さあ爆撃中止命令を出そう。これで後戻りは出来んな…。何をする!」


「スネーク!!」

「メイ・リン、大佐はどうなった!」

「……信じられない」

「どうした!」

「スネーク、大佐が!!」


「ロイ・キャンベルはたった今、解任した」

「私は国防省長官、ジム・ハウスマンだ」

「大佐をだせ!」

「機密漏洩と国家に対する反逆罪で逮捕監禁した」

「馬鹿な……」

「そう、馬鹿な男だ。指揮権を与えられたと、本気で信じていたとは  な…」

「貴様……!」

「全てを海に沈める。大統領もそれを望んでおられるだろう」

「大統領命令か?」

「大統領は忙しい。私が全責任を負っている」

「アメリカ国内を核攻撃してマスコミにどう説明する?」

「心配するな、隠蔽用のカバーストーリーは用意してある。テロリストが  核を暴発させたという事にする」

スネーク

スネーク

長官

スネーク

長官

スネーク

長官

スネーク

長官

スネーク

長官

長官


長官



「くそっ!」

「ここの研究員もゲノム兵の連中もみんな死ぬぞ」

「ドナルド…。 DARPA ダーパ 局長は死んでしまった……」


「やはり、 DARPA ダーパ 局長は殺すつもりはなかったんだな?」


「奴は親友だった」

「他の連中は、どうでもいいっていうのか?」

「そうだな、光ディスクの内容を転送すれば考えてやってもいい」

「なんのことだ!?」

「今回の演習データだ。ドナルドが持ち帰るはずだった」

「持っていない」

「そうか、まあいい……」

「貴様ら二人は、70年代の恥部だ。誰もが蒸し返したくない暗部だ。こ  のまま生かしておくわけにはいかない」

「爆撃までの時間、せいぜい仲良くな。旧態政府の亡霊達」








リキッド





リキッド



リキッド



リキッド






リキッド



リキッド

リキッド

リキッド


リキッド



リキッド

リキッド




リキッド









「お互い脱出路は断たれたようだな」



「空爆の前に決着をつけよう」


「貴様は俺から何もかも奪った」


「貴様を、貴様の遺伝子をここで否定することで、俺はその全てを取り返  してみせる」



「お前との決着には美しい生け贄だ」


「見えるか?」

「これは俺達の決着を刻む砂時計だ」

「この女を死へ誘うと同時に、この核モジュールも吹き飛ぶ仕組みになっ  ている」

「貴様が勝てば、女は助かるかもしれない」


「空爆までの 一時 ひととき を女と愛しあう事もできる」


「このラインを超えるとここから落下する。この高さだ…、ひとたまりも  ない」


「いくぞっ! スネーク!!」











スネーク



スネーク



スネーク





スネーク



スネーク



スネーク




スネーク

スネーク



スネーク





オタコン

スネーク






「メリル?」


「……メリル?」


「メリル!?」



「……済まない」


「くそっ!!」


「俺は恐怖に屈した。苦痛に服従した……痛みから逃れるために君の命を  売った……」


「俺は敗者だ。君の望んだようなヒーローではない!」

「……負け犬だ!」


「メリル、済まない。許してくれ……」



「メリルはもう誰を許すこともできないよ」

「オタコン?」



オタコン

スネーク



オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

オタコン

スネーク



オタコン

オタコン

スネーク



オタコン



オタコン

オタコン

オタコン



スネーク



オタコン

オタコン


「彼女は逝ってしまった……」

「……俺のせいでな」


「そうやって、自分を責めるのは楽だろうね。そうする事で、彼女の死か  ら目をそらすことができる」

「お前に何が分かる! メリルは死んだ。俺は負けたんだ!!」

「じゃあ、ここで死ぬかい? 彼女と一緒に」

「……」

「スネーク、人は死ぬ。でも死は敗北ではない。……ヘミングウェイの言  葉だ」

「……」

「僕もウルフを失った。でもそれは敗北じゃない」

「僕もウルフもこれからなんだ。敗北したわけじゃない」

「これから?」


「確かに命は失われたけど、恋は失ってはいない……」

「人生に勝ち負けなんてないよ。そうだろ?」

「……」


「生き抜こう、スネーク?」


「この隣に駐車場がある。そこから地上へ抜けられる。さあ?」

「セキュリティは解除した。大丈夫さ。逃げられる……」

「この僕が保証するよ」


「オタコン? おまえ……」


「もう、過去を悔いる生き方はやめたんだ」

「人生は失うばかりじゃない……」



オタコン

オタコン





スネーク



スネーク

スネーク





スネーク

オタコン



スネーク



オタコン



オタコン



オタコン




「始まった……あいつら、物を壊す時だけせっかちなんだ」

「破壊するがいい……でも人の勇気を壊すことなんかできない」



「わかった。行こう!」


「メリル、俺を見ていてくれ……」

「伝説の男かどうかを……」



「さあ、急ごう!」

「スネーク、外は寒い。そのままじゃ、凍死するぞ」


「俺のスニーキング・スーツだ」


「急いで」


「早くっ!」


「やっぱりそれが君の制服だ」









スネーク



スネーク



メリル



メリル



メリル



メリル



スネーク



スネーク

メリル

スネーク



メリル

スネーク

メリル



メリル





「メリル?」


「メリル!?」


「スネーク!?」


「あなたなの?」


「スネーク!! 生きてたのね!」


「よかった……」


「メリル?」


「メリル、大丈夫か?」

「大丈夫か、しか言えないの……?」

「メリル。つらい思いをさせた」


「いいえ。つらくはなかったわ。奴等の拷問に私、屈しなかった」

「拷問?」

「……それ以上のひどい事も……」


「私も闘ってたの。あなたと同じように」



スネーク

メリル




メリル



スネーク

メリル

スネーク

メリル




メリル

スネーク





メリル

スネーク








オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


「強くなったな」

「闘うことで、あなたに近づけた感じがする。あなたの存在を身近に感じ  たわ。だから、耐えられた」


「けど……、恐かった……」


「すまん」

「あやまらないで」

「……」

「でもおかげで気付くことができたわ。恐怖と恥辱の中…、ひとつだけ確  かな気持ちがあったの。それにすがる事ができたから耐えられた。あの  間……願った事はひとつだけ……」


「(少し泣き)スネーク、あなたに…逢いたかった……」

「メリル……」



「……!!」

「無線だ」





「スネーク、僕だよ」

「オタコン、いいニュースだ。メリルは無事だ」

「よかった!!! そうか、無事だったんだ。やったじゃないか?」

「悪いニュースもある。もうすぐ空爆が始まる」

「そうか、やっぱり僕たちは見捨てられたんだ」

スネーク

オタコン

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



「ここから脱出できるか?」

「脱出? ……ああ、できる。そこから地上への搬出用道路がある」

「スネーク達がいる、その隣に駐車場があるんだ。そこから地上へつな  がっている」

「正面の扉か?」

「いや、正面扉の西に小さな出入口がある」

「セキュリティは大丈夫なのか?」

「たった今、解除したところさ。僕を誰だと思ってるんだい? 脱出路の  方もこれからかかる……」

「お前はどうする?」

「僕? 僕は…。ここに残る」

「脱出路を確保するには、もう少し時間が必要なんだ」

「しかし……」

「脱出路の解除はかなり厄介なんだ! 僕にしかできない」

「オタコン?」

「心配はいらないよ。僕はここに残る。自分の意志で決めた事だ」

「地下基地といえども地表を貫通する核爆弾だ。容赦ないぞ」

「もう、過去を悔いる生き方はやめたんだ」

「人生は失うばかりじゃない……」

「……」

「スネーク、僕は以前より充実してる。生きる目的ができたんだ」

「わかった。死ぬなよ」

「それはお互い様。メリルと仲良くな」

「ああ……」

「じやあ、切るよ。必ず脱出路を何とかするから」

「ありがとう」

「ありがとう、か…。いいもんだな…」

「……信じてるぞ」

「ああ。ありがとう、スネーク」








スネーク

メリル



メリル

スネーク

スネーク

メリル

スネーク

メリル







スネーク

メリル





スネーク



メリル

スネーク





「さぁ、脱出するぞ」

「彼は?」


「オタコンはどこに?」

「奴は…今闘っている」

「今までの自分と、これからの自分の為に……」

「そして、私達の為に?」

「そうだ、奴の勇気を無駄にはしない」

「わかったわ」




「メリル!」

「スネーク……」



「始まったぞ」


「重いでしょ、私?」

「どうも俺達にラブシーンは似合わんようだ」



メリル









スネーク

メリル



スネーク



メリル







メリル





メリル

メリル






「そうね。お互い様……」





「さあ、急ごう!」

「スネーク、外は寒いわ。服を着た方がいい」


「俺のスニーキング・スーツだ」


「早くしてね」




「急いで!」



「その方が素敵よ、スネーク」

「早く!」

















オタコン

メリル



オタコン

メリル



オタコン

メリル





オタコン

メリル









「運転は僕がする」

「運転は任せといて!」


「だめだ。キーがないっ!」

「ちいっ! キーがないわ!」


「ついてる! 動かせるぞっ!」

「ラッキー! キーがついてる!」



「スネーク、いいぞっ! 乗れっ!」

「スネーク、いいわ。乗って!」





オタコン

メリル



オタコン

メリル

















リキッド

リキッド



スネーク



「スネーク、早く、乗れっ!」

「スネーク、早く、乗って!」


「スネーク、つかまってろよ!」

「スネーク、つかまってっ!」










「スネークッ! まだだっ!」

「まだ、終わってないっ!」


「リキッド!」









オタコン

メリル









オタコン

メリル



スネーク

オタコン

メリル

リキッド








「見ろ、スネーク、出口だ!」

「見て! スネーク、出口よ!」





「ダメだっ!」

「避けられない!」


「(クラッシュの悲鳴)」

「(クラッシュの悲鳴)」

「(クラッシュの悲鳴)」

「(クラッシュの悲鳴)」




詳しくは、ナスターシャの無線会話(P387)を参照。

体内に侵入した異物やウイルスなどを取り込んで除去する細胞。

細胞の増殖、分化、死などを制御する、細胞間情報伝達物質。タンパク質の一種。

遺伝子が傷ついたり、体に不必要になったりした細胞は、分解され消滅し、まるで自殺したように見える。これをアポトーシスという。

1982年の湾岸戦争に従軍した兵士が経験したとされる一連の症状のこと。帰国した兵士は、頭痛、疲労感、不眠など、さまざまな症状を訴えているが、その原因は特定できていない。











【溶鉱炉、基本】



キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク


ナオミ



キャンベル




キャンベル


【溶鉱炉、昇降機が使えない】

スネーク

キャンベル

キャンベル

ナオミ

【溶鉱炉、ボイラー室】

キャンベル




スネーク





「スネーク、そこは溶鉱炉だ」

「溶鉱炉? 何のためにこんなものが?」

「その基地には飛行場がない。だから資材の運び込みが難しいんだ。おそ  らく、不足した建材を自前で精製するために溶鉱炉を作ったんだろう」

「なるほどな。ああ、汗が噴き出してきた。外の雪原からは考えられない  暑さだ」

「また風邪なんかひかないように気をつけてね」


「メタルギアの地下整備基地はそこのさらに下だろう。どこかに下へ行く  ためのエレベータがあるはずだ。それを探すんだ」


「地下整備基地へのエレベータは一番下の階の北東にあっただろう? 急  ぐんだ、スネーク」


「大佐、昇降機があるんだが、下の階に停止したままなんだ」

「その昇降機は下から動かすしかないんだろう」

「降りる方法は必ずあるはずだ。探してみろ」

「基地の中はエメリッヒ博士が詳しいんでしょ? 聞いてみたら?」


「噴き出してくる蒸気は危険だ。主観で蒸気が噴き出す位置をよく確認し  ながら、よけて進め」


「ああ。サウナは嫌いじゃないが、こういうのはごめんだな」

【貨物用昇降機(上層)前】

キャンベル


スネーク

キャンベル

ナオミ

【貨物用昇降機(上層)、操作前】

キャンベル



キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

【貨物用昇降機(上層)、敵兵戦闘状態】

キャンベル


【貨物用昇降機中間駅】

キャンベル


【貨物用昇降機(下層)、可動時】

キャンベル


「スネーク、そこにあるエレベータがメタルギア地下整備基地に通じるエ  レベータじゃないのか?」

「だが、エレベータを呼ぶボタンがないぞ」

「待っていれば来るんじゃないか?」

「エメリッヒ博士に聞いてみたら?」


「メタルギアはその下だ。急いでくれ」


「時間がない。奴らも全ての準備を終えているだろう」

「交渉の余地は本当にないのか」

「政府がテロリストに屈するわけにはいかない」

「奴らが撃とうとしているのは核なんだぞ」

「決定に変更はないだろう」

「……なぜ政府はそこまで強気でいられるんだ?」

「……」

「大佐、まだ俺に隠していることがあるのか?」

「……頼む、スネーク。今は核攻撃の阻止だけに集中してくれ」


「スネーク、エレベータは密室だ。敵を全て排除しない限り、地下整備基  地へは進めない。敵を倒すんだ」


「君の乗ってきたエレベータは、そこから下には行かないようだ。となり  のエレベータに、乗り換えるんだ」


「スネーク、そのエレベータで地下整備基地まで下りるんだ」

【貨物用昇降機(下層)、無線機デモ後】



スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ



キャンベル

【貨物用昇降機(下層)、カラスの巣】

キャンベル

キャンベル

ナオミ



ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

キャンベル

【カラス一定数以上殺した場合】CALL

キャンベル

ナオミ



「……大佐、ナオミは?」

「なぁに? スネーク?」

「君は……いや、何でもない」

「へんなひと?」


「スネーク、奴らは核発射の準備を完了しているはずだ。急いでくれ」


「スネーク、奴らは核発射の準備を完了しているはずだ。急いでくれ」

「その先がメタルギアの地下整備基地だ」

「外気は零下30度以下よ……」


「さっきまで風邪ひいてたんだから気をつけて」

「……」

「どうしたの?」

「いや、ありがとう」

「?」

「そんなところに長居は無用だぞ、スネーク。時間がない、急いでくれ」


「スネーク、カラスを殺しても、どうなるものでもないだろう?」

「そうよ、かわいそうだわ。何か嫌な事でもあったの?」



【地下倉庫、レイブン戦】



ナオミ


ナオミ


ナオミ


ナオミ


キャンベル


ナオミ


キャンベル






キャンベル


キャンベル




キャンベル




キャンベル





「バルカン・レイブンは、シャーマンとして育てられ、何か超自然的な能  力を秘めているという話よ」

「海が凍結した時にはベーリング海を渡って、ロシアにも出入りしていた  らしいわ。旧ソ連時代にロシアで極秘特殊部隊ビンペルと共に特殊任務  を行っていたんだけど――」

「93年、『モスクワ騒乱事件』でエリツィン大統領から左遷されたのを  きっかけにロシアに見切りをつけて傭兵になったそうよ」

「その後、傭兵派遣会社アウターヘブンに参加、リボルバー・オセロット  の紹介で、 FОXHОUND フォックスハウンド にスカウトされたの」

「奴が手にしているのは本来戦闘機に搭載する20ミリバルカンだ。まと  もにやり合ったら勝ち目はないぞ」

「彼は体力だけじゃないわよ。アラスカ大学出のエリートなの。頭の回転  も早いわ」

「とにかく正面からの攻撃では歯が立たない。20ミリバルカンの弾幕に  は通常兵器は無力だ。背後や側面からの攻撃を考えろ」



「正面から挑んでは不利だ。  リモコンミサイルで攻撃してみろ。コンテナの間をぬうように飛ばし  て、奴の背後に命中させるんだ」

「だがミサイルのスピードが遅いと撃墜されるぞ。トップスピードで接近  させるか、曲がり角で狙え」


「身を隠す遮蔽物が全て破壊されれば終わりだ。コンテナが破壊される前  に奴をしとめろ!」


「奴がどこに動くかを予想してC4を仕掛け、タイミングをはかって爆破  するのも手だ」



【地下基地、ナオミ自白前】



キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク


スネーク

キャンベル

スネーク


【地下基地、基本】

キャンベル




キャンベル



キャンベル

キャンベル

【地下基地以外】

キャンベル


【地下基地、廃水溝】

キャンベル


スネーク

キャンベル





「スネーク、ナオミの件なら調査中だ。もう少し時間をくれ」

「彼女は?」

「まだ、仮眠中だ」

「そうか…… DARPA ダーパ 局長も偽者……その上ナオミも……。一体何がお  きているんだ?」

「……大佐、あんたはまた『知らない』と言うんだろうな」

「すまない、スネーク」

「世界が核攻撃の危機にさらされている。確かな事実はそれだけというわ  けか……」


「スネーク、核発射を止めてくれ。メタルギア整備基地の司令室に向かう  んだ」


「司令室は整備基地の三階だろう? 急ぐんだ」


「エメリッヒ博士と連絡をとってみろ」

「もう時間がない!」


「スネーク、メタルギアの地下整備基地へ急げ。レイブンと戦った倉庫の  北だ」


「スネーク、その水には核廃棄物が混じっているようだ。中に入るとダ  メージを受けるぞ」

「核廃棄物だと?」

「廃棄物の管理はかなりずさんなようだな。そのあたりのことは、ナス  ターシャが詳しいはずだ」

【地下基地、ネズミを一定数殺した】

キャンベル



ナオミ


【地下基地、PALキー入手】

キャンベル


キャンベル



キャンベル

スネーク

キャンベル






キャンベル


【地下基地、PALキー入手後】

キャンベル


【常温以外の形に変形している場合】

キャンベル


【司令室、監視カメラ注意】

キャンベル




キャンベル



キャンベル


「スネーク、鼠にかまっている暇はないぞ。核の発射を阻止してくれ」


「スネーク、ネズミを殺すのがそんなに楽しい? 小動物を虐待するなん  て心が歪んでる証拠よ」


「奴等は起爆コードの入力を終わらせたようだ。こうなったら、例の PALキー を  使って、起爆コードを再入力する以外に核発射を食い止める手段はな  い!」

PALキー を見つけだすんだ。廃水溝に落ちたはずだ」



「地雷探知機を使ってみろ」

「地雷探知機?」

「そうだ。その地雷探知機は金属探知器と同じ働きをする。レーダーに鍵  の位置が表示されるはずだ」



「ネズミから PALキー を取り返せ、スネーク。ネズミの移動ルートを読んでC4  を仕掛けるんだ」


「鍵を手に入れたんだな、スネーク。すぐに司令室に向かえ。 PAL パル コー  ドを再入力するんだ。核の発射を止めろ!」


「スネーク、鍵が変形しているぞ。それでは駄目だ。通常の形にもどすん  だ」


「スネーク、監視カメラがあるぞ。見つからないように PALキー を入力するん  だ」


「チャフを使ってみろ」


「ダンボールを使うのもいいかもしれん」


【常温鍵セット後、冷却鍵変形前】

キャンベル

【冷却鍵変形後、セット前】

キャンベル

【鍵の形が常温に戻ってしまった場合】

キャンベル


【鍵が温熱に変形した場合】

キャンベル


【冷却鍵セット後、温熱鍵変形前】

キャンベル



スネーク

キャンベル

【温熱鍵変形後、セット前】

キャンベル


【鍵が冷却に変形した場合】

キャンベル



PALキー を冷却する必要がある。どこか温度の低い場所を探すんだ!」



「よし、 PALキー が変形したな。司令室に急げ、スネーク」



「スネーク、 PALキー をよく見ろ。元の形に戻っているぞ。もう一度形を変えな  ければ駄目だ」


「スネーク、 PALキー は暖めるんじゃない。冷却するんだ。温度の低い場所を探  せ」


「次は PALキー を暖めるんだ。どこか温度の高い場所を探せ!」



「ナオミは?」

「すまない……調査中だ」


PALキー は変形したようだな。スネーク、司令室に急ぐんだ。最後の PALキー を入力  しろ」


「スネーク、何をしてる? 次の鍵は暖めるんだ。冷やすんじゃない。温  度の高い場所を探せ」

【ナオミ自白無線機デモ後】



スネーク

キャンベル


スネーク

キャンベル

キャンベル

スネーク

キャンベル


【司令室、ガス状態】



キャンベル

キャンベル




キャンベル


【司令室、脱出可能状態】

キャンベル



「大佐、ナオミは?」

「……尋問中だ。……スネーク、ナオミの事はこちらに任せてくれ。今は  メタルギアを止めることだけを考えるんだ」

「……」

「頼む」

「……私は君を友人だと思っている。そのことを、信じてほしい」

「……」

「核の発射を止められるのは君だけなんだ。時間はもう、いくらも残って  いない。司令室に向かってくれ」



「スネーク、ガスだ! そのままではやられる!」

「そうだ! スネーク、エメリッヒ博士だ! 彼ならそこのセキュリティ  を破れるかもしれん。連絡を取ってみるんだ!」


「スネーク、エメリッヒ博士がドアを開けてくれるはずだ。彼を信じて持  ちこたえろ!」


「スネーク! 早くリキッドを追え!」



【メタルギア戦、脱出扉前】

キャンベル


【メタルギア戦、オタコンSEND前】

キャンベル

キャンベル

スネーク

キャンベル

【メタルギア戦、オタコンSEND後】

キャンベル



キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

【メタルギア戦、忍者デモ後】



スネーク

キャンベル


スネーク


キャンベル


スネーク

スネーク

キャンベル



キャンベル




「何をしてるんだ、スネーク! 逃げ道は無いぞ! メタルギアを止めて  くれ!」


「遂にメタルギアが動き出してしまったか……」

「君だけが頼みだ。何としてもくい止めるんだ!」

「どうやって?」

「開発者のエメリッヒ博士に聞くしかない」


「メタルギアを破壊してくれ。時間がない」


「もし無理なら、最後の手段を使う……」

「最後の手段?」

「原潜から核ミサイルを撃ち込む様に指示されている」

「なんてこった!!」



「大佐、フォックスが死んだ……」

「(悲嘆)ああ……。例え戦士といえども、人は戦いだけのために生きる  べきではない。戦いの他にも人生はある。それをどこかで見つけてくれ  ていれば……」

「純粋で不器用な男だ。この世界には……あいつが信じられるものは、わ  ずかしかなかっただろう」

「……そうだったな……。フォックスが望んでいたのは、本当に死だけだ  ったのか?」

「さあな。だが……死んで得られる幸福があるとは、俺には思えない」

「(決然と)俺は生きてここを出る」

「ああ。(強い願い)必ず、戻ってきてくれ」


「むき出しのコックピットにスティンガーを撃ち込んでやれ。勝つんだ、  スネーク!」



【ナオミスパイ、無線機デモ後】

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン





【レイブン死亡後無線機デモ後】

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン





【ナオミ自白無線機デモの後】

メイ・リン

スネーク

スネーク

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン



「メイ・リン、ナオミは?」

「(質問の意図がわからない)え? 別に。元気だけど?」

「そうか……」

「(ちょっと嫉妬)何よスネーク、ナオミさんが気になるなら、直接話せ  ばいいじゃない?」

「いや……ああ。そうだな……」

「へんなひと?」




「……ナオミの様子、どこかおかしなところはなかったか」

「いいえ……ナオミさんが敵のスパイだなんて、私、絶対信じられない」

「俺だって信じたくはないさ。だが……」

「(強い拒否)スネーク、言わないで」




「スネーク、ナオミさんは拘束されたわ……」

「そっちでは一体何が起こってるんだ?」

「大佐は何を考えている?」

「キャンベルさんは……」

「ごめんなさい。言えないの……」

「でも信じて。私はあなたをサポートするわ。最後まで……」



【リキッド戦、基本】

メイ・リン






【ジープ戦、基本】



メイ・リン


スネーク

メイ・リン

スネーク

スネーク


メイ・リン

メイ・リン





【溶鉱炉、基本】

ナスターシャ




「私、あなたの手助けになることなんて何もできない……だからせめて精  いっぱい応援するわ。がんばって!」





「スネーク、キャンベルさんも逮捕されたわ。私もどうなるかわからな  い。多分……これが最後の 記録 セーブ になると思う」

「もう格言も聞けなくなるな」

「スネーク……」

「メイ・リン、頼みがある」

「これまでの会話データをハード・コピーしておいてくれ。保険にした  い」

「わかったわ。そっちは任せて」

「スネーク……無事でね。お願い」




「見通しはいいものの足場が狭く、行動の自由がきかない地形だな…。そ  ういう場所では、PSG1で先に敵を排除しておけば、効果的だ」



【地下倉庫、レイブン戦】



ナスターシャ


ナスターシャ




ナスターシャ


【ナオミスパイ、無線機デモ後】

スネーク


ナスターシャ

スネーク

ナスターシャ

スネーク





【司令室、ガス状態】



ナスターシャ

スネーク

ナスターシャ




ナスターシャ


【司令室脱出可能状態】

ナスターシャ




「レイブンが持っているのはおそらくM61.20ミリ多砲身機関砲。  F16に搭載されている戦闘機用機関砲だ」

「6本の砲身を回転させながら毎分4000発の20ミリ弾を発射し、狙  いも正確だ。正面から行ってはミンチにされるのがオチだぞ」


「相手の正面をさけて隠れながら攻撃するんだ。リモコンミサイルやC4  を使ってみろ」


「ナスターシャ、 FОXDIE フォックスダイ と今回の作戦…、あんた、何か知らない  か?」

「すまない。私も何も聞かされていないんだ」

「大佐も同じようなことを言っていたな」

「…」

「すまない。皮肉じゃないんだ。あんたの言うこと、信じるさ…」





「スネーク、そのままじゃ危ない! なんとか脱出するんだ」

「どうやって?」

「誰か基地に詳しい人間…。そうだエメリッヒ博士ならなんとかできるか  もしれない」


「エメリッヒ博士が扉を開けてくれるのを待つしかない。何とか耐えるん  だ」


「スネーク、何をしてる? 早くリキッドを追え!」



【メタルギア戦、オタコンSEND前】



ナスターシャ


ナスターシャ



ナスターシャ


【メタルギア戦、オタコンSEND後】



ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ




ナスターシャ






【リキッド戦】

ナスターシャ

ナスターシャ




「私も軍事アナリストとして生活をしているが、メタルギアのことはわか  らない」

「エメリッヒ博士に聞いてみてくれ?」


「電子装置で目標を認識している点は戦車と同じはずだ。チャフを使え  ば、しばらくはごまかせるかもしれない…」



「レドームはレーダードームの略だ。鋭敏な電子機器を保護するためのカ  バー。大概の航空機の先端はレドームになっている」

「メタルギアのレドーム内にはレーダーだけでなく、赤外線センサー、動  体センサー、各種のセンサー類がつまっているはずだ」

「まさに目であり、耳であり、鼻なんだ。確かに、それを潰せば勝機が見  えるかも…」


「スティンガー・ミサイルは大切に使用しろ。もし弾が切れたら、君に勝  ち目はない」




「スネーク、肉体と肉体の戦いだ。私がアドバイスする事は何もない」

「自分を信じて! 必ず勝つんだ!!」



【貨物用昇降機(上層)、敵兵戦闘状態】

マスター


【貨物用昇降機(下層)、可動中】



スネーク

マスター



マスター


スネーク

マスター

スネーク



マスター


マスター




マスター




「密室では、当然、行動範囲が制限される。だからといって、じっとして  いては自ら的になるだけだ。相手の動きを読み、機敏に動きまわって勝  機をつかめ」



「マスター、やたらとカラスがいるんだが……」

「それはレイブン、大ワタリガラスだ」


「ワタリガラスには死を予言する能力があるとも言われている。詩人の  マーロウは、『死を予感するワタリガラスは病人の死が間近になった事  を鳴いて知らせる』と書いている」

「不吉な話だ」

「ところで…」

「どうした?」


「知ってるか? カラスは人の三倍、ワタリガラスはその三倍生きる、と  いう言い伝えがある」

「まあそれは伝承に過ぎないが、カラスが鳥類の中でも長命な種である事  は事実だ。ワタリガラスは70年近く生きる場合もある」


「カラスは植物質も動物質も、ゴミも農産物も何でも食べる。いじきたな  いようだが、その 採餌 さいじ 行動の多様さがこの極地でも生存を可能にしてい  るんだ」

【ナオミスパイ、無線機デモ後】

スネーク

マスター


スネーク

マスター

【貨物用昇降機(下層)、カラスの巣】



マスター


マスター


マスター


「さっきのナオミの件だが」

「詳細は今調べている。だが怪しい事は間違いない。……今までにあの女  の挙動について、何かおかしいと思ったことはなかったか?」

「……」

「……気を許すなよ」



「そのあたりは永久凍土の真ん中に位置している。永久凍土とはその名の  通り凍てついてとけることのない大地だ。アラスカ全域の85%は永久  凍土だと言われているな」

「そこの気温はおそらく零下30度を下回る。スネーク、急がないと寒さ  でレーションが凍りついてしまうぞ」

「レーションを凍らせない方法は装備して体温で暖めておく事だ」



【地下倉庫、レイブン戦】



マスター






マスター



スネーク

マスター




マスター


マスター


スネーク


マスター



マスター


【レイブン死亡後無線機デモ後】



マスター





「そこの気温は零下30度を下回る。スネーク、急がないと寒さでレー  ションが凍り付いてしまうぞ」



「レーションを凍らせない方法は装備して、体温で暖めておく事だ」


「もう凍ってしまった」

「装備して体温で暖めろ。しばらくすれば、とけて使えるようになるはず  だ」


「アラスカのインディアンか。アサバスカン族だろう。アリゾナ州の  アパッチ・ナホバ族と同族だ」

「日本人と人類学的に近く、言葉も日本の古語とよく似た言葉を使ってい  る。お前と奴は、祖先が同じというわけだ」

「……マスター、俺に日本人の血が流れている事、あんたにしゃべったこ  とがあったか?」

「……」


「『四人運び』は大人四人をぶら下げて距離を競うものだが、レイブンは  六人もの人間を運んだそうだ」



「スネーク、あのナオミという女がスパイだというのは確実だと思う。だ  が、キャンベルも何かを隠しているようだ…。信用するなよ」



【地下基地、PALキー落とす前】

マスター


【地下基地、PALキー入手前】

マスター


マスター




マスター


【廃水溝アイテム全て取得】CALL





マスター

スネーク

マスター

マスター

スネーク

マスター

スネーク

マスター




「スネーク、起爆コードの入力システムは司令室にあるんだろう? 司令  室に急げ」


PALキー をなくした? すぐに探し出すんだ! 奴等は起爆コードを既に入力  した」

「あの PALキー を使ってもう一度起爆コードを入力し、システムをロックしない  限り、核発射を止めることはできない」


「例え廃水溝の中でも地雷探知機を使えば、どこに落ちたか分かるはずだ  。何としても PALキー を探し出せ!」




「スネーク、 PALキー は見つかったか?」


「いや、それがどこにもないんだ」

「そんな馬鹿な。確かにその廃水溝に落ちたんだろう?」

「その廃水溝……何か、おかしなところはないか?」

「いいや。でかい鼠がいるくらいだ」

「それだ、スネーク! 鼠がのみ込んでいるんだ!」

「そんな馬鹿な」

「いや、それ以外に考えられない。ハタネズミは雑食だ。 PALキー を飲み込んだ  としても、なんの不思議もない」



マスター


【地下基地、PALキー入手後】

マスター

【常温鍵セット後、冷却鍵変形前】

マスター

【冷却鍵変形後、セット前】

マスター

【冷却鍵セット後、温熱鍵変形前】

マスター

【フォックスダイ無線機デモ後】



マスター

マスター



「スネーク、 PALキー はネズミが飲み込んでいる。ネズミから PALキー を取りもどせ。  ネズミの移動ルートを読むんだ!」


PALキー を手にいれたな? よくやった。早く司令室に向かえ」



PALキー を冷やすんだ。寒い場所を探せ!」



PALキー の形が変わったな。急いで司令室にいって PALキー を入力するんだ」



「次は PALキー を暖めるんだ。どこか暖かい場所に行く必要がある」




「ナオミはやはりスパイだったか。キャンベルも何かを隠している……」

「だがそれもいい。 FОXDIE フォックスダイ はウイルス兵器だ。必ず血清がある。そ  れは後で手に入れるとして、スネーク、今は起爆コードを再入力するこ  とだけを目指せ。いいな」

【温熱鍵変形後、セット前】

マスター




スネーク

マスター

【ナオミ自白無線機デモ後】



マスター

スネーク


マスター






マスター



マスター


「(喜喜として) PALキー が変形したな。急いで司令室に向かうんだ。最後の PALキー  を入力しろ!」


「……マスター、いやに喜んでるな?」

「……」



「私怨を晴らすために、 FОXDIE フォックスダイ を利用したという事か……」


「だがナオミは FОXDIE フォックスダイ の使用を決めたのは自分ではないと言ってい  た。作戦の一部だともな」

「キャンベルまで絡んでいるとなると、彼から血清を手に入れるのは難し  いかもしれんな……まあいい」



「今はとにかく司令室に急げ。最後の PALキー を入力するんだ」



「今は最後の PALキー を変形させる方が先だ」




【溶鉱炉、基本】

オタコン


【溶鉱炉、昇降機使えない】



スネーク


オタコン

スネーク

オタコン

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



オタコン

【溶鉱炉、ボイラー室】

オタコン


スネーク

【貨物用昇降機(上層)前】

オタコン




オタコン




「一番下の階の北東に資材運搬用エレベータがあるんだ。それに乗ればメ  タルギア地下整備基地に行ける。大きなパトライトがついてるから、す  ぐわかるはずだよ」



「昇降機が下に停止したまま上がってこない。他に地下へのエレベータま  で行くルートは、あるか?」

「そうだな……ルートはあるよ」

「どこだ?」

「溶鉱炉の西の方は見えるかい?」

「クレーンがあるだろ? そこのステップを歩けば、多分向こう側に行け  る」

「そんな所を歩いた奴なんているのか?」

「いや、ネズミが走ってるのなら見た事がある」

「俺にネズミになれと?」

「クレーンにも気をつけて」


「西側のステップを張り付いて渡れば、向こう側まで行けるよ、多分」


「ボイラー室にいるのかい? そこのパイプはかなり老朽化してて、たま  に蒸気が噴き出すんだ。気をつけたほうがいいよ」

「これが、たまに、か?」


「そこにある資材運搬用エレベータで下りていけば、メタルギアの地下整  備基地に着くよ」


「自動運転で溶鉱炉とを地下整備基地を往復しているんだ。まだエレベー  タが来ていないなら待つしかないね」

【貨物用昇降機(上層)、可動前】

オタコン


【貨物用昇降機(上層)、敵兵戦闘状態】

オタコン

【貨物用昇降機(上層)戦闘前、後】

オタコン




スネーク

オタコン


【貨物用昇降機中継駅】



オタコン

スネーク

オタコン




オタコン

【貨物用昇降機(下層)、基本】

オタコン


スネーク

オタコン

スネーク

オタコン



「スネーク、エレベータはスイッチを入れなければ動かないよ。操作盤が  あるだろ。近寄ってアクションボタンを押すんだ」


「スネーク、そのエレベータには逃げ場はない。戦うしかないよ!」


「そこのエレベータは地下整備基地に建材や車輛を運ぶためのものなん  だ」


「だからこんなにでかいのか」

「今、スネークが乗っているのは、一号エレベータだ。一号エレベータは  途中までしか降りていかないから、中継地点で二号エレベータに乗り換  えてくれ」



「スネーク、そこが一号エレベータと二号エレベータの中継地点だ」

「どうしてこんな構造になっているんだ?」

「うん、本来は一本のエレベータで下まで行くはずだったんだけど、岩盤  の強度とか構造の問題から二本に分けた、と聞いているよ」


「横に二号エレベータが来ているだろ? そっちに乗り換えるんだ」


「そのエレベータで降りていくと、倉庫に出る。そのすぐ先がメタルギア  の地下整備基地だ」

「……カラス」

「何?」

「カラスがたくさんいる」

「カラスは前からいたんだけど。 FОXHОUND フォックスハウンド がここにやってきてか  ら急にそのあたりに集まりだしたんだ。そういえば不思議だな。どうし  てなんだろう…?」

【貨物用昇降機(下層)、カラスの巣】

スネーク

オタコン

オタコン






【地下倉庫、レイブン戦】

オタコン


【レイブン死亡後無線機デモ後】



オタコン




オタコン



「しかしなんだこのカラスの大群は?」

「ああ、カラスか」

「カラスは前からこの基地にいたんだけど、 FОXHОUND フォックスハウンド がここにや  ってきてから、急にそのあたりに集まりだしたんだ。そういえば不思議  だな。どうしてなんだろう…?」




「メタルギア地下整備基地の建設を優先したせいで、その部屋はまだ工事  中なんだ。でもその分コンテナの陰とか、隠れる場所は多いだろ? そ  れを利用したらどうだい?」



「僕は、ドクター・ナオミがどんな人なのか知らないから、なんとも言え  ないけど…」


「スネーク、そのことはいったんキャンベル大佐に任せて、君は司令室に  向かった方がいいんじゃないかな?」



【地下基地1F】



オタコン

オタコン

オタコン

オタコン

オタコン

【地下基地、オタコン無線機デモ1後】

スネーク

オタコン

【地下基地、オタコン無線機デモ2後】

スネーク

オタコン

【地下基地、オタコン無線機デモ3後】

スネーク

オタコン



オタコン

オタコン


オタコン


オタコン

オタコン


オタコン




「その間にスネークは司令室に向かってくれ」

「PALの緊急入力システムは司令室にある」

「司令室は君がいる整備基地の三階だ」

「メタルギアの横にハシゴがあるだろ?」

「そこを登って行けばいい」


「オタコン、どうだ?」

「まだだよ。もう少し、時間をくれ」


「どうだ? 調子は?」

「もう少し、待ってくれ」


「どうだ? 解除方法のファイルは?」

「まだだよ。もう少し、時間をくれ」


「新型核弾頭についてなら、いろいろわかった」

「弾道ミサイルが発射されてから着弾するまでの過程は、4段階に分かれ  るんだ。最初が、ブースト段階。発射されてから大気圏の外に到達して  ロケット燃料が燃えつきるまで」

「次がポストブースト段階。燃焼が終わってから再突入体を放出するまで  だ。その次が中間コース段階。再突入体を放出してから弾道飛行し、大  気圏に再突入するまで」

「最後が終末段階。大気圏に再突入してから地上の目標に到達するまで」

「ミサイル防衛システムは、軍事衛星でブースト段階のロケット噴射を感  知して発動するんだ。でも新型核弾頭はブースト段階をレールガンの超  高速射出機能を用いて代行する」

「だから、既存のミサイル防衛システムで発見する事はできないんだ!」

オタコン


スネーク


オタコン


オタコン


オタコン


スネーク

オタコン

【司令室前】

スネーク

オタコン



オタコン

オタコン


オタコン


オタコン


オタコン


オタコン


オタコン


オタコン


「その上、再突入体は完全なステルス……。 円形半数必中界 CEP も  50メートルと、最高のICBM並の命中精度だ」

「正確無比で迎撃不可能、どこから撃たれたのかすら、わからない核攻撃  ……」

「しかもそれだけじゃない。弾道ミサイルの推進装置には通常、二段ない  し三段の固形燃料式ロケットが用いられるんだ」

「でも、これは開発コストがかさむ上に、特に固形燃料の保守と発射の準  備に大変な手間がかかる」

「核弾頭発射レールガンはこの問題をクリアした、低コストで即時発射可  能な核兵器でもあるんだよ」

「まさに完全無欠。夢の核兵器か」

「ただし、悪夢のね」


「解除方法のファイルはどうなった?」

「あと少しだけ待ってくれ」


「軍需産業ついてなら、いろいろわかった」

「冷戦の終結後、アメリカの国防予算は15%以上削られた。当然軍需産  業はジリ貧さ」

「結果、業界では派手な企業間の合併・買収が横行したんだ。今ある大手  兵器企業の中には、10年さかのぼってみると、20社以上に分かれて  しまうって所も珍しくない」

「AT社もそのうちの一つさ。だけど次期主力戦闘機の入札からは漏れ、   民需転換 デュアル・ユース にも結局失敗。会社はいよいよやばくなってきていた」

「だけどやばいのは国防総省も同じでね。大幅に予算を削られたものだか  ら、民間にも費用を負担させなければ兵器開発費をまかなえなくなって  いるんだ」

「それに、国の研究開発レベルを低下させないために、政府の研究開発へ  民間技術を積極的に導入しようという方針も打ち出されている」

「結果行われているのが、国防総省と民間による新型兵器の共同開発だ。  だけど、お互いの苦しい財政事情のおかげで当然そこには癒着が生まれ  る」

DARPA ダーパ 局長と癒着してのメタルギア開発は、必然的な背景があった  んだ。必ずしもAT社を存続させたいっていうベイカー社長の独走だけ  じゃなかったみたいだね……」

【地下基地、基本】

オタコン

オタコン


【PALキー入手後】

オタコン


【PALキー見つけた後、一回目】

オタコン


オタコン


【常温鍵以外の形に変形している場合】

オタコン


【常温鍵セット後、冷却鍵変形前】

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン


【冷却鍵変形後、セット前】

オタコン


【鍵が元の状態に戻ってしまった時】

オタコン



「テロリストは起爆コードの入力を終了してしまった!」

「核の発射を止めるには、もう一度起爆コードを入力して起爆装置をロッ  クするしかない。それにはあの PALキー が必要なんだ。 PALキー を探すんだ、スネー  ク! 他に方法はないよ」


PALキー を見つけたんだね? まずは常温状態の PALキー だ。司令室の一番左の端末  に差し込むんだ」


「その PALキー は、接続端子と基盤の一部に形状記憶合金を使ったICカードな  んだ」

「正しい形に変形させないと、司令室のPALコード入力端末が認証せ  ず、起爆コードは再入力されない仕組みになってる」


「スネーク、 PALキー の形が変わっちゃってるよ。常温状態に戻さなきゃ駄目  だ」


「次は PALキー を冷すんだ」


「どこで冷やせばいい?」

「ここはアラスカだ。外にでればどこでも寒い」

「でも、そこからだと君がレイブンと戦った倉庫が近いね。あそこは永久  凍土の真ん中で、暖房もついてないから」


「スネーク、 PALキー はちゃんと変形してるみたいだよ。指令室の真ん中の端末  に差し込むんだ。 PALキー が暖まって元の形に戻る前にね」


「スネーク、 PALキー を見てみるんだ。形が元に戻ってるよ! もう一度変形さ  せなきゃ駄目だ!」

【フォックスダイ無線機デモ後】



オタコン


スネーク

オタコン


スネーク

【冷却鍵セット、温熱鍵未変形】

オタコン


【温熱鍵変形後、セット前】

オタコン


オタコン


【ナオミ自白無線機デモ後】



オタコン


オタコン

スネーク

オタコン



「ドクター・ナオミが敵のスパイだったって? ……そんなことってある  のかな?」

「俺だって信じたくはない。だが……」

「スネーク、今はキャンベル大佐に任せて、君は起爆コードを再入力する  事に専念した方がいいよ」

「ああ……」


「温度が高い所? 溶鉱炉があるじゃないか? だけど、帰る途中に寒い  所を通ると PALキー が変形してしまう。急いで駆け抜ける必要があるよ」


PALキー はちゃんと変形したようだね。最後の PALキー は、司令室の右端の端末に差  し込めばいい」

「でも気をつけるんだ。寒い所に長居をすると PALキー がもとの形に戻ってしま  う。急いで駆け抜けるんだ」



「僕はドクター・ナオミを責める事はできないな……彼女、かわいそうな  人だよ」

「……昔から自分のファースト・ネームが嫌いだったんだ、僕…」

HAL ハル が?」


「うん…。僕はコンピュータじゃなくって人間だから」

オタコン


オタコン


オタコン

オタコン

オタコン


スネーク

オタコン




オタコン



オタコン

【司令室扉開いた後】

オタコン


「それに、祖父さんがマンハッタン計画に参加していた事も……、親父が  ヒロシマに原爆が落とされた日に生まれたって事も……。みんな嫌だっ  たんだ」

「名前とか親とか祖父さんとか……そういうものみんなが、僕の人生を束  縛してるように、感じてた……」

「でも、それは恵まれた事だったんだと、今は思う」

「少なくとも自分が生まれてきて、生きている事の あかし になるから」


「ドクター・ナオミは親の事も、自分の名前さえ知る事ができなかったん  だ。寂しかったと思うよ、すごく……」

「オタコン……」

「ごめん、スネーク。今は PAL パル コードを再入力する事を考えた方がいい  ね」


「まだ最後の鍵が入力されてない。司令室に急ぐんだ」


「鍵の形が正しくないよ。早く暖めるんだ。溶鉱炉が一番いいと思うよ」


「何してるんだい? 扉は開けたよ、スネーク。早くリキッドを追いかけ  なきゃ!」



【メタルギア戦、戦い方】

オタコン


オタコン


スネーク

オタコン

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン


スネーク

オタコン


スネーク



「スネーク、レックスの装甲は完璧だ。今、持っている火器では破壊する  事はできないよ」

「レックスは最新式の複合装甲を採用しているんだ。高性能の 成形炸薬 HEAT で  も使わない限り、破壊はできない」

「では、どうすればいい?」

「レックスの操縦席は一種のVRシステムと同じなんだ」

「あらゆるセンサーを通し、ハイテク機器を介して操縦している」

「完全に外界から閉鎖された密閉型だ」

「肉眼では見ていない?」

「そうだよ。だから、センサーを破壊すれば……」

「レックスの左腕のように見える円盤があるだろう?」

「ああ、盾のようなやつか?」

「それがレドームだ。あそこを破壊すれば電子装置は効かなくなる」

「盲目になるってことか?」

「ああ、レドームにスティンガー・ミサイルを撃ち込めばいい」

「それで動きは止まるんだな」

「いや、レックスは肉眼でも操縦できるようになっている」

「ご丁寧だな」

「くちばしのような部分が、操縦席なんだ。非常の際はそこが開閉する」

「レックスの装甲は頑丈だ。破壊はできない」

「それはわかってる」

「でも、内側からなら話は別だ」

「なるほど……まずレドームを破壊して、操縦席を開かせるって訳だ」

「そうだよ。操縦席の内部にスティンガー・ミサイルを直撃させれば、コ  ンピュータ制御系を破壊できる」

「そんな弱点を残したまま開発してたのか?」

「弱点じゃない。弱みだよ。人も兵器も弱みがないと可愛くないじゃない  か。そうだろ?」

「わかった。お前に感謝したい気持ちだ」


【メタルギア戦、オタコンSEND後】



オタコン




オタコン


オタコン


オタコン




オタコン




オタコン


オタコン


オタコン




オタコン


オタコン




オタコン


オタコン



「まずレドームをスティンガーで破壊して、電子装置を使えなくするん  だ」


「例のベイカー社長の極秘ファイルにあったんだけど、レックスの股間に  設置されているのは自由電子レーザーらしい」

「巨大な電磁石で加速した電子ビームの中にレーザービームを入射して、  出力を大幅に増幅させるレーザー兵器なんだ」

「100メガワット近い超高出力を発生させる事ができる。通常の化学  レーザーの10倍だ」


「レックスに踏まれたら、ひとたまりもないよ。近づく時は注意してく  れ」


「レックスの両膝には対戦車ミサイルが装備されている。ワイヤーを使わ  ないレーザー・セミアクティブ誘導方式だ」

「射手がレーザー照準機で目標にレーザー光線を発射し、ミサイルはその  目標からの反射光を感知して追尾する。命中率は極めて高いよ」

「弾頭はおそらく 成形炸薬 HEAT で、対人榴弾は使ってないと思うけど、直撃す  れば勿論ただではすまない。気をつけるんだ」


「レールガンは磁力で弾を撃ち出す兵器だ。砲弾の加速プロセスを最適化  する事によって、弾丸の初速は、毎秒100キロを越える」

「SDI計画では、宇宙空間で敵国のICBMを撃墜するために使われる  はずだったんだ。それが核弾頭の射出に使われるなんて…。皮肉なもの  だね」


「レックスは試作一号機だけど、バーチャル・プロトタイピングを行って  るんだ。設計段階からVRシミュレーションの中で生産評価・改良のサ  イクルを何度も繰り返してる」

「だから試作機といっても完成度は高いよ。気をつけてくれ!」



【リキッド戦】





オタコン




オタコン






「スネーク、格闘の事は僕にはわからない。でも、なんとしてもリキッド  を倒すんだ」


「レックスの背中から落ちそうになったら、ボタンを連打するんだ。早く  這い上がれるよ」




















スネーク

スネーク

オタコン

メリル











「メリル、大丈夫か?」

「オタコン、大丈夫か?」

「……なんとかね」

「……ええ、まだ生きてるわ」



スネーク

スネーク



オタコン

メリル



スネーク

オタコン

メリル

スネーク







スネーク

リキッド



リキッド

リキッド



スネーク


「動けるか? メリル」

「動けるか?  オタコン」


「……ダメだ。動けない」

「チッ、動けないわ!」


「リキッドはどうなった?」

「さすがの奴も死んだんじゃ?」

「私からも見えないわ」

「リキッドが死んだ……」




「しまった!」

「スネーク」


「ス…! スネーク…」

「フォッ……? フォックス…?」


「死ね」







スネーク



オタコン

メリル



リキッド





スネーク

スネーク






「奴が死んだという事は……」


「考えない事だよ、スネーク」

「言わないで、スネーク」


「……」



「空爆はどうなったんだ……」

「ステルスの影も見えない……」





キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

スネーク

キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル



スネーク

キャンベル



スネーク

キャンベル

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク



「スネーク、聞こえるか?」

「大佐!」

「無事だったか?」

「大佐、どうして?」

「国防省長官はたった今、逮捕された。退任だ」

「逮捕?」

「大統領と連絡が取れた。メタルギア、新型核弾頭の開発、  今回の演習……全て、国防省長官の独断で行われた」

「これが独断……」

「空爆や核の投下はどうなった?」

「攻撃命令は解除。F117もB2スピリットも基地に帰還した。再び作  戦指令の権限は私に戻った」

「なるほど……」

政府 ワシントン は秘密を守る為に核を使用する程、愚かではない」


「怪しいものだ」

「とにかく、危機は去った…。ありがとう」


「大佐、メリルは無事だ。安心してくれ……」

「そうか…。ありがとう、スネーク。ありがとう」


「大佐、メリルの事だが……」

「(悲痛)わかってる……」

「……(長い沈黙)」

「大佐?」

「……メリルは……私の娘だった」

「何?」

「知ったのはつい最近だ。あの子の母親、死んだ弟の妻が手紙をくれたん  だ……。この作戦が終わったら、私はメリルにその事を打ち明けるつも  りだった」

「大佐……」


キャンベル

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

キャンベル

キャンベル

キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル



スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル


スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク

キャンベル

スネーク



キャンベル

スネーク

「いいんだ、スネーク。ありがとう」

「スネーク、君にはいろいろ隠し事をして、すまなかった」

「大佐、いいんだ」

「スネーク、私は大佐ではない」

「そうだったな」

「君にプレゼントがある」

「近くにスノーモービルがある。メイ・リンが衛星写真で確認した」

「この時期、氷河も落ちついている。凍結した海を渡ればいい」

国防省情報局 DIA 国家安全保障局 NSA の連中が君たちを無事に帰すとは思えな  い」

「同感だ。勿論、のこのこ戻る気はない」

「君達はジープでアラスカの海中に沈んだ…。ということにしてある」

「あやうく現実になりそうだったが…」

「フォックス諸島でヘリを用意している」


「基地内にハル・エメリッヒ博士がいるはずだ。彼の回収も頼む」

「わかった。そっちの方は安心しろ」

「ありがとう。キャンベル……そっちは大丈夫なのか?」

「お互い保険は用意している。メイ・リンのデータをハードコピーしてい  る。これがある限り、君も私も……メイ・リンも大丈夫だ」

「ナノマシンのバッテリーも尽きる。俺達を追跡する事はできまい」

「もう逢うこともないな」

「いや、そのうち遊びに行く」

「そうか、期待してるよ」

「キャンベル、ひとつ教えてくれ」

「なんだ?」

FОXDIE フォックスダイ の事だ」



「メリルなら大丈夫だ。プログラムの対象には入っていなかったようだ」

「俺はどうなる? リキッドも死んだ」


キャンベル

スネーク

キャンベル

キャンベル



ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク



ナオミ

スネーク

スネーク

スネーク

ナオミ

ナオミ


ナオミ



スネーク


ナオミ

スネーク

ナオミ

スネーク

ナオミ

ナオミ

スネーク

「その事についてなんだが、ナオミから話があるらしい」

「彼女は今?」

「大丈夫だ。メイ・リンが付いてくれている」

「今、ナオミと替わる」


「スネーク、私よ……」

「ナオミか?」

「聞いたわ…、兄のこと」

「ああ、その…。いや、フランクから伝言がある」

「え?」

「『俺の事は忘れて、自分の人生を精いっぱい生きろ……』」


「(涙ぐむ)兄がそんな事を?」

「君の事を愛している……とも言っていた」

「ナオミ、俺や世界を救ったのは……フランクだ」

「奴は最後まで自分の意志で闘っていた」

「兄は……これで解放されたと思う」

「兄は、既に死んでいたの。ザンジバーランドであなたと闘ってから。既  にゴーストと変わりがなかった」

「死に場所を求めて、さまよう亡霊……」


「ナオミ、リキッドも FОXDIE フォックスダイ で死んだ。設定はいつだ。いつウイル  スが活動する?」

「それはあなた次第」

「どういう意味だ?」

「あらゆる生命には寿命がある」

「いつまで つんだ?」


「限られた時間を使うのはあなたよ」

「生きてね、スネーク。私からはそれだけ……」

「……」














ナオミ


ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ


ナオミ

ナオミ


ナオミ









「人はそれぞれ生まれた時から運命づけられているわ。遺伝子の中に刻ま  れてね」

「……でも人の人生はそれだけじゃない。私もようやくわかった」

「前にも言ったわね。私が遺伝子――、DNAに関心を持った 理由 わけ


「自分は一体、誰なのか? どこから来たのか知りたかったから……」

「DNAを解析すれば、私が誰だかわかる、私の逢ったことのない両親の  事がわかる……自分が何者かわかれば、進む道がわかるかもしれない。  そう思ってた」

「でもそれは違う。何もわからなかった。何も見つからなかった」

「ゲノム兵も同じ。遺伝情報をインプットするだけでは最強の戦士を創り  出す事はできない」

「DNA情報は――あくまでも力や運命を秘めているという事だけしか言  えないわ」

ナオミ


ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ


ナオミ

ナオミ


ナオミ

ナオミ

ナオミ



「運命に縛られてはいけない。遺伝子に支配されてはいけない。生き方を  選ぶのは私達なのよ」

「スネーク…、プログラムされたかどうかは問題ではないわ」

「重要なのは、あなたが選ぶ事」

「そして生きる事」

「そうでしょ? スネーク…」

「心配はいらない。私も、生きていくわ」

「これまで、生きる理由ばかり探してた。でも、これからは…生きる事が  私の目標なの」

「遺伝子の存在意義は…子孫を通じて、願いを未来に託す事……」

「生きる事は未来へ繋がる。あらゆる生命はそうやって未来へ繋がってい  くの」

「愛し合い、語り継いでいく……そして、世界を変えていく」

「ようやく、わかったの。生きる事の意味が……」

「スネーク…、ありがとう」












メリル

スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク


メリル

スネーク

スネーク



メリル



スネーク

メリル



スネーク



メリル

スネーク



メリル







「こんなものがあったけど?」

「とっておこう。記念にな」

「何の記念? 任務成功の? それとも、私達の出会い?」

「新しい生き方を知った事のだ」

「ん?」

「俺は今まで自分の為だけに生きてきた。死にたくはないっていう、生存  本能が俺の人生の動機だった」

「みんなそうよ。あなただけじゃないわ」

「死への恐怖の中でしか、生きる意味を見出せなかった」

「いや――、俺の遺伝子にそう記されていたのかもしれない」


「今はどうなの? あなたの未来は? どう書かれているの?」


「人の為に生きるのもいいかもしれない」

「人の為に生きる?」


「そうだ、君の為に生きる……それが本当の生きる事かもしれない」


「さあて、スネークどこへ?」

「デイビッドだ。俺の名前は」


「デイブ、どこへ行きましょう?」



スネーク

メリル

スネーク

メリル

スネーク



スネーク



メリル

スネーク

スネーク



メリル



スネーク

スネーク



スネーク

スネーク

スネーク



スネーク



メリル



スネーク




「そうだな…、俺達の――新しい道を見つけよう」

「あたらしい道?」

「新しい目的……」

「見つかる?」

「見つかるとも」


「見つけるとも……」


「あれは?」

「カリブーだ。ここではカリブーは生のシンボルなんだ」

「ここももうすぐ春だ」


「私達も……」


「そうだ…。生きる物全てに春は来る」

「希望を持つことだ」


「ここに住んで長いが……」

「アラスカがこんなに美しく見えた事はない」

「空も……海も……カリブーも……そして……」


「君も」


「素敵ね。生きるって」


「さあ! 人生を楽しもう!」








スネーク


オタコン

スネーク

スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン

オタコン

オタコン


スネーク

オタコン

オタコン

スネーク

オタコン

オタコン





「俺はいままで自分の為だけに生きてきた。死にたくはないっていう、生  存本能が俺の人生の動機だった」

「みんなそうだよ。君だけじゃない」

「死への恐怖の中でしか生きる意味を見出せなかった」

「いや、俺の遺伝子にそう記されていたのかもしれない」


「今はどうなんだい?」

「人生を楽しみたい。素直にそう思う。オタコンはどうなんだ?」

「僕かい? ……なんだか、すっきりした」

「これからどうする? また研究を続けるのか?」

「科学やテクノロジーもいいけど……やっぱり、人間に興味がわいた」

「そうか……」

「僕が科学や研究に逃避したのは、人付き合いが苦手だったから」

「……人が恐かった、 生命 いのち が恐かったんだ」


「理解できなかったんだ。論理的に説明できなかったからね」

「でも、僕でも人を好きになる事ができたんだ。恐がる必要なんてないん  だ」

「俺もお前も同じようなもんだな……」

「ウルフじゃないけど、僕はもう、傍観するのはやめる」

「僕は自分の足で歩いていく。自分を隠すのもやめる」

「姿を隠すのもやめろよ」

「ああ、そうだった……」

「これ、あげるよ」





オタコン

スネーク



オタコン

スネーク

オタコン

スネーク



オタコン

スネーク



スネーク

オタコン



スネーク

オタコン

スネーク

オタコン

スネーク



スネーク





「……さあ、彼女達ともお別れだ」

「……」


「僕が運転しようか?」

「いや、遠慮しておく。 身体 からだ が持たない……」


「そうかい。スネーク何処へ?」

「俺の名前はデイビッドだ。オタコン?」


「僕はハルだよ。デイブ?」

「そうだったな、ハル……ハルに、デイブか、これは笑える」


「木星へも行けそうなコンビだ」

「デイブ、何処へ行こうか?」


「そうだな、新しい道を見つけよう」

「あたらしい道?」

「新しい目的……」

「見つかる?」

「見つかるとも……」


「見つけるとも……」
























































ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ

ナオミ






「運命に縛られてはいけない」

「遺伝子に支配されてはいけない」

「生き方を選ぶのは私達なのよ」

「重要なのは」

「あなたが選ぶ事」

「そして…」

「生きる事」





オセロット

オセロット

オセロット

オセロット

オセロット

オセロット

オセロット

オセロット

オセロット


オセロット

オセロット

オセロット

オセロット

オセロット



「はい、全員死亡しました……」

「あの二人は生存しています」

運び屋 ベクター の方はもうすぐ FОXDIE フォックスダイ が、はい……そうです」


「はい、模擬核弾頭演習のデータは私が回収しました」

「ええ……、誰も私の正体に気づいてはおりません」

「はい、正体を知る DARPA ダーパ 局長は始末しました」


「はい…」

「結局は劣性が勝った事になります」

「そうです。リキッドは最後まで自分が劣性だと思い込んでいたようで  す」

「ええ、そうですね。世界を引き継ぐ者は劣性でも優性でもありません」

「ええ、あなたが3人目、ソリダスである事もつかんでいません」

「あの女は、どうします?」

「はい、監視を続けます」

「はい、ありがとうございます。大統領」



【無線機使い方】

キャンベル


キャンベル


キャンベル


キャンベル


キャンベル


キャンベル


【危険、回避モード説明】

キャンベル


キャンベル


キャンベル


キャンベル


ナオミ


ナオミ


キャンベル




「よく連絡してくれたな、スネーク。念のために無線機の操作説明をして  おこう」

「スネークから送信する時は、無線ボタンを押してくれ。無線機モードに  入る」

「無線機モードに入ったら、方向キーの左右で周波数を合わるんだ。それ  から方向キーの上かアクションボタンを押せば、その周波数で通信をす  る事ができる」

「無線機には一度会話した相手の周波数を記憶しておく機能もついてい  る。無線機画面で方向キーの下を押せば、メモリーウインドウが開く」

「メモリーウインドウの中には、記憶された周波数のリストが表示され  る。通信したい周波数を選択して、アクションボタンを押すだけで、そ  の数で周波通信をする事が出来るぞ」

「メモリーウインドウから通常の無線機モードに戻りたい場合は、ホフク  ボタンを押せ」


「万が一見つかってしまったら、敵は一斉に君を攻撃してくる。その状態  が危険モードだ」

「そうなったら、危険を脱する方法は二つしかない。追いかけてくる敵を  すべて倒すか、一定時間逃げきるか、だ」

「どれだけの時間逃げればいいかは、画面右上を見ればいい。レーダー部  分にカウントダウンされていく数字が表示されているはずだ」

「その数字が0になるまで、君が逃げきる事ができたら、敵は攻撃をや  め、回避モードになる」

「回避モードになったからといって気を抜かないで。敵はまだあなたを探  しまわっているわ。見つからないようにうまく隠れて」

「レーダー部分に表示されている数字が ゼロ になるまで発見されなければ、  敵は自分の持ち場に戻っていく。そうなれば、ひとまず安全よ」

「とにかく敵に見つからない事を一番に考えろ。無用の戦闘は絶対に避け  てくれよ」

【格闘戦の説明】



キャンベル


キャンベル


キャンベル


キャンベル


【O2ゲージ】

キャンベル




キャンベル

【イントルードモード】

キャンベル




キャンベル


ナオミ

キャンベル


【ビハインドモード】

キャンベル




「君はまだ武器を手に入れていない。戦闘になったら素手で切り抜けるし  かないぞ」

「いいか、スネーク。素手で敵と戦う場合の基本はパンチだ。アクション  ボタンを押せ。連打すれば 連続技 コンボ で敵を吹き飛ばす事が出来るぞ」

「武器を装備していない場合のみ、敵に接近して方向キーを押しながら武  器ボタンで投げ技が使える。パンチよりも大きなダメージを与える事が  出来るぞ」

「方向キーを押さずに武器ボタンを押した場合、絞め技になる。一時相手  を気絶させる事ができるぞ。そのまま絞め続ければ、相手を倒す事も出  来る。活殺自在だ。うまく使うんだぞ」


「水中やガスをまかれた状況では O2 オー・ツー ゲージが表示される。   O2 オー・ツー ゲージ一回の息継ぎに相当する」


O2 オー・ツー ゲージが ゼロ になると続いて、 LIFE ライフ が減るぞ。注意するんだ」



「スネーク、狭い所に入り込んだ時は、自動的にイントルードモードにな  る。方向キーの上で前進、下で後退、左右はそれぞれの方向を向く」


「敵の様子を伺いつつ、身を隠しながら進むんだ。絶対に見つかるんじゃ  ないぞ」

「イントルードモードでは、攻撃をすることは出来ないの。注意して」

「敵に追われている状態でイントルードモードに逃げ込んでも、手榴弾で  追いうちを食らうぞ」


「スネーク。物陰の角に張り付くと、自分は隠れながら背後の様子を覗き  見る事ができる。それがビハインドモードだ。これを利用して敵の隙を  伺い、発見されないように進むんだ」



ナオミ


スネーク

ナオミ

スネーク

【主観左右ステップの説明】

キャンベル


スネーク

ナオミ


【ホフク説明】

キャンベル


キャンベル

【主観でアイテムボックスを見る】

キャンベル


【敵兵を盾にする説明】

キャンベル



「ビハインドモードではアクションボタンを押せば、壁を叩いて物音を立  てることができる」

「敵をだまして、おびきよせることもできるな」

「騙すのはお得意なんでしょ」

「美人相手でなければ、その甲斐もないがな」


「スネーク、主観モードの時に武器クイック切替ボタンを押すと右、アイ  テムクイック切替ボタンを押すと左に、一歩ステップすることができ  る」

「物陰からさっと体を出して、先の様子を伺うことができるわけか」

「ええ。でも物陰から出てる間は当然見つかりやすくなるわ。だから敵が  迫ってきたらボタンを離してすぐに物陰に戻る事を忘れないで」


「スネーク、ホフクは狭い所にもぐりこむ時には便利だが、自分から攻撃  することはできなくなる。気をつけろ」

「立ち上がりたくなったら、もう一度ホフクボタンを押せばいい」


「アイテムボックスを見つけたら、取る前に近寄って主観で見てみるとい  い。ボックスの中に何が入っているか表示されるぞ」


「敵の首を絞めると、手を離さなければ、そのままひきずって移動する事  ができる。つまり、敵を自分の盾にする事も可能だ」



【煙草喫煙状態】



ナオミ

スネーク

ナオミ


ナオミ


ナオミ


スネーク

【ダンボール入手】

キャンベル

スネーク

キャンベル


【扉の前】



キャンベル




キャンベル





「(軽蔑)煙草を吸ってるの?」

「ああ。それが?」

「ねぇ知ってる? 煙草に含まれる化学物質、 多環式芳香族炭化水素 ベンゾピレン は肺  ガンと深く関わっているのよ」

多環式芳香族炭化水素 ベンゾピレン は体内に取り込まれると   ベンゾピレンジオールエポキシド BPDE に変化して、肺ガンの原因といわれて  いるP53遺伝子に結合する事が知られているわ」

ベンゾピレンジオールエポキシド BPDE が  P53の特定の3カ所に結合して突然変異をおこす事が肺ガンの原因と  されているの」

「化学式を理解しても煙草の良さはわからんよ」


「ほう、ダンボール箱を見つけたか!」

「ああ、懐かしいだろう」

「らしくなってきたな、スネーク。いつものようにそれで敵をあざむくん  だ」



「スネーク、その扉はセキュリティシステムで保護されている。  セキュリティ・カードが無ければ開ける事は出来ないぞ」


「扉はカードを装備すれば開けられる。しかしカードのセキュリティレベ  ルが扉のレベル以上でなければ開かないから注意してくれ」



【ことわざ 序盤編】



メイ・リン


メイ・リン


スネーク

メイ・リン


スネーク


メイ・リン



メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン



メイ・リン

メイ・リン





「中国にはね、『 匹夫 ひっぷ ゆう 、一人に敵するものなり』っていうコトワザが  あるの。無闇に戦いを求める愚か者の勇気は、一人の敵を相手にするの  が精いっぱいって意味よ」

「スネークはたった一人で敵の中に潜入してるんだから、やたらと戦闘を  仕掛けたりしないで、慎重に行動してね」

「わかってる。…コトワザに詳しいみたいだな、君は」

「私、生まれも育ちもアメリカだけど、国籍は中国、広東省なの。母国の  文化には興味があっていろいろ勉強したわ。これからもいろいろなコト  ワザ、教えてあげるね」

「それはありがたい。だが、それよりも君の事をもっと知りたいな、  俺は」

「そのうち、ね」


「『 高飛 こうひ の鳥も美食に死す。 深泉 しんせん うお 芳餌 ほうじ に死す』って格言があるわ」


「高い所を飛んでいる鳥も、美味しそうなエサをとりに降りて来た所を殺  されてしまう。深い泉の底に住んでいる魚も、おいしそうなエサに引っ  かかって、釣り上げられてしまう」

「高潔な人でも欲をかいたら失敗しちゃうってことの例えよ。スネークも  アイテムにつられて無理しちゃダメよ」


「中国では『欲多ければ すなわ せい やぶ る』って言うことがあるの」


「欲をかくと、体を傷めることになるっていう意味よ」

「アイテムを取るのに欲張りすぎると、怪我をするわ。気をつけてね」


「『 わざわ いをまぬがるるを とおと ぶ』って、知ってる?」


「知恵の貴い所は、わざわいをまぬがれるという点にあるって意味よ。ス  ネークも知恵を絞って敵や罠から逃げてね」



メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン


【中盤の注意】



メイ・リン

メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン



「『迷う者は みち を問わず、溺るる者はあさせを問わず』って聞いたことあ  る?」

「道に迷うのは、人に道を尋ねないからで、おぼれてしまうのは浅瀬がど  こにあるか聞かないからだって意味なの。自分を過信して他人の意見を  聞かないと失敗するってことね」

「スネークも困った事とかわからない事があったらキャンベルさんやみん  なに話を聞いてみて。せっかく無線機があるんだから、ね?」


「中国では『 おおかみ おお ければ人を食らい、人多ければ おおかみ を食らう』って言う  こともあるの」

「要するに数の少ない方は、多い方に絶対かなわないって意味よ。スネー  ク、敵に見つからないようにね」


「『 小心 しょうしん 大過 たいか なし』っていうコトワザがあるわ」


「慎重にやれば、大きな間違いをすることはないって意味よ。ゲームにな  れてきても、絶対に慎重さは忘れないでね」



「『可を見て進み、難を知りて 退 しりぞ く』って知ってる?」


「進めそうな時に進んで、危なそうな時には撤退するのがいいって意味。  その場その場で適切な判断をしてね」


「中国には『溺れ死ぬのは泳げるもの』って言葉もあるわ」

「泳ぎの上手な人こそ、かえって油断して溺れてしまうっていう例えよ。  そろそろゲームにも慣れたでしょうけど、油断はしないでね」


「『 一心 いっしん 二用 によう する あた わず』って聞いた事ある?」


「一つしかない心を同時に二ヶ所に使うことはできないっていう意味よ。  あなたは、何か他のことしながらゲームしたりしてないよね?」



メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン



メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン




メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン


「中国の格言に『 一日 いちじつ 快活なるは千年に あた る』っていうのがあるわ」


「一日を愉快に過ごせたなら、それは千年の楽しみにも相当するっていう  ような意味よ」

「とにかく、ゲームする暇があるってのは幸せな事だもん。遊べる時には  目一杯遊んどこ?」


「『 こころ 遠ければ おの ずから へん なり』ってコトワザがあるわ」


「心が一般社会から遠ざかっていると、自然と住むところは辺鄙なところ  になるってこと」

「…スネークがアラスカに住んでたのも、そういうことなのかな…?」


「『飢えても 腐鼠 ふそ ついば まず、 かっ しても 盗泉 とうせん を飲まず』っていうコトワザも  中国にはあるわ」

「お腹が減っても腐った鼠を食べたりはせず、のどが渇いても、盗泉って  いう泉は名前が悪いから、そこの水は飲まないって意味。人格が高潔な  ことの例えよ」

「……って言ってみても、スネークの装備は全部現地調達だもんね。そん  なこと言ってらんないか」


「『 変動 へんどう つね 無し、敵に って 転化 てんか す』って聞いたことがあるわ」


「相手の動きによって、臨機応変でいこうって意味らしいけど。スネーク  の任務にはホントぴったりの言葉ね」


「『 こころざし おこた るべからず、 とき は失うべからず』っていうコトワザも中国には  あるわ」

「意志をなおざりにしてはダメだし、チャンスも逃しちゃいけないってい  う意味よ」

「スネークには言うまでもないことだったかな?」

【終盤の注意】



メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン



メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン



「『天に したが う者は そん し、天に さか らう者は ほろ ぶ』っていうコトワザがある  の」

「自然の道理に従っている者は存在できるけど、逆らう者は滅亡してしま  うっていう意味よ。スネーク、あなたは正しいことをしていると思う。  私、信じてるわ。だから…がんばって」


「中国では『 めい を知るものは、 まど わず』って言うことがあるわ」


「天命を知っているものは、自分がすべき事をわかっているから、戸惑う  ことがない。あれこれ迷うのは天命を理解していない者だって意味よ」

「あなたの任務が天命かどうか、私わからないけど…スネーク、自分を信  じて!」


「中国の格言に『 戦陣 せんじん あいだ には 詐欺 さぎ いと わず』っていうのがあるわ」


「戦いは、勝つ事だけが目的だから、相手を騙す策略も厭わないって  意味……」

「スネークも……生き延びるためなら、なんでもするの?」


「『 こころざし 有る者は こと ついに成るなり』っていう言葉もあるわ」


「強い意志でものごとを進めるなら、途中でいろいろ困難なことがあって  も、最後には目標を達成できるっていうことなの」

「だからスネーク、気持ちを強く持って。……負けないでね」



メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン



メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

【風邪引き状態】



メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン




メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン


「『 春秋 しゅんじゅう に義戦なし。彼、 れより きは、 すなわ れあり』」


「戦争には善いも悪い無くって、ただこの戦争よりこっちの戦争がましっ  ていう程度の差があるだけだ、って意味なの」

「スネーク……あなたの戦いには価値があるの?」


「スネーク、『 得難 えがた くして失い やす き者は、 とき なり』って言うわ」


「時間は簡単に失われてしまうって意味よ」

「核の発射までもう時間がないわ。急いで、スネーク!」



「『病に六の 不治 ふち あり、 を信じて、医を信ぜず』って聞いた事ある?」


「病気には六つの治らないことがあって、その一つは 巫女 みこ を信じてお医者  さんを信用しないことだって意味なの。ちゃんと治療しないと病気は治  らないわ」

「スネーク、風邪引いてるんでしょ。さすがにそこじゃ病院にはいけない  と思うけど、ちゃんと薬くらいは飲んでおいた方がいいわよ」


「中国には『風は 百病 ひゃくへい ちょう なり。 変化 へんか に至りて すなわ 他病 たへい を為すなり』  って言葉もあるわ」

「風邪はあらゆる病気のもとで、風邪が変化して初めて別の病気になるっ  て意味」

「風邪引いてるんなら、薬かなんか飲んで、しっかり治さなきゃダメよ」

【レイブン、マンティス死後一回目のみ】

メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン


【ウルフ、忍者死後一回目のみ】

メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン

【拷問監禁状態】

メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン


「中国にはね、『鳥の まさ に死なんとするや、 の鳴くや かな し。人の まさ に死  なんとするや の言うや し』っていう言葉があるの」

「鳥が死ぬ時の泣き声はとても悲しげで、人が死ぬときに残す言葉はとて  も素晴らしい。死に瀕した人の言う事は誠実で聞く価値があるって意味  よ」

「私、あの人が嘘を言っているとは思わないな。信じてみてもいいんじゃ  ない、スネーク?」


「……『 好死 こうし 悪活 あっかつ かず』ってコトワザがあるわ」


「カッコよく死ぬより、カッコ悪くても生きてる方がいいっていう意味な  の」

「……私もそう思うわ。死んじゃったら、もう何も楽しい事なんてないも  の。死にたいとか思う気持ち、私にはわからない……」

「……スネークは必ず生きて戻ってね。……約束よ」


「中国ではね、『 こころざし は気の すい なり。気は たい じゅう なり』っていうこともある  の」

「志が気を支配していて、気は体中にみちているものだってこと。意志を  しっかり持っていれば、気力が満ちてくるっていう意味よ」

「今……大変だと思うけど、気持ちをしっかりもって。くじけないでね」



【二回目の会話】

メイ・リン

スネーク


メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

【戦車格納庫に入ったら】

メイ・リン

スネーク

スネーク

メイ・リン

スネーク


【序盤社長救出後】

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン


スネーク



「どう、スネーク? レーダーの見方にはもう慣れた?」

「ああ。大分な。(感心)しかし、良くできたシステムだ。地形だけじゃ  なく敵の動きまで把握できる」

「(得意)便利でしょ。あなたの行動も全部手に取るようにわかるのよ」

「なんでもお見通しか」

「(冗談ぽく)私をお嫁さんにした旦那さんは浮気できない」

「24時間空からの監視つきか。地獄だな…」

「安心でしょ? 道に迷う事はないもの」


「データだけじゃなく、武器も送信できたらいいのにね」

「それは便利だ。今の俺は盗人と同じだからな……」

「部屋に忍び込んでは何かを物色し、敵を倒すとポケットを探る……」

「仕方ないわよ」

「どうやら、目についた物は片っ端からポケットに仕舞い込んでしまう癖  ができてしまったみたいだ」


「ねぇ、闘うってどんな気持ち?」

「……どうして?」

「私、格闘ゲーム、好きなの」

「ゲーム?」

「そう、格闘ゲーム。この仕事してから、人が殺し合うのを見てきた。モ  ニター画面や、バースト通信を通してだけど」

「いい仕事じゃないな」

「よくわからないの。ここで傍聴(モニター)してると、ゲームみたいな  の。そう、格闘ゲームなんかと同じ」

「これはゲームではない。やり直しは効かない」

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク


【オタコン救出後】

スネーク

メイ・リン

メイ・リン

スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン

【メイ・リンの動機2】

スネーク


メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン


スネーク

メイ・リン

スネーク

「ごめんなさい」

「楽しいものじゃない。格好よくもない」

「スネーク、ゲームじゃないのよね。やり直しは効かないのよね?」

「この作戦が終われば普通の学生に戻る事だ。ゲームを心から楽しめるよ  うな普通の女の子になるがいい」


「君はどうして今の仕事を?」

「私、本当は戦闘機乗り……パイロットになりたかったの」

「映画を見てあこがれたのよ」

「…よくある話だ」

「でも戦闘機で人を殺したくはなかった。それで、空軍でもBDA、爆撃  効果判定報告という仕事があることを知ったの」

「破壊した攻撃目標を確認する為の作戦だ」

「ええ、それで空撮やら、 電子情報収集 ELINT の研究に協力し始めたの。私の専  門分野だったし……」

「しかし、 爆撃効果判定 BDA 報告専用のパイロットなんていないだろ」


「そう。気がついてみたら、今の分野のエキスパートになっていたわ」


「メイ・リン、君はパイロットになりたかったって、言ってたな。適性は  あったのか?」

「私、目がよくないの。これ、コンタクト」

「それで適性テストに合格しなかったのか?」

「おかしいでしょ。もう複葉機の時代じゃないのにね」

「…それはそうだ。音速の何倍ものスピードで飛ぶこの時代にな」

「そうよ。肉眼なんて役にたたないわ。もっと信頼の置ける電子の目が必  要なの」

「それで、君はレーダーの開発に?」

「そういう意味あいもあったわね。レーダーが人の目や判断力のサポート  をしてくれるじゃないかって」

「君の開発したレーダーは真実が見えるのか?」

「解釈しだいね。真実を見極める事が難しい」

「それは現実と同じだ」


【中盤】

メイ・リン

スネーク


メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク

メイ・リン

スネーク


「私との思い出も 記録 セーブ しといてね」


「思い出は、君の自慢のシステムでも記録できない。デジタルに変換さ  れ、バーストした時には消去されている」

「大丈夫。私のシステムは一言一句逃さないわ」

「思い出は言葉や映像じゃない。活字でいうところの行間にあるものだ」

「わからないわ。デジタルで出来ないことなんてない」

「じゃあ、俺が今思っている事を 記録 セーブ できるか?」


「そんなの 記録 セーブ できないわ。言葉にしないと……」


「そうだ。それが思い出だ」

「わからないわ……」

「いくら情報収集技術が進もうと、人の心を傍受はできない」

「いつか、できるわ」

「それにはまず人の気持ちを理解する事が先だ。メイ・リン」

「理解、どうしたらいいの?」

「誰かを好きになる事だ」

【ハインド撃墜後】



メイ・リン


メイ・リン


メイ・リン

【ナオミに注意されても煙草すってる場合】

メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン



「ねぇ、知ってる? 『君と遠く あい 知らば、 雲海 うんかい の深きを わず』ってい  う昔の中国の詞があるの」

「遠く離れていても、心がつながってるから遠い気がしない、っていうこ  と……」

「(恥ずかしくなって慌てる)あっ別に深い意味はないのよ。うん……」


「ああっ! スネーク、煙草吸ってるの?」

「(難詰)煙草は体に悪いのよ。ナオミさんも言ってたじゃない。  『 ただ 善人のみ 尽言 じんげん を受く』ってとこかしら?」

「注意されて行いを直せるような立派な人は少ないって感じの意味よ」





【ゲーム序盤から中盤、明るめ】

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

【ボスと交戦中など、緊迫した場面の場合】

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

【ゲーム後半、深刻な場面の場合】



メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン



【ゲーム序盤から中盤、明るめ】

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン




「何か用? スネーク」

「なぁに? スネーク」

「スネーク、呼んだ?」

「スネーク、どうしたの?」


「(緊迫)スネーク、大丈夫?」

「(緊迫)無事なの? スネーク!?」

「(心配)平気? スネーク?」

「(心配)スネーク……」



「(暗め)何、スネーク?」

「(同情)スネーク、何か私に出来る事ある?」

「(心配から安堵)スネーク、無事だったのね……」

「(暗め)呼んだ? スネーク?」



「じゃあね。スネーク」

「スネーク、がんばってね」

「スネーク、無理しないでね」

「(すねる)もう。用も無いのに呼ばないでよ」

【ボスと交戦中など、緊迫した場面の場合】

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン

【ゲーム後半、深刻な場面の場合】



メイ・リン

メイ・リン

メイ・リン


メイ・リン





【サプレッサー入手】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


【ソーコム入手】

ナスターシャ

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ

ナスターシャ



「(励ます)スネーク、負けないでね!」

「(励ます)がんばって、スネーク!」

「(励ます)スネーク! 勝って!!」

「(心底心配)スネーク、死なないで……!」

「(心底心配)くじけないで、スネーク……」



「(心配)スネーク、あきらめないで」

「(心配、祈るように)生きてかえってきてね、スネーク……」

「(テロリストが核を発射する刻限まで)スネーク、もう時間がないわ。  急いで!」

「(心配、祈るように)スネーク、がんばってね……」




「ソーコムピストル専用のサプレッサーを手に入れたな。それを装備すれ  ば発砲しても敵に気付かれる恐れはなくなる」

「そのサプレッサーは、多層隔壁(チェンバー)で発射ガスの速度を減速  して発射音と発射炎を減少させるタイプだ」

「装着後も、スライド上のオリジナルサイトで照準が可能なように細めに  設計されている。装着前と同じ感覚で扱えるはずだ」


「制式特殊部隊用 拳銃 ハンドガン SOCOM ソーコム ピストルを手に入れたようだな」


「口径は、ストッピング・パワーを重視した45口径。フレーム下面には  夜間戦闘用 レーザー・エイミング・モジュール LAM を装着している」

「武器ボタンを押しっぱなしにすればレーザー・ポインターで敵に照準を  合わせる事が出来る」

「専用のサプレッサーを手に入れれば、それも装着可能だ」

「特殊作戦のために開発された戦闘ピストルだからな。今回の潜入任務に  は役に立つと思う。重くて多少扱いにくい銃だが、君なら充分使いこな  せるはずだ」

【煙草共通1回目のセリフ】

ナスターシャ


【スタン・グレネード入手】

ナスターシャ


ナスターシャ


【チャフ入手】

ナスターシャ


ナスターシャ

ナスターシャ


【地雷探知機入手】

ナスターシャ


ナスターシャ


【ダンボール箱入手】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ

スネーク


「核兵器や原子炉、産業廃棄物……。我々は常にプルトニウム等の放射能  の危険にさらされている。それと比べれば 紫煙 タバコ による害なんて問題にな  らない。違うか?」


「それはスタン・グレネードだな。人質解放作戦などでよく使用される特  殊閃光音響弾だ。『フラッシュ・バン』『サウンド・アンド・フラッ  シュ・グレネード』などとも呼ばれる」

「凄まじい閃光と爆音を発生させて、敵の方向感覚、思考能力を奪う事が  できる。殺傷能力はないが敵は数秒意識を失う。有効に使え」


「それはチャフだ。細かい金属片をばらまく特殊手榴弾で、電子装置を撹  乱する事が出来る」

「電子装置を装備した機械には有効だろう」

「しかし当然だが、攻撃されてからチャフを散布したのでは遅い。攻撃を  受ける可能性のある場所では、前もってチャフを散布しておく必要性が  あるぞ」


「それは地雷探知機だ。金属を探知するタイプだな。ステルス迷彩で姿を  消したクレイモア地雷でも発見できる」

「発見した地雷の座標がレーダーに投影されるように設定されているはず  だから、地雷探知機を装備しただけで、レーダーに地雷の位置が表示さ  れるようになる。有効に使え」


「ああ、ダンボール箱か。ダンボールは 板紙 ライナー に波形の段をつけた中芯を張  り合わせたものだ。主にクラフト紙や古紙を原料としている」

「発明されたのは、100年ほど前のヨーロッパだ。元々は帽子の汗取り  に使われていたようだ」

「同量の木材で木箱の6~7倍のダンボールを作る事ができ、リサイクル  も可能なので経済性も高い。おまけに丈夫で格納性も高いので、荷物の  梱包に広く使われている」

「だが兵器のような精密機器を運ぶ時には、輸送中の故障が起こらないよ  うに、木箱などの頑丈な箱に詰めた上で、すき間におがくずやポリエチ  レンの充填物を詰めるべきだな」

「……で、それがどうかしたのか?」

「……いや、いいんだ」

【グレネード入手】

ナスターシャ


【C4爆薬入手】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


【ファマス入手】

ナスターシャ


ナスターシャ


【クレイモア入手】

ナスターシャ

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ



手榴弾 グレネード を手に入れたか。信管を抜いてから、5秒で爆発する。この5秒  の使い方で幾通りもの戦闘方法が引き出せるはずだ。これをどう使うか  は君次第だぞ、スネーク」


「C4爆薬だな。高性能爆薬に樹脂などの可塑剤を加えた粘土状の軍用プ  ラスチック爆弾だ」

「ダイナマイトの1.4倍以上の爆速・破壊力があるにも関わらず、安定  性が高く扱いやすい。点火装置を使わない限り、火の中にいれても爆発  しないくらいだ」

「今回は無線式の発火装置を使うんだろう? その発火装置はスクランブ  ラを備えている。無線電波の影響による誤作動の危険は無いから安心し  ていい」

「しかしわかっていると思うが、発火は充分距離を置いてから、行わない  と危険だぞ。あと、爆音がすれば当然敵に気付かれる。注意しろ」


FAーMAS ファマス を手に入れたか。 FAーMAS ファマス はブルパップ式のアサルト  ライフルで、故障が少なく低温にも強い、信頼できる銃だ」

「連射速度は毎分900~1000発。フルオート掃射をすると、25発  の弾倉は数秒で空になってしまう。気をつけろよ」


「クレイモア地雷を手に入れたのか」

「クレイモアは従来の地雷とは違い、地中に埋設するのではなく、地上に  設置して敵を殺傷する武器だ」

「爆発と同時に直径1.2ミリの鋼鉄球を700個、60度の角度でまき  散らす」

「通常のクレイモアはワイヤーと爆破用信管を使うが、そのクレイモアは  新型でステルス迷彩が施された上に敵の接近を察知するセンサーが取り  付けられている」

【PSG1入手】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


【防弾チョッキ】

ナスターシャ


ナスターシャ


【リモコンミサイル】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ

ナスターシャ


【スティンガー】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ



「PSG1を手にしたようだな。PSG1はもっとも高性能な  スナイパー・ライフルの一つだ」

「100メートル先にある約2.5センチ四方の黒点を確実に射抜く精度  を持っている」

「通常のスナイパー・ライフルと違ってボルトアクションではなく、セミ  オートを採用し、高い連射性能を実現しているのが特徴だ」

「狙撃時は手ブレに注意しろ。遠距離の狙撃では、わずかな手ブレも着弾  時には数十センチ単位のズレになるからな」


「防弾ベストを見つけたな。それを装備すれば、銃弾によるダメージをか  なり防げるはずだ」

「だが防弾ベストは、中枢器官を通常弾薬から守ることが目的だ。直撃し  た拳銃弾をストップさせるだけで、着弾の衝撃は防げない。過信はする  なよ」


「それはリモコンミサイルだな。ニキータ・ミサイルとも呼ばれる偵察用  の小型ミサイルだ」

「発射後、弾頭に搭載した小型CCDカメラの映像を見ながら自由に飛行  方向を制御できる」

「ただし、ミサイルの燃料には限りがある。ゲージに注意しろよ」

「主観ボタンを押せば、ミサイルからのモニター映像を見る事もできる。  有効に使ってくれ」


「スティンガーを手に入れたな。  スティンガーは携帯用の 地対空ミサイル SAM だ」

「熱源追尾装置が装備されていて、ロックオン中、ミサイルは目標を自動  追尾する。ロックオンするには目標を照準に捉えるだけでいい」

「アフガニスタンではアフガンゲリラにアメリカから供給され、ソ連のパ  イロットに恐れられた。この兵器の採用により、ソ連側は戦法を考え直  さなければならなくなった程だ」

「ちなみに、私の好きなモダンホラーにスティンガーというのがある。好  きなカクテルもスティンガー、私はスティンガーに縁がある」

【ガスマスク】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


【暗視ゴーグル】

ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


【サーマル・ゴーグル】

ナスターシャ


ナスターシャ

【風邪薬】

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【精神安定剤】

ナスターシャ


【ロープ】

ナスターシャ


ナスターシャ

ナスターシャ



「ガスマスクを手に入れたか。そのガスマスクは二眼レンズ式だ。透明  シールド式のものと違って視野が狭いから気をつけろ」

「レンズは二重。外側は強化プラスチック、内側はアセテート繊維製で、  曇り止め加工もされている。マスクを外さずに水分を補給でき、  ボイス・エミッターも装備している」

「そのマスクがあれば、ガスの中でも長い時間持ちこたえられるはずだ。  有効に使え」


「暗視ゴーグルを手に入れたな。暗視ゴーグルは特別なレンズを使ってい  るのではなく、光を電気的に増幅するものだ。光を電気信号に換えて、  増幅して映像化している」

「増幅率は10万倍。星明りでも500メートル先まで真昼のように見え  るはずだ。だが増幅すべき光が全く存在しない闇の中では、意味が無  い」

「暗視ゴーグルを長時間使用すると、目を痛めるかもしれん。使いすぎに  は気をつけろ」


「サーマル・ゴーグルは、熱源の分布を画像にするものだ。光ではなく熱  をイメージ化するものだから完全な暗闇でも有効だし、たとえステルス  迷彩でも視覚化できる」

「だが目が疲れるから、使いすぎには注意しろ」


「風邪薬? それは見たまま風邪薬だろう?」


「精神安定剤? スナイパー・ウルフが手ブレの防止に使っていると聞い  た事があるな。君も使ってみるといい」


「ロープ? 最低、直径12ミリ以上、軽量で切れにくいものであれば、  ラペリングにも使えるはずだ。ああ、麻製ではないだろうな?」

「いや。ナイロン繊維が織り込んであるようだ」

「それならいい。麻は濡れると柔軟性がなくなるからラペリングには不向  きなんだ。大丈夫。そのロープなら充分使用に耐えられるはずだ」



【狙撃について】



ナスターシャ

ナスターシャ




ナスターシャ




ナスターシャ


ナスターシャ



ナスターシャ




ナスターシャ

ナスターシャ

ナスターシャ


スネーク

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ナスターシャ


ナスターシャ





伏せ撃ち姿勢 ブローン・ポジション で発射するんだ」


「メタル製二脚で地面に固定できればいいが、ない場合はしっかりと脇を  閉め顎で固定して、スコープ内のクロス・ヘアの 十字線 レティクル で標的を捉え  る」


「通常、300メートルの距離であれば狙撃できる。私の知人には520  メートルの超長距離からでも狙撃に成功した人物がいるがな」


「スナイパーに必要なのは長期間アンブッシュできうる強靭な精神力、忍  耐力、そして時には数日も身動きせずに体勢を維持できる肉体」

「だが一番必要なのは『ひたすら待つ』ことができることだ」


「手の震えによる、わずかな銃口のズレでも60メートル先の着弾点では  数十センチにもなる。集中して、息を止め、揺れを無くすよう努力する  んだ」


「ライフルスコープは 照準合わせ サイト・イン が大切なんだ」


照準合わせ サイト・イン がズレていると実際の着弾点に狂いがでる」


「本当はサイトがズレているかもしれないから、試射した方がいい。試射  をして、着弾点がズレている場合は、目測で狙点を修正しながら撃てば  いい」

「大丈夫。この銃はスナイパー・ウルフが調整していた奴だ」

「そうか、それなら、あまりサイトに触れないようにな」


「長距離狙撃では、気温は誤差の原因となる。気温が一度違えば、  約400メートルで1センチ程度の誤差が出るんだ」

「同様に気圧も精度に影響を与える。だから、照準の調整は実際に狙撃を  行う場所の条件に合わせて行う必要があるんだ」



ナスターシャ


ナスターシャ

【核兵器保存施設について】





ナスターシャ


スネーク

ナスターシャ


ナスターシャ


スネーク


ナスターシャ


スネーク



ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ



ナスターシャ



「マグナス効果というのを知っているか?通常、ライフル弾は右回りに回  転しているので、右にそれる。この銃弾の回転による影響をマグナス効  果と呼ぶんだ」

「照準調整の際にはこのマグナス効果も考慮にいれなければならない」




「そのシャドー・モセス島の核兵器廃棄所は今世紀初頭に作られた。廃棄  核弾頭を一時保存しておくためだけにな」

「なぜ? 廃棄されたのならばさっさと解体してしまえばいいだろう?」

「それができないんだ。解体した核弾頭から出る核物質。それを保存して  おくための核物質貯蔵施設が収容能力を超えてしまっているせいでな」

「かといって第二次戦略兵器削減条約、START2を推進する手前、核  弾頭の廃棄をやめるわけにもいかない…」

「そこで一時しのぎのために、この孤島に核兵器廃棄所が作られたという  わけか」

「軍縮で核の脅威は遠のいたとおもわれているが…逆に今回のように、廃  棄核兵器や核物質を使ったテロが起こる危険性も大きくなっているん  だ」

「皮肉……だな」


「1993年1月3日に調印された 第二次戦略兵器削減条約 START2 で米露双方の  戦略核弾頭の配備数が最大3500発に削減されたんだ」

「中でも 個別誘導複数目標弾頭 MIRV 化された 大陸間弾道弾 ICBM は全廃されることに  なった」

「結果として15000発以上の核弾頭が廃棄されることになったんだ」


「廃棄された核弾頭はパンテックスなどの解体工場で解体されるんだが、  その処理能力には限界がある。核兵器削減計画にあわせて全ての核弾頭  を処理しきるのは不可能だった」



ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


【DARPA局長後】





ナスターシャ


スネーク

ナスターシャ

スネーク

ナスターシャ


スネーク


ナスターシャ


スネーク

ナスターシャ


スネーク



ナスターシャ


ナスターシャ



「軍縮で200トン以上のプルトニウムと1000トンの高濃縮ウランが  核兵器から取り出される」

「その上、各地の原子炉からも使用済み核燃料が溢れ出し続けている。ア  メリカ全土の核物質は2005年には5万トンに及ぶという試算すらあ  る」

「核物質貯蔵庫の貯蔵量は既に限界に達しているんだ。そのために、核兵  器廃棄所が必要になったというわけだ」




「新型メタルギアの演習が行われていた。DARPA局長はそう言ったん  だな」

「ああ」

「なんてことだ……」

「(少し意外)知っているのか?メタルギアを?」

「噂程度、だがな。山岳部、砂漠、湿地帯……場所を選ばず迅速かつ正確  な核攻撃を可能にする核搭載歩行戦車……。こいつについては君の方が  詳しいだろう?」

「まぁな……DARPA局長の言っていた   PAL パル というのは?」

「核ミサイルに取り付けられている暗号入力式の安全装置だ。核を発射す  るには起爆コードを入力しなければならないんだ」

「局長の話では、二つの起爆コードの内一つは奴等に知られたらしい」

「もう一つの起爆コード……もしそれもテロリストに知られていた  ら……」

「ああ。ベイカー社長の救出を急がなければ……」


「PALはPermissiveActionLinkの略だ。核ミサイルに施された安全制御  システムで、特殊な電子暗号を入力しない限り発射は出来ないように  なっている」

「だがテロリストが起爆コードを手に入れているとすると……勿論、核攻  撃を防ぐ手だてにはならない」



スネーク


ナスターシャ


スネーク


ナスターシャ




ナスターシャ

ナスターシャ

ナスターシャ


ナスターシャ

スネーク

スネーク



ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ


ナスターシャ



「テロリストが起爆コードを入力せずに、 PAL パル システムを破壊して核弾  頭の安全装置を無効にする恐れは?」

「それはないはずだ。破壊活動で撹乱電波などの妨害を受けた場合にも自  動的に核弾頭を破壊するように設計されている」

「奴等が起爆コードか、起爆コード緊急解除用の鍵を手にしない限りは安  全というわけか……」

「油断するな。あらゆるシステムは常に誤作動の可能性を秘めている。安  心などありえない」


「メタルギアについては、私もごくわずかのことしか知らない」

「1995年アウター・ヘブン。1999年ザンジバーランド……」

「共に第三国の武装軍事政権だった。国際社会に軍事的政治的地位を確立  するための切り札として密かにメタルギア開発を進めていたが……」

「どちらも、ソリッド・スネーク……。君に破壊された」

「……」

「昔の話だ……」


「ICBM(大陸間弾道弾)を発射する核サイロは、常に軍事衛星などに  よる監視にさらされている」

「SLBM(潜水艦発射弾道弾)を発射する潜水艦は隠密行動こそ可能だ  が、当然、射出ポイントは海上に限られる」

「長距離戦略爆撃機搭載のALBM(空中発射弾道弾)は、作戦の自由度  こそあるものの確実性が無さ過ぎる……」

「メタルギアはこれらの問題を解決するために開発された。あらゆる地表  面を自由に移動し、単独で核攻撃を行う兵器……」

「世界の核戦略地図は大幅に書き変わる。軍事バランスも崩壊する。  ……世界を変える、恐るべき兵器だ」



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【社長の話関係核拡散、核抑止、】





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「メタルギア開発再開の裏には、形式上軍縮を進めながらも、軍事的優位  を確保していこうという政府内の保守派勢力の目論見が見えるな……」

「SLCM(潜水艦発射巡航ミサイル)のゼロ・オプションが締結され、  潜水艦に対する公海上での抜打ち査察が認められるようになった。潜水  艦の戦略的意義は多きく後退することになる」

「だが全く新しい移動型核発射システムであるメタルギアならば、各種の  査察を潜り抜けることができるし、核削減条約にも抵触しないはずだ」




「ベイカー社長の言っていた通り、現代は小国でも核兵器を手にする事が  出来る時代だ。核兵器製造に必要な要素は、核物質、核技術者、製造技  術の三つ」

「それらは合法、非合法に関わらず、全て容易に手にする事が出来る。あ  る程度の資金があれば、な」


「全世界には50万人もの核開発専門家がいると言われているが、冷戦終  結後の軍縮で、核保有国内の核開発の需要は減っている」

「特に旧東側では、研究の場を失った彼等を国内に引き止めておくだけの  地位を提供できないのが、現状だ。結果として年に何人もの頭脳が流出  している」


「ベイカー社長の言った通り、核物質貯蔵庫によっては、 マフ MUF の発生が頻  繁なのも事実だ」

「MaterialUnaccountedFor、核物質不明量。在庫 確認の際に未検認と  なって、行方不明とされた核物質の量だ。そのまま闇市場に流出して  いる可能性もある」


「ソ連崩壊後、核施設の管理体制は日増しに悪化している。90年代後半  には百発近い携帯核爆弾が行方不明になった、という話もある」

「真相はいまだ不明だが、それらが各地のテロリストに渡っている可能性  もある…」



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DARPA ダーパ 局長もベイカー社長も、いまだに『強いアメリカ』の理想を  追っている人物のようだな。かなりの核抑止論者だ」

「『やられたら、やりかえせ』という方針を実践する事で『やったら、や  られる』という現実を作り出し、敵も自分も恐怖で縛り上げるのが抑止  論だ」

「つまり、抑止論を成り立たせているのは報復攻撃への恐怖に他ならな  い。メタルギアは彼らにとって、抑止論に現実味を持たせるための手段  だったのだろうか……」


「保守派は、核を保有している他国が存在する限り、その脅威に対する抑  止が必要だとして、核の廃絶を拒否する」

「新しい核保有国が誕生する可能性に対してすら、抑止の必要性を唱え  る。抑止論が有効と見なされているうちは、核廃絶は不可能だろう  な……」


「抑止論が妥当性を持ち得てきた背景には、それを生み出した冷戦時代の  世界対立の構図があった」

「東西両陣営の明確なイデオロギーの対立が、核軍拡に拍車をかけ、弾み  のついた軍拡がイデオロギー対立を助長する…。時代はそうやって回転  し、抑止論は世界を形作った」

「だが時代は変わった」

「冷戦構造が解体し、突発的な地域紛争が続発する現代の複雑な情勢下で  は、もはや抑止は力を持ち得ない」

「現在の安全保障上の懸案である地域紛争の多くは、民族的宗教的対立に  根差している」

「そういった場合では、しばしば非理性的な意思決定が行われるのが現実  だ。報復攻撃を考慮せず、恐怖にしり込みしない相手に核抑止は意味を  持たない」

「現代では、核抑止はもはや有効な戦略ではないんだ」

【解体核、核物質】





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スネーク

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「スネーク、そこが廃棄された核弾頭を保存しているエリアだ」

「ここにあるのが全て核弾頭なのか?」

「そうだ。だが起爆装置は外してあるはずだ」

「核爆発で基地ごと吹っ飛ばされる心配は、ないんだな」

「ああ。だが弾頭が破損すると、中から核物質が漏れ出る可能性がある。  火器の使用は絶対に避けろ」


「核兵器には核分裂物質として、プルトニウムが用いられている」

「プルトニウムの同位体のだす放射線の多くはアルファ線だ。電離作用は  大きいが、飛程(ひてい)が小さいから容器に入っているならば、被曝  の恐れはない」

「だがプルトニウムは、呼吸や摂食によっていったん体内に入ると、骨や  肝臓、生殖腺に定着して、排出される事は半永久的にない」

「つまり一生被曝し続ける事になるんだ。100万分の1グラムがガンを  起こすこともある」

「だから核弾頭からプルトニウムが漏れ出すと大変だ。そのエリアでは絶  対に武器は使うな」


「プルトニウムを分解する微生物の開発が遺伝子操作で進められている  が、今のところ、実用化の 目処 メド はたっていない」

「プルトニウム版バイオ・レメディエーションってわけか?」

「処理ではなく、再利用は? 解体核プルトニウムの民生利用もすすんで  いるはずだ」

「一時は国際協力の気配があったが結局は査察の問題で積み残しになって  いるのが実状だ」


「STARTで大量の解体核プルトニウムが生まれる。その環境破壊、軍  事転用を防ぐのは、冷戦後世界の最大の課題だ」

「原子炉での燃焼、ガラス固化処理、いろいろな方法が取り沙汰された  が、本当に有効な処理法はまだ確立されていないのが現状だ」



【仮想実験、TMD、反核など】





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「オタコンが言っていた仮想核実験…。核爆発を起こさずに新型核兵器を  開発するなんてことは、本当に可能なのか?」

「可能だ。今世紀初頭に完成したX線核分裂撮影施設ダート、レーザー核  融合実験施設ニフ…核分裂・核融合に関するデータはふんだんに採取で  きる」

「それに、これまで蓄積してきた核爆発の実験データもある。現在のスー  パーコンピュータの計算能力ならば、シミュレーションだけで十分新型  核兵器の設計は可能だ」


「仮想核実験のデータ収集のために未臨界実験も行われる。実験場の地下  施設で高性能火薬を爆発させて、衝撃波をプルトニウムに当て、それが  与える影響を計測する実験だ」

「爆発のショックでプルトニウム表面から飛び出す粒子を計測する事で、  プルトニウム粒子の質量、速度、分布などがわかる」

「『核爆発を起こさない核実験は核実験ではない』として、地上地下問わ  ずあらゆる核実験を禁止した 包括的核実験禁止条約 CTBT にも抵触しない、と  政府は主張している」

「だが、それに対する批判も大きい」


「1997年7月2日にネバダ核実験場で、第一回の未臨界実験があっ  た。それ以降未臨界実験はアメリカだけでなく、ロシア等でも頻繁に行  われている」

「貯蔵核兵器の安全性と信頼性の維持が目的の実験だと喧伝されている  が、それは名目にすぎない」

「核兵器が爆発する危険性は製造後時間が経つほど減るとされている。実  験の本当の目的が新型核兵器の開発にあるのは明らかだ」

「それに収集したデータが仮想核実験に流用される事は政府も認めてい  る」



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「しかし、エメリッヒ博士のお祖父さんがマンハッタン計画に関わってい  たとは、意外だったな」

「マンハッタン計画は、第二次大戦中の核兵器開発プロジェクトだ。  20億ドルもの予算を投じ、一流の科学者と技術者述べ12万人を動員  して進められた」

「その成果は1945年7月アラモゴードでのプルトニウム爆弾実験トリ  ニティー、そしてヒロシマ、ナガサキだ」

「これ以降、科学者は己の研究が人為的な大量殺戮に貢献しうるという事  実から目をそらすことはできなくなった」

「計画のリーダー、J・ロバート・オッペンハイマーは  『科学者は罪を知った』という言葉を残したそうだ」


「メタルギアをTMDシステムだと思って開発していたとは、エメリッヒ  博士というのは随分とおめでたい人物のようだな」

「Theater Missile Defense、戦域ミサイル防衛」

「冷戦終結と共に、脅威と見なされなくなった旧ソ連からのICBMのか  わりに、第三世界からの弾道弾を迎撃対象とした防衛システムだ」

「TMDは 戦域高高度広域防衛 THAAD などによる大気圏外での迎撃と、パトリ  オットなどを使った大気圏内での迎撃を組み合わせて運用される」

「エメリッヒ博士はメタルギアを、下層迎撃用の移動ミサイルユニットだ  と考えていたんだろうな」


弾道弾迎撃ミサイル制限 ABM 条約を形骸化する、としてTMDに難色を示す  勢力は、ロシアだけでなく、米国内にもある」

「だが弾道弾に対する防衛力を制限する事で、 相互確証破壊戦略 MAD を維持  し、核抑止を存続させるABM制限条約自体が冷戦時代の遺物であり、  修正か破棄すべきだという論議もある」

「様々な議論を起こしながら、それでもTMDが推進されてきたのは、ポ  スト冷戦時代における数少ない新規市場開拓のチャンスを逃せない防衛  産業からの圧力があったからだ」

【START、核削減】





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「そうか。テロリストの設定したタイムリミットが   第三次戦略兵器削減条約 START3 の調印をにらんでのものだったとはな……」

「START3ではSTART2の発効後戦略核弾頭の配備数を、米露双  方で2000~2500発にまで削減することになっている」

「現大統領は今まで取りたてて大きな成果をあげていないからな。任期終  了まで後わずかだ。歴史に名を残すには、START3の調印を済ませ  るしかない。大統領も必死だろう」

「(吐き捨てるように)くだらん」

「彼や彼の取巻きにとっては切実な問題だ」


「START3の調印はSTART2の批准承認が前提だ」

「だが、 個別誘導複数目標弾頭 MIRV はロシアの戦略兵器の主力なんだ。当然、  その全廃を求めるSTART2にロシア下院の保守派は抵抗した」

「1990年代後半からのNATO拡大に対する警戒心やTMDへの  ABM制限条約適用をめぐる綱引きもあって批准は難航したんだ」

「今回のSTART3も、明日が調印式という所までこぎつけるには、様  々な駆け引きがあった。ロシアの情勢も不安定で、実際に調印をすませ  るまでは予断を許さない」

「もし新型核開発の事実が明るみに出るようなことがあれば、全てが水の  泡になるのは目にみえている」

「テロリストは、その事情を全て把握した上でつけこんできている。  リキッド・スネークという男、確かに頭がいいな……」


「START3が調印されれば、確かに核削減は行われる。だが依然、ア  メリカ・ロシア両国だけで4000~5000発の戦略核弾頭が配備さ  れつづけるんだ」

「この地上に地球の全生態系を何回も破壊しつくして余りある核兵器が即  時発射可能な体制で存在していく事実に変わりはない。核削減と核廃絶  の間には、大きな溝があるんだ」



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【核拡散、IAEA、NPT】





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「1990年代後半から、START3に関する交渉は行われていた」

「ロシア大統領がSTART3以上の大規模な核削減を打ち出そうとした  事もあったが、そういう時はむしろアメリカ側の方が、慎重な態度を  とった」

「大幅すぎる核軍縮は地上最後の超大国としてのアメリカの国際的地位に  影響するからだ」

「(吐き捨てるように)核兵器という最強の軍事力の削減は、当事国の軍  事的政治的利益を損なう形で進められることはない、ということだ」


「戦略核兵器に関しては削減の努力がされているが、現在も戦術核に関す  る制限条約は存在しない。軍縮が進んでいるように見えても、核の脅威  がなくなったわけではないんだ」


「未だ核の時代は終わっていない。一国でも核保有をつづける国がある限  りは核の脅威は消えはしない」




「核保有のレベルが現状から下がらなければ、核兵器がテロリストの手に  渡る可能性も高くなる。……今回のようにな」

「通常兵力や化学兵器の攻撃に対しては核兵器で報復しない『コア抑止』  を実現し、戦略核兵器の数を米露合計1000発以下にしようという論  議もあったが、実現はしなかった」

「アメリカ側に最後の軍事超大国としての優位を捨てることを渋る勢力が  あったためだ」


「冷戦が終結した事によって、確かに世界規模の核戦争の危険は減った。  だが核兵器が使われる危険は冷戦時代より逆に大きくなっているんだ」

「現在、世界各地で地域紛争や内戦が続発している。民族や宗教に根差す  紛争では、しばしば理性的でない意思決定がなされるものだ」

「そのような状況下では、一般市民への被害、その後の国際社会からの批  判等の問題が考慮されずに核攻撃が決断される恐れは大きい。核抑止も  効果はないだろう」

「それに、戦略核と違い戦術核は末端の司令官に使用の判断が任せられる  事がある。内戦のような混乱の中では、核が乱用される恐れは充分あ  る」

「核拡散が進む限り、危険は日を追う毎に大きくなっていくんだ…」




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「核抑止政策が核廃絶への潮流をせき止めた。核兵器の違法性を作り上げ  る法的基盤を破壊してきた」

「核抑止政策という、極めて政治的で軍事的な政策が、司法的な核廃絶の  法律を生むことを阻害している」


「冷戦時代から、イギリス、フランス、中国は核保有を公にしている。核  保有国はアメリカとロシア2ヶ国だけではない」

「さらに21世紀に入ってからアフリカ、中東、南米、アジアの各国で  次々に核兵器が確認されている」

「核は着実に拡散している。抜け穴だらけの 核拡散防止条約 NPT  ー 国際原子力機関 IAEA 体制を改良できなかった20世紀のツケを21世紀の  民衆が背負うことになったんだ」


国際原子力機関 IAEA は、原子力の平和利用を監視し、核物質の軍事転用を査  察するために、1957年に設立された」

「だが、IAEAはすすんで査察を受けようという国にしか査察を行う事  ができない。おまけに日時は対象国の希望を受け入れざるを得ず、抜き  打ち検査は行えない」

「その上、査察を受ける側は、査察官の国籍を指定することさえ出来る。  1970年代後半、イラクはブルガリアとロシアの査察官しか国内に入  る事を許さなかったという事実もある」

「条約違反をした国に対し制裁を加える権限もない」

「実際、イラクがIAEAに加盟しながら極秘裏に核兵器開発を行ってい  た事実が明らかになったのは、湾岸戦争後の査察によってだった」

「残念ながら、IAEAは核拡散を能動的に食い止める事のできる組織で  はなかった、ということだ」



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【核廃棄物関係】





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核不拡散条約 NPT は、アメリカ、ソ連、フランス、イギリス、中国の五つの  核保有国以外が核武装することを防ぐため1970年に発効した」

「非核保有国は条約に加盟すると、原子力を平和利用するための援助を受  ける事ができる」

「しかし、その代償として原子力の軍事転用を禁止され、それを検証する  ためのIAEAによる査察が義務化されるんだ」

「だが結局、NPTも核の拡散を防ぐことはできなかった」

「条約違反に対して制裁を加える手段を備えていなかった事や、民生用原  子力技術の提供が核兵器の製造技術の供与にもなってしまった事などが  問題としてあげられている」




「地下整備基地一階に流れているのは、おそらく放射能汚染された排水  だ。近付かない方がいいだろう。被曝すると危険だ。そのエリアにいる  だけでもかなりの被曝量になるはず」

「その施設に核処理施設はない。おそらく廃棄核弾頭の他にも、使用済み  核燃料等の核廃棄物の保管を引き受けていて、それが漏れ出しているん  だろうな……」


「原子炉で燃料が使用されれば、必ず廃棄物として毒性の高い人工的放射  性元素が混じった使用済み燃料が生まれる」

「使用済み燃料は約300年間、発熱しながら放射能を放出し続ける。つ  まり向こう三世紀もの間、危険物質であり続けるということだ」


「核廃棄物は特殊容器に密閉して、地下水脈の少ない岩塩層などに埋設す  れば安全と考えられていた時期もあった」

「だが現在では、その安全性には問題があることがわかっている。しか  し、核廃棄物の有効な処理法は未だ存在していない」

「ほとんどの核廃棄物は、処理するあてもないままにただ地上で貯蔵され  ているというのが実状なんだ」



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「核廃棄物は、再処理し低濃縮ウランと混ぜて混合酸化物燃料 MOX モックス に加  工した上で、軽水炉で燃やすという利用法もあるにはある」

「だが、 MOX モックス は低濃縮ウランよりも早く原子炉を汚染する。毒性も強  い。さらに MOX モックス は、ウランの価格が予測の少なくとも四倍以上に高騰  しなければ経済的に見合うことはない」

「その上、処理工場から原子炉までの輸送中の危険性は、決して無視でき  ない。事故による放射能汚染、盗難による核拡散……。 MOX モックス への加工  は有効な処理法とは言えない」


「核廃棄物には、一つだけ有効な利用法がある」

「軍事転用だ。化学的な再処理を行うことで廃棄物中のプルトニウムを分  離する事が出来る」

「核兵器には、通常、軍事用原子炉で生成された、プルトニウム239の  含有率が93%~94%を超える核兵器用プルトニウムが用いられる」

「一方、原子炉級と呼ばれる使用済み燃料中のプルトニウムの中には、プ  ルトニウム239は60%程度しか含まれていない」

「だがこれは使用済み燃料が軍事転用不可能であるという事を意味するわ  けではない」

「アメリカは実際に原子炉級プルトニウムを使った核兵器の実験に成功し  ている」

「あらゆる組成のプルトニウムは、核兵器への軍事転用が可能なんだ」


「使用済み核燃料は劣化ウラン弾に転用される事もある。劣化ウラン弾  は、劣化ウラン合金を使用した対戦車装甲用貫通弾だ」

「比重が重く貫通効果が高い上に、貫通後に自然発火することから、タン  グステンのような他の重金属合金使用の貫通弾よりも10%も優れた性  能を実現できる」

「だが、燃焼して二酸化ウランとなった微粒子を体内に吸引すると、深刻  な腎臓障害を引き起こすことが知られているんだ」

「湾岸戦争ではイラク兵だけでなく、誤射などの事故で多くのアメリカ兵  も被曝した事実がある」

「米政府や民間団体による医療調査も行われたが、結局ガンの発生や次世  代への影響についての因果関係は明らかにされなかった」

「この放射能汚染が湾岸戦争症候群、ガルフ・ウォー・シンドロームの原  因であるという説もささやかれたが、今になっても真相は明らかにされ  ていない……」



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【その他】



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「毒性が強く半減期が長いアメリシウム、ネプツニウムなどのマイナーア  クチノイドを加速器や高速中性子炉で短半減期核種に変換する技術も研  究中だ」

「消滅処理と呼ばれる処理法だが、技術的・経済的に課題が多く、実用化  の 目処 メド はいまだたっていない」

「核廃棄物の処理法は、いまだに確立されていないんだ」



「通常兵器と大量虐殺兵器の違いは明確だ」

「通常兵器が軍隊に向けて使用されるのに対し、核兵器は一般市民に対し  て使用され、罪もない何百万人という人々が死ぬ事になる」

「核兵器を不道徳な存在にしている要因は、そこにある」


「未来を予測する唯一の方法は過去の不実、つまり歴史を思い起こすこと  だ。ヒロシマやナガサキの事は忘れてはならない」


「核兵器の強大な破壊力、殺傷力は空間や時間を超えて被害をもたらす。  人類のみならず、地球上の全生態系を破壊する力を持っている」


「兵器が開発されれば、必ず使われる時が来る。そうなれば、この世界は  終わりだ。ヒロシマの事実を見ろ。『使われる事がない』とは、決して  言えない」

「存在する限り、使用される危険性は拭えない」

【その他、戦争に関する話】



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「軍事兵器の開発にかかる膨大な費用は当然、国民が払っている。使われ  ないとわかっている兵器を開発する為に国民の生活は逼迫していく」


「冷戦終結による対立構造の崩壊、緊張と抑圧の緩和が、技術や部品、そ  して兵器そのものの流失をひき起こしている」

「もはや経済大国=(イコール)軍事大国ではない。経済的に弱い国でも  軍事力を容易に手にできるようになっている」


「現在、ロシアなどでは科学者や軍隊に充分な給料がはらわれていない。  その為に、彼等は売れる武器、情報を売らざるを得ない」

「結果としてNBC兵器を始めとするロシア製兵器が後進国やテロリスト  に流れ、世界の軍事情勢は混沌としている」

「こんなに軍事バランスの悪い時代はなかった」


「NATO拡大を踏まえた軍事ドクトリンには地域紛争が大規模紛争に発  展する脅威がある場合は核の先制使用ができるという項目が含められて  いる」

「NATO拡大に対して、ロシアは今もなお、『核の力』を誇示している  んだ。老朽化し経済的に疲弊した通常兵力を補うために」

【その他、特別な話】



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「核抑止政策が取られ続ける限り、核弾頭の数は減ったとしても、廃絶は  されないだろう…」

「だが、世界に必要なのは核の削減ではない。廃絶だ」

「私は以前、 国防省情報局 DIA にいた。ペンタゴンに入ったのは、核廃絶を実  現するには内部から核抑止の無効性を訴えていくしかないと、考えたか  らだった」

「どうして、そこまで?」

「……放射線被曝は残酷で悲惨なものだ……。私はそれをよく知ってい  る」

「……よく知っているんだ……」

「?」

「私が生まれ育ったのはウクライナ、プリピャチ市だ。  1986年、4月26日。当時、私は10歳だった」

「まさか?」

「……チェルノブイリ原子力発電所が炉心融解を起こした時、私はそこか  ら北に三キロの所に住んでいた……」

「……」

「プリピャチ市からは、60万~70万の人が疎開した。65万の子供が  健康をそこない、86年~93年の間にその内の12000人が亡く  なった……」

「除染作業をしていた私の両親も……数年後に放射線障害で亡くなった」

「核兵器は、これ以上の惨劇を人為的に引き起こすんだ。しかも被害を受  けるのは一般市民と自然環境…。私たちはこの地上から核を廃絶しなけ  ればならない」

「次の世代に、あんな思いをさせてはならない」



【屋外での注意】



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「極寒の地では音がよく伝わる。 拳銃 ハンドガン を使うなら、サプレッサーを装備し  ろ」


「摂氏零下30度から40度になると、アイスフォッグが出る。空気中の  水分が氷結したものだ。キラキラとして一見、きれいだが視界は悪くな  る。注意しろ」


「イギリスの詩人で、ノーベル賞も受けたキプリングは、『北緯65度を  超えたらそこはもう神の加護も人間の掟も及ばない』と書いている。そ  こで生きのびるには神などに頼らず、他人もあてにしない強い精神力が  必要だ」


「極地では体温の70%がむき出しの頭部から失われると言われている。  適切な帽子を被れ」

「帽子は好かない……バンダナでいいか?」

「ないよりはましだとは思うが……」


「極寒の地では汗をかいたらすぐに下着を着替えなければならない。愚図  愚図していると体温を失い、肺炎にかかったりするからな。フロ上がり  のプレイはさける事だ」


「極地では脱水状態を起こしやすい。水分補給は重要だ。だが雪で乾きを  癒そうなどとは考えるな。胃袋が冷やされて、体温が下がるからだ。雪  をとかして湯にしてから飲め」


「冷たい食べ物、飲み物は厳禁だ。体温との温度差が生じて、体内に吸収  する際に体力を消耗するからな。極地での基本だ」

【暗闇について】



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【戦士の心得】



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「暗闇を見るときは、いきなり暗いところを見詰めるな。明るいところか  ら、暗いところへ目を慣らしながら見るんだ」

「そうすれば徐々に目が慣れて暗闇を見る事ができる。暗闇でのプレイも  避けた方がいい」


「闇の中での戦いは嗅覚と聴覚が頼りだ。目に頼らず、耳をすませ。空気  の淀み、流れから敵の位置と攻撃を、全身で感じ取るんだ」


「暗闇は恐怖を助長する。冷静になることだ」


「暗視ゴーグルをかけていると光が何百倍にも増幅されるので、閃光や爆  発を見ると網膜が焼きついてしまう。視力が戻るまでしばらく時間がか  るぞ」



「思い出にふける時じゃない。今は考える時だ。考えるのが一つの脱出路  になる。難しく考えすぎて行き詰まったら、単純化して考えろ。キャン  ベルあたりに相談するのも手だ」


「実戦で鍛えられた兵士はいつでもどこでも仮眠を取るコツを身につけて  いるものだ。VRシミュレータでの訓練しか、経験していない連中との  大きな差だな」

「長時間プレイした後は仮眠をとるべきだ」


「午前3時前後は人間の精神活動が最も鈍くなる時刻。人間の判断も鈍  る。今、睡魔の中でいるのなら、仮眠をとったらどうだ」


「排便排尿をコントロールする事も大切だ。いつ長いデモが、はじまるか  わからん。どうしてもモニターの前から離れられない時にも、対応でき  るようにしておくことだ」


「戦闘中は腹八分目くらいが最適だ。満腹状態では頭の回転も鈍るし、眠  くもなる。食後はたっぷり30分は休息をとってからプレイするとい  い」



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「攻撃を受けてうろたえる人間は専門用語で『的』といわれる」


「軍用の携帯食料はカロリーが優先している。その為に、ビタミンやミネ  ラルなど栄養補給食品を併用するのがいい」


「実際に戦場を体験し、生きのびてきた人間には危機に関しての独特の嗅  覚が備わっているものだ。戦士としての、ゲーマーとしてのカンを信じ  ろ」


「戦場ではわずかな時間が勝敗を大きく左右する。決断をためらうな。行  動が遅れれば遅れるほど勝算は低くなるものと思え」


「戦場で危険を察知するカンは、訓練で備わるものではない。実戦を生き  抜き数々の修羅場をくぐり抜けてはじめて、修得できるものだ」


「身を隠すには敵の探しそうなポイントは避けるべきだ。常に敵の身に  なって考えウラをかけ。頭の善し悪しではない。常に頭をフル回転さ  せて、考えろ。頭を使って行動するんだ」


「敵は分散させ、一人ずつ攻撃しろ。古典的だが極めて有効な戦術だ」


「決断を早くしろ。わずかの逡巡が死という結末を生むのが戦場だ」


近接戦闘 CQB の基本は、自分の逃げ道を確保するように効率良く敵を倒すこ  とだ」


「安易に銃を使うな。自分の両手足で窮地を脱することができるならば、  それにこした事はない。それが無理な時に初めて銃を抜け」


「戦場で慌てる奴は殺される。常に次の行動を決定しつつ動くんだ」



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「隠れる場所をよく考えろ。完璧に姿を隠せても、任務を遂行することが  できない場所では意味がない」


「戦況にあわせて常に最適の武器を判断しろ。効果のない武器を使い続け  るのは、弾の無駄使いだけでなく、自分の命を危険にさらす」


「マガジンの最後に曳光弾を詰めておくのは、マガジンチェンジのタイミ  ングを計るためのテクニックの一つだ」


「敵の立場で作戦を考えるんだ。敵の司令官になったつもりで、作戦を検  討しろ。マップ・デザイナーの気持ちになれば、おのずと道はひらけ  る」


「希望を失ったら最後だ。希望が無くなったと思いこんだ瞬間に、無力に  なってしまう。絶望は死へとつながる」


「信じる事だ。全身全霊を込めて信じれば願いはかなう」


「戦場や極限状態では見えない物がみえたり、あるはずのない物が見えた  りする。錯覚も起こしやすい。バグか? などと疑わず、落ちついて行  動するんだ」


「これまで体験した悲惨な時代の事を思い出せ。誰でもそういう経験はあ  るはずだ。それを思えば戦場の苦難も切り抜けられる」


「戦場での達人は臨機応変に作戦展開を行えるものだ。戦術マニュアル通  りに行動すると、パターン化してしまう為に戦略が見破られてしまう」


「戦場というものは人間の残虐性を引き出す。どんな育ち方をした兵士で  も戦場に投入されれば、獣性がむき出しになる」


「最初から負け戦とわかっていても闘わなくてはいけない時がある。たと  え数パーセントでも可能性があれば、それにかけてみるんだ」



マスター




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【狙撃について】



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「戦場では予知能力が大切だ。極限状態では人間の潜在能力である第六感  がはたらく。その時は理屈ではなく、予感を重視した方がいい」


「恐怖と立ち向かい恐怖を克服するには、恐怖から逃げていてはいけな  い。自ら進んで恐怖に身を投じる事だ」


「敵がお前の弾丸によって死ぬのは仕方ないことだ。彼等も殺される危険  を覚悟してこの場にいるはず」


「アラスカの天候は変わり易く、予測するのが難しい。世界最悪の天候と  して知られている」



「狙撃に必要なものは、何よりも生まれ持ったセンスだ。これについて  は、訓練ではどうにもならない。センスの無い者はいつまでたっても上  達はしない」


「SWATの教本によれば、狙撃手が充分に神経を張りつめて、狙い続け  られる限度は15分だ。通常は15分で観測手と狙撃手が交代す  る。常に一人ないし、二人での行動だ」


「標的が静止しているようなので、訓練を積んでいれば、難しい射撃では  ないはずだ」


「スナイパー・ライフルのスコープは倍率は高いが反面、視野がかなり狭  い。敵の位置をサーチする時は、視野の広い双眼鏡を使え」



【ダンボール入手】



マスター

スネーク

マスター


スネーク




「ダンボール箱か。ザンジバーランドを思い出すな」

「アウターヘブンでも世話になった」

「工夫を凝らしてあらゆるものを最大限に活用していくのがサバイバルの  基本だ。潜入任務では特にそれが重要になる」

「ああ、忘れてはいない」